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1952-02-22 第13回国会 衆議院 予算委員会第一分科会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年二月二十二日(金曜日)     午前十一時四分開議  出席分科員    主査 有田 二郎君       飯塚 定輔君    永井 要造君       西村 久之君    川島 金次君    兼務 中曽根康弘君  出席政府委員         宮内庁次長   宇佐美 毅君  分科員外出席者         大蔵事務官         (主計官)   白石 正雄君         最高裁判所事務         官         (事務総局経理         局長)     吉田  豊君     ————————————— 二月二十二日  第二分科所属員中曽根康弘君が第一分科兼務と  なつた。     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十七年度一般会計予算皇室費国会、裁  判所会計検査院及び大蔵省所管  昭和二十七年度特別会計予算大蔵省所管  昭和二十七年度政府関係機関予算大蔵省所管     —————————————
  2. 有田二郎

    有田主査 これより会議を開きます。  昨日までに国会会計検査院及び大蔵省所管について審査を終了いたしましたので、本日は昭和二十七年度一般会計予算皇室費裁判所所管を議題として質疑に入ります。中曽根康弘君。
  3. 中曽根康弘

    中曽根委員 皇室費の諸問題につきまして宮内庁次長にお伺いいたします。まず第一は皇太子立太子の件でありますが、昨日の御説明によりますと、皇室費として二億三千万円、そのうち内廷費として三千万円、宮廷費として一億九千万円、その他六百万円等が計上されておるようであります。そこで昭和二十七年は皇太子立太子の儀が行われるということで、国民いずれも非常な関心を持つておるのでありますが、この皇太子立太子の式を一体いつごろおやりになるか、この点をまずお伺いいたしたいと思います。
  4. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 皇太子殿下には昨年の十二月二十三日をもちまして成年に達せられまして、成年式立太子式を挙行されますように準備を進めておつたのでありますが、貞明皇后の御崩御によりましてそれが延期に相なつております。大体今秋を目して挙行されるお見込みでおりますが、まだ日時等につきましては決定を見ておりません。
  5. 中曽根康弘

    中曽根委員 成年式立太子式と同時に挙行なさるのでございますか。それとも別々におやりになるのですか。それから今秋というのは大体何月ごろの目途でございますか。
  6. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 ただいまのところは、立太子式成年式あまり時をあけずに行いたいという考え方でございまして、月について秋の何月ごろというお尋ねでございますが、まだ何らきまつておりませんけれども、おそらく十月を中心として前後にわたることと存じます。
  7. 中曽根康弘

    中曽根委員 次にお伺いいたしますが、その立太子式及び成年式経費はどれくらいお使いになつて、それはどの費目からお出しになる御予定でございますか。
  8. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 立太子式経費でございますが、約四百五十万円ばかりでございまして、宮廷費の中に含まれております。内容は、皇太子殿下の御服装の経費と、それから饗宴が行われる予定でございますので、その経費と、あとの御族行経費でございます。
  9. 中曽根康弘

    中曽根委員 立太子式はどこでどういうような規模でおやりになりますか。たとえば今までの皇室の御慣例によつて神式でやるとか、あるいは京都でやるとかそういう場所と、それからどういう模様でこれをおやりになりますかお尋ねいたします。
  10. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 ただいまは従前と異なりまして、立太子式成年式法律的な根拠はできておりません。ただ慣習によつて行わせられることとなるのでございます。場所につきましては東京で、おそらく皇居内と考えられておるのでございます。従前の式によりますと、賢所におきまして儀式が行われたのでありますが、ただいまの憲法下におきまして、そのことは天皇の私事という姿になりましたので、国事としての儀式は、別に国事として行われるというような考え方に進んでおる次第であります。
  11. 中曽根康弘

    中曽根委員 立太子の式は国家的な祝典でありまして、特に日本国象徴と将来ならせられる方の式でございますから、当然国事だと思うのであります。今の御説明では、ちよつとはつきりしないところがあるのですが、もう少し御説明を願いたいと思います。
  12. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 立太子礼成年式は、ただいま御質問通り国事として行うという考え方でございます。従つて従前行われました賢所の前における伝統のある神道形式を持ちますものは、これは陛下の私的なお行事になりまして、国として行いますものは、それらと離して行われることと存じます。
  13. 中曽根康弘

