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1952-03-03 第13回国会 参議院 運輸委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年三月三日(月曜日)    午後一時四十六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    理事            岡田 信次君            高田  寛君            小泉 秀吉君    委員            植竹 春彦君            仁田 竹一君            一松 政二君            小野  哲君            内村 清次君   国務大臣    運 輸 大 臣 村上 義一君   政府委員    運輸大臣官房長 壺井 玄剛君    運輸大臣官房会    計課長     辻  章男君    運輸大臣官房文    書課長     岡本  悟君    運輸省船員局長 山口  傳君    運輸省鉄道監督    局国有鉄道部長 細田 吉藏君   事務局側    常任委員会専門    員       古谷 善亮君   説明員    日本国有鉄道総    裁       長崎惣之助君    日本国有鉄道経    理局長     三木  正君    日本国有鉄道自    動車局長    片岡 義信君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○ポツダム宣言受諾に伴い発する命  令に関する件に基く運輸省関係諸命  令の措置に関する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○一般運輸事情に関する調査の件  (運輸省機構改革に関する件)  (昭和二十七年度運輸省関係予算及  び日本国有鉄道予算に関する件)   —————————————
  2. 高田寛

    理事高田寛君) それでは只今から委員会を開会いたします。  ポツダム宣言受諾に伴い発する命令に関する件に基く運輸省関係命令措置に関する法律案を議題といたします。これより本案の質疑に入ります。どうぞ御質疑のおありのかたは順次御質疑を願います。……別段御質疑はございませんか。
  3. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 あの、これに相当まとめたものが出ておりますが、これとは別に、やはりポツダム宣言に関連すると思うもので、これに入つていないものに対してはどういうことになるのでしようか。その点御説明を伺いたいと思います。
  4. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) 御質問のポイントは、よその省の所管法律についてでございますか。運輸省所管に関します限りは全部これに上つておるのでございます。
  5. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 そのほかのやつを少し政府質問していいのでありますか、委員長に伺いますが、関連しますから。
  6. 高田寛

    理事高田寛君) 関連して……、どうぞ。
  7. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 この運輸委員会專門員室で調べたやつですね、これの中に一から十まで十項ほど書いてあるのでありますが、私はその中で、例えば造船関係工場事業場等管理に関する件、或いは昭和二十二年三月の勅令第百九号並びに船舶運航令、二十五年の政令四十八号というようなもの、並びに昭和二十四年法律第九十七号、船舶運営会船員退職手当に関する交付金船舶所有者に交付する法律というようなものが、やはりひとしくこのポツダム政令に直接間接に関連したものだと思つておるが、そういうものの処置に対して少し伺いたいと思うのですが、こういう、今申上げたようなものに対しての政府の御見解をまあ一応……。
  8. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) 最初御指摘になりました造船関係工場事業場等管理に関する件は、この表の申に載つておるのでございますが、本件は百八十日間を限り存続ということにいたしております。それから、運営会退職船員に対する特別措置に関する分は、このポツダム命令特別措置に関する法律案に載せないでおいてありますが、それは六カ月間して自然に消滅するということになつておりますので、六カ月間に処理すべきはずでございます。それからそれに続きまして船舶運営会を変更いたします法律案伴つた附属法令といたしましてその処理を引続き措置する法律案を提出いたしておる次第でございます。
  9. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 そうすると、この船舶運航令のごときはどうするのですか。
  10. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) 船舶運航令は六カ月間存続いたしまして、百八十日間を限りまして、存続いたしましてそれから先は消滅いたしますが、新らしい処置によりまして、船舶運営会自己処理をいたすことになるわけであります。目下ほぼその成案ができ上つて関係船主と現在の船舶運営会、即ち商船管理委員会との間に話合いが進んでおるわけでございます。
  11. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 この今のお話の中で、一つずつ伺いますが、法律第九十七号ですね。船舶運営会船員退職手当に関する交付金船舶所有者に交付する法律ですね。これは今のお話だと百八十日ですか、百八十日過ぎれば自然無効になるのだから、それまでに処置をとるというようなお話であるのですが、これはポツダム政令に基いてできた法律で、仮に四月からでも平和條約が発効するということになると、この法律に基いて、当然自分のもらうべき退職手当金が釘付けになつているというようなことに対して、相当不満な趣きが、過去においても現在においても、なかなかやかましくあつたことは、御承知通りなんですけれども、それを今度は平和條約が発効してからでも、百八十日も放つておいて、ひとりで消滅するからというような、ものの考え方はどうかと思うのだが、これも至急に政府のほうで、ポツダム政令が効力を失うというのは、何らかほかの方法でこれを解消するとでもいいますか、勝手に使われるようにするというような御措置が、しようと思えばできると思うのだが、そういう点に対しての御見解はどうですか。
  12. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) 只今措置中でございますが、詳細はまあ岡本文書課長説明いたさせます。
  13. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) 只今の御質問は、船舶運営会の退職しました船員退職手当に関する御質問だと思いますが、本件につきましては、今国会に速かにこれに関する法律案を提出いたしますように準備いたしております。その趣旨は、この船舶運営会船員退職手当に関する交付金法律を廃止いたしまして、速かにこの船員に対して退職手当を交付するように改正するつもりでございます。
  14. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 そうしますと、今の御説明だと、今まで或る意味において凍結しておるものが、法律を新たに制定して、そうしてそれをそれぞれの分野に返すというか、分与することができるような措置をとる、そう了解していいですか。
  15. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) そうであります。予算もそれに基いて出しておりますから、一切それによつて結了することと考えております。
  16. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 もう一つ伺いますが、これはどうも私自身もはつきりわからないので、むしろ政府のほうでもつと詳しく説明して頂きたいと思うのでありますが、昭和二十二年三月の勅令第百九号で、この勅令船員動員令によつて支給する応召船員に対する一時金について、船員動員令の失効後、即ち昭和二十二年四月一日以後も従前の例によるということを、きめたように書いてあるのですけれども、この勅令に対してやはり百八十日放つておいて自然に消滅すればいいというような措置で、この目的は達するのか、或いはこれは何か適当な措置を講ずる必要があるのか、それに対して政府の御見解を伺いたい。
  17. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) 御質問法律は、法制局といろいろ研究の結果、存続することになりましたので、特別の法律措置を必要としないということに到達しておる次第でございます。
  18. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 そうすると、結果はどうなんですか。
  19. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) 大体現状通り存続して、処理をされるということに相成ると思います。
  20. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 現状通りというと百八十日過ぎると、今度は……。
  21. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) それとは関係ございません。
  22. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 関係なくなるわけですな。
  23. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) 百八十旧存続する、存続しないの関係はないわけでございます。法律として存続して行くわけであります。
  24. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 法律として存続する。
  25. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) そういうわけでございます。
  26. 高田寛

    理事高田寛君) ほかに別段本件に関する御質疑はございませんか。……ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  27. 高田寛

    理事高田寛君) それじや速記を始めて。それでは国鉄総裁が見えられましたから、総裁に対する御質問がありましたら、どうぞお願いします。
  28. 岡田信次

    岡田信次君 私は五つばかし国鉄総裁にお尋ねしたいのですが、先ず一つ国営自動車についてお伺いしたい。これは先般資料を頂いたのですが、鉄道線路に並行している国鉄自動車線が十ばかしあるわけであります。そのうち立派な固定資産を擁している線路が片方にあると、而もその上には一日数往復程度列車しか運転していないと、そういう区間があるわけでございましてそれで、そういう線路に沿うて惡い道路の上をバスが無理して走つている、かかる区間がなぜ線路の上にバスを乗せろという意味合いのガソリンカー計画なんかによつて固定資産の活用を図るというふうな方法措置をとられないのか、惡い道路の上を自動車が走るより、線路の上に自動車を、ガソリンカーを走らせるほうが運転費も安く、全体の経営合理化にもなると思うのですが、そういう区間鉄道線路と並行して国営バスをなぜ運転しておられるか。この点を先ずお伺いしたいと思います。
  29. 片岡義信

    説明員片岡義信君) 尤もな御意見でございますが、この資料のほうで差上げました分につきましても、大部分のものにつきましてはこの並行いたしておりまするところから、更に奥地に入りましてずつと線路と分れて、今度は自動車線が入つているというようなものが相当ございまして、そういうものにつきましては、このレールと又自動車運行というものが、先のほうへ行きますと別々に分れているというようなことで、乗換えの不便も防いで、自動車をやるということが一般利用者に便利であるというような点等考えますと、やはり自動車をやるほうが便利である。一部並行いたしましても便利であるというようなものも相当ございます。又地図の上では並行した形になつておりましても、実際の地勢から見ますと相当線路と離れまして、民家の聚落が相当つて、そうして自動車はたびたび割合短い距離で停車して行くというような点で、非常に便宜がある、こういうようなこの差上げました資料の中でも、そういうものもございますので、両者並立するということで考えられておる線が多いのでございます。なお、今お話のごとく両者並行のものでございますと、ガソリンカー計画につきまして、全国的に計画をいたしまして、そのガソリンカーの作られます輌数が非常にまだ少いというような事情もございまして、この線にガソリンカーを実施するに至らないというような実情のものもございますが、これらにつきましてはレール自動車とを調整して考えて行きまして、仰せのごとくガソリンカーの実施せられる時期に至りますれば又自動車回数を減して両者を調整して考えるという行き方をいたしたいと、そういうふうに考えておる次第でございます。
  30. 岡田信次

