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1952-03-13 第13回国会 参議院 議院運営委員会 第26号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年三月十三日(木曜日)    午前十時三十五分開会   —————————————   委員の異動 本日委員松平勇雄辞任につき、その 補欠として安井謙君を議長において指 名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     川村 松助君    理事            加藤 武徳君            木村 守江君            赤木 正雄君    委員            石川 榮一君            草葉 隆圓君            團  伊能君            寺尾  豊君            安井  謙君            加賀  操君            小宮山常吉君            高橋 道男君            菊川 孝夫君            中村 正雄君            大隈 信幸君            矢嶋 三義君            堀  眞琴君            兼岩 傳一君   委員外議員            岩木 哲夫君            東   隆君            須藤 五郎君   —————————————    議長      佐藤 尚武君    副議長     三木 治朗君   —————————————   政府委員    内閣官房長官  保利  茂君    外務政務次官  石原幹市郎君    農林政務次官  野原 正勝君    経済安定本部総    裁官房長    平井冨三郎君   事務局側    事 務 総 長 近藤 英明君    参     事    (事務次長)  芥川  治君    参     事    (議事部長)  河野 義克君    参     事    (警務部長)  丹羽 寒月君    参     事    (委員部長)  宮坂 完孝君   法制局側    参     事    (第二部長)  岸田  實君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○委員辞任及び補欠選任の件 ○経済安定本部顧問任命につき本院の  議決を求めるの件 ○平和條発効記念及び憲法施行五周  年記念行事の実施に関する件   —————————————
  2. 川村松助

    委員長川村松助君) 会議を開きます。常任委員辞任及び補欠に関する件をお諮りいたします。
  3. 河野義克

    ○参事(河野義克君) 自由党から議院運営委員松平勇雄君が辞任されて、後任に安井謙君を指名して頂きたいという申出であります。
  4. 川村松助

    委員長川村松助君) 常任委員辞任及び補欠に関する件は、只今議事部長の報告しました通り承認することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 川村松助

    委員長川村松助君) 御異議なければさよう決定いたします。   —————————————
  6. 川村松助

    委員長川村松助君) 次に経済安定本部顧問任命につき本院の議決を求めるの件、各派お持ち帰りになつてつた問題であります。
  7. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 この件につきましては、この間、前の委員会の際に官房長官から提案理由説明がありまして、それに対して質疑応答を重ねましたところ、まだ本当政府真意はわからないような気がするのであります、我々の推察するところ。併し官房長官のこの間の説明通りであるということであつたならば、我々も又おのずから態度を決しなければならないと思いますが、今日は官房長官出席されておりますので、先ず官房長官から根本君を安本顧問に任命する政府真意を御説明願いたい。政府本当の肚を、説明する必要があつた説明して頂きたい、必要がなければいいのですが。官房長官、この間の副長官説明通りでよろしうございますか。
  8. 保利茂

    政府委員保利茂君) 根本龍太郎君を経済安定本部顧問に任命いたしたいという理由は、前回副長官から御説明を申上げた通りでございますが、打割つて申しますと、今日の日本食糧事情輸入食糧の面によるところが依然として相当重要な部分を占めておるわけであります。従いまして輸入食糧確保という問題は、国民食糧全体の解決の上から極めて重大である。従いまして、この外地食糧事情について政府としては十分の意見を、この根本君を顧問に任命することによつて意見を徴したい、無論それにつきましては今日まで日本食糧問題に努力し、寄與して頂いた各国に対する政府としても十分の御協力に対して謝意も表し、そうして今後の輸入食糧確保について万全を期して行きたいというようなことから、根本君を極めて短期の、臨時の、意見を求めるために短期間この安定本部顧問にして任命しますよう、この事情に即応してやつて行きたい。こういうところに真意があるわけでございます。一つ皆さんの御賛成是非お願いをいたしたい、こういうふうに思います。
  9. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 国会法の三十九條、この前の委員会でも問題になつたのでありますが、これは趣旨は、成るべく議員政府の役員、特にきめられた国務大臣官房長官政務次官というようなさような特別の職を除きましては、でき得る限り公務員を兼ねさせないのだ、これが趣旨でありまして、万止むを得ないときに限つて国会議決を経て、常任的な職ではなくて、委員であるとか顧問参與等の職に就くことができる、こういう規定であります。これは例外規定であります。而も公務員或いは政府機関の職に議員が就くということは、ややもすると政党が、これは日本でもアメリカでもそうであつたのでありますが、政権を担当した場合に公務員のこういう職を取り合う、奪い合うということの弊害を防ぐために日本でも公務員法が制定されたわけであります。その趣旨から考えましても、でき得る限りこれは兼ねないほうがいいのだ、而も與党である議員は、たびたびここで前の官房長官の岡崎君も説明されたのでありますが、我々は政府であると同時に自由党政府である。従つて自由党の意向を無視してはできないのであるということを何回も言い切つておる。政党内閣制を堅持している以上はこれは又当然だと思うのです。従つて與党議員はそう顧問に就任しなくても、常に意見も述べ、又参画できるのはこれは実質的にも当然のことだと思うのです。これは例えば野党の、この間の全権に苫米地さんを任命されたような場合、又今アメリカでも民主党の大統領が共和党のダレス氏を国務省の顧問にするというような場合には、これは特別に私は考慮の余地があると思うのでありますが、アメリカでもやつていることでありますし、食糧問題のごとき超党派的に解決しなければならん場合に、野党のその道の権威者顧問に任命して、これが解決に参画させるということも必要な場合は私はあり得ると思うのです。ところが與党の人はわざわざそういうことをしなくても当然やり得るのだ、こういうふうに考えておるわけです。これはこの前に中村君からも意見が出、我々もそういう考えを持つておるのでありますが、殊更今回根本君を安定本部顧問に任命されるというのは、巷間伝えられるところによりますというと、近日ビルマに向けて特派される。而も見方によりましては、根本君がこの前の内閣改造の際に、これはもう如何に内閣が否定されようとも、世間一般には根本君に煮湯を飲ました。どうも根本君は気の毒だというような輿論があつたわけです。その際に今度は根本君の気の毒な立場を埋合せするために何とかしようというふうに、惡用をするのであるというような誤解をさえ生ずるきらいなきにしもあらずというように私は考えられるわけです。従いましてビルマ根本君を派遣されるという場合には、成るほど前農林大臣という肩書を以てビルマ輸入米懇請或いは今日まで寄せられた好意に対する感謝の特派使節として臨時派遣されるということに対して、それをそう一々我々は口出しすべきものでありませんけれども、政府提案理由を見ますると、当分の間常任的な顧問として就任をさせるというような提案理由になつておるのですが、これを訂正されまして、本当ビルマ行つて来て、その善後処置をしてそうして解任されるというようなものである場合と、今のような提案理由でそのまま長く根本君が安定本部顧問というようなことになられる場合とでは、態度も私は変えなければならんと思うのであります。特にビルマ根本君を今度派遣するというような場合におきましても、何も安定本部顧問としてやらなくても、吉田内閣が成立以来今日まで残された一番偉大なる功績は、何といつて大臣を大量生産されたことだと私は思うのでありますが、ついでにこの際国務大臣に任命されまして、堂々と御派遣になる、そういう方法もあるだろうと思うのでありますが、そういう方法をおとりになつたらどうか、とれないものであるかどうか。この点について一つ官房長官の御意見を伺いたいと思います。
  10. 保利茂