    中曽根委員 賢所の前で行われる儀式というのはどういうことですか。私あまり知識がありませんのでわかりませんが、もう少しこまかく御説明願いたいと思います。
  14. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 賢所の前で行われます儀式と申しますのは、従前祭祀令成年式令等において行われたところでございまして、いわゆる裝束をつけられまして、神前で行われる行事でございます。これは、あるいは御劍を授けられ、あるいは冠を加えられるというような、古来の式をとつておるのでございます。今回国事として考えられますものは、従前のものと切り離して考えて行きたい、こういうことで今検討いたしておるわけであります。
  15. 中曽根康弘

    中曽根委員 それではつきりいたしました。  国事としておやりになるには、どういう形でおやりになるのですか。たとえば神道儀式をおやりになつて国家代表者を参列せしめて御祝典申し上げ、その後に饗宴をおやりになるのか。それともモーニング・コートか何かをお着になつて国家代表者を交えて普通の儀式をあげられるのか。その辺の内容をもう少し詳しく御説明願いたいと思います。
  16. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 まだ審議中でございまして、特にこの形式が初めてのことでございますので、決定至つておりませんが、神道と混淆するような形は避けなければならないと考えております。国事として行われますものにつきましては、国の代表の方のお集まりを願つておそらく行われるのではないか、かように考えております。
  17. 中曽根康弘

    中曽根委員 立太子の式は国家的な式典でありまして、国民ひとしくことほぐべき日だと思うのでありますが、その日を国家特別祝日として、国民が全部これをお祝い申し上げるというような、宮内庁方面希望と申しますか、そういうものはあるかないか。  それからもう一つは、その式典には、国民のできるだけ多くの階層の代表者を網羅してお祝い申し上げるのが好ましいと思うのであります。單に政府の役人や国会議員のみならず、一般のそういう代表者も何かの形で祝意を表することができるようなことはとれないものか。そういう点について宮内庁側の御計画がありましたら、お知らせ願いたいと思います。
  18. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 成年式立太子式の当日を祝日にいたしますかどうかということにつきましては、内閣の方とも十分協議しなければならない点でございまして、ここでただちに私ども希望だけを申し上げかねるのでございます。  その祝典に参列の範囲につきましては、ただいまお述べになりましたような趣旨で検討いたしたいと考えておりますが、場所その他の制約の関係もございまして、どの範囲にするかということにつきましては、まだ申し上げる段取りに至つておりませんけれども、ただいま申し述べられましたような趣旨で十分検討いたしたいと考えております。
  19. 中曽根康弘

    中曽根委員 一つ希望を申し上げますが、立太子の式が終られましたあとで、何か国民に対して——これは政治的なものではありませんが、次の国家象徴となられた方でありますから、ラジオやその他を通じて、あいさつといいますか、そういうようなものがある方が、人間皇太子という感じにおいても、国民に非常に親しみを持たせるのではないかと思うのです。そういうお言葉と申しますか、国民と直接触れ合うようなことをおやりになる御計画はありませんか。われわれとしてはそういうことを非常に希望するのでございますが、いかがでございますか。
  20. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 目下のところその点まで検討いたしておりませんので、御希望として十分伺つておきたいと思います。
  21. 中曽根康弘