    岡田信次君 只今自動車局長お話ですが、成るほど頂いた資料の中に東海道本線とか或いは山陽本線とか函館本線というふうな区間はいろいろな事情もありますし、並行しておつても結構だと思うのですが、その他数線についてはどうも片一方の線路のほうは汽車が走る、而もそれに沿うて惡い道の上を自動車が無理して通つておるというのは、何としても余りどうも策を得たものではないと思うのですが、一方このガソリンカーのほうの計画を拝見いたしましても、二十七年度のガソリンカーの何と申しますか、建造計画は極めて少いのですが、自動車のほうと両方睨み合されまして、又こういう並行した線じやなくして、国営自動車運行を要望する面は相当多いのですから、その間を調整されたほうが国鉄自体のためにもいいのじやないかと思いますが、如何ですか。
  31. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 只今お話、私御尤もな点があると思いますが、併し一面におきまして鉄道を本位にして考えられるかどうかというお話の点は、最も模範的に言つたら日勝線、あれなどを御覧になつておられるのじやないかと思います。併しあれを汽車の終点からやつたのでは非常に利用者のほうも不便になりまして、鉄道としてはそれでいいわけなんですけれども、やはりもう少し中へ入つて来て、又奥へ入つて行くというようなことが私はあるのじやないかと思います。それらの点はよく調べもしておりましようし、又今後も十分調べまして、ただ單に鉄道だけが都合がいいというだけではいかないだろうと思います。又先ほど御指摘函館本線というようなところは、列車回数の問題から、できるだけ御説明のようなふうに鉄道線路の改良をし、且つ省営自動車ですか、国営自動車ですか、その自動車乗り客のかたがたも不便でないという場合には、お説のようにするのが、私は至当だろうと思いますから、そういうふうにいたしまして、そこに浮いて来た自動車を他に転用して、もう一度、その便宜を図るというようなことは、十分考えたいと思つております。
  32. 岡田信次

    岡田信次君 次に電化の問題でございますが、東海道線電化についてですが、来年度の予算案を見ますと、東海道に二十五億を計上しておられます。それで先般総裁の御説明では、この程度の金額では、浜松、名古屋間の半分も怪しいというようなお話があつたと思うのですが、そういたしますと、私はなぜ大阪中心とする京都姫路或いは草津姫路間を先にされないのか、この区間ならばお説のように京都明石間は大体電化設備ができておるというようなことで、恐らく二十五億以内でできると思うのですが、そうすれば速かに効果も発揮し得る、少い予算を有効に使う途ではなかろうかと考えるのですが、何故に浜松のほうを採られて、大阪中心とするほうに向けられなかつたか、その点を伺いたいと思います。
  33. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) そういう電化の行き方、考え方もあろうかと存じます。併しこれは岡田委員承知通り、私どもは何も旅客列車というものだけを電化の対象にいたしてはおらないのでありまして、貨物もやるということになりますれば、お説のようなふうにいたしまても、なかなかこれが果してうまうま行けるかどうか、又うまく行けるかどうかと申しますことは、操車のこともありますし、なかなか大変でありまして、私どもといたしましてはやはり電源その他の関係もあり、できるだけ早い時期に稲沢まで持つて行く、そうして旅客貨物共電化せしめる、こういう考えでございます。無論お説のような考え只今姫路草津間でありますとか、まだ電化されていない汽車線路電化するということも考えられますけれども、これはやはり車庫の問題その他ヤードの問題を考えますと、二十五億の金ではやはり同じようなことになるのじやないかと思います。
  34. 岡田信次

    岡田信次君 大体総裁から電源問題その他についてお話が出ましたが、浜松稲沢間を電化されるにしても車庫の問題が起るだろうし、電源の問題も起るだろうと思うのでありますが、且つ先ほど申上げた京都姫路間なり、或いは草津姫路間というのは、貨物列車に対しましても一つ電化をやる単位になると思うのですが、一方私の計算ではどうも大阪中心とする電化には二十五億はかからないだろうと考えておるのですが、私の考え間違いでありますか。
  35. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) いや、間違つておるか、間違つていないかという問題ではないのです。結局見解の相違じやないかと思いますが、現に京都、神戸、須磨、明石方面、あそこまでは電車が行つております。お客の面においてはあの電車でまあ大体間に合うのじやないか、要するに長距離の列車ということになります。そうすると途中で電化になり、殊に貨物になりますと、車庫ヤード等の問題が起つて余ほど大きな金が要るのじやないかと思います。
  36. 岡田信次

    岡田信次君 それでは次の問題に移りますが、これは総裁はこの間から安全運転の確保、それが二十七年度の大きな目標であるということを言われておられますが、そのためには線路車輌と常に良好な状態になくちやならん、而もこの両者バランスした良好な状態になくちやならんと言つておられますが、これは申すまでもないことじやないかと思います。そこで二十七年度の予算について拝見いたしますると、鉄道経費並びに工事経費と合せて、車輌費につきましては約四百七十億円、線路関係については二百六十九億というふうに相成つております。又一方、これはちよつと比較にならないかも知れませんが、線路車輌の鋼材の量を見ますと、線路のほうはレール並びに橋梁等を合せて約三百トン、現在国鉄にはある車輌は、機関車、客車、貨車等を合せて百三十二万トンになつているわけであります。そういたしますると、これは比較にならないかも知れませんが、鉄の量から見ましても車輌線路に投ずる費用が甚だしくバランスを失しておる、こう見えるのですが、総裁線路車輌バランスのとれた状態に保つためにこれで十分であるか、十分とは行かんでもバランスのとれた形であるか、そういうふうにお考えになつておるか、どうか伺いたい。
  37. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 車輌線路その他施設保守というものは、無論バランスがよくとれて行かなければならないのでありまして、御説のような点はどうしても国有鉄道のような交通機関、而も貴重な人命と財産をお預りしておるものにおきましては、安全な仕方ということが最も私は必要なことと存じております。従つて車輌線路も完全な状態維持して行きたいということが私の念願しておるところでありますが、なかなか安全ということは、御承知のように戦時中並びに戦後におきまする保守状態からいたしまして、そのほか御承知のように戦時中規格を低下いたしたといういろいろな問題がありまして、いい状態維持することが困難でございます。併しながらこの困難な状況下にありましてもできるだけ努力をいたしまして、この保守に努めて行きたいと存じておる次第でございます。ただ併しながら車輌にかけます金がどれだけ、施設或いは信号、通信というようなものの維持保守にかける金がどれだけであればバランスがとれるかということについては、私はこれはなかなかむずかしい問題があるんじやないかと思います。そう簡單に比較ができるかどうか考えておりますが、できるだけ我々としてはバランスがとれるようにやつて行きたい。成るほど仰せのように車輌保守費は非常に多いように見え、施設保守費のほうが少いように見えますが、これは車輌保守費において賄いまする人の数が非常に違つております。車輌関係維持保守に当つておる人の数は約九万人ございます。それに対しまして施設関係のほうは六万人ばかりでございます。ここに三万人ほどの開きがありますので、人件費の上において明らかに車輌保守費のほうが多いのであります。物件費におきましてはむしろ逆に施設関係のほうが多い。これをパーセンテージにざつと当つて見ましたんですが、車輌費のほうは人件費が四三%、それに対して施設保守のほうは三三%というふうに、人件費のほうで車輌が多いのでありまして、物件費になりますと逆に施設費のほうが多いのでございます。なおこれも又いろいろ御意見があると思いますけれども、軌條につきましては修繕費、工事費合せますと約十万トン程度使える見込みでございます。これは最近においての数字としては相当改善されたものであると考えております。無論それで十分であるとは申上げませんが、まあその程度で今年度は何とかやつて行けるんじやないかと、かように存じております。
  38. 岡田信次

    岡田信次君 もう一つ、私は志免鉱業所のことをお伺いいたしたいのですが、先般これも資料を頂きましたが、相当年々かなりの額の、何と申しますか、投資をしておられる。一方経常費のほうも或る程度殖えておる。投資をされるからには出炭量が殖えるとか、或いは経営費が減るとか、何かなくてはならんと思うのでありますが、先般頂いた表を見ると一向それらの効果が挙つておらないように見受けられるんですが、その点につきまして御説明願いたいと思います。
  39. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) お答え申上げます。私はまだ志免鉱業所へ行つて見ませんので、寅際状況はいちいちの判断はできかねるのでありますが、而も私は鉱山、鉱業というようなことについて少しも知識も経験もないのでございます、なかなか書面の上、或いは話の上だけのことでは判断しかねるものもあるのでございます。併しながら、とにかく説明を聞いてみますというと、差上げた資料にもございますように、年々いささかながらも出炭量も増加して参つております。これには今まで採掘しておりました上層部石炭が実はだんだん種切れになつて来て、中層ですかのほうに竪坑を掘るということによつて少しばかり好転して参つておるようであります。その竪坑を掘るための工事投資というものが、ここに載つておる投資の大部分のようでございます。この竪坑が漸次うまく行くようになると出炭量相当増加するのではないかと考えます。もと、我々の関係していなかつた時代、いわゆる海軍がやつてつた時代でも大体四十四、五万トンがいいところであつたように見受けられます。その程度のものは、竪坑の完成に従いまして近く成績が挙つて来るんじやないかと思います。けれども、その他の問題につきましてなおまだまだこれはこの一人当りの出炭量にいたしましてももつともつと能率を挙げて行かなければならんと考えて、このほうに拍車をかけておるような次第でございます。まあ馴れない仕事ですからなかなかそう一朝一夕に行くまいと思いますが、漸次好転しておるということは申上げられるようでございます。
  40. 岡田信次

    岡田信次君 そういたしますと、もう一遍志免鉱業所のことでありますが、大体二十六年度には四億一千万円の投資をしておられる、然るに二十七年度は四億五千余万円を投資するというふうに予算書にはなつておりまするが、出炭量は二十六年度の推定が四十万五千トンですが、二十七年度以降におきましては或る程度増加するお見込みかどうか。更に国有鉄道志免鉱業所経営しておられるために国有鉄道石炭購入その他に相当の蔭の力として貢献しておるのかどうか、その点をお伺いいたしたいと思います。
  41. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 二十七年度におきましてはもう少し増産の見込みでございます。それからお尋ねの志免鉱業所をやつてつて何か国鉄石炭購入の上において利益しておるところがあるのかというお話でございますが、これはひとり金銭上の利益だけではないのでありまして、やはり山をみずから経営しておるということによつて山経営の模様、或いは原価の点、いろいろな点で購入契約をいたしましてこのほうの業者と折衝する場合におきまして、私はこの経営相当大きな役立ちをしておるように思います。
  42. 岡田信次

