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1952-02-26 第13回国会 参議院 運輸委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年二月二十六日(火曜日)    午前十時五十七分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     山縣 勝見君    理事            岡田 信次君            高田  寛君    委員            植竹 春彦君            一松 政二君            高木 正夫君            小野  哲君            内村 清次君   国務大臣    運 輸 大 臣 村上 義一君   政府委員    運輸大臣官房長 壺井 玄剛君    運輸大臣官房会    計課長     辻  章男君    運輸省海運局長 岡田 修一君    運輸省船舶局長 甘利 昂一君    運輸省自動車局    長       中村  豊君    運輸省鉄道監督    局長      荒木茂久二君    運輸省鉄道監督    局国有鉄道部長 細田 吉藏君    海上保安庁長官 柳沢 米吉君    海上保安庁警備    救難部長    松野 清秀君   事務局側    常任委員会専門    員       岡本 忠雄君    常任委員会専門    員       古谷 善亮君   説明員    日本国有鉄道総    裁       長崎惣之助君    運輸大臣官房観    光部長     間島大治郎君   —————————————   本日の会議に付した事件一般運輸事情に関する調査の件  (企業合理化促進法案に関する件)  (海上保安に関する件)  (観光事業に関する件)  (造船事業に関する件)  (行政機構改革に関する件)  (昭和二十七年度運輸省関係予算及  び日本国有鉄道予算に関する件)   —————————————
  2. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 只今より委員会を開会いたします。  先ず企業合理化促進法案の政令の内容、特に船舶耐用年数に関する大蔵、運輸両省の折衝のその後の経過について、政府当局より御説明を求めます。
  3. 岡田修一

    政府委員岡田修一君) 企業合理化促進法新造船適用することにつきまして、当運輸委員会においても是非ともその方向に進むようにという強い御要望がありまして、私どもといたしましては極力その線で努力をいたした次第でございまするが、どうしても大蔵省と話がつきません。一方企業合理化促進法案の審議も非常に長引きまして、政府部内においても早くこれが妥結をすべきであるという声が非常に強くなつております。一応閣議運輸大臣としてはこれに、企業合理化促進法新造船を載つけなければ了解ができないというので留保したのでございまするが、余り延引いたしますることが、いろいろな情勢から見まして得策ではないと、かように考えまして、閣議の席上、運輸大臣として一応大蔵省提案を呑む、併し海運政策として新造船を推進する上において、一つ大蔵省提案では不十分であるという考えで、将来適当な機会に更に全面的な外航船充実の方策を樹立するからそのときに協力を願いたいと、こういう意味で一応大蔵省提案を了承いたしたような次第であります。その点誠に当運輸委員会の御要望に相反した結果に陥つた次第でありますが、誠に微力のいたすところで申訳ない次第と存じております。大蔵省と私どもの間で落着きました結論は、大体現在の耐用年数を二割短縮するということであります。従つて貨物船につきましては、現在二十年を十六年とする。油槽船は十八年を十五年にする、これは二十五年以降のすべての新造船適用する。それから戦漂船で改造いたしましたものも同様二割短縮する。従つて第一次標準型戦標船、これが貨物船、従来十八年でございましたのを十五年、それから第二次標準型船、これが大部分を占めております。これを改造したものは十二年を十年、第一次戦標タンカーにつきましては、十六年を十三年、第二次戦標タンカーにつきましては十年を八年、このように短縮いたしました。で、貨物船二十年を十六年に短縮いたしますると、これに租税特別措置法で、五割増しの償却が認められておりまするので、三年間で大体四割九分償却となります。それからタンカーのほうでございますると、三年間で五割一分二厘程度償却ができるわけでございます。これによりまして減税せられるであろうと考えられまする額は、昭和二十六年度新造船で三億二千万、戦標船で一億六千万、尤もこの二十六年度のほうは、前年度考えておりまするが、この耐用年数短縮は後期だけでございまするので、今申しました金額の三分の二程度が実際の減税額となります。二十七年度新造船で十億四千万円、戦標船で二億という額でございまして、大体二十六年度と二十七年度で十五億程度減税額になるのではないか、かように考えております。これの適用期間は、二十六年度の下期から二十九年度の下期まで、三カ年半のまあ臨時的な適用ということで話をつけたような次第でございます。  まあ一応かような結果でございますが、なお少し時日がたちまして、更に、先ほど申しました大臣閣議で発言いたしましたように、海運に対する総合的な施策考える、かように存じておる次第でございまして、その節には何とぞ御協力のほどをお願いいたす次第であります。
  4. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 本件に対して何か御質疑はございませんか。  海運局長ちよつとお伺いいたしたいのでありますが、昭和二十六年度下半期より昭和二十九年度下半期までというのは、嚴格に言えば、何月何日から何月何日までの適用範囲になりますか。
  5. 岡田修一

    政府委員岡田修一君) 二十七年一月一日に属する事業年度から三十年三月三十一日までの事業であります。
  6. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 只今海運局長より説明がありましたが、本件に関して、当委員会は今後の新造計画に対して非常な関心を持ち、その遂行に対して是非ともその完成を期しておる建前から、合理化促進法案において船舶をこれに適用せしめるということを強く要望して、現在通産委員会に当委員会決議を回付いたしておりますが、只今政府説明によつて耐用年数による方法によつて当面一応自己資金調達に対して善処するということでありましたが、なお又、閣議において運輸大臣が今後の抜本塞源的な施策を期するという条件の下に、一応耐用年数で本問題を解決されんとするのでありますが、当委員会においては、一応只今政府説明で了承いたすことにいたしますか。或いは又、合理化促進法案に関連して、更に当委員会として新たな措置をとりまするか、如何でしようか。
  7. 高田寛

    高田寛君 速記をとめて下さい。
  8. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  9. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 速記を始めて。只今合理化促進法案に関して政府説明を受けたのでありまするが、当委員会としては、今後の新造計画完遂に対しては重大な関心を持つており、従つて、その一番の問題は造船資金、而もそのキー・ポイントは自己資金調達という点にあるのであつて、その点からこの合理化促進法案において、船舶適用を強く当委員会要望し、当委員会決議通産委員会に回付して、当委員会考えておる点の完遂を図つて来たのであるけれども各般情勢よりして、政府において、当面一応船舶耐用年数短縮によつてその目的の一半を達せんとするやに今政府説明を受けたのであるが、当委員会としては、今後における造船資金調達に対して相当強力な施策を講ずる必要があり、然らざれば新造計画完遂が期しがたいという観点から、この当面の政府措置に対しては、相当の不満を持つものであるけれども各般情勢を勘案して、一応政府のとらんとする措置を了承せざるを得んものであるが、併し今後の造船計画完遂を期する点から見て、別途に造船資金調達に最も有効適切な何らかの単独立法を考慮し、その立法化に対して政府も最善の努力を払うことを希望し、又当委員会においてもそれを研究、又その提案をする準備を進めるという建前の下において、一応本件に関する当委員会の態度をここに表明して、本件に関しては一応政府只今説明を了承することにしたいと思います。本件に関しましては、その他に御質問がございませんでしたら、一応この程度に打切ります。(「異議なし」と呼ぶ者あり)   —————————————
  10. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 次に一般運輸事業に関する調査に関して御質疑がございましたらどうぞ。
  11. 高田寛

    高田寛君 ちよつと海上保安庁長官にお伺いしたいのですが、最近の日本周辺海上治安状況がどうなつておるかという点を一つ説明願いたいと思います。それから又これに関連して掃海の点などについては、瀬戸内海機雷掃海という。ことについて、当委員会も非常な大きな関心を持つていたのですが、これも瀬戸内海については航海の安全の宣言というところまで行つて、誠に結構だと思つておりますが、併し最近又日本海新潟下あたりでは機雷が爆発して相当な被害があつたというような新聞の記事も見ておるし、その後の日本海周辺掃海状況ということも一つ併せて御説明を伺いたいと思います。
  12. 柳沢米吉