    中曽根委員 今の内閣のやり方は、よく新聞の論説にもありますように、天皇を再び神格化して、神だなの上に上げようという政策を非常に持つているように私は危惧しております。この間私がここで天皇制の問題について御質問申し上げましたのも、国民と触れ合う天皇にならなければならない、そういう意味天皇制を護持するために申し上げたのですが、それに対する吉田総理大臣の答弁は、再び神格化した天皇というものを頭に置いて、国民との直接の触れ合いというものを念頭に置いておらない。特にイギリスにおける皇室国民との関係、あの程度までうるわしい人情味を持つた関係にしなければ、天皇制というものは、新しい知識の開けた近代においては、永続し得ないというおそれすらわれわれは抱いておるのであります。昨日も私はある大学生たちと話しましたけれども、ああいうふうに合理的にものを考える習慣をつけられた日本人は、今までの明治憲法のような天皇であつたならば、そう関心を持たないという現状になつております。従つて同じ人間としての情味の触れ合い、その中から出て来る天皇に対する敬愛、これが天皇制を永続せしめるものであろうと思うのであります。そういう点からして、皇太子スキーをおやりになつたり、乘馬をおやりになつたりすることは、非常に好ましいことであると思うのですが、国家公的機関である、たとえばNHKのようなものを通じて、この機会にお言葉をもつて国民と触れ合うということも重大な一つ行事ではないかと思うのであります。こういうことは今まで宮内庁でも考えておらないし、吉田内閣至つては毛頭考えておらない。しかしこれではいけないのです。そういう意味で私は特に今日これを申し上げるのでありまするが、私のこの願いを宮内庁においてはなるたけとつていただきまして、ぜひ実現していただくようにお願い申し上げる次第であります。  その次にお伺いいたしますが、私勉強しませんので、よくわかりませんのでございますが、皇太子になられたあと皇太子殿下地位と申しますか、お身分は、法的には今までとどういうふうに違つて来るか、またその他の関係においてどういうふうに違つて来るか、この点を御説明願いたいと思います。
  22. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 御成年後におきまして、法律的におかわりになりますることは、攝政におなりになり得る地位につかれるということでございます。その他の点につきましては、法律的には何ら規定を見ていないと存じますが、御成年後の御活動としては、御成年前とは違いまして、公式な場所にも漸次お出ましになることと存じます。しかし、なお御就学中でございますので、すべてがそうだということは申し上げかねますが、そういうお立場に立たれることと存じます。
  23. 中曽根康弘

    中曽根委員 皇太子おなりなつあとのいろいろな経費と申しますか、国民として差上げる経費というようなものは、今までのときと額が違うものかどうか、その点はいかがでございますか。
  24. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 ただいま皇太子殿下の御経費というものは、独立してきまつておらないのでございまして、いわゆる内廷費といたしまして、天皇皇后陛下皇太子殿下内廷におられます親王、内親王経費といたしまして、法律上本年は二千九百万円でございますが、別途法律で御議決をお願いしておりますように、二十七年度は三千万円ということになつております。その中におきまして皇太子殿下の御必要な経費をまかなつて行くことになる次第でございます。宮廷費関係につきましては、皇太子殿下に特におふえになるという点は少いと思いますが、本年の四月から大学にお進みになりますので、そういう点の御講義をいたしまする諸教授に対する経費その他につきましては、若干増加になつております。
  25. 中曽根康弘

    中曽根委員 御成年になられますと、そういう公的な資格身分をお持ちになり、また国家の将来象徴になられる方としての格式をお持ちにならなければならないと思うのです。従つてこれは法律の不備であるかもしれませんが、今までのようなお身分でいらつしやるときと、公の資格をお持ちになつたときとは、当然経費においても違わなくちやならぬと思うのです。たとえば方々へお出ましになるにしましても、あるいはその他のいろいろな会合に御出席になるにいたしましても、あるいはスキーをおやりになるにいたしましても、今までとはやや違つたような感じを持たなければならぬと思います。従つて、今までの内廷費の中にくるめてそういうことを御処理なさるということは、どうもわれわれといたしまして、皇太子という格別資格をお持ちになつた方に対してどうかと思うのでありますが、この点はいかがでございますか。これは宮内庁側の意見として承つておきたいのですが、そういう公的な資格を御獲得になつ皇太子というものに対しては、今までの法律改正して、何らかの経費の増額を認めるとか、そういう措置は必要ないものかどうか、お伺いいたしたいと思います。
  26. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 昨年成年お達しになりまして以後、従前東宮傳育官ということで、傳育官が四名置かれておつたわけでございますが、御成年と同時にこれを東宮侍従ということに変更いたしまして、ただいまは東宮侍従がおそばにおるわけであります。そういうような変化につきましては、十分気をつけておるのでございますが、御成年お達しになりましたけれども、なお今後学習を続けられるのでございまして、あらゆる公的な立場にすぐお出ましになるということにつきましては、相当愼重に進みたいと考える次第でございます。これらが漸次進むにつれまして、必要な経費につきましてはさらに御審議を願う機会もあろうかと存じますが、ただいまのところにおきましては、現在提案いたしておりまする経費によりまして、十分必要なものはまかない得ると、かように考えております。
  27. 中曽根康弘