    岡田信次君 最後にもう一つお尋ねいたしたいのですが、これは防災関係であります。年々相当巨額費用災害の予防のために工事経費から出しておられる。ところが一方災害の復旧と申しますか、これに出しておられる経費も少くない。果して相当巨額防災設備費を出しておられても、その効果は余り挙つておらんというふうに見受られるんですが、如何でございますか。
  43. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) これはまあ広い場面に向つての重点的なやり方でありまして、これはよく御承知なんですが、やはり予算の不十分という点が思うように効果が挙つて行かないという、眼に見えないということに私はなるのじやないか、従いましてこれが又何年か溜つて参りますとだんだんとその効果を示して参るということもございましようし、現実に又それをやつたために災害を防止したという実例も私はあるように聞いております。決してこれが効果のない無駄なものであるというふうには考えておらんのであります。
  44. 高田寛

    理事高田寛君) ほかにどなたか御質問ございませんか。
  45. 植竹春彦

    植竹春彦君 国鉄機構予算措置について質問いたします。国鉄機構改革を要すると思うのでありますが、その予算措置が講じられていないと思いますので質問をする次第です。一昨年国鉄機構を変更して、いわゆる横割が縦割になりまして、その後新機構の成果、是非如何については当委員会において調査の任に当つた議員から報告がありましたが、その報告によりますれば、実施後、日がなお浅いためにその長短是非の批判は未だできかねる旨の自重的の報告があつたのであります。又その制度の直接の運営責任者たる立場の国鉄当局、当時の国鉄総裁も同様の意向であつたと承知いたしております。併し、もう今日となつては実施以来十分の日時が経過いたしましたし、その後長短是非の意見も内外活発であるし、国鉄の統率者たる長崎総裁も、御就任以来十分の時間が経過しているから、この練達堪能であられまする総裁としては、今日では十分の結論が出ていなければならんし、又出ていらつしやることと確信いたしております。よつて国鉄のこの機構に対する総裁意見及び方針をわりたいのでありますが、先ず第一に、この国鉄機構の長短是非について、現在の機構について如何なる点を是とし、如何なる点を非とせられるか、具体的の総裁の御観察を列挙して承わりたいのであります。このことについては、前々回の委員会におきまして内村委員からの質問がありましたのに対して、総裁は本問題は重要であるから十分なる慎重なる態度を以て臨むという御答弁がありましたが、私よりの質問は具体的に列挙的にお答えを願いたいと思うのであります。第二に、若し非とする点があるとすれば、その非とする部分に対して今後如何なる改革方針をとらるるおつもりであるか承わりたい。第三以下の質問はその御答弁の後を待つて質問申上げたいと存じます。
  46. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 国鉄機構が大きな変化を受けておるということは……、実は私、御承知のように長い間国鉄に関連を持つていない地位にありましたし、文博なるものも聞くことができない状況でございましたし、どういうようにこれが取上げられておるか、私は総裁に就任して初めて知つたような次第で、昔のほうに比べますと非常なる変化だと思います。これは私或いは観察を間違つておるかも知れませんが、現在の国鉄機構は大きく分けて二つのシステムからできているのではないかと思います。一つ鉄道管理局でありまして、これは鉄道線路というもの、殊に輸送という点に重点が置かれてあるように考えます。他のもう一つの営業と申しますか、そういう面はむしろ線路ということよりも地域というふうなところに重点を置いてあるように考えます。従いまして営業の地域主義と一方の線路主義というものをどう調和するかというところにいろいろな問題があるやに私は存じております。これはなかなかむずかしい問題だと思います。従いましてこれを如何に調和するかということについて、今日なおいろいろと考えておるような次第でございます。  それからもう一つは、今植竹委員はもう時間も相当つておるんだから結論を得たんだろうと、こういうふうにおつしやいますけれども、私は実は政府の大きな御方針であるやに承わりまする行政機構の簡素化という点がどういうふうに進んで参りますか、これが方向というものに無関心であるわけには参りません。従いまして、それらとも睨合せて実行の方針をきめて行かなければならんと存じておりますので、今日ここでこういうふうに改めるんだ、ああいうふうに改めるんだということはちよつとまだ申上げかねるというわけであります。
  47. 植竹春彦

    植竹春彦君 総裁の就任後、日時を経過するにかかわらず、この問題について具体的な考えも結論がついておられないことは誠に私は運輸委員として遺憾に存じますが、殊に国鉄機構の簡素化と睨合せのお話があつたのでありますけれども、行政機構の簡素化は、これは行政官庁の問題であり、国鉄国鉄独自の立場で運営せられなければならないと考えます。その機構も又同じであります。そうして、かるが故に国鉄は公共企業体となつて今日行政府から独立しておるがごとき状態であるが故に、国鉄は企業性と公共性とのこの二つの観点に立つて、行政簡素化とは離れて、国鉄独自の立場で国鉄運営の最善を尽されるように、その機構もお考え直しになつて頂くことを強く希望いたしましてこの部分質問を打切ります。  私の第三点の質問は、只今総裁からお話のあられました国鉄管理局の問題でありますが、今日の二段階を昔日の四段階に戻されることが十分現場把握ができると考えますが、今の地域と線路とに分けての御説明もあつたのでありますが、現場を真に把握するにはやはり昔の四段階制のほうがよろしいとこう考えますが、それについて総裁はどういうお考えをお持ちでありますか。御説明を願いたいと思います。
  48. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) そこら辺が非常にむずかしい点でございます。私の何と申しますか、個人的なと申しますか、昔を知つておる私としましては、これはもう昔の通りであつたほうが一番わかりいいのでありまして、よろしいかとも存じますが、併しながら、国鉄は昔とはいささか趣きを異にしまして、御指摘通り公共企業体とはいいながら、やはり国政と大きな結付きを持つて、かくのごとく国会にも私は出て参りまして、いろいろ御意見を拝聴するというような次第でありますから、純然たる行政機関ではございますまいけれども、併し相当程度においてやはり国家の政策、或いは政治というものと私は同調して参らなければならんものだと思います。ただ單に公共企業体だから公共企業体という面から考えてとおつしやいますが、それは誠に簡單に申されますけれども、企業性と公共性の妥協といいますか、融和と申しますか、そういう点でも、言うは易くしてなかなか実際に面倒な問題が起るように思います。現に人員整理の問題にいたしましても、行政整理ということがあつて一般官庁が整理される、それじや国鉄は独自の立場で、自分の独創的な見解で云々ということになり得るようでございますけれども、それはそれで以て政府全体の意向、まあ純然じやないのですが、政府の機関に準ずるものであろうと思いますので、それはそういろふろにしなければならんというふうに思います。そういうような意味合いにおいて、更に進んでは四段階制がいいか、三段階制がいいかということをいろいろおつしやられるのでありますが、それは現在の通りがいいというかたもございまするし、元に戻したほうがいいという御意見のかたもあるようであります。まだ私は関西、九州の方面には参つて見ませんけれども、東北、北海道等を廻つて拝見したところによりますと、昔の四段階制にも一つの特色がありました。併しながら現在の三段階制にも捨てがたい味わいが私はあると思います。殊に我々として考えなければならんことは、現在のような制度にいたしましても、なかなか相当の金を費したのではないかと思う。これを又、ぐるつとひつくり返して元に戻すということになると、そこに相当なやはり金が要るのではないか、そういう金を使つてまでも元へ返さなければならんほど現在の三段階制は惡いのかとお考え下されば、そう簡單に決定しかねる点も多々ございます。むしろ四段階制時代におきましても、古くから何とかしてもつと簡単な方法に行かんものかということは随分議論をされたのでございます。むしろ管理部を、昔の管理部をやめまして、局の数を殖やしたほうがいいのか、それとも局をやめて、今日のような工合にしたほうがいいか、随分長い間私は、私ども先輩も議論をいろいろされたように存じておりますが、それがなかなか実行できなかつたということは、やはりこれは制度というものはそう一朝一夕に変えられないものであるということがあると思います。まあ私は、今は現在のような三段階制で、そしてその特徴を活かしつつ、もう少し先ほど申上げましたいろいろな議論のあるところを滑らかにして行きたい、かように考えております。
  49. 植竹春彦