    政府委員柳沢米吉君) 日本周辺の現在の状況でございますが、密貿易密出入国等に関しましては、概括的に申上げますと、昭和二十五年に比べまして、昨年の二十六年一ぱい統計を観察いたしますと、二十五年一ぱいに比べまして、二十六年のほうは密出入国及び密貿易、いずれにつきましても総括しまして減少して参つて来ております。併しながら、金額におきましてやや上廻つて来ております。約二〇%の上廻りというような形になつて来ておるわけであります。これを考えますると、密貿易密出入国というものは漸減して来ておるが、併し相当高価なるものを持出し、或いは入れておるという観察ができるわけであります。この点につきましては、我々といたしまして、どうしてそういうふうな統計が現われて来るかという点について、背後的或いは質的の関係をもう少し研究すべきではないかというふうに考えておるわけでございます。なお、日本全体から見まして、密出入国或いは密貿易というものがどこに一番多く出て来ておるかということを考えますときに、先ず九州及び山口県地区、殆んど全国の中の大半はこの方面に主として事件が起きておるということが言い得ると思うのであります。なお、北海道周辺その他東北地方等に逐次ありますが、大部分九州方面にあると言つて過言でないというふうに考えられるわけであります。従いまして、海上保安庁といたしましては、九州地区方面巡視船の約三〇%を割きまして、ここに重点をおいて考えますると同時に、北海道方面につきましても、惡質のものが起らぬように処置をしておるわけでございます。このルート考えますと、朝鮮事変が始まりました直後におきましては、密出入国或いは密貿易というものは減少をして来ておつた。最近になりましてやや殖えて来ておりますが、これもそう大した殖え方ではございませんが、南西諸島からの分及び朝鮮中国等からの分というふうに分れておりますが、大体のルートはやはり朝鮮方面から中継をして博多方面に来たというルートが一番大きなルートのように見受けられているわけでございます。この辺につきまして特に対島方面等には海上保安庁としまして十分に割けるだけの力を割いて警備を行なつている状態でございます。  なお機雷状況でございますが、機雷状況は、お説の通り相当に終戦直後におきまして瀬戸内海その他に機雷がございました。これにつきましては、現在残つております機雷の種類は感応機雷瀬戸内その他に残つておるようでございますが、これらを相当処理して来ております。その処理方法は先ず船舶交通が最も頻繁なる航路を選んで、この航路の幅員を二千メートル或いは三千メートルの幅を以ちまして航路掃海をやつているのであります。このメイン航路から各港湾に対しましての航路筋、これを主体として掃海をやつて来ております。先般安全宣言がありました瀬戸内一環航路及び江崎航路というものは以上の趣旨を以て出来上つた航路安全宣言でございます。従いましてその航路以外の地区にはまだ機雷があるというふうに考えねばならんと思うのでございます。併し逐次これも掃海を行なつて行きたいというふうに考えておるわけであります。なお日本海方面におきます浮遊機雷状況でございますが、昨年に至りまして浮遊機雷日本海方面の各地に流れて来たのでございますが、これを年次別に分けて見ますると、昭和二十五年におきまして六十一個というものが、昭和二十六年一ぱいには二百二十四個という機雷が浮遊し、或いは漂着しておつたのであります。併しこれらは特に二十六年の初めにおきまして相当多くなつて来たのであります。即ち二十六年の正月におきましては十五個の漂流及び漂着がございました。なお二十六年の二月には三十四個の機雷漂着漂流がごさいました。三月には六十二個という数字になつてつたのでございます。四月に入りまして減りまして、十八個というふうに漸減して参つて来ておる状態でございます。今年におきましては、一月におきまして、二十七年の一月におきましては十六個というふうに昨年の一月とやや同じものが流れて来ておつたのであります。二月に入りまして、現在今日までの状況が大体十八個という数字でございます。昨年の三十四個に比べまして十八個というふうに減少して来ておるのでございます。今後の見通しといたしましては、昨年よりは相当少いものになるのではないかというふうに考えられる状況に入つて来ておるわけであります。  なおこれに対しまして海上保安庁といたしましては北海道日本海周辺におきます船舶二十四隻及び機雷掃海を主目的といたします掃海艇を十一隻、合せて三十五隻をこれが目的に当てておるのであります。それの主としての基地は舞鶴及び新潟というものを主として基地といたしましてこれが処理に当つておるわけであります。今後の見通しは、はつきりは申上げられませんが、今までの感じから申しまして、今後滅つて来るのではないかというふうに考えられる次第でございまして、昨年よりは軽度のものになり、同時に啓開員を昨年度よりは強化するという状態になりますので、昨年度に比べますれば船舶運航その他が相当楽になるのではないかというふうに考えている次第でございます。
  13. 高田寛

    高田寛君 今の機雷の点で特に関心を持つていましたこと、既往の交通路である青森函館間の航路書函間における機雷状況という点はどうなつているか。又今後どんな対策を講じて行かれるか。その点をいま少し詳細に御説明願いたい。
  14. 柳沢米吉

    政府委員柳沢米吉君) 青森及び函館側におきますところの津軽海峡浮遊機雷、これは昨年の四月、五月時分からつぼつぼつと機雷が現われてきておりまして、月一個或いは二個或いはひどいときには四、五個というような機雷が流れております。これに対しまして保安庁といたしましては、直ちに巡視船及び掃海船をこれに出しまして、巡視船四隻及び掃海船二隻計六隻を以てこれ言か警備に当つてつたわけであります。併しながらこれだけではその機雷処理がなかなかむずかしいということで、各漁船に対しまして、国鉄当局と打合せの上、機雷発見者に対して賞品制度を設けて、漁船に対して機雷発見早期に行うように手当をいたしておつたわけであります。これだけではまだ不安を感ずるというので、巡視船に対しまして我々のほうの諸分隊が増船いたしまして、これで機雷を発見した場合には連絡船自身の手を以てでも処理ができるというふうな制度も講じておつたのであります。近来に至りまして、殆んど津軽海峡方面には機雷は発見しない状態に入つてきておりますが、又四月、五月という時期になりますと、来るのではないかということで、これに対します準備といたしまして、津軽海峡に最も接近しました竜飛崎及び白神崎に対しまして陸上の見張所を設け、同時にこれに対しましてレーダーを据え置き、このレーダーによる観測ということを行いまして、機雷早期発見を行いたいというふうに考えておるわけでございます。これが予算も頂きまして、現在相当の具体的な設立は近くにあるというふうな状態に入つて来ているわけであります。なお船舶自身に対しましても何らかの防護装置を行うべきではないかというふうに考えまして、国鉄のほうと連絡いたしましていろいろ施策をいたしまして、実際の実験もいたしましてその方向に向つている状態でございます。以上のような手立てをいたしまして、四月に入りまして機雷が参りましても運航をとめることのないように、或いは運航に障害のないように処置しようと思つて努力いたしている次第であります。
  15. 高田寛

    高田寛君 海上保安庁予算は今度三十億まあ増額せられる。これに関連して人員も約六千人ほど増員を要求されていると思うのですが、これに関連して、この海上保安態勢というものをどういうふうに進めるように、整備するように考えて今計画されているか。その点も併せて一つ説明願いたいと思います。
  16. 柳沢米吉

    政府委員柳沢米吉君) 海上保安庁としましては、御承知通りに現在の状況といたしましては、巡視船にいたしまして、この四月になりますと、巡視船九十二隻及び港内艇二百十一隻ということに相成るわけでございます。これは主として警備救難業務に当るものだけの話でございますが、その他燈台或いは水路或いは航路啓開というような各種の業務船舶を持つているわけでございます。これらの船舶でどういうふうに海上保安庁はやつて行くべきであるかということが大きな問題だろうと思うのでございます。この船舶の全部の目標考えて見ますると、少くとも百トン以上の船舶、或いは五十トン以上の船舶、五十トンに切りまして、五十トン以上の船舶というものがどのくらい要るかというふうに考えますと、少くとも三百五十隻くらいないと現在のいろいろの任務を遂行することが不可能な状態に入つて来ております。従いまして今後増強して行く海上保安庁任務を行いますのに、増強して行かなければならない五十トン以上の船舶三百五十隻というものを目標にして逐次進んで行きたいというふうに考えている次第でございます。このために今回予算に盛られました約六千人の増強というものも、この線に沿いまして増強をして行きたいというふうに考えているものでございます。
  17. 内村清次

    内村清次君 関連質問只今保安庁増強の問題ですが、政府の企図いたしておりまする増強性格というものが、これは一連の今回の行政協定によるところの、又は日米安全保障条約協定の枠内においての増強と認められるのでありまするが、政府のほうでは海上保安庁法というものの改正要綱を決定したというような報道もされているのですが、こういうような政府の意図がこの海上保安庁のほうに伝わつているかどうか。又どういう構想で、只今言われた構想のみでなくして、全一般的に海上警備隊というような性格構想の下にこの改正要綱というものが編成されておりはしないかという点について御説明願いたい。
  18. 柳沢米吉