    政府委員保利茂君) 国会法の三十九條についての菊川さんの御見解については、私も、政府としても個人としても全く同感であります。ただ今回根本君の場合につきましては、輸入食糧確保という面について全く例外的な気持から、これは輸入食糧確保の上から非常に大事なことだというのでお願いをしているわけです。それだけのことでございまして、後段のいろいろの御意見については、これは御意見の違いでありますからここでは申上げません。こうやつて頂くことが政府としては一番希望いたしていることでございますので、どうか一つ意見もございましようけれども、こういう見地からお考えの上御賛成を願いたいと存じます。
  11. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 もう一遍確認いたしますが、そうしますると輸入食糧懇請並びに今日まで食糧を送つてもらつた好意、それに対する答礼、謝礼という意味をかねて派遣するのであつて、極めて短期間で一応使命完了の上は解任するものである、こういうふうに了解してよろしうございましようか。
  12. 保利茂

    政府委員保利茂君) そういうわけでございますから、これは非常に短期間、一応の意見を聴取することによりまして解任をいたしたい。極めて臨時的短期気持でおるわけでございます。
  13. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 それでくどいようでございますが、大体お見込はどのくらいの期間ですか。
  14. 保利茂

    政府委員保利茂君) どんなに長くなりましても、一月くらいの間で済むのじやないかと思つております。
  15. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 もう一つお伺いしたいのですが、次に内閣として今問題になつておりまする講和條約未調印国日本人旅行する場合の旅券の問題でございますが、特にこの旅券を交付されない理由として発表されるところによりますると、講和條約の未調印国である地域、そうして日本人がかの地へ参つても、その身分と申しますか、その身体の安全を保障できない、その條項を適用して今旅券下付について政府のほうで研究されておるということを私たちは承わつておるのでありますが、そういたしますると、これは具体的に申しますると、モスコー国際経済会議、それから今年の五月一日の北京におけるメーデーに対して労働組合代表に対する招待状が来ておる、この二つでありますが、これらには旅券下付について、身体の安全を保障できないというので政府のほうで、外務省当局のほうで非常に苦慮されて検討されている。ところが新聞その他の情報を総合しますると、むしろモスコーよりもビルマのほうが今反乱軍、その他共産軍、国府軍等入り乱れて非常に危險だということは、これはもう申上げるまでもないことでありまして、向う共産軍一色でありますけれども、治安確保されておりまして、外国人の来たのをむやみにゲー・ぺー・ウーが殺してしまうというようなそういう非常識なことはこれはモスコーでは私はあり得ないと思います。むしろビルマのほうが危險だと思いますが、根本君の派遣につきまして、ビルマおいでになるときに、その辺の危險はもう外務省等調査されて、ビルマは安全であると、而も旅券下付見込がお立ちになつているのだろうかどうか、その点について伺いたいと思います。
  16. 保利茂

    政府委員保利茂君) 詳しい事情は私も存じませんけれども、仮に根本氏がビルマに行かれるという場合においての手続については支障ないように伺つておりますが、旅券問題については外務省で研究をせられた結果、根本君の場合については支障ない、その他の問題については今調査中であります。
  17. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 今、官房長官が仮に根本君がビルマに行かれるというふうな、仮にという言葉を使われましたが、もうビルマに行くということは、まあお礼にやることが主たる目的である場合に、又いろいろその後の食糧調査等もこれも当然だと思いますが、仮にという言葉を使われて、未だに逃げ口上を打たれるということは我々として納得できないのでありますが、さてビルマに行かれるといたしまして、このほうの振舞は、もう調査ができて大丈夫だ、ところがモスコーのほうはまだ調査ができない、危いというようなことで、非常にこれは国民に納得させるものがないと思うのであります。たとえビルマおいでになるとしたらば、これは危險な場合があつても国家のためであり、日本人食糧問題の解決のためであるというので、そういうこと等も根本君は覚悟しておいでになるだろうと思う。又一方、今度はモスコー経済会議に行く場合にでも、私は当然労働組合代表にいたしましても、大抵今まで国内において共産主義と理論的にも実践的にも鬪つて来て筋金の入つた者でありまして、仮に向う行つても赤に染まつて来るだろうというようなことは一つも心配ないし、却つて言いたい放題言つて来て、効果を挙げて帰つて来るだろうと私は非常に期待いたしておりますが、そういう意味におきまして、一方のほうは、政府のやるやつだけは簡單調査してしまつて旅券下付見込は立つ、ところが政府の今の方針にややともすると批判的立場に立つ者についてはつんぼ桟敷に上げてしまつて、海外の事情も見せないというようなことはどうかと思うのでありますが、この点について官房長官政府代表として、モスコー問題についても善処されるお考えがあるかどうか、その辺根本君の派遣と関連しているから私はお尋ねするのですが、お伺いいたします。
  18. 保利茂