    植竹春彦君 制度はなかなか変えられないと言われますが、この前の改革などは実に電光石火の間に変更された。そこで私は次の管理局の設置場所について質問をいたします。それは地域的に管理局の区分方法が現状を以てしては極めて鉄道利用者たる日本人に一番不便を与えているので、この新らしい機構、いわゆる局の設置については累次の活撥な各地方民の要望があつたので、すでに国会の運輸委員会におきましても、この点に関しては国鉄は院議を尊重すべき旨特に決議し、当時の監督者たる運輸大臣も、国鉄総裁も十分尊重するという旨の発言があつたのに、未だ実現せられないうちに当事者、運輸大臣も、総裁も転任、又は退任してしまつて、そうして今日に至つておるのでありますが、この増設問題に対しまして、二月二十日に請願者の一部であります栃木県の知事並びに県出身の国会議員が両三名、私も混じえて総裁へ陳情を開陳いたしました際に、総裁は今の機構改革は、行政の機構簡素化と睨合わせてやるべきだというお話の際において、更にこれはGHQできめたことだからGHQへ持つて行けというお話がありましたが、私たちの仄聞するところでは、GHQからはそこまで詳しく指令があつたわけではない。どこに管理局をおくかということは、国鉄当局がこれを決定せられたと仄聞いたしておりますが、そうであるかどうかの御返事をお願いいたしますと同時に、今栃木県ばかりを指摘するものではありませんが、相当四、五ヵ所の地方におきまして、一つの県が管理部がなくなりましたために、その線路が分断され、寸断されました結果、非常に地方民が迷惑をし、又国鉄運営上にも非常に不便を感じていると、私たちは具体的にそのように観察いたしておりますが、総裁は、これらの地域におきまして現状の管理局、数カ所の管理局に区分されておりまする五つ六つの県につきまして、地方の住民に極めて不便を与えていないとお考えになるか、或いは極めて不便を与えているとお考えになるか、その御返事を伺いたいと思います。
  50. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 管理局の設置場所と申しますか、どこを管理局が管轄すべきであるかというようなことは、これは恐らくGHQ方面からいろいろなアドバイスがあつたでありましようが、最終的決定は運輸当局みずからがやつたものと想像いたします。従いまして、私はその陳情のかたがたにGHQに持つて行けというような失礼なことを申上げた覚えはございません。そういうこともあつたやに聞くけれども、併し、もう今日は、やはり国有鉄道国有の局として考えなければならん問題でありますから、さようなことを申すにおいては、とんでもない話でありますから、これは若し私がそう申したとすれば、何か私の言い方が惡かつたのだろうと思います。管理局の管轄区域の部分につきまして、先ほども申上げましたように、主として輸送上の見地から線路に重きをおいて分けてあるように私は見ております。ところが従来の管理部は、輸送或いは線路といういわゆるライン・システムでなくて、地域主義であつたのであります。何かどつかの一地点を中心として、その周りの区域を受け持つというやり方でございましたが、それと現在の管理局のきめ方というものには相違があるので、それでいろいろ何と申しますか……、それからもう一つは端的に申しますと、運用の関係の事務所、これはむしろ地域的になつておるというふうな二つの行き方があるために、いろいろなコンヒユージヨンを起し勝ちであるということはしばしば承わつております。なお、管理局の設置個所につきましては、私の手許に参ります陳情は、あに、ひとり四、五にとどまらず、殆んど旧管理部の全部を設置せよということを聞く次第でございます。これを如何に御了承を得るかということは、相当に困難な問題ではないかと思います。併しながら、国鉄としましては一方においては、自己本来の輸送の仕事というものに最高の能率を挙げ、而して社会大衆の便利を図るということ、同時に地方のいろいろな問題というものを処理する、こういうようなものにもできるだけ御迷惑をかけないようにしなければならない、この二つの面の調節ということが如何にそう簡単でないかは私はよく存じております。これは成るべくできるだけこれを双方ともうまく行くようにしたいものだということで、実はいろいろと案を練つているような次第でございます。
  51. 植竹春彦

    植竹春彦君 只今総裁の、案を練つておられます又できるだけよいものにしたいというお考えは、大体おおよその予想はいつ頃になりましたら、まとめようといつたような目標をお持ちでありましようか、承わりたいと思います。
  52. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) これはもう植竹委員と私との見解の相違でございますから、いたし方ございません。私はやはり先ほど申しましたように、我我のほうの機関も純粋の意味では行政機関でないかも知れませんが、公務員に準ずべきものであるし、又国会の監督を受けるというような点、大臣の嚴重な監督を受けているというような点、いろいろなことを考えますと、やはりいわゆる行政機関に準ずべきものである。従いまして、これはお説と大分私見解が違うのでありますが、行政機構簡素化の移り行きということは、それがどういうふうに移り行くかということも睨み合せなければなりませんので、今日の場合において、いつそれが実現されるかということはまだ申上げかねるのであります。できるだけ私としては早い時期にきめて行きたい、つまり御不便をかける点がありますから、その御不便はできるだけ早く除くのがいいのであります。できるだけ早い時期と思つております。
  53. 植竹春彦

    植竹春彦君 いま一度元へ戻つて質問でありますが、この、御不便というお言葉がありましたが、例えば栃木県、青森県、兵庫県、山口県、特にこの四県を御指摘いたしたわけでありますが、それらの地方の現状が非常に地方民が困つておるということを認識していらつしやるかどうかということを、先ほど質問いたしたのでありますが、それに対する御答弁がなかつたので、いま一応御答弁をお願いしたいと思います。
  54. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) さつきちよつと触れたつもりでありましたが、言葉が足りなかつたかと思います。管理部がなくなりまして今日のような機構なつた結果、不便だという声を聞かされるのは、今御指摘になりました四県なり五県なりではございません。まだまだたくさんございます。それらの点も十分勘案いたしますが、これをどうしたらいいかはなかなかむずかしい問題でございます。
  55. 植竹春彦

    植竹春彦君 私の質問の要点は、例えば栃木県におきまして各線路が寸断されておる、この一つは仙台の管理局、一つは高崎、一つは水戸というふうに三分断されておる状態が、地方民に非常に不便を与えておる国鉄運営の能率上にも非常に不便を与えておる、その点を御認識になつておられますかどうかという質問であります。重ねてお答えをお願いいたします。
  56. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) それは先ほど申しましたように、地域的な、或る一つの地域の中にある線路、いろいろな線路がございますが、その線路は必ずしも或る地点から或る地点へ行くのではなくて、分岐してほかのところへ行くいろいろな線路がございます。それを一つの枠の中へ入れて、それだけ……、全体を今までは管理部で管理しておりました。今度はそうではなくて線路別に管理をするというふうなやり方でありますので、区域から見ますと如何にも分断されているかのように見えますけれども、実際はむしろ今まで分断されておつた一つ線路が統一して管理されるというふうにも、逆に見られる場合もあるのであります。そこらはなかなかむずかしいところでございます。
  57. 植竹春彦

    植竹春彦君 その見解を伺つておるんではない。県民が困つておるのを、知つておるか知らないかということであります。率直なお答えを願いたいと思います。
  58. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) それはもう長官初め陳情のかたがたがいろいろ参りますから、いろいろお話を伺つております。
  59. 植竹春彦

    植竹春彦君 二月二十日に国鉄総裁に会見しましたときに、総裁は、この総裁なんていうものは隠居役だから、そんなことはあなた方のほうで増設するとかいうことはきめてくれ、どつか増設したいならきめてくれというお話でありましたが、国鉄総裁のような重要な立場は到底隠居役どころではなくて、第一線の統率者としてこの重大な国鉄を運営して行かなければならないと思います。それは一体どういうふうなお考えでそういう御返事があつたのか承わりたい。
  60. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) それはどうもいろいろ私の言葉の言い方がとかく人の誤解を招くのでございますが、私の申上げたことの真意は、先ほど来その点は非常に遺憾ながら植竹委員と私と見解が違うのでありますが、行政機構の簡素化というようなことをいろいろ政府部内においては御計画になつておられるようであります。従いまして現在の管理局なり或いはその他の役所にしてもそうでありますが、それを持ちこたえて行くということが非常に困難じやないかという気持も非常にあるのであります。従いましてそれらも十分お考えの上、又私も考えまして、今後案を練つて参りたい、そういう趣旨で申上げたおけであります。
  61. 植竹春彦

    植竹春彦君 如何に意見の相違はあるとしても国鉄総裁国鉄の重大なる国家の重要なる地位を占めておられる総裁が、隠居役でこの国鉄が運営できるとは絶対に考えられない。これは国鉄総裁として十分お考えを願いたいと思います。私は、一応本日の質問はこれを以て後日に留保いたします。
  62. 高田寛

    理事高田寛君) では、次に運輸大臣がもう御都合上余り長時間こちらにおられないようですが、若し運輸大臣に対する御質問があつたらそれを先にちよつとお願いしたいと思いますが、別段ございませんか。
  63. 内村清次

    ○内村清次君 これは前の委員会で私も質問いたしたわけでありますが、今回のこの行政協定のうちにおきまして、この輸送の便益、これが明確になつているわけですが、これに対する防衛分担金六百五十億のうち百億の問題は、この前聞いたのでありますが、ここでこの協定が発効をいたしました暁において、この現在の進駐軍関係の客貨車すべてが一応これは国鉄のほうに返されてそうして今後は国鉄はこの前の答弁に、コンマーシヤル・ベーシスの上に立つての輸送計画或いは又採算の支払がなされて行くと、こういろお話だつたのでありますが、この切替の時期の点についてお伺いいたしたいことと、それからこの分担金の会計制度というものは大蔵大臣の答弁によりますると、一応特別会計の中に入つて、そうして政府のほうでこの当事者関係に支払うというような会計制度の樹立がされておるのでありますが、この会計制度の樹立を以ちまして、運輸省のこの会計監督の面、これはどういうふうに今後なされるのであるか、或いは又第三点におきましては、この現在進駐軍関係の改造、乗用車の改造がなされているのでありますが、この改造のため、更にこれを又再改造するというような点に対する費用は今後うなつて行くかということ、それからもう一つ第四点には、この運賃がこれは昨年の十一月から値上りをしているのですが、話に聞きますると、運賃の値上りというものが進駐軍の輸送関係には何も考慮されていないという話を聞くのですがそれは事実ですか。これはまあ国鉄関係からでもよろしうございますから、一つ御答弁願いたいと思います。
  64. 村上義一