    中曽根委員 皇太子になられたあと教育関係はどういうふうになりますか。成年に達せられたあともただいまお話のあつたようなままで継続されるのか、あるいは何か格別教育の方法でも講ぜられるのか、この点はいかがでございますか。
  28. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 先ほども申し上げました通り、本年学習院高等科を御卒業になりまして、その後大学にお進みになる予定でございますが、御自身の御希望もございますし、従前のなれました環境という点も検討いたしまして、学習院大学にお進みになる御予定でございます。しかしながら單に学校における講座をお聞きになりますのみならず、皇太子として必要な特殊な科目につきましては、大学講座をお聞きになりますより以上に多くを差上げるようにいたしたいということで、教育を担当しております者が現在検討いたしておる次第でございまして、そういつた特殊な教育につきましては、十分な配慮をいたして参りたい、かように存じております。
  29. 中曽根康弘

    中曽根委員 皇太子としての特殊な御教育をおやりになるというお言葉でございますが、私も非常に同感に存じます。それは具体的にどういうふうにおやりになるのでございますか、学習院科目別科としておやりになるのか、あるいは東宮侍従というような方方が側近にあつておやりになるのか、あるいは特別に、昔でいえば帝王学というのがあつたようですが、それに類するような新しい形のものでおやりになるのか、その辺はいかがでございますか。
  30. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 皇太子殿下大学にお進みになりますということは、昔の御学問所というような特殊な教育じやなくて、やはり一般学生と同様な学校生活大学研究の御生活を送られるということで、殿下の将来にとつて非常に重要なことと考えておるのであります。しかしながらそれだけではもとより足りない点があろうかと思います。特別の帝王学というようなものは、一つ講座をなすというふうには考えませんが、たとえば憲法の問題につきましても、こまかい技術的な法律解釈論議よりも、各国の憲法なり、その精神なり、歴史的な立場というようなものを、主として研究をお願いいたしまして、広く国際的な視野に立つた日本憲法立場というものを十分身につけていただくというような、これは一つの例でございますが、そういう考え方によりまして、御講義を進めるということが大切ではないかと考えておりまして、そういう点につきまして特殊の学科につきましては、そういう配慮を十分加えて行きたい、かような考え方をしておる次第であります。
  31. 中曽根康弘

    中曽根委員 そうすると、学習院教科課程あるいはその別科のほかに、側近でそういうことを御配慮になつておやりになる、こういう意味でございますか。
  32. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 学習院にきめられました科目科目でありますけれども、特別な有能な教授にお願いいたしまして、特別な講義を受けられる、こういうような方式で進みたいと考えます。
  33. 中曽根康弘

    中曽根委員 皇太子の問題で最後にお伺いいたしますが、日本が独立したあと皇太子が見聞を広めるために、世界を周遊なさるということも、大事なことであろうと思う。それは独立後すぐやるか、あるいはいつやるかは別でありますが、そういう配慮も、われわれとしてはすべきだと思うのであります。その点について宮内庁の方で何かお考えがありますか、お伺いいたします。
  34. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 御質問の御趣旨につきましては、われわれといたしましても同感に存ずるのでありますが、目下のところ具体的にそういう話は出ておりません。それだけをお答えいたします。
  35. 中曽根康弘

    中曽根委員 次に順宮様の御婚姻があるはずであります。これも貞明皇后のお喪明けを待ちまして、おやりになるだろうと思うのでありますが、順宮様の御婚姻はいつごろ大体おやりなる予定でありますか。
  36. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 順宮様の御婚儀につきましては、形式的に申しますと、まだ内定の発表もないのでございますが、この秋には行われますものと考えておる次第でございます。
  37. 中曽根康弘