    政府委員柳沢米吉君) 現在海上保安庁といたしましては、海上保安庁法に定められた業務を行うということを目途としているわけでございます。従いまして今後海上保安庁増強をどういうふうにやつて行くかということにつきましては、只今申上げましたような目途を進んで来ているのでございます。今度我々の事務当局として考えておりますものは、人員が約六千人の増強をする、これに伴いまして海上保安庁法に定められました人員の制限を少し大きくして頂かなければならないというふうに相成るのではないかと考えているわけであります。これは御承知通りに、海上保安庁法におきまして人員は一万八千、というふうに切られているのでございまして、現在予算で認められております本年度人員は一万三千有余でございます。これに六千有余を加えますと一万九千と相成りますので、海上保安庁法改正をどうしても行なつて頂かなければならないというところに追い込まれて来ているわけでございます。従いまして今国会是非海上保安庁法改正というものを行いたいというふうに考えているわけでございます。この海上保安庁法内容というものは、現在事務当局の私ども考えておりますものは、海上保安庁の現在の理想、指導精神、即ち人命の尊重という精神目途といたしまして、その中の安全を確保するという目的を遂行するという範囲内にあるものというふうに考えまして、この範囲内におきまして任務を行い得るように組織を変更したいと考えているのでございます。  先ずその第一といたしまして、内部機構次長制度というようなものにつきまして、次長が全般を見得ない次長でございますので、長官と表裏一体になるような次長制度をとる。同時に警救部という部局がございますが、これが船舶運航を全部把握するような制度にしたいというふうな考えを持つているわけでございます。なおそのほかに船舶増強に伴いまして、これらの船舶が、若しマツカーサー・ライン撤廃後におきますところの諸種の問題を考えましたときに、相当団体行動をとらねばならんというような場合に対処いたしまして、団体行動がとり得るような組織を作るというようなことを考えているわけでございます。今成案を練りつつありますので、近く御審議願いたいというふうに考えている次第でございます。
  19. 内村清次

    内村清次君 政府のほうでは行政機構改革をして、一府九省というものを考えておられるようですが、その中にいわゆる現在の警察予備隊保安隊、こういうものと海上保安隊、今言つた海上警備隊というものを一緒の省の治安機構の中に入らして、そうして運輸省機構からこれを分離するというような構想が発表されておりますが、この推進の状態について御説明願いたい。
  20. 柳沢米吉

    政府委員柳沢米吉君) 今お説のようなお話も私の耳にも入つて来ております。併しこれは運輸大臣閣議において各大臣と御折衝して決定さるべき問題と考えております。事務当局といたしましては、現在与えられた海上保安庁法範囲内におきまして、海上保安庁といたしまして増強し進んで行くという一点に現在のところ変りございません。
  21. 内村清次

    内村清次君 今日は運輸大臣は御出席でありませんか。
  22. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 要求してありますが、今閣議でありますから……。
  23. 内村清次

    内村清次君 それではあとでこの問題は聞くことにいたしまして、今回の行政協定内容の中に、これはまだ国会報告がなされておりませんから、真偽のほどは別といたしまして、今後の燈台管理というような問題、それから航路標識の問題、こういう問題が取上げられておりますが、現在米軍が専用で使用しておるという燈台というものはこれはありますかどうか。
  24. 柳沢米吉

    政府委員柳沢米吉君) 現在米軍が専用しておる燈台というのは私の記憶にはございませんです。
  25. 内村清次

    内村清次君 この協定の進行中に、こういう米軍のみの使用の燈台設置計画というようなものの通知もまだなされておりませんか。
  26. 柳沢米吉

    政府委員柳沢米吉君) 何も承わつておりません。
  27. 内村清次

    内村清次君 今回の六千人の増強に対しまして、これは旧軍人関係、即ち海軍に籍を置いた人がたが、而も又相当の地位を得ておつた人たち採用を第一条件にするというようなことですでに保安庁においては募集計画も発表して、その採用の段階に入つておるということでありますが、そのような計画ですか。内容の点を一つ明らかにして頂きたい。
  28. 柳沢米吉

    政府委員柳沢米吉君) 海上保安庁といたしましては、まだ予算が決定しておりませんので、募集を始めておるということはございません。なお海上保安庁といたしましては、将来に対しましても、旧海軍軍人であるから特に入れるというような考えは毛頭持つておりません。同時に旧海軍軍人であるから、これを特別に排除するという考えも持つておりません。パージ解除になりました人々が実際にその役に適するものであるということならば、これは採るべきであろうというふうに考えておりますが、同時に旧海軍軍人であるから特別に採るべきであるという考えも又持つておりません。
  29. 内村清次

    内村清次君 海上警備隊要綱の中に、講和条約の発効後の沿岸警戒用としての航空機、まあヘリコプターというようなものの保有が示されておるようですが、この程度のものであるかどうか。それから又、安全保障条約の内容におきましては、これは空軍の全体は合同委員会を通じてやはりアメリカのほうで大体は持つような計画のように認めますが、併し若干の航空機というものは、これは日本の保有も委せるというような趨勢のようでありますが、大体これはヘリコプターだけじやなくて、航空機の管理というものは何ら予想されておらないのですか。
  30. 柳沢米吉

    政府委員柳沢米吉君) 海上保安庁は、先ほど来申上げました通り海上保安庁法に定められた範囲内のことを行うつもりでございます。我々といたしましては機雷対策その他につきましてヘリコプターを是非持ちたいというふうに考えております。同時に難破船その他の人命を救助するためにも、これが発見のためにも是非ヘリコプターを持ちたいというふうに考えておるものでございます。従いまして、予算といたしましても、できるだけ、まだ決定しておりませんが、頂けるように努力したいというふうに考えておる次第でございます。なお、飛行機にいたしましても、ヘリコプターの使用範囲というものは、非常に便利でありますが、距離或いはその他におきまして、まだこのほかに少しでもいいから、一機でも二機でも飛行機を用いれば非常に結構なのじやないかというふうに考えておりますが、これが実現は相当困難なのじやないかというふうに考えております。いずれにいたしましても、これの使用目的というものは人命の尊重という点にありまして、浮遊機雷或いは難破船発見、或いはこれが救助というものに目的があるものでございます。
  31. 内村清次

    内村清次君 関連質問はこれで終りますが、実は国有鉄道の総裁に質問したいと思いますが、その前にほかにありましたら、運輸省関係で……。
  32. 高田寛

    高田寛君 運輸省関係でもう一つ……。
  33. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) ちよつと待つて下さい。保安庁長官に対する質問は終るのですが、保安庁長官ちよつと御質問申上げたいのでありますが、一昨年あたりから当委員会に対して北陸、山陰、日本海方面から随時陳情、請願が繰返されておる点は、機雷の危険であります。この機雷の危険に対しては只今質問のあつたような事実は余りないということでありますが、日本海方面の、殊に経済界、商工会議所など経済界が一致して請願、陳情を重ねておる点は、現実には被害が少い、非常に少いが、被害に対する危険があるというそのことに対して船舶が廻つて来ない、廻つて来ても保険料が高い、そういうふうな情勢日本海方面の経済界というものは機雷のために非常な、いわゆる現実の実害ではなくて、その危険に対する危惧から非常な船舶運航が減る、従つて物資の出入が減るということで非常に経済界が困つておるというので、随時当委員会に対して陳情、請願を重ねられております。そういう観点から、結局は船舶が安心して運航できる、又物資の出入ができるということであろうと思うので、そういう点から見て、機雷の被害に対する補償に関して、或いは立法等に関してお考えがあるかどうか。何らか危惧の念を去る方法をこれは政府として考えなくちやいかんだろう。こういう現実に機雷が出たとか出んとか、或いは船舶が一隻沈んだとかいうことでなくて、もつと大きな問題があるように思うのですが、それは今どういうふうにお考えになつておるか。
  34. 柳沢米吉

    政府委員柳沢米吉君) この問題に関しましては、我々としましても非常に関心を持つておるのであります。補償問題に関しましては海運方面がこれの担当機関というふうに考えられます。併しながら我々のほうといたしまして、今御指摘になりました点は、非常に海の安全確保という点につきまして責任を痛感しておるものであります。それで実際の問題といたしまして、今まで機雷の捜査体系というものが実を申すと、昨年は早急にああいう事態が起きましたので、保安庁といたしましては、甚だ申訳ない話でありますが、手当の仕方がまずかつたという点が申上げられると思うのでございます。例えば巡視船であるとか、掃海艇とのコンビネートで使う使い方、或いは掃海の仕方の拙劣さというものがおつた考えられるわけであります。今年は、二十六年の十月におきまして保安庁内に次長を長といたしました機雷対策の部内の仮称の委員会を作りまして、これによつて各船が共同してこれが対策に当るという方針を立てました。これにより新潟地区、能登半島から東の地区におきましては、でき得れば船舶の先導ということができれば結構なのでありますが、先導をいたすというだけの船舶が足りませんので、この方面におきましては、船舶が航海する航路筋を主として常に巡視して歩くということを主体といたしまして、この巡視した跡を歩けば機雷の問題は危険性が非常に少くなる。又船舶も安全性を持つというような恰好でございまして、この点につきまして考慮を払つておる。同時に舞鶴方面におきましては航路筋が非常に長く、而もこれに対しては潮流の関係から申しまして縦にこれを掃海するほうが非常に機雷発見にも便利であるし、船舶も安定感を得るであろうという見地から縦にこれを掃海するという方策を立てまして、船舶関係者、その他集りまして、この案ならば非常に船舶関係は安心するであろうというふうになりまして、現在はその方途を以て実施している状態であります。
  35. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 只今私の質問は主として機雷の危険に対する船舶の補償問題でありまして、これは所管外だというお話がありましたが、やはり関連もあると思うのですが、海運局長がおられませんからこの点は留保いた恥しましよう。   —————————————
  36. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 次に観光事業に関する件を議題といたします。
  37. 高田寛