    ○国務大臣(村上義一君) 只今防衛分担金の点についての御質問であります。なお百億云々というお話もありましたが、これは国鉄特別会計、公社の会計とは無関係のものであると思います。これは港湾の施設費関係であります。実は百億という問題については、運輸大臣は明確に詳細な相談には乗つておりません。ただ百数十億、港湾施設費を完全にするためには百数十億を要するという具体的な意見関係当局から提出いたしてあります。恐らくそのうちの百億をという問題だと承知いたしているのであります。で、一面において港から港への道路を改修すると同時に、港湾の改修費と申しますか、これを百億計上している問題でありまして、なお続いてお話のありまして車輌の改造費云々というお話、これとも全然関係がないと私は思つております。なお運賃について最後にお話がありましたが当初より進駐軍に対する運賃は実費主義によつているのでありますいわゆる原価計算主義と申してよろしかろうと思います。ただその原価なるものは、十分に原価を計上いたしているように承知いたしているのであります。自然その結論は一般営業上の運賃よりも安くはないということを大体申上げることができると思うのであります。自然先般の国鉄運賃改正に際しましても実費主義でありまするが故に、変更はせられていないのだと思うのであります。なお、私の考えていることが事実に違いまするならば国鉄当局から後ほど説明してもらいたいと思います。なおコンマーシヤル・ベースに立つて云々ということをこの前に申上げましたが、これについては、その実施期は講和條約の発効と同時になると期待いたしているのであります。その後にコンマーシヤル・ベースに立つことに相成ります。ただコンマーシヤル・ベースに立つとしましても、貨車初め客車にしましても用法が……特別の駐留軍の活動の必要上用法が或いは違う点があろうかと思うのでありまして、それらの点についてはいわゆる準備工作班、国鉄当局の間で協議をせられることに相成つております。
  65. 内村清次

    ○内村清次君 運賃関係でありますが、これはまあ独立国といたしましての、対等の立場から行政協定が結ばれたとするならば、この百億の問題は、これは港湾関係費だ、今後の輸送費の問題につきましては当然国内運賃によつてこれは規定せられるべき問題ではないか。そういたしますると、そういうような、どのくらいの原価計算で、そうして特別の供与を、便益を与えられるか知りませんが、そういう問題は国内立法としてやはり規定されるというような今後の取扱関係に対して、政府はどういう態度をとつておられるか、伺いたいと思います。
  66. 村上義一

    ○国務大臣(村上義一君) 原価計算主義によつておるのは、今日進駐軍が国鉄に支払う運賃料金が形式的に原価計算主義によつておるのであります。講和條約が発効しまして、行政協定が同時に効力を発生するということになりますれば、その時からコンマーシヤル・ベースに立つことに切替えられるのであります。自然一般の運賃が適用せられるということに相成るはずであります。
  67. 内村清次

    ○内村清次君 再度お尋ねいたしますが、そうすると、特別な便益というものはないわけでございますね。その点確認しておきたいと思います。
  68. 村上義一

    ○国務大臣(村上義一君) 勿論日米安全保障條約の精神に基きまして、安全保障條約に基く米国の義務を果たす上におきまして、特殊の行動を必要とする場合もあると思います。そういう場合にはいわゆるその特殊の行動にマツチするような、対応するような便宜は講ずる必要があると思うのであります。これは便宜の問題であります。その便宜方法を講ずれば、そのサービスに対してコンマーシヤル・ベースに立つた料金、運賃の支払を請求するということは勿論当然であると思うのであります。
  69. 内村清次

    ○内村清次君 次に、これは運輸大臣の諮問機関になつております建設審議会ですが、その運用が、最近聞きますと停頓しておるようなことですが、今回の国鉄予算の中の建設予定線、これはまあ後で国鉄のほうから明示して頂きたいと思いますが、こういう審議会の答申を重要視されて、この決定がなされたのであるかどうか。それから審議会の運営の停頓しております原因は、どこにあるのであるか。この点を一つ運輸大臣からお伺いいたします。
  70. 村上義一

    ○国務大臣(村上義一君) 昨年八月建設審議会が発足いたしましてから、本会議が数回、又分科会が数回開催せられました。併し秋頃から、お説のごとく停頓いたしておりますことは同様遺憾に思つておるのであります。その原因は欠員ができたのであります。欠員ができるまでは相当活撥に審議が進行いたしておつたのであります。その欠員の補充を要請いたしておるのでありますが、今日までなお国会において指名がなされないのであります。恐らく極めて近日中にその指名が骨おれることと期待いたしております。欠員が補充せられました暁は、速かに建設審議会を開いて、曾つて前運輸大臣から提出されております諮問の答申を、成るべく速かにもらうように進みたいと考えておる次第であります。なお、決定してあるという今のお言葉のように承わりましたが、何ら今までに決定されたものはないのであります。今衆議院を通過しまして、参議院で本格的な審議を願つておりまする昭和二十七年度予算には、御承知通り建設費は二十億円ということに相成つております。審議会におきまして恐らくこの二十億円というその金額と睨み合せて、二十七年度で着工すべき線路を選定して、答申があることと期待いたしておる次第であります。
  71. 内村清次

    ○内村清次君 これは建設の費用といたしまして二十億確かに組んであるようでありますが、この二十億の建設予定線の費用については、これは前々からこの委員会といたしましても論議いたしまして、国民の希望といたしましても足らない、勿論この費用の振当て方につきましての政府の態度に対しましても我々は常に要望をいたしておるのですが、その要望が少しも充たされておらない。この充たされておらない原因についても、運輸大臣は率直にこの前の委員会で御発言になつておりますから、更にそれを答弁を求めようとは考えませんが、この充たされておらないところの建設費用にかかわらず、今回の駐留軍の日本駐留によつて、日本の各地にいわゆる演習地文はその施設を要するところの基地、こういう特定なものが作られて行く、そうするとその特定な地域とそれから国鉄のいわゆる現在の線路関係との連絡の線路を作つて行く、こういうような新線的な線路計画が現になされておるということも聞くおけでありまするが、運輸大臣はこの予定線路は審議会の結論を待つてそうしてその線路決定をなすと、こうおつしやつておるのですが、この特定地に対するところの連路線、この線路は優先的に義務付けられておるものであるかどうか、この点に対しまして運輸大臣は閣内におきましてそういう義務付けられた行政協定の内容によつて今後の建設行政を考えて行くという御方針であるかどうか、その点一つ
  72. 村上義一

    ○国務大臣(村上義一君) 駐留軍の演習地そのものにつきましては、農産物増強といつたような見地から、全く荒蕪な土地を用いるということに強く要望を日本政府としてはいたし、大体これが容れられる模様であることを聞いておるのであります。こういう荒蕪地は日本内地でも各所にあるのでありまして、そういう土地は、それぞれその地方は演習地に使用されることを熱望しておられることも恐らくお聞きだと思うのでありまして、現に滋賀県の饗庭野のごときはそのために数回陳情に見えておるというような次第であります。これらの演習地に対して鉄道を建設するということは、私はまだ何ら耳にいたしておらないのでありまして、若しそういうことが万々一にも必要であるとするならば、これはおのずから別個の財源によるべきものだと運輸大臣としては考えておるのであります。
  73. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 ちよつと方向違いですが、今日の議案の中に一つ包含して頂いて、運輸大臣に二つ、三つお伺いしたい。  やはり海運に関係しますが、新聞を見ますと、一日の自由党の総務会で、遺家族の補償問題に関して自由党が政府に申入れをしておるというようなことがあるわけでありますけれども、その申入れの新聞の報道によると、第四項に、遺族の範囲、特に軍属の範囲については国会で検討の上適当に修正する、こういう條項があるのでありまするが、私どもは運輸大臣と同意見でありまして、従来この遺家族の援護という問題には、当然船員は軍人並びに軍属といようなものと同様に取扱うべきものであるし、取扱つてほしいということを主張しておるし、又その論拠も昭和十七年三月の戰時海運管理令によつて船員は国家の徴用になり、その後昭和十八年或いは十九年の閣議決定などによつて当然船員は軍属であり、又軍属と同様、特に金鵄勲章をやるとか或いはもらつた人もあるというような事実に鑑みまして、自由党がこういうふうな申入れを政府にしたということは非常に私ども興味を持つて見ておるのでありますが、政府として、閣内の有力な大臣として、運輸大臣はこの自由党の申入れに対して、従来私どもの願つており、主張しておつた船員をこの際、自由党の主張は那辺にあるか存じませんけれども、恐らくは船員はこれに入れるべきものだという理論は成り立つと思うので、これに対する運輸大臣の御見解を伺い、又是非そういろ線で従来の御主張を貫徹することに御尽力を願いたいと思つて、希望と同時に御意見を伺う次第であります。
  74. 村上義一