    中曽根委員 大体立太子式の前になりますか、あとになりますか、大体の見当はいかがですか。
  38. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 まだはつきりいたしておりません。
  39. 中曽根康弘

    中曽根委員 御婚姻の御費用について、今までの例によりますと、内廷費からおさきになる分と、それから御降嫁費用として法律に基いて出す分とあるようであります。御婚姻の御費用は大体どれくらいお出しになるか、また御降嫁資金としてどれくらいのものを差上げることになるか、この点をお伺いいたします。
  40. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 順宮様の御婚儀経費は、全部内廷費でまかなわれるのでありますが、これは来年度予算に関しておりますので、まだ見積り等もでき上つておりません。御降嫁資金につきましては、法律規定がございまして、現在は親王定額、すなわち七十三万円の半額の十五倍以内において、皇室経済会議が定める、こういうことになつておりますが、この間その改正案を御審議いただき、御議決願つたのであります。それによりますと、定額百四十万円の半額の十倍以内におきまして、皇室経済会議が定めるということに、改正の御議決願つて、今参議院の方に送付されておる次第でございます。その手続によつてきまると思います。
  41. 中曽根康弘

    中曽根委員 この前照宮様でしたかどなたでしたか、やはり皇室経済会議の議を経ておやりになつたようでありますが、その基準に準じて今度の改正案でやると、大体どれくらいになる見込みでありますか。
  42. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 今回の改正案によりますと、百四十万円の半額の十倍以内ということになろうかと思います。しかし前回の孝宮様のときは、約二年前にいたした関係もございますから、おそらく皇室経済会議におきましても、そういう点を愼重考慮の上で、きめられるだろうと思います。
  43. 中曽根康弘

    中曽根委員 孝宮様のときには、どういう基準で大体お出しになりましたのですか。
  44. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 最高十五倍になりまして、金額がたしか四百八十万円くらいだつたと思います。
  45. 中曽根康弘

    中曽根委員 大体それで模様がわかりました。そうすると内廷費が、立太子式であるとか、あるいは順宮の御婚儀で相当いると思います。これが普通に計算された三千万円程度で、はたして足りるものかどうか、この点はいかがでありますか。
  46. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 内廷費法律上の定額でございまして、臨時的な経費につきましては予想されておりません。従つてそういうような臨時の支出を予想されますために、従前からなるべく御節約願つて経費を御準備願つておるわけでございます。従つて非常にきゆうくつな時代もございまして、今日に至つたのでございますが、今回百万円の増で、三千万円に決定いたしますならば、その点はどうにかやり得るものと考えております。
  47. 中曽根康弘

    中曽根委員 次に伺いますが、いよいよ日本が独立いたしますと、天皇国家象徴として外国使臣の接見であるとか、そういういろいろなことが行われることになります。そこで宮内庁の庁舎を改装して、そういうような場所にあてるように計画が進められておるという話でありますが、具体的にそれがどういうふうに今進められておりますか、お尋ねいたします。
  48. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 御案内の通りに、宮殿は全部戰災によつて燒失いたしました。ただいまは宮内庁役所の一部を使われまして、外国使臣の謁見その他に御使用になつて、きわめて手狹でございます。従つて当座の必要上、ただいまも宮内庁役所の三階を明けまして、そこを多少絨毯あるいは緞帳をかえるというような程度、あるいは壁を塗りかえるという程度改裝をいたしまして、今後のそういつた外国使臣接遇その他にあてたいということで、今回の予算に、その改裝並びにいす、調度に要する経費、約七千万円の計上をお願いしておる次第でございます。
  49. 中曽根康弘

    中曽根委員 話はちよつと飛びますが、先ほどの立太子式、あるいは順宮様の御婚儀等に要する費用が多額であつて不足だという場合には、予備費を出すことも可能とも聞いておりますが、予算上の予備費をそこへ充当するということも可能でありますかどうか、伺つておきます。
  50. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 ただいま御審議願つております経費によりまして、大体私どもはまかない得るものと考えております。ただ御降嫁資金につきまして、金額の予測ができませんので、この予算に上つておりません。そういうことを財務当局にもお願い申し上げなければならないというふうに考えておるのでありますが、御降嫁資金以外の点につきましては、現在の予算でまかない得るものと考えております。
  51. 中曽根康弘