    高田寛君 観光部長ちよつとお尋ねしたいのですが、先般の当委員会で私運輸大臣に御質問しまして、これからの日本観光事業、特に国際観光事業の面において振興を図るには、日本の旅行の費用をもつと安くしなきやいかん。その中でも特にホテルの宿泊料金というものを安くしなきやいかんと思う。その中で長期の低利の資金の供給とか、それから固定資産税の軽減とか、それから遊興飲食税の低減というようなものを外国の観光客を泊めるホテルに対してそういう方法を講ずべきであると思うがどうかという私の質問に対して、大臣からそれらの点について全部同感であり、そういうことの実現を図るように努力しようという御答弁がありましたが、これらの点についてその後どういうふうに政府部内で進行しておられるか、その点をちよつとお尋ねしたいと思います。
  38. 間島大治郎

    説明員(間島大治郎君) ホテルの宿泊料金の軽減につきましては、運輸省としましてかねがね各方面といろいろ折衝をいたしておつたのであります。現在までの経過は、先ず遊興飲食税の問題につきましては、御承知通りこれが税法によりますと、一応ホテルにおける宿泊及び飲食に対して二〇%の高い税金がかかることになつておるのでありますが、従来は特例としてバイヤーズ・ホテルだけは無税になつてつたのであります。ところが本年の一月一日からは外人専用施設というものを廃止することになりまして、バイヤーズのホテルといえども日本人も泊めるということになりましたので、一応こういう特例がなくなる結果に相成つたのであります。運輸省としましては、この際ホテルの宿泊料金を軽減するというふうな建前から、広く外客の宿泊及び飲食に対して遊興飲食税を減免してもらいたいという要望を強く地方財政委員会にいたしておつたのでありまするが、現在までのところでは、近い機会に国際観光ホテル整備法による登録ホテルに対しては遊興飲食税を軽減すると、こういうふうな大体打合せができたのであります。実は運輸省としましては、近く国会提案を予定いたしておりまする国際観光ホテル整備法の中に、登録ホテルに対して遊興飲食税の不均一課税ができるような途を法律の中に入れたいと思つて折衝いたしておりましたが、地方財政委員会としては通牒で同じ措置をとるからということで、恒久的に法律の中に入れることは同意が得られなかつたのであります。止むを得ないと存じますので、一応現在のところ法律の中に入れることはやめまして、通牒によりまして同じような効果を挙げたい、こういうふうに考えております。それでこの一月一日からの措置といたしましては、取りあえず三月末までの期間におきまして従来無税でありましたバイヤーズ・ホテルに対しましては、従来の税率の五割減というふうな通牒が二月の初めに関係府県に出ております。少くとも四月一日からは同様な措置を登録ホテル全般に徹底したい、こういうふうに考えている次第であります。併し又恒久的な対策としては、政府としても遊興飲食税をできるだけ引下げたい、こういう意図があるようであります。GHQとも従来折衝をいたしております。取りあえずこれを一割にするという点で折衝をしておりましたが、これは現在までのところ成功いたしておりません。が併し、将来の問題としてはもつと合理的な低い税率にして、そうしてその場合には内外人とも一律の税金にする、こういうふうな根本的な考え方でおるようであります。  それから次に固定資産税の問題でありますが、これにつきましては、御承知通り、国際観光ホテル整備法の第七条に、登録ホテル業の用に供する建物については固定資産税の不均一課税の適用があるという規定があるのであります。これは強制的な規定でなくて、地方の市町村の自発的な措置に待つわけでありますが、運輸省としましては、運輸大臣がホテルを登録しました際にその通知を発しますと同時に、この法律の趣旨に副つて固定資産税を軽減してもらうようにというふうな強い要望を市町村にいたしております。現在までの結果を申上げますと、登録ホテルは五十軒ございますが、そのうち固定資産税の軽減をいたしたものが十五軒、率から申上げますと六割が二軒、五割減が十一軒、二割五分滅が二軒、こういう結果に相成つております。それから登録ホテルだけでなしに、登録旅館につきましても、法律には書いてございませんが、同様の趣旨に副つてやはり固定資産税の軽減を要望いたしておりますが、これにつきましては現在三十軒の登録旅館のうち四軒のみ固定資産税の軽減を受けております。五割減三軒、二割五分減一軒、こういう実情でございます。その他のものは目下まだそれぞれ市町村と皆折衝中であります。最もホテルの多い、問題の多い東京なかなか難色を示しているのであります。実は運輸省としましては、もう少しこの結果を見た上で、市町村とホテルとの間の折衝のみではなかなか実現しがたいというふうな情勢でありますれば、改めて地方財政委員会と協議いたしまして通牒その他の方法で全般にこの措置が実現できるように努力いたしたい、こういうふうに考えております。  それから長期低利資金の問題でございまするが、これは御承知通り、戦争前は預金部の長期低利の資金を使いまして十五の観光ホテルを造つたのでありますが、戦後におきましても、こういうふうな同様な措置を実は二年ほど前から要望いたしておりまして、或るときは大蔵省事務当局の賛成を得たのでありますが、当時のGHQの方針で実現を見なかつたのであります。これにつきましては極く最近の問題といたしましては、新築の問題もございまするが、御承知通り、極く最近に相当多数のホテルの接収解除を見る予定でありますが、これらが営業を開始するには、やはり中の施設を模様替えする経費が相当たくさん要るのであります。取りあえずこの問題につきまして、各接収解除予定ホテルからどの程度の資金が要るかというふうな要望をとりまして大蔵省と近く折衝を開始する予定にいたしております。併し何分現在の情勢下におきましては、今直ちに戦前と同様な長期低利資金の供給をするということは非常に困難な実情にあるのであります。これはもう少し若干情勢の熟するのを待ちまして、大蔵省ともよく協議した上で、できるだけ早く実現いたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。なお新築の分につきましても、現在極く緊急を要するような個所につきましては、開発銀行等から資金が出やすくするために、政府資金の運用方針というふうなものの中に、こういつた場所におけるホテル新築に対しても政府資金が流せるようなふうに入れてもらうということを、現在経済安定本部と折衝中でございます。
  39. 高田寛

    高田寛君 それではほかに御質問がたくさんあるようでありますから、私は今日はこの程度にいたしておきます。
  40. 内村清次

    内村清次君 それに関連して二点尋ねますが、この国際観光ホテル整備法の改正が近くあると、予定法案の中にも入つておるようでありますが、その中に先ほど言われました登録旅館の固定資産税の問題、これは法律の中には現在ない。これをやはりすでに各地方でもその必要性を認めて、登録旅館の三十五軒の中に四軒だけはそういう減免の措置がとられておるという実情であるならば、改正を契機としてその中に加えて行くという考え方はないかどうか。これは私たち委員会から地方に調査に出ましたときにも、相当要望があつて、一方ホテルのほうにはこれが適用されて、而も又現在改築して、この法律の中にある規格を充すための資金調達にも相当困難しておるような状態でありまして、それから又外人のみの専用というような考え方でなくして、一段日本人にも旅行先の快適な旅館宿泊の状態をやはり完備して行くという精神からいたしましても、立法内容にもそういう点を強く織込んだらどうかという感じもするわけですが、そういう考え方はないのでありますか、その点を一つ伺いたい。
  41. 間島大治郎