    ○国務大臣(村上義一君) 遺家族の援護問題につきまして、その対象となる者を軍人、軍属に限られたということは一応内定いたしておる次第であります。自然船員は極く一部分、而も料理人でありますとか或いは船のボーイとかいう者だけが御承知のごとく軍属の扱いを受けておつたのであります。船長を初め機関長、事務長その他本格的の船員はすべて軍属の手続をとられなかつたのであります。これは陸軍におきまして一小部分を除いた以外の殆んど全部、海軍におきましては全部であります。而もその手続を省略ざれたということは、そのときに当時軍と船舶関係の間にいろいろ話合いがありまして、若し死亡した場合には直ちに軍属の手続をとつて、靖国神社にも勿論その霊を祀り、又その功労如何によつて軍人軍族と同じく金鵄勲章その他の恩典をも授与するということに成つて船員各位は勇躍して軍事輸送の任務に就かれたのであります。上陸作戦に従事し、又船と共に沈んで行つたというのは事案であります。而も前の約束が実行されずに軍属の取扱いを、手続を踏まずにそのままになつ船員が少くないのでありまして、大体時期的に言いますと、太平洋戦争の前半は軍属の取扱いを死亡と同時にした。併し中葉以降はその手続がどういうものかとれなかつたという次第であつて、今日形式的に軍人、軍属に限るということに相成りますると、非常なそこに不合理が生ずるということを考えまするが故に、小原委員と全く感を同じくいたしておるのであります。併しながら一方徴用工員の関係或いは又学徒の挺身隊の関係等、いろいろの準ずべきものだと論議されるような各種のグループがあるのでありまして、自然これを一々論議しておると時がなくなると、とにかく二十七年度においていわゆるお燈明料、いわゆる生活保障には不足するが、その霊を尊敬の念を以て祀るという意味で、寡少な額ではあるが援護費を決定して支給したいというのが過般内定したところであるのであります。一面におきまして日華事変中の部分は不明瞭であるが故に、ただ太平洋戰争のみに限定するという、いろいろそういつたような狭小な範囲にとどめられておるようであります。私まだ小泉さんの今御趣旨のような、自由党方面から党議を以て再考を促しておられる、或いは法案の修正を申出ておられるということは承知いたしておらないのでありますが、先刻申すような自分は信念を持つておりまするが故に、機会あるごとに信念の実現に努力して行きたいと思つております。
  75. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 只今お話で少くとも私は安心しました。どうぞそういう機会がありましたら従来の通りに是非御助力を願いたいと思います。  それからもう一つお伺いしたい。同時に希望なんですけれども、これも甚だ新聞等で杜撰な意見であるし、伺うのは何ですけれども、何か最近聞きますと、神戸の海枝專門学院の校舍並びにその施設中心にして神戸に商船大学を建てろ、これを建設するということが従来も御承知のような経過でいろいろ討議を過していましたけれども、最近これが自由党のほうにおいては総務会でありますか、はつきり建設することにきまつて、そうして仄聞すると、明日の閣議で政府で建設するや否やということがきまることになつておるということを伺つておりますが、この真否のことは私もはつきり確めないで申上げるわけでありますが、一体どうしても神戸に商船大学を作らなければならないということであれば、私ども従来本委員会でも主張しておつたことですけれども、今ある海枝專門学院ですか、そこでやつておる最近、ここ二、三年における船員の再教育、明年或いは明後年には現在のままではどうしても高級船員が日本の船を動かすに足りるだけの者がないから、それを再教育するという運輸省の御方針は御尤もであるし、又それが支障を生ずるようなことがあれば、これはかように海運関係進展の上から言うて重大なことになるのでありますが、商船大学が一面においてもう一つできるということのために、過去においていろいろの論議があり、又いろいろな意見もありますのですが、私はそれに対して今くどくど申すことはないが、どうしても商船大学を神戸に作らなければならんのならば、もともと神戸にあつた高等商船、東京にあつた東京商船というようなものを二つにして、あの戰争の真只中に商船船員の教育を拡充するというようなことで、海軍の大きな要請もあつて、戦争のために両方の学校が合併して、清水に一つの高等商船学校というものができたのは、これは皆さん御承知通りでありますけれども、どうしても神戸に大学を作るというならば、神戸と東京、今は清水になつておりますが、どうせ東京の校舍は、早晩今の警察予備隊が引越せば、今の商船大学は東京に置くということになつておりますが、あそこに帰つてくるでありましようからして、その東京と神戸とを一緒にして、日本における商船大学を一校にして行くという方向にして行くほうが、これはいろいろな観点から、ただ経費とか何とかというばかりでなしに必要性があると私は思つておる。そういうことを是非運輸行政の、海運の進展の面から、ただ教育だから文部省だけで行くのだというような御見解でなく、運輸大臣のお立場からそういう御主張を是非して頂きたいと念願するのですが、それに対する運輸大臣の御見解は如何でありましようか。
  76. 村上義一

    ○国務大臣(村上義一君) 神戸に商船大学を作りたいという意見は、昨年初めから神戸方面にあつたということは承知いたしておつたのであります。併しながら今お説のごとく二つ商船大学を作るということは、二つの系統が職場にできて甚だ面白くないということは私としても痛感いたしておるのでありまして、以前東京、広島に師範学校があつた際の中学校、師範学校の状態に鑑みて見ても明瞭であると思うのであります。のみならずこの商船大学の卒業生の職場は遠く海上において、或いは時には外国において、移動しておるのでありまして、ますますこの二つの系統が一つの船の中にあるということは望ましくないと思うのであります。そういう意味合いから成るべくならば一つの大学で進めて行きたい、特に清水の商船大学はまだ予定されておる設備も充実しておらないのであります。まだなお拡張の余地は十分にあるのであります。併しながら昨年秋に文部委員の各位が現地を視察せられまして、そうして今神戸の深江にある学校を商船大学に二十七年度において変更すると、但し運輸省が今急いで高級船員の養成をしておる事業には決して支障を与えない、こういつたような打合せができておるのであります。私としましてはこういう打合せができておるということはもとより尊重せんければならないのであります。然るに運輸省は現在あすこで機関士、運転士その他高級船員の養成は三百名であるのであります。本年度はますます商船隊の拡充のために急遽これらの船員の再教育を必要とするのでありまして、自然予算措置を講じまして、六百四十名来年度はあすこで養成をして行くという計画予算措置もし、その計画を進めておるような次第であります。六百四十名の生徒を養成して行くということに相成りますると、殆んど大部分現在の校舍はその教室に充てんならんのでありまして、小泉さんはよく御承知のことと思いますが、今教室は十七しかないのであります。然るに六百四十名の生徒定員は二十二学級に分割、いろいろの種類に分れるものでありますが、或いは一教室であり或いは二教室であるために二十二教室を要します。現在の教室の大きいものを間仕切りをして五つ教室を殖やして二十二教室にするという計画で今進んでおるような次第であります。自然文部省に移管するとい範囲は極めて狭いということが実情であるのであります。聞くところによりますと、これで商船大学を準備をして開校をする、そうして八十名の生徒を養成するというだけでも四五億円の建設費を要するやに聞き及んでいるのであります。どういうことに決定いたしますか、今のところ不明でありまするが、本件の推移は只今申上げるようなふうになつております。  なお文部省といたしましても、今清水における商船大学の現状が先刻申すような状態でありまするが故に、とにかく清水と神戸と一本にして、どちらか一方にセニア教育をし一方にジユニア教育をするという方法で進みたいといろ文部省の内部の意見であるように承知いたしております。御参考までに申上げておきます。
  77. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 運輸大臣の御方針は誠に結構だと思います。併し私は運輸大臣というお立場もさることながら、閣議のメンバーの一人として、日本の政治のあり方から……非常にはばつたいことを申すようでありますけれども、海運業の将来に行く道に対する非常に大きな、或る意味から言うと岐路じやないか、私も過去五十年海運の補導にいろいろな意味で関係しておりましたが、過去を思つて将来を推すならば、丁度今高等師範の例をお引きになつたように、高等師範のごときは日本が狭いと言つてもとにかく相当広いのでありますが、船は幾ら大きい船でと言いましても、中に入つている家族は百人か百二、三十人、普通ですと五、六十人の家族が自分の家庭を離れて三カ月或いは六カ月、やはり一年、二年海外に自分の業務に携つてるというのが現状であります。そういうことを思い合わせますると、過去相当苦しい経験を嘗めて来た私としては、今の運輸大臣の御答弁は非常に含蓄のあることだと思います。是非内閣の一員としてそういうことに誤りのないような御処置をして頂きたいと思います。
  78. 高田寛

    理事高田寛君) ではほかに御質問ございませんか。運輸大臣に対する御質問ございまんか。……   —————————————
  79. 高田寛

    理事高田寛君) それでは一般運輸事情に関する調査なり、或いは二十七年度の運輸省並びに国鉄予算に関する件について御質問ありましたら。
  80. 内村清次

    ○内村清次君 国鉄総裁にお尋ねいたしたいのですが、今回の退職者の資料を頂戴いたして見ますると、一万四千二百十三名、こういう数字が出ているようであります。私は国鉄総裁には総裁就任当時、特に鉄道の人事の明朗化と、勿論その人事の明朗化の中におきましてはやはり一面においては昇任制度というものがやはり確立して、前途に明るい希望を職員に持たせなくてはならない、同時にやはり今回のこの退職者の一万四千名の中には、当時の総裁の言明で、鉄道自体が退職後の面倒についての斡旋をやるというお約束をされた。これは私が申すまでもないことでございますが、やはり国鉄機構に、現場に職を持つております者が殆んど一生と言うていいか、その人生の大半をこの企業の中に職務をとつておりますると、やはり社会との交流、又社会との関係というものが非常にこれは知識的におきましても、或いはいろいろ交際的におきましても、非常に何と言いますか隔りを持つて来るというようなことは、これは勿論職種によつて違うでありましよう、そういうような関係を持つておるのですが、そういう生涯の大半を過した職員に対しましては、やはり老後の何と言いますか、安定を考えてやらなくちやならない。私がお聞きしたいことは、現在まで一万四千名の中に総裁及び総裁の趣旨によつて斡旋をされて他職に就いたという数字というものがどれくらいになつておるかどうかということが第一点であります。  第二点は、私は鉄道のこの厖大な企業形態の中からして、やはり何かこういう退職者をただ無駄にその人の退職資金その他が生活費に充てられて行くというようなことでなくして、関連産業を新設してでも、これを救つて行くというような方策はないのであるかどうか、そういうようなお考えを及ぼしてこの計画をされたことがあるかどうか、この点につきましてお伺いいたしたい。
  81. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 御質問の御趣旨は私全く同感でありまして、三十年或るいは四十年の長きに亘つて国鉄に職をとり、御説のようにその中からややもすれば職種によつては全然切離れた世界に住んでおつた。たまたま年齢がだんだん重なるに従つて、後進に道を讓るという美しい心持から職を過ぎ去つて行く、こういうかたがたの老後と申しますか、その安定ということについては何かうまいことがないだろうかということは是非とも考えなければならんと思つて考えて参つたのであります。併しながらこれはなかなかむずかしい問題でございます。御説のように、結局何か仕事をやるということになつても、すでに鉄道一色に染まつておりますから、なかなか転職することもむずかしい、そこで先ず差当りの方といたしまして、只今こちらから差上げました退職資金を確保する、簡單になくならないように、ややもするとなくなつてしまう、或いは消費に使い果してしまうというような傾きがございますので、貯蓄組合でありますとか、或いは我々のほうの斡旋で、いろいろな機関の、一時とにかく退職資金をなくなさないように確保して上げようという手段は実は講じたのであります。併しこれも強制するわけにも参りませんから、趣旨をよく呑み込んで頂いて、うつかりするとなくなるから、先ず差当りこういうふうにしたらどうかということを、これについては私だけでなしに、実は労働組合のほうにも、組合員ではもうないのですけれども、我々の口から申すよりはやはり同僚の組合員のかたがたからしてもらうということで相談して、組合のほうでも何かいろいろ何と申しますか、注意のようなことをしたじやないかと私は思います。これは委員長とも話しましたので、それは結構でしよう、是非やりましようと言つておりましたから、やつてくれたものと思います。差当りは先ずそんなことで、もらつた退職資金を消滅と言いますか、なくしないように差当り確保して行かなければならん、今後又いろいろと退職者の希望等をも聞きまして、就職の斡旋、或いは仕事の上の斡旋ということも、弘済会その他にも連絡をとつて進めて参りたい、かように考えております。
  82. 内村清次