    政府委員保利茂君) このビルマのほうはあなたがたのほうの何でもある、勝間田氏もビルマ行つて来られた。のみならずこういうふうに未調印状態にありましても、今日まで日本食糧について大きな寄與を頂いて来ているということはこれは私は常識だと思いますが、一方ソ連のほうには、今日までまあ足を踏入れたような者はない、私の常識ではそう思います。のみならず多数の抑留者が、その情報すら我々は聞くことができないというような状態におかれている国柄でありますから、常識としては、多少これは研究するにしましても調査にしましても、政府として愼重にやるということは当然だと思います。
  19. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 よくわかります。(「わからないよ」と呼ぶ者あり)向うとは政府が反対的な立場になつておりますから、そういう態度をとられるのはよくわかりますが、そういうふうで抑留者がまだいるとか、或いは捕虜が苦しい重労働に服させられているというような情報も入るならば、むしろそういう連中を派遣して、率直に一遍シベリヤの状態も見せてくれ、どうもまだ残つているらしいから見せてくれといつて、この機会に調査させるというような大きな気持でやるのがいいのじやないかと思うのですか、本日の議題としてこれは飛びますが、意見として今官房長官がそういう反駁をされますから申上げますが……。
  20. 須藤五郎

    委員外議員須藤五郎君) 兼岩君から前々から、国際経済会議出席させんのは向う状態がわからんし、生命の安全すらも保障されないような状態だから旅券は出さない、そういうような話、それに今度はビルマのほうには簡單旅券を下付したというので、ビルマモスコー治安状態はつきり説明してもらいたい、どちらが治安状態が惡いのか、その点いろいろ例を挙げて説明してもらいたいという申入れがあつた、その点をもつと具体的に説明をして頂きたいと思います。ここには佐藤議長も見えておりますが、佐藤さんは曾つてモスコーに大使としていらした、その頃のロシヤの状況は知つておられると思います。果して今日のソヴイエト・ロシアが外国からお客さんを招いてその人に危害を加える国であるかどうかということはわかつていらつしやると思いますし、日本の誰もが信用している点なんです。ひとりそれに口を籍りて旅券下付を拒否しようとしているのは日本政府だけであるのです。この点もつとはつきり国際的な問題もありますから、よく説明して頂きたいと思います。
  21. 保利茂

    政府委員保利茂君) その点につきましては、私は今菊川さんの御質問に対してお答えした以上のことは私にはございません。外務当局で若し私のお答えした以上の御説明ができれば、政府委員が見えておりますからお聞き取りを頂きたいと思います。
  22. 須藤五郎

    委員外議員須藤五郎君) 政府委員から伺いたいと思います(「その必要なし」「聞く必要がある、国際問題だよ」と呼ぶものあり)
  23. 石原幹市郎

    政府委員石原幹市郎君) ビルマの問題につきましては、先ほど官房長官からもお話がありましたように、すでに旅行者行つておりますし、外務当局からもいろいろな会合で先般も行つておるのでありまして、その状況はよくわかつておるのであります。ソ連の問題につきましては、只今こちらは在外公館も持つておりませんし、総司令部その他を通じましていろいろなことを調査しているのでありまして、只今まで集つておりますところでは、この問題をまだ決定するまでの段階に至つていないのであります。従いまして調査中であるということを申上げるより仕方ないと思います。
  24. 須藤五郎

    委員外議員須藤五郎君) ビルマ公館を持つているのですか、ビルマ調査はどうしてなさつたか。それから又ソ連のこれはどうしてしないでいるのか。それからもう一つ私は申上げたいと思うのですが、ビルマからはこれまで米をもらつたから、お礼を兼ねて行くのだというお話ですが、今度の国際会議は、これから日本を発展さすための会議だと思うのです。例えば今日本の紡績のほうは操短などが起つている。こういう問題を解決するためにこの国際会議というものが開かれるので、これから日本を幸福にするための会議だと思うのです。これまで米をもらつたからお礼に行く、これから日本を発展させようとする会議出席しないでいいという理由が何ら成立たないと思うのです。もう一度政府委員答弁をしてもらいたいと思います。
  25. 石原幹市郎

    政府委員石原幹市郎君) ビルマにつきましては、すでに旅行者行つておりますし、先般ビルマで行われましたエカフェの会議には外務省島津参事官行つて参つたのでありまして、よく情勢はわかつております。
  26. 須藤五郎

    委員外議員須藤五郎君) ソヴイエトに関しては日本人たち行つていないかも知れないが、世界中の人はソヴイエトにも勿論多数旅行行つている。その旅行記事つて手に入つているはずです。アメリカつて今度の国際会議出席をする、英国もたくさん行く、ほかの文明国からソヴイエトにどんどん行くのに、なぜ日本だけが危險だとか何だとかいうことに名を籍りて出席を拒否するのか、その点がはつきりわからないと思います。……答弁はどうしました……、外国人調査したソヴイエトを信用することができなくて、そうして出席を拒否するということは僕は受取れないと思います。
  27. 石原幹市郎

    政府委員石原幹市郎君) これは先ほど官房長官のおつしやいましたように、ソ連につきましては多数の抑留者があり、漁船の拿捕問題等もあり、それからまだ外交官の多数の毒ですらこちらへまだ帰つていないような状況であるのでありまして、そこで只今ソ連の現在の一般事情等につきましては、総司令部その他等をも通じましていろいろ調査をしておるのであります。それから須藤委員が今まで言われましたことに、いろいろ私のほうから申上げたいこともあるのでありますけれども、とにかく今調査をしておるということを申上げておきます。
  28. 須藤五郎