    説明員(間島大治郎君) その問題につきましては、登録旅館の側にそういう要望があるということは、私ども承知いたしておりまして、従来いろいろ研究はいたしました。ただ問題は、この国際観光ホテル整備法によりまする公益等の理由による不均一課税という、この公益等というものに果して該当するかどうかという問題になると思うのであります。実はこの規定が入つておりますのは、外客誘致ということが日本にとりまして外貨の獲得になり、又国際親善を促すというようなことで、相当強い公益性があるということでこの法律の中に入つておると思うのでありますが、実際問題といたしまして、勿論程度の差ではありますが外客の利用度という点から見ますると、ホテルと旅館との間に相当の差があるということは、これは否めない事実だろうと思います。実は私ども事務当局としましては、その問題につきましても、いろいろ関係方面の意見も聞き折衝もいたしておりましたが、登録旅館のほうまで入れるということは、どうも公益等による不均一課税というふうな規定の趣旨から言うと、少しぼやけて来まして、そういうふうなものを入れるという問題になりますと、どうも全体の不均一課税の適用が非常に困難になるというようなことで、これはむしろ入れずに、実際上の措置として同様な不均一課税の適用ができるように、運輸省当局も強く要望し、又関係の官庁からもこれを市町村に要望してもらいまして、実現できるようにしたほうがよいのではないかというふうな意見に到達いたしまして、今回の改正案にも実はそれを取上げなかつたのであります。やりたいという気持はありますか、どうも公益等による不均一課税の適用というものに理由がつけがたいということなのであります。この点一つ御了承を願いたいと思います。
  42. 内村清次

    内村清次君 これは立法の場合に、特に又私のほうあたりでは、これは考え方、即ち思想的にも、日本が立法をするのに外人のみのことを考えて行くということは、どうしてもこれは観光ホテル側に対する態度についても非常に難点があつたわけですが、併しながら勿論ホテルのみが外貨を獲得するということではなくて、勿論慣習上におきましても、ホテルの需要が現在の登録旅館に対しまする需要率から考えますると格段の差があることは、これは考えられますが、併しながらやはり外人次第ではそういう旅館を好む、日本に来たからには日本の折衷的なそういう旅館を好むという習癖もやはりあるようであつて、登録は非常に嚴格にしてあるし、又それだけの登録の旅館に指定されるまでにはやはり相当な資金が要つておるわけですね。そうして外人もやはり率は少いけれどもつておるというような、そういう旅館に対して、日本人も慣習上やはりそういう所を好んで行くということになつて参りますると、日本人も外人も併用して、即ち旅館の水準が高くなつて行くという観点からしまするそういうための旅館施設に対しては、やはり国は公益的な考え方から考えていいのではないかというようなことも私たちは考えておるわけでありますが、その外貨の獲得には外人の好むホテルだけにというようなあなたがたの官庁のお考え方というものがどうも私たちは納得が行かないので、これはまあ法律の一部改正を出されたときにおいて更に検討することにいたしますが……。  第二点は、先ほど接収ホテルの解除がだんだんなされておると、こう言つておりますが、現に解除がなされておるホテルで、例えば通産省が管轄権を以前に持つてつた関係で、その器具或いは又改装に要した費用、そういう物件に対しての賃貸料のようなものを取つておるのですね。これがやはり一つのそこの大きな負担になつて自己資金で改装しながら、又通産省が持つてつたためのホテルに対するところの賃貸料を出さなければならんということで、やはりこれにも先ほど言われたような料金の点において高くなつて行くと、こういう状態があるようでありまするが、こういうようなホテルの非常な盲点に対してあなたがたとしては考えておられるかどうか。
  43. 間島大治郎

    説明員(間島大治郎君) 今お話のバイヤーズ・ホテルにつきましては、これは大体施設は最初全部国でやりまして、そして国の直営にしておつたのであります。それが昨年の四月一日でしたか、日は或いは違つておるかも知れませんが、或る時期から民営に直すということになつたわけであります。ところがそのホテルを経営する会社ができましたが、なかなかこの施設を買取ることが非常に困難である。御承知通り新聞にも出ましたが、ホテル・テイトのごときはこれは入札に一応付したわけであります。結局政府の望む価格と折り合わなくて、不調に終つた。結局経営会社が国から建物とそれから調度、これを全部借りておるわけです。その料金は政府の貸しまするものでありますからして、そう高いということは、これは私は言えないと思うのであります。ただ料金が高いということを私らの見まするところによりますと、やはり政府経営時代からの人間をそのまま引継ぎましたもので、相当人間も多過ぎるというふうな点、その他ホテル経営に必要な種々の用品等が相当値上りを見せておりますので、そういうところに、高くなつたという主要な原因があるのではないかと思うのであります。政府の賃貸料金等が高いから、ホテルの料金が高くなるというふうには私どもは見ておらないのであります。それからそういうホテルは極く一部は自分で或いは壁の塗り替え等はやつたところはありますが、大部分政府がやつたものをそのまま引継ぎまして、それを借りて経営しているということでありまして、設備につきまして、多額の金を投じたという事実はありません。   —————————————
  44. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 観光に関する質問は又次回に譲つて、今日はまだ議題もたくさんありますから……。
  45. 岡田信次

    岡田信次君 日本新造船の船価の問題についてお伺いいたしたいのですが、従来この商船の一総トン当りの建造費というのと、それから鉄道の単線分のトンネルなり、或いは橋梁の一メートル当りの分とほぼ同様だつた。ところが最近は鉄道のほうについて言いますと、トンネルなり橋梁なり、一メートル当り大体十万円内外、ところが船舶のほうは一総トン当り十五万円内外、四、五割高いわけです。いろいろ原因があろうと思いますが、私考えますのに、どうも日本造船計画が無計画だ。従つて船台その他が非常にアイドルになることがある。その間に苦しまぎれに造船所のほうで外注船を引受けるというようなことも、いろいろこの一つの原因になつているのではないか、かように考えるのですが、この辺に対するお考えを伺いたいと思います。
  46. 甘利昂一

    政府委員(甘利昂一君) 一総トン当りの船価が鉄道のほうに比べて高くなつているというお話ですが、我々今普通のサービスのスピードで十五、六ノツトの船で普通十六万円、こう考えております。そのうちに鋼材の占める比率が非常に多いものでありますから、鉄鋼の値上りが相当高くなつている点は否めないと思います。特に最近大型船になります関係上、今までリムド・スチールで造つてつたものが、最行は金属製でなければいけない、特に熔接を広範囲に使う関係で、いわゆる金属製でなければいかんということになつて、普通の今までの鋼材に比べてトン当り一万四、五千円高いというのも一つの理由でありましようし、それから一番大きな理由は、非鉄金属類が非常に高くなつていますので、或る船においては電気部品が非常に高くなつている。而も相当船舶として最近の船は電化されて来る傾向が多いものですから、そういうものが非常に高くなつて来るというのが原因であろうと思います。今お話になつたように、一括して注文するとか、或いはアイドルを防ぐために輸出船を安い値段で取るということも、或る程度考えられますが、我我事務当局でいろいろ精密な計算をいたしましても、そういう問題からの船価高ということは、余り影響しないように考えております。
  47. 岡田信次

    岡田信次君 只今船舶局長のお話では、主として資材の関係で高くなつているというお話ですが、私は実はどうもそう考えないのですが、一つ我が国の造船能力といいますか、船台数といいますか、それと現在のこの造船にかかつている日本の船と外国の船の数を示す資料を一つこの次までに頂きたいと思います。
  48. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 運輸大臣が見えましたから、運輸大臣に対する質問を行いたいと思いますが、先ず第一に、行政機構に関する問題を議題といたして質問いたしたいと思うのでありますが、今回政府において行政機構改革を企図されているのでありまするが、殊に運輸行政に関して、電通、郵政、運輸の三省を一つにして交通省、これは仮称でありましようけれども交通省を設置するというふうな案が、政府において考えられているようでありますが、これに対しては運輸委員会としては甚大な関心を持つているのであります。御承知通り郵政、電通の行政事務と運輸行政とは、これは本質的に相当つた点があり、殊に一番大事な点は、従来電通或いは郵政の労務行政、労働行政、それと国鉄、そういうような日本の官業労働を一省で管掌するというようなことは、これは相当大変だと思うのであります。殊に又その労働組合の行き方も、例えば海員組合の行き方、或いは又全逓あたりの行き方とは、これは又相当つておりまするし、そういう点においても相当問題があろうと思うし、又従来の行政機構の歴史から見ましても、たびたび電通、郵政、運輸というものは合併したり、或いは分離したり、而もその結果、多年の経験により分離すべきだという結論に、大体現在常識としてもなつておるのでありますが、今政府において行政機構改革に関して、運輸行政をどういうふうに取扱つておられるか。その経過について運輸大臣から御説明を願いたいと思います。
  49. 村上義一