    中曽根委員 七千万円の費用改裝なさるということでありますが、私はその部屋を知らないのでありますけれども、いろいろな外国との比較において、日本国象徴として品位をそこなわないような程度のものにできるものかどうか。これはわれわれとしても、民族のプライドに関することでありますから、お伺いいたしたいのでありますが、いかがでございますか。
  52. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 今回改裝いたします部分は、もともと事務室にできておるところでございますので、いわゆる宮殿様式の体をなしておりません。従つてもとより十分なこともできませんし、それをもつて十分とは申し上げかねるのでありますが、一応外国使臣が参りましても、あまりみすぼらしくない程度にはなしたいものと考えておる次第であります。
  53. 中曽根康弘

    中曽根委員 最後に正倉院のことをお伺いしたいと思いますが、正倉院はあれはたしか年次計画で、いろいろな保護工作をやつておるようであります。大体あれはいつごろ完成する目途でおやりになつておるか、また現在どういう程度にそれが進んでおるか、それに対してどの程度費用を今かけておるか、こういう点について御説明願いたいと思います。
  54. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 正倉院につきましては、すでに御承知の通りに正倉院の建物は千数百年も経た木造建築で、世界に誇るべきものでございますが、同時にここに包蔵されまするものも、実にわが国の代表的な文化財でございまして、当局といたしましては火災その他万一のことを考慮いたしまして、中の重要な文化財を保護できますような不燃の倉庫を建てたいということで、本年度から進んでおるわけであります。本年度約二千万円、それからただいま提案になつております予算に約二千五百万円、合せまして本年度中にその倉庫が完成する予定で進めておる次第であります。
  55. 中曽根康弘

    中曽根委員 以上で私の質問を終ります。
  56. 有田二郎

    有田主査 それでは私から質問いたします。白石主計官にお尋ねしたいのですが、内廷費が昨年の予算で二千九百万円、それが三千万円、百万円上つておるのであります。しかし今中曽根委員からもお話がございました通り、来年度の二十七年度からは独立国家日本として、国家象徴である天皇陛下の公的な仕事が非常に多くなつておられますると同時に、内廷費についても相当の費用がいる。中曽根委員が御指摘になりました通りに、民族のプライドにおいても、われわれとしても考えなければならぬ点であるし、また主計局としても十分お考えになつた点だろうと思うのでありまするが、これをもつて独立後の日本国家象徴としての内廷費が十分である、かようにお考えになつてお組みになつたものであるかどうか、承りたいと思います。
  57. 白石正雄

    ○白石説明員 皇室の御一家に必要な金といたしまして内廷費三千万円は、これは法律によりましておきめ願うはずでありまするが、皇室に要するその他公式の経費といたしましては、宮廷費といたしまして本年の九千百万円程度から二十七年度は一億七千万円程度に増額されておるのでありまして、これによりまして必要な経費が満たされるものと考えておるわけであります。内廷費につきましては、皇室のいわば内廷に必要な金でありまして、今後独立国家となりました場合の所要な経費をいかに見積るかということにつきましては、愼重なる検討を要するものと考えるのでありまするが、宮内庁当局におかれまして、英国の皇室等との関係その他諸般の事情を検討せられまして、三千万円が適当であろうと御要求になつておりまするので、それによつて算定したような次第であります。なお皇室の御一家の人員等との関係を比較いたしまするならば、三千万円は本年度の二千九百万円に比較いたしまして、実質的には相当の増額を見ておるということになるわけであります。
  58. 有田二郎

    有田主査 それに対して宇佐美宮内庁次長の御答弁を承りたい。
  59. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 ただいま大蔵省の主計官の御説明になりましたのと同様のふうに考えておるのでありまして、二千九百万円が三千万円になりましたということは、百万円の増でございますが、貞明皇后の御崩御等の関係もございまして、百万円以上の実質的な増になるわけでございます。しかしこれは従前の基本的な内廷費ができました当時の基礎、あるいはその後の物価騰貴というような点を考えまして、計算をいたして参つたのでありまして、私どもといたしましては、今後軽微な物価の変動によりましても変更の必要はないものと考えて、内廷費経費といたしましては、ただいま申し上げましたような趣旨で、三千万円でやり得るものと、かように考えております。
  60. 有田二郎