    委員外議員須藤五郎君) それでは議長を煩わして誠に恐入りますが、佐藤議長ソヴイエトにいらつしやつた頃の御感想を伺いたいと思います。ソヴイエトが果してそういうふうな野蛮国であるか、文明国であるかということを聞かせて頂きたいと思います。(「必要なし、必要なし」と呼ぶ者あり)あるよあるよ。そんなことは外交問題に対してこれから非常に問題を残すことと思うんだ、僕は。外交官の責任ある答弁を……、参考までに伺いたいと思います。
  29. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 今須藤君から私に対して御質問がありましたが、この問題は議長としてお答えする筋合ではないように思います。(「その通り」と呼ぶ者あり)要は今の官房長官の御説明並びに政府委員の御説明で以て御判断を願いたいと思います。
  30. 岩木哲夫

    委員外議員岩木哲夫君) 少し本筋に話を戻して頂きたいと思いますが、本筋でないとは言いませんけれども、お伺いいたしますことは、食糧事情が重大であるから輸入食糧確保などの意味合いなどから根本君を派遣せられるというのが目的のように承わつております。で手段として安本顧問にいたしたいということは、今一カ月ぐらいの短期間であろうという官房長官の御意見等から見ましても、手段として安本顧問に任命したい。これはまあ国会法三十九條の問題などと絡んで多少議論の問題があると思うのですが、そこで目的ビルマ食糧懇請使節といいますか、何か謝礼使節といいますか、それが目的のように思われます。そこでそれが目的であつて手段安本顧問にしたいという手段、であたかも手段のほうが多くとられて目的が軽く扱われておるということは私は本末転倒だと思う。そこで食糧懇請或いは謝礼使節というのが大目的であるならば、その大目的を活かす方法としてもつと別個の方法があるんじやないか、それからもう一つ食糧謝礼又は懇請使節ならば、あえてビルマに限つておらんので、ただビルマ当局がせめて大臣級ぐらいの者でも来たらどうだということなどが、前に勝間田君やその他の情報としてあつたので、まあそれではということだろうと私は推量されます。ところが今日本ビルマから米を買つている量は少いし、又ビルマというものはべらぼう高く政府は買つておることはわかつておるんです。そのほか仏印、今のヴエトナム、それからシヤム、それからまあイタリー、エジプト、イタリーにはこの間山添農林次官が行かれた。で、そういう工合にヴニトナムとかシヤムとかいうようなもののほうがむしろ日本食糧確保という点においては極めて重要な所であります。そこで食糧懇請並びに謝礼使節ならばなぜこの方面にもやらないのだろう。これはまあ追つてやるとこう台われるか知れませんが、問題はやはりこのほうが重点であるわけであろうと私は思うので、この点にどうも首尾一貫を欠いている。  それから私は根本君が食糧行政に通達されておるかたであるし、個人的に立派な人であるということについて何ら異存を申している筋合いではありません。敬意も払つているし非常に結構だと思いますが、ただ手段として安本顧問に使うという行き方をとらずと、むしろ前の白洲さんがアメリカ吉田総理大臣の特使として行つたような工合に、何らか国会法三十九條に抵触するというような議論の何を、ここでいろいろ議論されたことがあつて、そうした結果行かれるということは、甚だ本人もよくないし、ビルマ自体も受入れる根本さんに対して感情として芳しくないと思うので、他の方法はないかどうか。  もう一つはこれは皮肉じやありませんけれども、やはり吉田内閣が米の統制撤廃をしようという大上段に振りかざした政策をまあ表面上失敗した人なんです。それは責任を、煮湯か甘湯か知らないが、とにかく表面上失敗した人を派遣するということが、向う受入地において目的趣旨にぴつたり合うかどうかという点などを考慮しますと、私は根本君自身を攻撃しているのじやありません。立派な人だし、日頃懇意でありますし、敬意も払つておりますから反対しませんが、そういう角度から見まして、目的趣旨に少し外れているのじやないか、手段として安本顧問にしなくても、何かはかの吉田総理大臣の使節のような特派的な制度による方法はとれないのかどうか。あえて安本にしなくても農林省の顧問にするとか、それだつたらなお一層筋も立つというような点は如何なんですか、一つ官房長官に伺つておきたい。
  31. 保利茂

    政府委員保利茂君) この手段目的とをきちんとしてとか何とか言われますが、これは要しまするに外地食糧についての正確な権威ある意見を求め、それについては外地食糧の重要視される事情も究めておく必要があることは当然でございます。かたがた問題の、この非常に日本の困難な食糧事情に寄写して頂いた、今お示しのような通り、できるだけ十分日本政府真意をお伝えいたしたい。今回は多分タイ国にも同様のようなものを行かせたいと思つており、で、或いは農林省額問にしたほうがいいのじやないかと、御尤もでございますが、今日の各省設置法でございますが、農林省には顧問の制度がございませんので、ともかくも外地に関係し、外地食糧全体に関係する仕事でございますから、関係安定本部顧問になつて頂くことは今日の制度上としては止むを得ないと思います。で、こういうその肩書は要らんじやないかという御意見も御尤もでございますが、併しながら同時に政府の公式の意思を持つて行つて頂くという意味において、やはりこういう措置を講じたほうが目的を達する上から、使命を達する上からいたしましていいのではないか、こういうふうにまあ考えているのであります。
  32. 堀眞琴