    ○国務大臣(村上義一君) 大変遅刻しまして相済みませんでした。只今お話の行政機構の問題でありますが、まだこれは何らまとまつておりません。従いまして今話の途中にあるのでありまして、見通しとしても申上げかねるのでありまするが、今委員長からお話の、運輸省と郵政省と電通省とを合併して交通省にするという意見があることは確かであります。併しながらその意見に対して私は反対であります。理由は、只今委員長もお話のごとく、労務行政の面から言いましても、これは一人の担務し得るところでないと思います。又過去の歴史から言いましても、これは極めて最近に失敗の歴史があるのでありまして、失敗するゆえんは、これはもう極めて明瞭であります。私が賛成できないゆえんもそこにあるのであります。交通省を作るということは極めて必要だと存じます。又今回の機構改正目的とする責任の態勢を明確化するということ、更に行政機構を簡素化してすつきりしたものにするというこの二大目的は至極これは結構なことであります。この両目的に対して、今当面の問題は全く逆行しておるものだと私は思つておるのであります。元来人及び物の交通運輸ということと、思想の交通ということとは全然これはもう別問題であります。両者を一つに併せましても何らそこに益するところはないのでありまして、全く木と竹を繋ぎ合せたというに過ぎないのでありまして、そういう理由で私はそういう意見には、三省を一つにするという意見には、反対の意向を持つておるものであります。
  50. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 只今運輸大臣のお話がありましたが、行政の簡素化という大方針に対しては、我々異議はありません。ただおのずから運輸行政には本質的に違つたものを一つにして、ただ形式的に簡素化するのではいけないので、結局能率を上げて、そうしてその行政簡素化の目的を達しなければいかんのでありますから、当委員会は本行政に関しては、只今申上げた通り機構の改革に対して重大な関心を持つておりますから、許される範囲において今後政府において折衝される経過を当委員会に御報告願い、又我々の考えております点を政府において行政機構改革に際してできるだけ取入れて頂くというふうに要望いたしたいと思います。  なお、本件に関しては他に質問のかたがおありでありまするけれども、今日は他に予算等の関係もありますから次回に譲りたいと思います。
  51. 内村清次

    内村清次君 先ほど保安庁長官にもちよつと質問したんですが、治安機構の中に治安省を作るということが大きな題目のようでありまして、この中に保安隊海上警備隊を総合する、この海上警備隊というものはいわゆる現在の保安庁を運輸省から取つて、そうして治安省の中に包含するという機構改革構想が練られておるようでありまして、これは事実であるかどうか。  それから運輸大臣といたしましてはこの保安庁のあり方については、この委員会で再三性格についても明確にしておられるのであつて、この性格というものが今後行政協定の見地からしていわゆる直接侵略に対するところの一つの戦略的な配置増強の一環としてなつて行く姿であるかどうか、この点を一つ
  52. 村上義一

    ○国務大臣(村上義一君) 海上保安庁をどうするかということにつきましては、まだ何ら意見がないのであります。ただ、今調査を進めているという程度であります。勿論この調査の責任を一応第一線で持つておるのは大橋国務大臣でありまして、陸につきましては警察関係を別個に置いてこれは法務庁関係の機関の外局にする、ただ保安隊というもの、今日ある警察予備隊保安隊とか或いは自衛隊という、どういう名前になりますか、名前もまだ決定しておりませんが、これを切離して先ず保安庁というようなものをこしらえ、そうして今お話になりました保安省とか国防省とかいう省にするという意見も一部にはあるようでありますが、むしろ保安庁とか自衛庁とかいう名目で総理府の外局にするという意見のほうが強いように私は認めております。それでこの陸の保安庁、現在の警察予備隊と共に海上保安庁を如何にするかということが今課題になつておるのであります。併しながら大橋国務大臣としても、今朝も話したのでありますが、まだ何らまとまつた意見は持つておられないのであります。海上保安庁の性質はすでに御承知と存じまするが、全く航海安全の業務と、そうして警備救難の業務の二つでありまして、それで前者はむしろ警察事務までも行かない純粋の海運業務にむしろ接近しておるような仕事であります。ただあとの警備救難の業務、これが警察的な業務であることは御承知通りでおると思います。例えば密貿易の取締りであるとか、密入国の取締りであるとか、或いは又密漁の取締りといつたような、或いは又海上における動乱を鎮圧するとかいつたような警察事務であることは明瞭であると思うのであります。これらの仕事を新たに作られるいわゆる保安庁に合併することが適当であるか否かということは、私の考えとしてはおのずから明らかなものだと考えておるのでありますが、そうして総理府の外局である保安庁を構成する、組織立てるについて第一段の責任を持つておられる大橋国務相がまだ明確なそこに意見を把握しておられんということを今朝も認めたような次第であります。現在そういう状態にあるのであります。従いまして第二の御質問に対してもおのずから今までお話したことで明らかだと思うのであります。
  53. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 行政機構に関しましては先ほど申しました通り、今後の政府におけるいろいろ折衝の経過に従つて委員会において御質問或いは審議をいたしたいと思いますが、ただこの際一点重要な問題であるので運輸大臣にお尋ねいたしておきたいのは、この交通省問題は先ほど申した通りでありますが、運輸行政のうちでこの海運局と船員局を統合して一局とするという案があるやにも承知いたしておりまするが、これは従来の、行政機構政府において考えられるたびに出る問題であるので、この際運輸大臣に一点だけ質問して置きたいと思いますのは、行政簡素化で、いつもこれは問題になりますけれども、これは私は本質的な非常に重大な問題であるので、勿論この海運局の担当する行政事務と、船員局の担当する労働行政とは本質的に違うことはもとよりであります。なお又船員局は現在労使の調整とか、或いは労働基準とか、福利厚生とか職業定安とか或いは教育行政、非常に多岐広範な複雑な事務を担当いたしております。これを船員局の中でまとめてやるということは、相当事務的にも困難だと思うのでありますが、私は一番重大に考えておる点は、この講和後において、日本海運再建に対しては、世界が非常な注目を払つておるのであります。戦前の我々が経験いたしたところでは、日本海運というものに関しまして、一番外国が関心を持つたのは、日本の船員の労働条件であります。私が記憶いたしておるのは、戦前このいわゆる世界各国における海運に関する国際会議において一番問題になつたのは、又労働会議において一番問題になつたのは、日本が、いわゆる海運企業の発展、日本海運の再建が、日本の船員の労働条件の犠牲において日本海運の再建を図るということが、いつも国際会議でそれを重点的に非難され、又それが論議の的になつたのであります。この際若しも労働行政というものが、海運局の中に入つて、そして海運行政のやはりウエイトの中で船員行政が考えられる。となつて行きますると、たださえ日本海運再建に対して、世界各国は事実を曲げてでも、これを非難せんとする中に、これは非常な、私は不利なことになるのじやないか、勿論日本としては、今後労働条件に対しては、フエアーな行き方をしようとする政府の決意、又我々の決意は事実でありますけれども、現在日本海運の再建に対しては、非常な危惧の念を持つておる。而も事実を曲げてまで、それを非難せんとする今までの外国の経緯から見ますると、この際海運行政の中に、海運行政と一緒に、船員行政をするということは、労働条件の犠牲において日本海運行政を再建せんとすることは、外国に非難される口実を与えるようなものであるので、この点は運輸大臣よく御認識になつておると思うのでありまするが、是非この点は、よく事実を認識されて、又今後の日本海運再建に対して支障のないように善処を願いたいと思うのでありますが、どういうふうな経過になつておりますか、簡單に承わつておきたいと思います。
  54. 村上義一

    ○国務大臣(村上義一君) 船員局を廃止して海運局若しくは船舶局に併合するという意見が一部にありますことは、只今お述べになつた通りであります。併し私としましては、只今委員長がお話しになりました御見解と全く同一の意見を持つておるのであります。自然只今申しました船員局を廃止するという意見には賛成できないのであります。ただ今のところ私の意見を表示した程度であります。これに対して何らのまだ打合せは進んでおらないのであります。
  55. 小野哲

    ○小野哲君 もう一つ大事なことがあるようですが、私から伺いたいのですが、港湾行政の点についてどういうふうにお考えになつておられるか簡單に……。
  56. 村上義一

    ○国務大臣(村上義一君) 港湾行政は、これは海運局なり、船舶局船員局と、これはまあ全然別個の分野でありまして、特に水陸のジヤンクシヨンということであり、更に海上から言いますればこれは全くターミナスの施設でありまして、この施設のいい惡い、便、不便ということは、非常に大きい影響をもたらすことは御承知通りであります。海運行政、広い意味の海運行政を処理するものが港湾の計画を立てるということで、初めてそつのない又利便な港湾一切の施設をなし得る計画をいたしております。従つてこの港湾行政を他の省において処理するというがごときは、全く前列申上げました責任体制の明確化に正反対する措置であります。又行政機構を簡素化して、すつきりしたものにするという目途から言いましても、正反対でありまして、船員局の併合に対して賛成できないと同じく、この港湾行政を交通省から取り去るということには全く賛成できないのであります。
  57. 岡田信次

