○
政府委員(倭島
英二君) フイリピンの議会で
サンフランシスコ平和條約が取上げられております状況につきましては、我々も新聞で、最近のその状況は新聞で
承知している以外には何ら正式な情報を持
つておりません。
従つて最近の
向うの特別議会で行われた措置がどういう
理由に基くかということについては何らこういうことでございますという御
説明を申上げる材料を持
つておりません。ただ併し今御
発言の中に、フイリピンの議会の
平和條約に対する
考え方の
一つの大きな
理由は賠償問題にあるのではないかという御想像でございました。我々もその点は少くとも
一つの
理由にな
つているのではないか。これは従来いろいろ
お話をしましたときにそういうことは伺
つております。ただ併しながらもう
一つ、それがそれでは一番大きな
理由かと申しますと、我々の従来聞いている、或いは大体了解しているところによりますると、むしろ
サンフランシスコ平和條約のフイリピン議会における
取扱方の一番大きな決定的な要素と申しますか、そういう
考え方の分れているところは、むしろフイリピンの
国会の中におけるいろいろな政治上の考慮と申しますか、駈引と申しますか、そういうような
関係のように
承知しております。つまりもう少し具体的に申上げますれば、
政府のほうもあの條約を早く批准したほうがいいということを
考えており、反対党のほうもそういう
考えが相当強いということを聞いておりますが、併しながら反対党には反対党の従来の選挙等においてなされた言明その他の
関係上いろいろ面子の問題その他もあるように聞いておりまして、で必ずしも賠償問題そのものが最近の
サンフランシスコ條約の
取扱の決定的な要素をなしているということでもないように聞いております。これも併しながら最初申上げましたように、極く最近の状況はどうかということについて正式の情報を持
つておりませんので、その
程度に了解いたしております。なおその賠償の問題につきましては、先般
交渉が行われまして以来フイリピン側においてもいろいろ
研究なり、案があるようでございます。又我が
政府のほうにおきましてもほかの国との
関係も
考えましていろいろ
研究を進めているところでございますが、まだ更に次の
交渉その他措置をとる段階までは至
つておらない状況でございます。