    ○内村清次君 この点は、長崎総裁も長らく在職せられ、又特に退職もされて……併し総裁、局長級のかたがたは何としましても一応そういう関連はあるでございましようが、問題はやはり職員級におきましては、只今言われたように非常に困難をする部面がありますし、特に又共済組合の統計によつて見ましても、就職後五年と命がもたない、こういう原因の一つというものも、私たちはやはりこれは鉄道自体としても大きく考えて頂きたいということも考えられまして、やはり人間は生きているときには何か一つつて行くというような、そういう点の御斡旋を特にお願いして置きます。それから二十七年度の予算計画の中におきまして、今回の印度間の客貨の輸送目標、この目標に対しまする車輌費というものがどうも不足しておるようでございまして、ここに挙げてありまする例えば機関車電車、内燃動車、客車、貨車というような、このような数字で果してこの要請に応じた能力が発揮ざれるかどうかということを憂慮しておるものでありまするが、当初国鉄から大蔵省に対しまして御要請になりました数字との開き、いわゆる決定された数字との開きがどのようになつておるかということと、それから、勿論これは自信ありと総裁は言われるでありましようが、こういうようなものの実施には本当にこの通りできて行くかどうかという点につきましてお伺い申上げます。
  83. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 詳細の数字はいずれ経理局長から申上げるようにいたしますが、大綱を申上げますと、これはしばしば当委員会におきましても申上げたのでございますが、国鉄の現状は御承知通りでございます。これについては、戦争中の貨客車の損耗、戦後における取換修理の不足、それらのものが非常に重なつてつておりますので、だんだんと設備の何と申しますか、潜在能力と申しますか、そういうようなものが落ちておる傾きがある。先ずそれを防止しなければならんということはたびたび申上げたのであります。従いまして、更にそれらの回復なり何なりが遅れて参りますし、ずつと先のほうへ遅れて参りますが、とにかく予算に計上しました輸送数量、それを実施、確保して行くということについては、まあこの程度ならば差支えないと思いますけれども、今申しましたように、こういう振替えであるとか或いは減価償却であるとかいうような面を成るべく早い時期にやつて、立派な鉄道として国民各位の御要望に応えると、いう点から見ますれば、今の予算では甚だ不満足なものであると思います。
  84. 内村清次

    ○内村清次君 例えばですね、これは本年でもこのデイゼル車の問題一つだけを取上げて見ましても、これは当委員会においても国民の請願も相当来ているだろうと思います。勿論電化が全般的にはかばかしくない段階におきまして、或いは又国鉄の独立採算、或いは又、これを総裁の言われる旅客サービスというような面からいたしましても、ローカル線あたりに対してこのデイゼル車が入つて行くということは非常に地方民が観迎しております。それが嫁一人に聟何十人というような状態で、費用の面から非常に制約されて、今回の予算では三十五輌と書いてありますが、私はこういうようなことで、総裁がここに御発表になるようなサービスの面というものは本当にできて行くかどうか、或いは又当委員会で扱つておりますところの、この地方からの地方民からの要請というものが、私たちが取次いで、私たちがここで可決をいたしましても、これがいつになつたならば実現するかというところにさえも非常な責任を感ずるわけです。それからこの貨車の面から考えて見ましても、私は聞きますると、今回のこの独立発効後においては進駐軍が使用している貨車が相当つて来るのだ、或いは又客車が入つて来るのだ、これを又廻して行くからというような御答弁なさる向きも私たちは聞くのでありますが、実際そういう実態で、この新造というものが僅か計上されていることだけで足るかどうかということが私どうも疑問に思うわけであります。この点に対しまして進駐軍からの今回の国鉄への返還の貨車、客車の仮扱いについてお示しを願いたい。
  85. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 進駐軍の使つております車輌の返つて来るものは、未だ確定もいたしておりませんし、今日まだなおいわゆる講和が発効いたしておりませんから、これは今ちよつと申上げることはできないと思います。  なおお説のように今回の予算に計上されておりまする車輌の数を以ていたしましては、皆さんから御覧になつて、これは大変によくなるということは、これはとても望めませんが、じや何もならないかと言つたら、そうでなく、ぼつぼつながら入つて来ておる、来年の今時分になりましたら私は担当にやつて行けるのじやないかと思います。
  86. 内村清次

    ○内村清次君 新聞を見てみますと、例えば進駐軍の白帯が消えて二等車になり、実際電車に剩つて見ましても白帯がある所と二等車は区切りがしてある、こういうようなものはやはり鉄道で改造せられるのか、改造の費用は、進駐軍より鉄道に返還されて、補償されて改造されるのか、とにかく改造しなくちやならないと私たちは思つておるが、その改造費用は、これは国鉄のかたがたの計算によつてでも、六億だけはこれは改造せなくちやならんだろうという見積り、そういうような改造費用というものが国鉄の窮屈な予算の中からして行かなくちやならんのか、或いは改造費用というものは補償として取つて行くという御方針であるか、この方針だけは一つ総裁から明確にして、あと具体的な問題は……。
  87. 三木正

    説明員(三木正君) 進駐軍の専用しております車輌を改造した費用、並びに進駐軍の輸送費は、御承知かと思いますけれども、終戦処理費からもらつておるわけであります。進駐軍の専用しておりますものは、もと車輌を改造しまして、PDと申しますか、そういうのが出まして、それに伴う経費を終戦処理費から頂いて改造しておるわけであります。そうしてこれが返還になりました場合は、国有鉄道といたしましては原状に回復して使いませんと、現在の進駐軍が使つてる恰好では一般—の旅客輸送なり貨物輸送に適しないのが多いものですから、原状に回復してもらうように話しております。そうしてその原状回復に要する費用はやはり終戦処理費でやる。そのほかそういう財産の整理がそういうものの整理ができますと、全部をいろいろ国家の会計とやり取りがいろいろございます。一般の国有財産として将来使いたいと思つているものもございますし、或いは今まで持つておりました船で国家にお渡ししまして、それを払い下げるというようなものもあります。そういうのと差引計算して出されることになると思います。今お話の進駐軍からもらうのでなく、終戦処理費からもらうそういうことになつている。さよう御承知を願います。
  88. 内村清次

    ○内村清次君 只今お話はよくわかりまた。今後は終戦処理費というものがなくなつて参りまするからして、やはり今後は講和関係費ですか、あの中からと、こういうようなことに了解をいたします。ところが先ほどもちよつとお尋ねしたのですが、運賃値上げ後の鉄道運賃を値上げ前のままで取引なされておるということですが、それは事実ですか。
  89. 三木正

    説明員(三木正君) 先ほど運輸大臣からもお話がございました通り、進駐軍の費用は終戦処理費からもらつておる、進駐軍からもらつておりません。国連軍の輸送のような費用は国連からもらつております。そうしてその運賃は先ほど運輸大臣からお話のありました通り、実費計算に基いて要つた費用をもろうというので、一般の当時非常に鉄道運賃が原価を割つた安い運賃でありましたために、それでは鉄道が成立ちませんから、詳細な原価計算をいたしまして、要つた費用をもろう、こういう建前でやつて来ております。でありますから昨年の二月ありましたと思いますが、一般の運賃は値上げしませんでしたけれども、進駐軍の費用は、国連軍の費用は現在は同一割合で収受いたしておりますが、そういうものの値上げをしてもらつたわけでありますが、一般の運賃が十二月に改正になりましたが、それと同じような物価の値上りがその後も見られましたので、その値上げを原価計算に基きまして、前の方式で値上げを要求いたしております。但しまだ正式の契約を締結するまでに至つておりません。その一つの理由は、終戰処理費の予算の不足の問題であり、もう一つは原価計算の中で著しく車輌の、そういうものの減価償却費を新品価格によつて計算いたしております分について難点があるわけでございます。減価償却の費用をどの価格で見るかということは、これは議論がある点でございまして、アメリカにおきましては常に簿価でやつておりますので、どうしても向うが了解しにくいというような議論をいたしておりますが、まあ考えようによつては新品価格で、減価償却を取るということも或る程度修正はしなければならんかと思つておりますが、そういう点で目下折衝中でございまして、正式にはいたしておりませんが、折衝ができ上りましたならば或る程度つて修正して行きたい、こういうふうに考えております。全く一般の運賃値上げとは別個に、要つた経費を計算いたしましてそれを処理する、こういうやり方でやつておりますために、今はその話がついてわらない、こういうようなわけであります。
  90. 内村清次

