○参事(河野義克君)
先ほど小笠原さんから
参議院規則二十九条を引用されまして、議案以外のものを付託する場合においても「
議院規則に特別の
規定があるものの外、同様とする。」ということを言及されまして、
報告が付託できるではないかという御趣旨の
発言があ
つたのでありますが、この「同様とする」というのは
常任委員会の所管に属するものは適当な
常任委員会に付託するのだ、そうでないものについては特別
委員会に付託するのだということについて議案と同様の
取扱をするということが「同様とする」という趣旨でありまして、例えば議案でないところの懲罰という案件は懲罰
委員会がそれを所管しておりますから懲罰
委員会に付託する。或いは資格争訟という案件につきましては規則第百九十四条によりまして特別
委員会に付託することにな
つております。そういうふうに議案でないものもそれを所管する
常任委員会があれば
常任委員会に付託するし、そうでないものについては特別
委員会に付託することができるというので
規定を置いたのであります。
従いまして
只今の口頭
報告のことでありますが、本日なされる
岡崎国務大臣の
発言は
先ほどの
経過もあり、
憲法七十二条に基いてなされることは確定したことでございますし、そういう口頭
報告について
総長が申上げましたようにこれを
委員会に付託した例はないのであります。それじやそういうものを付託してもいいじやないかということでございますが、現在
国会にはそういう
報告は本日なされるわけでありますが、安全保障
条約第三条に基く
行政協定及び交換公文というのは、参考資料として皆様の文書函に配付されてありますけれども、
国会に提出されてはおらないのであります。
従つて参議院といたしましては、こういう
行政協定及び交換公文というものが案件として手持ちにはな
つてないわけでありますからこれの付託のしようがないと思うのであります。それで本日
報告がなされるわけでありますが、それの
報告が実際において調査できないかと申しますれば、
先ほど総長が申されましたように
外務委員会から、現在
外務委員会が調査案件として持
つている国際情勢に関する調査の一環としてなす
つてもいいし、更に端的にこの安全保障
条約関係のことを調査したいということを申出られて、
議長が
承認されてもよろしいでありましようし、更には本日
国務大臣が
説明されたのちにおきましてどなたかの動議において、こういう
行政協定を
外務委員会で調査してもらうために付託したいということを言われても、動議が成れば院のほうから付託するという恰好になると、かように思います。それは
政府から出したのではないのでありますから、山下さんがおつしや
つておられましたけれどもそれは可否を表決する限りでなくて、いわゆる審査ということにはならない、調査ということになるのであろうと思います。審査といいますと
委員会が審査義務を負い、それに対して一定の
態度を出さなければならない、院に対してそういう義務を負うものと思いますが、今申しましたような国際情勢に関する調査の一環としてなす場合、或いは端的に
外務委員会からこの
行政協定に関する調査の
承認を求めてその調査が許された場合、或いは院の動議でこういうものの調査が付託された場合、いずれかこれについて自主的にお調べになるわけでありますが、それは規則にいう審査とは違うものであろう、かように存ずるわけであります。