    岡田信次君 もう一点、行政機構改革について重要な問題なんですが、いやしくも交通省というからには、道路行政も包合しなくちやならんと、こう考えるのですが大臣は如何お考えですか。
  58. 村上義一

    ○国務大臣(村上義一君) 今日の道路は申し上げるまでもなく、市内の道路は別としまして、その以外は全部これは自動車交通の道路であります。自動車交通ということを考慮せずに道路というものはあり得ないと思うのであります。これ又港湾の施設と同じ考えを私は持つておるのであります。自動車交通行政というものと道路の建設又管理、運用の行政と不可分のものであると思うのであります。自動車交通を責任を以て処理するところで道路の計画を立てんければ、全きを得ないということは、十数年前からの私の主張であるのであります。自然今回もこの点については私の意見として提出いたしておるような次第であります。まだ他の問題と同様にこの件につきましても打合せは進んでおらないのであります。   —————————————
  59. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) それでは行政機構の問題は又次回にいたしまして、時間も大分経過いたしましたが、もう暫く、次に一般運輸事情に関する調査という運輸省関係予算及び日本国有鉄道予算を議題といたします。
  60. 内村清次

    内村清次君 運輸大臣は今回の行政協定の面に現われました駐留軍に対する輸送費の問題、これは大蔵大臣が先達ての衆議院の予算委員会でも一応発表しておるようです。この数字の点は、ここに挙げてありますが、実際のこの予算雷の中においては、大蔵省の経費の中に分担金の五百六十億と、こういうような数字も入つておりますし、この内容の点が明確でなかつた。その次に発表された数字では輸送費として百億を挙げておるわけです。そこでお尋ねしたいことは、この百億の使途につきましては、勿論これは駐留軍の輸送関係にとどまるものであるか、或いは又これが業務費的な、国鉄に使つておるところの職員関係業務費的な問題になるか、これがまだ明確にならん。そこでですね、とにかく現在の国鉄の中において占領軍関係の要員が相当おるようでありまして、又占領軍に対するところの軍の要請による輸送及び又工場の、即ち輸送の施設に対するところの客車の修繕等、こういう面に携つておるところの業務関係相当あると思いますが、占領軍が条約発効と同時にどういう形になつて、そうしてこの防衛分担金の中の百億というものが使われるかどうか。こういう点は運輸大臣としては大蔵省と密接な連絡の下に、行政協定を中心として、お話ができておるかどうかということをお聞ききしたい。
  61. 村上義一

    ○国務大臣(村上義一君) 輸送費が百億ということを一応発表せられておりまするが、これは全くの予算だと考えます。今までに格段にデーターについて検討をして、そうしてエステイメートした金額ではないと私は考えるのであります。ただ趣旨は講和条約の発効と同時に今までのやり方はすつかり一変するのであります。例えば土地その他の施設のごとき、全部返還を受ける。然る上に駐留軍に必要な土地なり又施設を改めて貸与するという形式をとるごとに相成るのでありまして、勿論講和条約の発効前に準備委員会というようなものができると私は期待しておる。ここで予定せられる場所或いは施設というものについて準備的に協議を進められるということになると信じております。それで話は余談になりましたが、今日におきまして又現在におきましても、国有鉄道が進駐軍の輸送に対しまして実費主義、主義として実費主義によつておりますが、一般の旅客貨物、特に貨物の輸送と趣きを異にしまして、相当前びろに貨車を準備する、いろいろ異つた手配を要するのであります。これらに対しましては、それぞれ貨車の実費、駐留費を、更にいよいよ輸送ということになれば、一キロ当り幾らといつたようなふうにしておりまして実費は十分に国有鉄道は支払われておるはずであります。講和条約発効後は普通のコンマーシアル・べースに立つての運賃を受けるということに相成るのであります。例えば貨車を駐留する、滞留時間に対しては滞留時間についてのコンマーシアル・ベースがあります。規則がありますから、これに基いて計算をするということに相成るのであります。自然大体の目安を百億ということに置いた、エステイメートしたのだと私は思うのであります。これは駐留軍の将来、異動なり客観的事態の推移によつて、いろいろこれは異つて来るのではないかと思う。とにかくコンマーシアル・ベースに立つての計算をするはずであります。
  62. 内村清次

    内村清次君 この行政協定内容のうちに重要な問題は、やはりこの重要な問題の一環といたしまして、輸送通信の問題がありましよう。或いは土地の問題がありましよう。裁判権の問題があるでありましようが、そういう輸送も勿論行政の中の重要な問題であります。この今回の協定をやりつつある委員会に対しまして、運輸省を代表していわゆるこれは政府代表になるのでありましようが、そういう專門家のかたがたが入つて日本としての希望条件、今後の即ち協定の実施に対するところの全般的な計画、そういう問題に対する遺漏のないような協定参画をなされたかどうか。
  63. 村上義一

    ○国務大臣(村上義一君) 国有鉄道の或いは又地方鉄道の輸送という問題ばかりでなしに、或いは港湾につきましても或いは飛行場につきましても、幾多の問題があるのであります。これらにつきましてはすべて意見を提出した、又必要に応じて関係者が参加したりいたしております。
  64. 内村清次

    内村清次君 ここで総裁にお尋ねしたいのですが、私はこの委員会で総裁には総裁の新任の際に、今後独立後におけるところの国鉄のあり方について質問したわけでありまして、特に又現在占領軍として使用しております客車問題、ダイヤの問題、これに対するところの従業員の労務管理の問題、この問題につきまして質問いたしましたところ、現在までのところは折衝中であるからその詳細を御報告する程度に行かないというふうなことでありました。もうこれは総裁が就任されてから相当長い年月になつて、すでにこの行政協定というものも二十七日には、あした頃には仮調印をなされようかという時期になつておるのですが、只今大臣のお話しは專門家の参画しておるようなお話でありますが、その経過、状態一つ……
  65. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 只今大臣から申上げましたのは原則的な取極めができたということでありますが、勿論そういう原則的な取極めができるであろうということは、我々との間にも予想されましたので、その線に沿つての話合いは漸次進んでおります。これは只今大臣から申上げましたように、原則としてはコンマーシアル・ベースによつて、従来からのやり方は変えようという意味合で、その原則の線に沿つて進んでおるわけです。けれどもまだ細かい点はこれからいろいろと場所或いは駐留軍の数いろいろなものがきまつて来なければはつきりしないわけです。
  66. 内村清次

    内村清次君 従場業員が非常に現在の占領下における労務の状態で困難をいたしておりますことは、これは軍の命令であるからというて、例えば工場に収容されました客車の修繕、及び新造に対しましても、非常な労力を提供して、特別な扱いをするというような方法でなされておるようでありますが、こういうような状態は今後どういうふうな管理になつて参りますか。
  67. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) まだ行政協定が公けに発表されませんからどういうことになつておりますか、私の今承知しておるところでは、先ほど申上げましたように一般の日本国民の受ける利益と同等の利益を受けるようにするということですから、一般国内におけると同じようなことでやると思います。で、特別な必要がある場合は別でありましようが、普通の場合においては一般と何ら異ならないことになると思います。
  68. 内村清次

    内村清次君 少し只今の答弁の要点がずれておるようですが、私が質問しますことは、軍命令でこの仕事はいわゆる三日なら三日でやつてしまえと、こういうきつい労務管理がなされておるが、勿論これに対してはやはり国鉄自体といたしましても相当困難な業務の配置換えをやつて、そうして或いは又超過勤務その他の費用も増大しつつ、この命令の期間内にこの仕事を終えて行くというようなことが現在なされておるのですか。そういうような物品的な、即ち金銭や品物の同等的な強要によつて、これを解決して行くのでなくして、いわゆるその時間、それから精神的、こういうような問題で同等な労務管理がなされて行くかどうか。こういうことを私聞きたいのです。
  69. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 私の言葉が足りなかつたのかも知れませんが、つまり将来の、今までには殊に駐留軍が進駐当時においては御指摘のようなことも多少はあつたようであります。漸次その後馴れるに従つて、そんなことも少くなる。又朝鮮動乱が勃発した当時においては、これはまあ緊急の状態ですから、やはり多少そのような状態もあつたように聞いております。併しその後においては、さようなこともなし、殊に行政協定ができますれば、全く国内の交通と同じ扱いをして行ける、そういうようにしようというような心持で、双方とも話合いをしておりますから、私はそう無理なことは今後はないと思います。
  70. 内村清次