    ○堀眞琴君 今日の官房長官お話によりますと、前の副長官の話と大分違つて来ているのです。副長官の場合は、常置顧問の、大臣に対していろいろその顧問的な仕事をさせるために安本顧問にするんだ。ビルマに行くのは従だという御説明つたのです。ところが今日のお話によりますと、ビルマに行くことが主であつて顧問にすることは従である。而もその顧問というのは、ビルマから帰つて来れば解任させることになるのだというお話のように承わつたのです。そうしますと、前の説明と今日の説明と違つているのじやないか、どつちが本当説明か、その点をもう一度官房長官からはつきりさして頂きたい。  それからもう一つ。三十九條はこの前もいろいろ問題になつたのですが、原則的には議員をできるだけ政府その他の行政府委員、その他に任命しないということを原則としたものだ。勿論議院内閣制ですから、議員が行政府に入ることは、これは当然なわけですけど、併しそれを無制限にしたのでは、行政府と立法府とのけじめがつかなくなる。その趣旨に基いて三十九條の規定があると思う。そういう観点から申しますと、何もこの際議員を、根本君は農林行政に非常に明るい人かも知れんし、又農業問題についての権威かも知れんが、何もこの際安本顧問にする必要はないのではないかという点が第二の問題であります。  第三の問題としては、今岩木さんもお話になりましたが、米の懇請のためにビルマに人をやるというの、だつたら、議員を特にやらなければならんという理由がどこにあるか。むしろ財界人を、或いは財界人でなくとも経済的な專門家なら私はその目的を達することができると思うのですが、そういう人をやられたほうがいいんじやないかという点が第三点として私は疑問なんです。  それから最後に、これも岩木さんがお話になつたのですが、ビルマだけが日本の米の供給国じやない。むしろビルマよりもほかの東南アジアの諸国のほうが日本に対しては米の供給を多くしているわけなんです。その方面に対してどのような措置をとられるつもりなのか。ビルマにやられるならば、当然その前に東南アジア諸国に対してこれを派遣すべきではないかというような工合考えるのですが、それについての御答弁お願いしたいと思います。
  33. 保利茂

    政府委員保利茂君) 先ほど来お答えいたしておるところに盡きるわけでございますが、無論この第一のお尋ねの副長官説明と私の説明とは違うが、どつちが本当かと、私の申上げているのが本当でございますが、と申しますことは、国会法第三十九條を濫用してはならないという先ほど菊川さんの御意見に私も同感です。併しまあ政府も国会も共にこういう人を顧問に何することはいいのだということは、多数の御意向であれば又それもとり得る措置だと思いますけれども、こういうものは濫用に陷らないようにしなければならないというような国会の意思もこれは尊重しなければなりませんから、従いましてこの場合に極めて短期顧問にいたしたいと、こういう方針でおります。  次にビルマだけじやないかということも、先ほど岩木さんにお答えいたした通り、無論そうでございますから、その他の国々に対しても十分の措置をとつて行きたい、かように考えております。
  34. 堀眞琴

    ○堀眞琴君 第一番目の問題、副長官説明官房長官説明と違つておるのですよ。その点に関してはどうなんですか。どちらが本当なんです。ビルマにやることは前には従だという説明があつて顧問にすることが主である。こういう説明であつたのですが、今日の御説明ではビルマにやるために暫定的の手段として顧問にこれを任命するのだというお話ですが、どちらが本当ですか。
  35. 保利茂

    政府委員保利茂君) それは岩木さんの御質問趣旨がそうであつて、私のお答えしておる趣旨は、外地食糧についての十分なる正確な意見を聴取いたしたいということが、この顧問任命の理由でございまして、従いましてその外地食糧の正確なる意見を徴するためには、当然外地食糧の実際の事情も究めなければならんのですから、ここに現地にも行かれる、こう申しておる次第であります。これはもう手段であつて、主がどつちだとか従がどつちだという割切つたことではないと私は思います。
  36. 堀眞琴

    ○堀眞琴君 この前は常置顧問の仕事をやらぜるのだ。帰つて来られてからも顧問としてやつてもろうのだという説明つたのです。ところが今日のお話を承わると、帰つて来れば解任をされる。どつちが本当ですか、それをお尋ねしたのです。
  37. 保利茂

    政府委員保利茂君) さつきから申上げておるので御了解できないのでしようか。
  38. 堀眞琴

    ○堀眞琴君 官房長官の言うほうが……。
  39. 保利茂

    政府委員保利茂君) 極めて短期間顧問にいたしたいということです。
  40. 堀眞琴

    ○堀眞琴君 前のやつは間違つたということになるわけですね。前の官房長官説明は間違つたのですね。
  41. 保利茂

    政府委員保利茂君) 若しそういうふうな関係なら、今日私が申上げておるところで御了解を頂きたいと思います。
  42. 中村正雄

    中村正雄君 一つは形式の問題でお尋ねをしますが、今の掘君からも言われましたこの人閣議第一二三号で根本龍太郎君を安本顧問に命ずる趣旨のものが来ております。これの理由は、先日副長官説明なされた理由が書いてある。それを中心にしまして前の委員会で質疑いたしまして、大体この大臣の御答弁があつたわけです。只今官房長官がお見えになりまして、提案理由説明につきまして補足的という意味で言われたわけでありますけれども、この書面に載つております理由と、只今これを補足せられました官房長官理由とは相当根本的には違つておる。そうしますと、一つは形式でありますが、違つております書面のほうの点ですね、訂正なさる御意思があるものと考えて、只今官房長官理由がその理由であつて、書面に載つております理由は間違いである、こういうふうに解釈していいのですか。
  43. 保利茂

    政府委員保利茂君) 無論この理由理由でございます。私の申上げておりますのは、その補足説明を申上げておるわけでございますから、こういうふうに御了解を願つておきます。
  44. 中村正雄

    中村正雄君 そういうふうになると了解しろとおつしやるほうが無理でありまして、この理由を根拠にいたしまして副長官説明なさつたことは、ビルマとか何とかいうことは全然問題ではない。安本顧問として常任としてやつてもろう、それに最も適当な人である。だから期間の設定とか或いは暫定的ということは考えておりません、制度によります顧問として永続的にやつて頂く。これが提案理由趣旨であつたと皆さん御記憶になつておいでだし、速記にも載つておると思います。ところが官房長官は、ビルマにやるが、帰つて来たら解任させます。こういうことを言つておるのである。根本的に提案理由が違つておる。従つてこれは形式論だ、了解しろとおつしやるけれども、了解させようとするほうが無理か、了解しないほうが無理か、これは常識的に官房長官おわかりと思いますので、理由が前のやつは取消して、今言つた官房長官のほうが政府提案理由があると、こういうふうに訂正なされば、別にそれを基礎にして御質問しなければならんと思いますので、僕はあらかじめその理由を確認したいと思います。
  45. 保利茂