    ○内村清次君 よくわかりました。それから現在の進駐軍の輸送の状態によつて鉄道の輸送が相当制約をされておる、而もこれは貨車の滞貨の際には特にこのような現象が痛感されたと、私は国鉄当局のほうもこの点については痛感せられておると私は考えるのですが、而も又この輸送の制約というものが特に都市偏在をして、而も大都市偏在をして、例えば東京地区、九州においては北九州或いは又関西こういうような地区において非常に一般旅客及び貨物の制約がざれるという状態でございまするが、この今後の行政協定から起きます駐留軍の問題につきまして輸送計画が現在においても相当打合せがされておるかどうか、又その輸送計画の見通しというものが現在ついておるかどうか、この点につきまして一つ
  91. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) 駐留軍の輸送の計画につきましては事柄の性質上只今のところでは立つておりません。ただ相当前触れには連絡がございましてわかりますが、全体としての計画はわかりません。なお補足的に申上げますと、鉄道一般輸送に非常に大きな影響力を持つておるのじやないかといろお話がございましたが、勿論時期的に、例えば非常に大量な輸送が固まつたというようなときでございますとか、或いは地域的に御指摘の東京附近、横浜附近とか、或いは北九州とかいつたような所で量がございました場合にはありましたが、現在のところでは非常にそう大きな影響力を与えておるというような所はないと思います。将来につきましてもこれは勿論、これから先どうなりますか、まだ我々としてわかつておりませんけれども、今までの経験では全体に非常に大きな影響を与えるという程度には至つておりませんというふうな状況であります。
  92. 内村清次

    ○内村清次君 いや、これは実際あなたがた現場の認識が足らないと思うのですがね、人員の配置の面からいたしましても、特に私は九州の、例えば北九州地区辺りはよく往復——しておりますから存じておりますが、特に又駅長あたりから本当に切実な状態を訴えられて、何とかこういう大量の輸送方面については人員がどうしてもマツチして来ない、そのために人員の面でも困るのだが、これは事故が発生しやしないか、いわゆる線路の枕木腐朽の点から考えても非常に無理だと、こういうようなことで、こういうことが長く続いて行つたならば皆総倒れだと、こういう切実な実感を私たちは体験もいたして来たわけでございまするが、現在は大したことはないと、こういうような認識では私はこの問題は解決して行かないと思うのですが、勿論これは今後駐留兵が即ちどのくらいの計画でどのくらいの人員で又どういう機動性を以てやるかということは、私たちは又相当鉄道当局におきましてもその見通しについての全般はこれは無理だろうとは思う、無理だろうとは思いまするが、ただ私がここに希望と申しますか、そういうような進駐軍関係のほうには占領政策があるから軍命令としていたし方ない。今回もやはり行政協定の上で便益供与の項目があるとしてでも、それではこの軍の輸送というものがこれが今後決して対等で行けるかどうかということに対して私疑問がある。こういう点を以て勘案したならば、一つこれはあとに又質問いたします。現在の人員配置で本当にこれが完全に今後の輸送が確保されて行くか、労務管理が正常に行われて行くかということは、私たちはまた総裁に十分質問したいと思うのですが、その点に対してはどうなんですか。
  93. 三木正

    説明員(三木正君) 私丁度留守にいたしましたけれども、一昨年の朝鮮動乱勃発当時、北九州それから横浜地区におきまして非常な輸送の輻湊を見まして、内村委員指摘のような、現場の従事員にも非常な労苦をかけ、精神的並びに肉体的に労苦をかけたことは事実でございます。併しその後だんだんと人員の配置計画の面から、我々のほうでもそういうものの設備或いはそういう人員の配置等にも気をつけまするし、更に又占領軍のほうにもこちらの苦しいところを十分に理解してもらつて、できるだけ輸送力に合したような、勿論作戦計画と輸送力との競合でありますから、公共企業体みたいなものでは非常にむずかしいものであるけれども、こちらの言い分も十分了知してもらつてつておるわけであります。我々の仕事は飽くまでもサービスの提供でございまして、進駐軍のためにそういう犠牲の起ることはよくあるのであります。それから最近においては北海道で非常な寒気の襲来のために炭積車が凍りついて、運転がうまく行かないために出炭がたまつて来て、炭鉱のほうに迷惑をかける、或いは他の本土から助勤を従事員に出して輸送をやる。或いは四月、五月の時期に各宗派の参拝団が固まる、或いは靖国神社のお祭りがあるというので輸送が輻湊する、そういうために現場の従事員が非常に苦労をし、計画の面でも相当に苦労して、成るべくそういう需要をできるだけ充たすように努力し、又行政庁にもこちらの事情がわかつて頂けて、或る程度輸送事情による輸送計画で行こうというようなこともお願いしておるのでありますが、勿論あり余る人員とあり余る輸送設備を持つて少い輸送をしておれば、これは非常に楽だとは思いますが、なかなか楽でない部面もできて来るかと思いますが、常に私どもは最少の人員で一番安い運賃で輸送をやつて行く、その代りにどんな輸送が起きてもたちどころにどこからどこまで何万トン、或いは何万人を運ぶというわけには行かない、これは仕方がありません。  それからこの予算については初め申上げた通り旅客を三十三億、それから貨物を一億六千と、こういう輸送計画というのでございまして、これが非常に殖えます場合には当然苦しくなるのでございまして、それが一時のただ一日か二日遅れたために人員を採用するとか、採用するといたしましても、その日から使えるわけでございませんので、何年間の教育をしなければ従事員としては一人前にならないから、輸送の趨勢を見ながらそういう一億六千万トン程度ということを目標に事業計画をやつて、これが非常に昂進するような場合には応急或いは継続的な手段を講じ、或いは予算を殖やすというようなこともお願いしなければなりませんが、政府は差当りはこういう計画の下にはこれだけで何とかやつて行こう、決して楽とは申しませんけれども、何とかやつて行こう、こういうような考えを持つておる次第でございます。
  94. 内村清次

    ○内村清次君 私はこの前資料要求の際に今回の四十四万のこの職種別の定員を一つ出してもらいたい、勿論定員法に対するところの現在員を出してもらいたいということを要求いたしておりまするが、これが回答によりましては、まだそれが作成中である、こういうようなことではどうも私は納得できない。現在企業は動いている。そういたしますると現在の四十四万と出した定員もかかるでありましようし、現在即ち仕事をやつておりまするところの職員数も、これは職種別にはつきり実員がわかつて来るのでありましようし、この実員の中には、即ち過不足の点が明確になるでありましようし、而も又今後配置転換その他によつてでこぼこが是正せられて行くという姿ということも、一応当局の計画というものはあるだろうと思うのですが、それが提出にならないというようなことは、私はどうもこの予算審議する上について不親切な態度だと思つているのですが、この点は一つ至急に出して頂きたい。  それから自動車営業駅の廃止が最近計画されているようでありますが、これはどういう趣旨でこの廃止をされるのであるか、これは地方によりましては非常に不便を感じておるようでありまして、公共性の建前と、これ又六三制の問題もありまするが、国鉄の国有自動車の問題というものももう常に請願には出て来ておりまして、無論これは現在の情勢といたしましても、公共性を要望する地方というものが相当あるわけですが、それが今回一挙に企業の合理化という名において四月一日からこれを実施しようとされておるのですが、どういう御計画でやつておるのであるか。
  95. 三木正

    説明員(三木正君) 自動車線の駅を特に廃止し、勿論非常に利用者が少くなつた場合は別でございますが、全般的に廃止しようというような考えは持つておりませんので、ただそういうふうに誤解になられた原因ではないかと想像いたしますものは、これまで定員を配置しまして職員自体が駅務をやつておりました分を、一部業務委託ということにいたしまして、委託者に駅務をやつてもらうということをやろうとしておるのは事実でございます。これは先般昭和二十三年度予算のときだつたと思いますが、日通に代行させておりました貨車の積下しであるとか、或いは交通公社にやらしておりました切符の代売であるとか、そういうものに手数料を払つておつたのでありますが、そういうものを経費節減のためにやめました際にも、自動車線におきましては御承知通り扱う数量が非常に少いのでございまして、そこに專門の人間を張り付けておきますことは不経済な場合が非常に多いのでございます。それで自動車線につきましては、業務委託制度をそのまま存続されておるわけでございますが、それを更に拡張いたしまして、或いはほかの仕事をしておられるところのうどん屋とか雑貨店の片手間に切符を売つて頂く、或いは居所を変えて頂く、或いは場合によつては退職しておられるようなかたにそういう駅務をやつてもらう、そういう意味でだんだんと予算定員が減つて参りますのでそういう方法を講じようとしたのが、駅を廃止するということになつたのではないかと思います。
  96. 内村清次

    ○内村清次君 実際そうですか、これは勿論あなたの言われるように委託で切符発売するというようなこともお考えでありましようが、実際においては現在自動車のいわゆる営業駅として存置しておるものを大幅にこれを廃止して行くという御方針のように承わりますが、そういたしますと、この廃止関係で特に人員関係の何と申しますか、定員を減じて行きます数はどのくらいに上つておりますか、この点説明して頂きたい。  それから第二点には、これはただ駅を廃止するというばかりでなくして、自動車線路の改廃がなされておるようでありまして、特にこれは最近非常に矛盾した当局の考え方に対する陳情が来ておるのですが、この信越自動車関係、これは中部地方自動車の事務所関係ですが、この点について事情がわかつておる点について一つ話して頂きたい。
  97. 三木正

    説明員(三木正君) 差当りそういう委託駅によつて減じまする人数はよく承知しておりませんので、後ほどお出しいたします。  それから信越自動車の細かい点につきましては、私はよく承知いたしておりません。
  98. 高田寛

    理事高田寛君) 速記をとめて。    午後四時二十分速記中止    —————・—————    午後四時三十分速記開始
  99. 高田寛

    理事高田寛君) 速記を始めて下さい。それでは今日の会議はこれで終了いたします。    午後四時三十一分散会