○高木正夫君 私は昨日からいろいろまあお尋したわけですが、結局問題の焦点はですね。
日本の国で
現状におきましてどれだけの車が必要であるか、需要があるか、その需要に応えるために
国産車がどれだけ作られているか、できるだけ
国産車で賄
つて行きたい、残りは外国車は入れなくちやならん、そういうことにな
つて来るのでありますが、そうしますと結局
国産車の製造ということは、昨日
機械局長が約六千輌と言われましたのでありますが、私
ども見解の、見込に大分違いがあるわけです。私は本年のうちにはなかなか六千輌はむずかしいと思
つておりますが、それはまあそれといたしまして、この需要の面におきましてどれだけ賄うべきかという問題が焦点になるのですが、その点について昨日も段段お聞きしていたして見ますと、私の受けた心証は、
運輸省の御
意見と通産省の御
意見とが大分こう食い違
つているのじやないかという
感じを受けたんです。私
どもむしろ
運輸省のほうの御見解のほうが然るべきじやないか。これは昨日も申上げた
通りに、我が国で現在三十九年以上の車が三千輌もある。この車を速急にこれを代替する必要がなかろうか、三年にこれを代えるといたしましても、これは一万輌という車が年間要るわけであります。そのほかにいわゆる
経済傾向と申しますか、安本で作られた趨勢の変化というものから見ますと、少くとも昨日御説明があ
つた通り五カ年に三万三千輔くらいを殖やさなくちやならん、こういうことを聞きました。すると相当の賄いをして頂かんと
日本の
経済活動にと
つていか、んじやないかということを
考えるわけで、できるだけこの際にドル枠の裏付をして頂きまして、そうして代車を入れるようにして頂きたい。これは必ずしも
国産車の圧迫に私はならんと思う。現実におきまして少くともここ二年間というものは普通の型の
自動車は作り得ないと思う。この際にその二カ年のほどは外国車を入れて、そうして
一般民衆に不便をかけないようになさることが
政府としてのとるべき方針じやなかろうか。こういうように
考えるのです。ところでこの安本が中心にな
つて斡旋願
つたドル枠というものを見てみますと、昨日も表を頂戴して見ますと甚だこの
自動車に対する枠というものが非常に少い。今申上げましたところのこの家庭的のいろいろの放出
物資というものが相当に大きい。それらはこの
自動車事業、
自動車が運輸交通ということから我が国の
経済に及ぼす
影響という御認識がまだ十分
政府に徹底していないんじやないかという
感じをひたすら受ける者であります。この際に、これは恐らく利用者の名においてということを私は申上げてもいいと思うんですが、このドル枠をうんと増して頂きたい。少くとも
運輸省が言われるように、この交通の安全を期するためにおきましても相当の数をこの際入れて頂く必要がなかろうか、又ドル枠をきめて頂きましてもそのドル枠が外人にドルで売るようなことにな
つておりますから、そうすればこれは直接に外貨の獲得ということになると思うんです。つまり二割なら二割という口銭があればそれを又殖やして
独立計算にして行きますと相当のこの外貨の資金というものが出るのであります。ほかの
物資のように使い切りでなくていいわけなんであります。その点から
考えましてもこれを入れてもいいんじやなかろうかというような
感じを持
つているわけであります。是非
一つこれは十分にお
考えおきを願いたいと思うんです。それだけを、
質問のような
意見のようなことになりましたが、是非私この際貿
易局長にお願いいたしまして相当考慮してやろうというような御返事でありましたので私
ども了解したわけなんです。その後の推移を見てみますと必ずしもお言葉の
通りにな
つていないように思う。是非
一つ再度御認識を改めて頂きましてそういうようにできるようにお願いしたいと思います。