    政府委員保利茂君) 副長官からも申上げておりますように、食糧に関する基本的施策の企画立案について有益な意見を求めるというのが目的である、こういうふうになるわけであります。その有益なる基本的施策の企画について意見を求めることが、要するに経済安定本部顧問の任務にいたすわけであります。従つてそれにつきましては食糧の関係でございますから、外地食糧の面について主として意見を求める。外地食糧の実情でございますから、当該外地の実情を究めるということが非常に必要である。こういう意味で申しておるわけでございますから、副長官説明いたしましたことが、或いは持続的、永久的というようなことであれば、その点は無論訂正をいたしますが、経済安定本部顧問というその職責については副長官から申上げておる通りで、なお足らざるところは今日私が申上げておる通りでございます。
  46. 中村正雄

    中村正雄君 今官房長官の言い訳ですか、御説明によつては、どうも僕ら頭がこんがらがつているように思いましてわかりません。従つてつて相談をしなければなりませんから暫時休憩願います。今の官房長官説明では質問方法がありません。
  47. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 中村君から休憩の動議が出ておりますが、私休憩されることに賛成します。
  48. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 一応休憩してよく懇談したらいいと思います。
  49. 川村松助

    委員長川村松助君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  50. 川村松助

    委員長川村松助君) それでは速記を始めて下さい。午後一時まで休憩いたしまして一時から再開いたします。    午前十一時三十四分休憩    —————・—————    午後一時二十五分開会
  51. 川村松助

    委員長川村松助君) 午前に引続きまして再会いたします。
  52. 保利茂

    政府委員保利茂君) 根本龍太郎君の経済安定本部顧問の任命につきましては、午前中の御質疑にお答え申上げました通り国会法三十九條の濫用に陷らざるよう、今回はできるだけ短期の、少くとも一カ月以上に亘るようなことのないように短い期間に顧問の任務を果して頂く、そういう方針を以て任命をいたしたい、かように考えております。従いまして前回副長官から御説明申上げておりまする常置というようなことで、長期に亘るというような御疑念もあつたであろうと存じますけれども、この点は只今申しましたように訂正をいたしたいと思います。それで一ついろいろの事情につきましては午前中御説明申上げました通りでございますから、御了解を仰ぎたいと思います。
  53. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 議事進行につきまして。午前中の委員会においての質疑応答只今官房長官の言明等を考慮いたしまして、この問題について討論の希望があつた場合には討論をし、それらがない場合には、満場一致で行く場合には満場一致、いろいろ異議がある場合には採決によつてきめる。こういう方向で以て議事進行を計られたいと、かように考えます。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 大隈信幸

    ○大隈信幸君 ちよつとその前に一つお伺いしたいことがありますから質問をお許し願います。  今のお話しですと、短期間臨時的に顧問としてやるというお話でありますが、今後も又短期間臨時的だと言つて、この三十九條を濫用されるというと、言葉は変ですけれども、とにかく又再びかようなことをおやりにならないということなんでしようか。それとも又そういうときにはその限りにあらずということか、その辺のことを伺つておきたいと思います。
  55. 保利茂

    政府委員保利茂君) 三十九條の濫用に陷るようなことは今後といえども絶対に避けて参りたい、かような考えておるのであります。
  56. 中村正雄

    中村正雄君 三十九條を濫用しないというお話でありまするが、根本君の承認を求めておること自体が三十九條の濫用だと思います。従つてこの濫用だけ認めてもらつて、この次から濫用しないというふうにしか官房長官の御答弁は受取れないわけでありますが、午前の委員会のときに、副長官提案理由説明官房長官と違つておるという点でありますが、今官房長官の訂正するという点は、ただ恒久的な顧問でなくして暫定的なものである、短い期間である、こういうふうに訂正されたわけでありますけれども、これは期間が短いか長いかというだけであつて、副長官理由とは何ら私は変つておらないと思います。従つて出ておりますのは、どこまでも安本顧問にする、だがそれは臨時かどうかという点につきまして違つておるだけであつて、やはり根本君の農林行政に関するところの知識経験を買つて政府食糧政策その他の点について協力さすという点には変りはないので、私の言つておるのは、そういう意味顧問ということは、すでにもう第一回国会のときに松岡君、川上君のときにすでに例があります。そういう一省の顧問ということは、期間が長いとか短いということを問題にして、長いからいかん、短いからよろしいという問題ではなくして、そういうことは立法と行政とを混淆するものであつていけない、こういうことになつて、参議院は全会一致で否決したわけです。又その後片山君の外務省顧問のときにつきましても、ほかの政治情勢もありましたけれども、やはりこれは出したところで参議院はこういう意思表示をしておるからとても承認にならないであろうというので、芦田内閣のときに片山君の外務省顧問が取りやめになつたことは十分御承知だろうと思う。従つてそういう面からいつて、参議院としては国会議員が一省の顧問になるということについてはもうすでに意思表示済みでありまして、それではいけないということについては変りはないと思うのです。もう一つ、今官房長官が奥歯に物の挾つたような言い方で訂正なさいましたけれども、問題は臨時的であつて、例えばビルマにやるための肩書として必要だからやつてくれというふうにはつきりはおつしやらないけれども、その意味は大体推測できるわけなんですが、そうなりますると非常に恐れますものは、今後政権を握つている政党が選挙対策或いはその他によりまして、国会議員を政府の何らかの暫定的措置、臨時的措置で役に就けるという一つの前例を作ることになるわけです。根本君自体についていろいろ私はとかく言うわけではありませんが、そういう前例は参議院としては好ましくないと、こう考えているわけなんです。而も根本君の場合につきましては、新聞の評が正しいかどうかは別にして、午前の委員会菊川君がちよつと発言をしましたように、農林大臣としてああいうように政府の責任を一人負わされてやめられた、何とかこれを償なわなければならんというのが大体趣旨になつているように私は実は了承しておる。そういうことを今ここで参議院が承認するということになれば、恐らく今後の政党政治の運営の面におきまして非常な惡い前例を残すという意味におきまして、恒久的な顧問ということであれば三十九條の趣旨に悖るという点で反対いたしますし、又臨時的な、ビルマにやるためという、こういうことでありますれば、これは又今後の三十九條の運営なり或いは政党政治の運営に非常な禍根を残すという意味において我々はどうしても賛成できない。これは衆議院と違つて参議院であれば、どの会液でもこの点に賛成できないということについては同じことじやないかと私は考えるわけなんです。なおこれを採決するかどうかにつきましては、一応懇談会を開いて頂いてどうするかきめて行きたいと、私は運営についての意見も併せて今述べておきたいと思います。
  57. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 私はもう今他の委員が言われたことについてはここで繰返しません。全く今の中村委員と私と同意見なんでありますが、なおそれに附加えておきたいことは、モスコーの族券を……。
  58. 中村正雄