    内村清次君 それから現在RTO関係或いは又進駐軍要員といたしましての列車関係の要員はどのくらい包含しておられますか。
  71. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) それは駐留軍に関連した仕事をする、こつちの仕事もするという者は相当ございます。併し本当に專門に駐留軍に専属して働いておるという者は恐らく五、六百人です。
  72. 村上義一

    ○国務大臣(村上義一君) 前刻内村さんのお話の中に軍命令でハードワークを強要されるというお話でありましたが、現在こそ占領軍の命令に我々は服従しなければならん。併し講和が発効しました暁は、軍命令というものはなくなるものであると私は解釈しております。ただ日本は安全保障条約に基いて協力するということでありまして、全然建前が変つて来ると思うのであります。それで軍命令によつて云々というお話でありますが、そういうケースは全然なくなる、勿論、今日でも災害その他の非常時に際して、いろいろ一日とか一晩とか随分重労働も強要される場合もあるのですが、そういう天災地変といつたような非常事態以外には、そういうあなたが御心配になつておるようなケースは起つて来ないと思うのであります。
  73. 内村清次

    内村清次君 運輸大臣の言われた通り、私も予想をし、又希望するわけです。そういう質問を今展開するわけでありまして、現在はその占領軍命令で非常な困難な作業をやつておりますからして、これが行政協定の後において、或いは又、この講和発効後においては対等な立場においてその労務管理というものがなされて行かなくちやいかん。これは恐らく総裁は首を振つているようですが、実際大井工場あたりに行つて見ますと、見学して見ますと、特別な取扱いをしておる。これは係長でも課長でも相当苦心しておるのですよ、この客貨の修繕に対しましては、これをただ超過勤務をして、そう出して人員の配置で労務管理をしたから、これでまあやつと指定の期日に間に合つたからこれで安心だというような労務管理の状態でなくして、やはり平常の工員と同じような労務管理でなされて行かなくちやならん。ここを私は希望するわけであつて、そういう事実がありますからして、その点が非常に不安であつたから今日は特別にこの点をお聞きしたい。そうしていやしくも協定の即ち条項の中におきましても対等な立場でこちらの権益を守つて協定をして頂きたい。勿論講和発効後においては対等の立場で労務管理は日本人として一つ管理をやつて頂きたい。こういう希望のために発言したのでありますからして、どうかその点を……。爾余の私大分質問はありますけれども……。
  74. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) まだ次回か……。
  75. 岡田信次

    岡田信次君 私国務大臣に二つお尋ねいたしたいのですが、一つは鉄道の電化の問題についてお伺いいたしたい。二十七年度におきまして、日本の発電用の石炭が八百数十万トンを予定されております。それから一方国有鉄道の運転用の石炭が六百万トン、両者を合せますと千四百数十万トンになる。これは日本の石炭の産額の三割に当るわけであります。今後水力電源が開発されればされるほどコンスタントな、良質な電気を送るためには、どうしても火力の補給が必要となつて来る。そうしますと、数年後には、国鉄と火力用の石炭を合せますと、日本の石炭の四割以上を消費しなくちやならんという事態に立ち至ると思うのであります。そういたしますと、当然他の石炭を必要といたします産業を圧迫いたすということは申すまでもない。そこでこれをどうするかということになりますと、どうしても国鉄幹線を電化するほかはない。そうして或いは支線をガソリンなり或いはデイーゼル車化にするほか途はないとかように考えるのであります。そうしますと、鉄道の電化の問題につきましては、電源開発と同じように考える、或いは石炭の増産と同じように考える。政府は電源の開発に対しまして相当の力を入れ、資金も投ずるようでありますが、鉄道の電化につきまして或いは支線のガソリンカーにつきましても同様に考え相当政府資金を投ずる、これが当然ではなかろうかと考えるのでありますが、運輸大臣の所見を向いたい。
  76. 村上義一

    ○国務大臣(村上義一君) 国鉄幹線を電化するということにつきましては、全く岡田さんと所見を一にいたしておるのであります。なお支線についてガソリンカーを動かすということも又今後なるべく急いで措置すべきであるということも又同じ意見を持つておるのであります。ただ、今これは総裁からお話願うほうがよろしいかも知れんが、国有鉄道におきましてはデイーゼル・エレクトリツク・エンジンを試作中でありまして、これが成功いたしますればいわゆる電線なき電化が実現するはずでありまして、自然電化計画にも若干の再検討を要することになるだろうと思うのであります。とにもかくにも現在におきましてはなるべく急いで電化をするということが必要だと思つているのであります。現在までに僅かに千六百六十キロしか電化できていないのでありまして、今国鉄の半分を電化するとすればなお八千三百キロほどを電化せんければならんのでありますが、この八千三百キロを十年計画でやるとしましても一年に百六十億とか、七十億とか、或いは二百億近くも電化の経費を要するのだと思うのであります。とにかく経費の、工事費の問題が電化促進問題の当面の課題であると思うのであります。今後機会あるごとに何らかの方法で財源を捻出することに努力したい。国鉄総裁ともよく打合せをし、協力してその資金の調達を満足せしめたいと考えておる次第であります。
  77. 岡田信次

    岡田信次君 電源開発のほうは今年度も九百何億、或いはここ数年間にすでに二千億と言われる開発が進められようとしておるのでありますが、その電源が開発すればするほど石炭の消費が多くなる。これを防ぐには鉄道の消費炭を減らすよりほかに途がないと思うのでありまするから、是非一つこの鉄道電化という問題は電源の開発の一環として資金、その他の手当にも大臣としても御考慮あらんことを切にお願い申上げます。  それから次にこれは前の大臣にもお伺いいたしたのでありますが、最近東京・神戸間のいわゆる弾丸道路ということが問題になつておりまして、この計画が一歩前進したというふうに伝えられておるのでありまするが、その計画はそうといたしましても、日本の今日の道路の状態或いは鉄道の線路網の普及の状態等と考え併せまして、日本全体の陸上交通から考えて時期尚早のような感がするのでありますが、これに対する大臣の御所見は如何でございましようか。
  78. 村上義一

    ○国務大臣(村上義一君) お説のように東京・神戸間に立体的道路を修築して、いわゆる通過料金を収受する道路にしようという計画があることは事実でありまして、勿論これは政府部内に、この計画が外資を導入して、まだ明確にはきまつてはおりませんが、恐く公社組織でこれを作り、少なくとも半官半民といつたような形式になるのじやないかと思うのであります。そうして二十年間でこれを償却するというまあ計画のようであります。果して計画通り二十ケ年で建設費を償却し得るや否や疑問でありまするが、とにかく建設費には千二百億乃至千五百億を要すると称せられております。今これに対して日本側としてどれだけの資金を投入するか、或いは外資の導入の方法は如何なる方法をとるか、いわゆる株券として払込を受ける方法によるか、或いは社債の方法によるか、その辺もまだ明瞭になつておらない。すべて今後の問題になつているのであります。ただ最後の御質問の時期尚早と考えないかというお話でありますが、私は日本に今道路らしい道路は極めて少ないと思うのであります。こういう完全な道路ができればこれは結構だと実は考えている次第であります。
  79. 岡田信次

    岡田信次君 現在の日本の道路は、只今大臣おつしやつたように、道路らしい道路はない。おつしやる通りで、でありまするから手数百億に近い金をかけるならまず現在の道路を道路らしい道路にする、更に必要なところには鉄道も引つ張るというふうにしてからの後の問題であろうと考えるんですが、そうはお考えになりませんですか。
  80. 村上義一

    ○国務大臣(村上義一君) ちよつと御趣旨が把握できないのでありますが、これは政府事業としてやるという、そういう前提での御意見なんですか、一応伺いたいと思います。
  81. 岡田信次

    岡田信次君 大体建設省の中にこれに関する何か審議会ですか、委員会ができたようでありまするから、従つて政府事業と申しますか、政府が主導権をとつた事業であろう、かように私は考えるんです。
  82. 村上義一

    ○国務大臣(村上義一君) まだその辺は実はきまつておらないのでありまして、先刻も申しました通り、パブリツク・コーポレイシヨンの方法によるか、その辺は明瞭にまだなつていないのであります。
  83. 岡田信次

    岡田信次君 一つ運輸省の大臣であられますので、日本の全体の交通問題を所管しておられますので、緊急本末を誤らないようにこの問題に御善処あらんことを切望いたします。
  84. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 他に御質疑がありませんでしたら予定の時間も経過いたしましたから、本日はこの程度で散会をいたします。    午後一時八分散会