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中村正雄君 三十九條を濫用しないという
お話でありまするが、
根本君の承認を求めておること自体が三十九條の濫用だと思います。従
つてこの濫用だけ認めてもら
つて、この次から濫用しないというふうにしか
官房長官の御
答弁は受取れないわけでありますが、午前の
委員会のときに、副
長官の
提案理由の
説明と
官房長官と違
つておるという点でありますが、今
官房長官の訂正するという点は、ただ恒久的な
顧問でなくして暫定的なものである、短い期間である、こういうふうに訂正されたわけでありますけれども、これは期間が短いか長いかというだけであ
つて、副
長官の
理由とは何ら私は変
つておらないと思います。従
つて出ておりますのは、どこまでも
安本の
顧問にする、だがそれは
臨時かどうかという点につきまして違
つておるだけであ
つて、やはり
根本君の農林行政に関するところの知識経験を買
つて、
政府の
食糧政策その他の点について協力さすという点には変りはないので、私の言
つておるのは、そういう
意味の
顧問ということは、すでにもう第一回国会のときに松岡君、川上君のときにすでに例があります。そういう一省の
顧問ということは、期間が長いとか短いということを問題にして、長いからいかん、短いからよろしいという問題ではなくして、そういうことは立法と行政とを混淆するものであ
つていけない、こういうことにな
つて、参議院は全会一致で否決したわけです。又その後片山君の
外務省顧問のときにつきましても、ほかの政治情勢もありましたけれども、やはりこれは出したところで参議院はこういう意思表示をしておるからとても承認にならないであろうというので、芦田
内閣のときに片山君の
外務省顧問が取りやめに
なつたことは十分御承知だろうと思う。従
つてそういう面からい
つて、参議院としては国
会議員が一省の
顧問になるということについてはもうすでに意思表示済みでありまして、それではいけないということについては変りはないと思うのです。もう
一つ、今
官房長官が奥歯に物の挾
つたような言い方で訂正なさいましたけれども、問題は
臨時的であ
つて、例えば
ビルマにやるための肩書として必要だからや
つてくれというふうに
はつきりはおつしやらないけれども、その
意味は大体推測できるわけなんですが、そうなりますると非常に恐れますものは、今後政権を握
つている
政党が選挙対策或いはその他によりまして、国
会議員を
政府の何らかの暫定的措置、
臨時的措置で役に就けるという
一つの前例を作ることになるわけです。
根本君自体についていろいろ私はとかく言うわけではありませんが、そういう前例は参議院としては好ましくないと、こう
考えているわけなんです。而も
根本君の場合につきましては、新聞の評が正しいかどうかは別にして、午前の
委員会で
菊川君がちよつと発言をしましたように、
農林大臣としてああいうように
政府の責任を一人負わされてやめられた、何とかこれを償なわなければならんというのが大体
趣旨にな
つているように私は実は了承しておる。そういうことを今ここで参議院が承認するということになれば、恐らく今後の
政党政治の運営の面におきまして非常な惡い前例を残すという
意味におきまして、恒久的な
顧問ということであれば三十九條の
趣旨に悖るという点で反対いたしますし、又
臨時的な、
ビルマにやるためという、こういうことでありますれば、これは又今後の三十九條の運営なり或いは
政党政治の運営に非常な禍根を残すという
意味において我々はどうしても
賛成できない。これは衆議院と違
つて参議院であれば、どの会液でもこの点に
賛成できないということについては同じことじやないかと私は
考えるわけなんです。なおこれを採決するかどうかにつきましては、一応懇談会を開いて頂いてどうするかきめて行きたいと、私は運営についての
意見も併せて今述べておきたいと思います。