    中村正雄君 それは関係はないよ。
  59. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 あるよ。モスコー旅券を……。
  60. 中村正雄

    中村正雄君 問題は別にせんといかん。
  61. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 発言を続けますよ。政治的な意味で妨害しておるのに、自分たちの前大臣を、より客観的に危險性の多いビルマ派遣するためにあえてここに提出して来るというのは全く厚顔無知なやり方だと思う。私はもう一つ附加えて、つまりこの旅券法十九條四項を勝手に拡大解釈したり、濫用しておる政府が、その濫用をまさに身を以て端的にこれを証明しておるのがこの根本君に対する今回の提出だと、こういう意見をもう一つ中村君のに附加えて、僕はその他については全部中村君の意見賛成いたします。
  62. 川村松助

    委員長川村松助君) お諮りいたします。菊川君から質疑を打切りまして、若しも討論の希望があるかたがあつたならば討論、なかつたならば採決をするようにという意味の動議が出ております。これに対しましてお諮りいたします。
  63. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 中村君から、その扱い方を一遍懇談に入つてそうして協議をして頂きたいという更に動議が出ておりますから、従つて私はそういう動議の前提に立つて、これをどうするかということは中村君の動議で一遍懇談に入つて、そうしてきめて頂きたい、こういうようにお運び願いたいと思います。
  64. 川村松助

    委員長川村松助君) 只今の件につきまして更に中村君から懇談の希望かありました。只今から懇談に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 川村松助

    委員長川村松助君) 御異議なければ懇談に入ります。速記をとめて。    〔速記中止〕
  66. 川村松助

    委員長川村松助君) 速記を始めて。再開をいたします。
  67. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 議事進行について。採決に進まれる模様ですから、定員数を明らかにし、それに対して有効な出席を明らかにし、成規の委員の数においてそのことを先ず御報告願いたい。この委員会は成規の出席数を以て成立しておるかどうか。この御報告を願います。(「それは子供の算術ではないか」と呼ぶ者あり)
  68. 川村松助

    委員長川村松助君) 現在やつておる委員会で、すでに正式に成立したことになつております。
  69. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 只今ですね。席にいないような者を勘定に入れてもらつては困ります。ですから総数二十五名……。
  70. 川村松助

    委員長川村松助君) 只今おりません者を見ないで成立いたしております。
  71. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 席にいない者で、成規の委員数で。
  72. 川村松助

    委員長川村松助君) そうです。
  73. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 何名ですか、数を報告して下さい。何名に対してどういう事情で……。名前は要りません。併し何名に対して何名有効で、それから同名の成規の委員がいるかということを報告して下さい。
  74. 川村松助

    委員長川村松助君) 十四名おります。
  75. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 その点はわかりました。進行して下さい。
  76. 川村松助

    委員長川村松助君) 討論に入りましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 川村松助

    委員長川村松助君) それでは討論のあるかたは討論に入りますから御発言を願います。
  78. 堀眞琴

    ○堀眞琴君 根本君を安本顧問に任命することにつきましての我々のほうの態度としては反対であります。  その第一の理由は、国会法三十九條の規定というものは、国会議員が国務大臣その他政治上必要と認められる公務員になる場合を除いては、原則的に公務員にしないという趣旨の上に立つておるものと思います。従つてこの三十九條の趣旨から申しまして、先ず第一に反対であります。  それから第二の理由としましては、今日の官房長官の御説明によりまするというと、長期の顧問に任命するのではない。短期顧問に任命するのであるということでありますが、短期顧問に任命するということ自体が実は三十九條の濫用を招くことになると思います。従つてこの点から私どもは反対をいたしているのであります。  それから第三には、日本食糧事情から申しまして、東南アジア諸国との間に何らかの緊密な関係を結ばなければならんということにつきましては、私は賛成であります。併しながら国会議員である根本君をこの際やらなければならんという理由については、必ずしも明確でないと思います。むしろ財界その他に適当な人物がよりたくさんおられることと思いますので、私はその点からも反対せざるを得ない。  以上の三点の理由によりまして、私どもの党としましては反対いたすのであります。
  79. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 私は今堀君の言われました論点は全く同感でありますから、それは繰返しません。併し東南アジアのみならず、全世界の国々が平和のうちに互惠平等な貿易を通じて繁栄を継続して行こうというところのこの世界経済会議に対する出席を、ソヴイエートは好まないのだという、そういう不届きな見解の下に妨害しておる吉田内閣が、そうしてこのことを公然と明言しておる岡崎国務大臣を持つておるこの政府が、そうして旅券法を勝手に拡大解釈し、憲法二十二條に違反してこの旅券の交付をあらゆる角度から妨害しておる政府が、今回根本君だけをビルマ派遣するという行動は、どういう観点から見ても、これは勝手に闇取引をしたり、昨日主張していたことを今日変えるようなやり方に賛成でない。正常な人格と意見を持つておる国民は、恐らくはそういうやり方を納得しないと思う。私自身も納得できんのであります。だから一方においては勝手にそういう屁理窟をつけて、世界的な平和と貿易を妨害しながら、一方においては勝手な見解でビルマ派遣すると、こういうやり方は全く許すべからざる行動であつて、こんなことを今後やつて行くというならば、全く法治国の名に値いしないと思う。私は全く今堀君の討論されたものに加うるにこの憲法二十二條及び旅券法の根本的な精神に全く違反する根本君のビルマヘの派遣理由とするところのこの経済安定顧問に任命の政府の形式に対しては、絶対に反対するものであります。同時にこういうことを多数を以て通す以上は、速かに他の正当な意見として、帆足君或いは宮腰君その他の諸君の旅券に対しても、正常な取扱に復するように翻意することが少くとも必要であろうということをちよつと附加えておきます。
  80. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 私は参議院といたしましては三十九條を今まで正しく守つて来ました。その観点から今回根本君が安本顧問になられることは非常に疑問もあるので、そういう疑問のある人を顧問にするということには非常に遺憾の意を表します。併し今回の立場殊に先ほど官房長官お話によりますと、根本君は今回の、端的に言うならば、ビルマのほうに食糧事情のために行くのでありますが、これが済んだら成るべく早くその顧問の任を解くと、こういうお話もありました。従つてかような意味顧問或いは委員を再び政府は御考慮されない、そういう官房長官の意図がはつきりあると思いまして、今回根本君の顧問には賛成いたします。
  81. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 内閣が選びます人選についてとやかく言うことは、やはり責任のないところに人事のことを持たせることになる。これは当然責任を持つておる政府に持たせるべきだと思います。今回の根本君の任命に対しては、我々としては根本君個人についていろいろ意見はありますが、それはこの際申上げないことにして、ただ何といつて国会法三十九條の濫用ということを最も警戒しなければならんと思います。ところが前に委員会においても問題になりました松岡駒吉君或いは片山哲君の顧問就任問題は、これは常置的な政府顧問として任命しようとしたものであつて、参議院が反対したのである。併し今回の根本君の派遣は、臨時にとにかくビルマへ、今問題になつておる食糧輸入の隘路打開のために誰かをやろう、それに根本君が適任であるかどうかということは、政府の判定に任せるよりしようがない。ただそういう臨時的な場合には、私は国会議員も時と場合必要によつてはこの三十九條の但書の適用によつて顧問委員等に任命されて派遣することもあり得ると思う。特にどうしても必要な場合……。併し今私は政府のとらんとする、根本君でなければいけないという選び方については多大の疑義を持つておりますが、政府の責任においてそれをやろうとするについて、我々は根本君ではいけないからこの人にしろというような意見を吐くことは、責任内閣制の立場からいうて反対したいと思います。それで三十九條の濫用については官房長官からも言明がありましたので、それを信じて、今回は賛成いたしたいと思います。  でこの際ただ一言だけ附加えておきたとのは、この根本君のビルマ派遣と直接的には関係はないと思いますが、先ほど兼岩君からも触れられましたモスコー経済会議、又北京のメーデーに対する労働者の招待、こういう場合にも、あそこの国がイデオロギー的に違うのだから派遣しないというようなことで以て旅券法の解釈を歪曲いたしまして、そうして故意に阻止しようという行為については、どう考えてもモスコービルマの安全性ということについては私どもも多大の疑問を持つております。幾ら何でもイデオロギーが違い、又主義が違おうとも、国賓として一応招待するような者をまさか危害を加えるようなことはないと思います。私はもう少し大きな目で、やはり後藤新平さんがヨツフエやカラハンをよんだような態度向う行つて、そうして勇敢に日本人の意思を伝えるようにする。そうして全面講和達成の努力をすべきである。そういうふうに私は考えますので、今回の根本君の旅券問題とからみまして、やはりモスコー経済会議並びにメーデーに北京へ招請されたときには、国民代表的な意味において一つ旅券を交付されるように、でき得る限り政府において善処されんことを要望しまして、これは本当は直接関係ありませんが、兼岩君からもそういう発言がありましたので、我々はそういう強い要望をこの際申上げて、そうして今回の根本安本顧問任命について賛成いたしたいと思います。
  82. 川村松助

    委員長川村松助君) 討論は終了いたしましたものと認めて差支えありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 川村松助

    委員長川村松助君) 御異議がないものと認めます。只今から採決いたします。経済安定本部顧問・任命につきまして本院の議決を求めるの件衆議院議員根本龍太郎君任命の件に御賛成のかたは挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  84. 川村松助

    委員長川村松助君) 多数、承認することに決定いたしました。
  85. 近藤英明

    ○事務総長(近藤英明君) この機会にちよつと申上げておきます。例年ございます五月三日の憲法記念式典、これに関連いたしまして、本年の行事等につきまして内閣から国会両院の意向を間合して参つておりますので、一応ここにお諮りいたしまして皆様の御意見を伺いたいと存じます。これは本年は丁度平和條約の発効もあるので、この平和條約発効の問題と併せて考える。従つて平和條約の発効の日、これは時間等の関係では翌日、両院の議長内閣総理大臣、最高裁判所の長官等にラジオ放送をしてもらう。それから国旗を当日は掲揚する。それから五月三日の憲法記念日におきましては、この日は平和條約発効並びに憲法施行五周年記念の式典といたしまして、従来通り国会、内閣、最高裁判所及び東京都の共同主催において前例通りな式典を行いたい、かようなことについての本院の意見を求められて来ております。
  86. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 今の事務総長の御提案ですが、今日は出席されていない会派もございますしするので、事務総長からそういうお話があつたということを承わる程度にしたい。特に私たちはこの際申上げておきたいが、そういう行事にはむしろ喪章をつけたいくらいでありますので、もう反対でございます。講和條約反対ですから……。
  87. 川村松助

    委員長川村松助君) 本日はこれを以て散会いたします。    午後一時五十六分散会