    有田主査 もちろん敗戦後の日本あまりするし、ある程度の御節約を願わなければならぬことは当然でありますけれども、三千万円というものは戰前の物価に比較いたしますと、約十五万円であります。一月約一万二千円、このわずかな費用内廷費がやれるという宮内庁次長なり主計局の考えには、私は賛成しかねるのでございます。独立後の憲法によつて国家象徴としての天皇のお立場というものは明らかになつて来ておるのであります。将来こういう点につきまして十分御検討願つて予備費その他においても、国家象徴として憲法の精神に反しない方向で十分お考えが願いたいと思うのであります。これに対してさらに宮内庁次長の御答弁を承りたいと思います。
  61. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 ただいま主査の御質問の点まことにありがたく拜聽いたすのでございますが、お話にもございました通りに、現在の国家の財政その他の点から見まして、やはりできるだけの節約はお願いを申し上げて行きたい、かように考えております。しかし象徴としての天皇の御活動に御支障のあるようなことがあつては相ならぬことも十分考えております。御意見の点は、今後におきましても十分検討して進んで参りたいと存じます。
  62. 有田二郎

    有田主査 さらに白石主計官にお尋ねしたいことは、昨年度の謝金二百十万一千円が百四十一万円に減額されておるのでありますが、これに対して御答弁を承りたいと思います。
  63. 白石正雄

    ○白石説明員 謝金につきましては、前年におきましては、いわゆる外国人給與の百八万円という謝金が含まれておつたのでありまして、これは皇太子殿下の講師としてヴアイニング夫人に対する給與が含まれておつたのでございます。これが明年度におきましては、なくなりますので、減額と相なつております。
  64. 有田二郎

    有田主査 さらに白石主計官にお尋ねしたいのは、報償費は昨年百四十一万円ありましたものが、本年は百二十三万円計上されて、十八万円ほど減額されておりますが、これにつきましても、どういうお考えでおきめになつたか、承りたいと思います。
  65. 白石正雄

    ○白石説明員 報償費は、行幸の際におきまする諸費用に充てるために計上しておるのでありまするが、来年度におきましては、行幸は北海道だけが予定されておるのでありまして、本年度よりもその日数が少くなるものと考えられるわけであります。従いまして減額になつております。
  66. 有田二郎

    有田主査 さらに白石主計官にお尋ねしたいのですが、本年も昨年も交際費に三十三万円という額が上つておりますが、一体三十三万円で何ができるか、これについて、どういうので昨年も本年もこういうふうにおきめになつた、承りたいと思います。
  67. 白石正雄

    ○白石説明員 交際費につきましては、前年通りの同額を計上しておるのでありまするが、諸般の交際費的なものに要する経費といたしましては、会議費の名目におきまして、前年の百八十五万円に対しまして七百万円程度を計上して、所要の経費に充てることを予定しております。
  68. 有田二郎

    有田主査 さらに宮内庁次長にお尋ねしたいのでありますが、こういう国家象徴としての——会議費もけつこうでありますが、交際費なんかは明らかに表へ出すべきである。三十三万円の交際費なんというものは、どう考えても納得できないと思います。宮内庁としては、また陛下としても相当いろいろお入用になる面が多かろうと思うのでありまして、将来これらの審議について十分御検討をお願いしたいと思うのでございまするが、特に独立後における皇室のあり方というものをあわせお考えを願いまして、将来とも万遺漏ない方向にお進め願いたいと思います。  質問ありませんね。——皇室費に対する質疑は、これをもつて打切ります。     —————————————
  69. 有田二郎

    有田主査 それでは最高裁判所の事務総局経理局長の吉田氏から最高裁判所の予算について伺いたいのでありますが、特に財政法によりまして、政府最高裁判所との間に対立があつたやに聞くのでありまして、また最近政府に屈服したというような情報もわれわれは聞いておる。これらに対しまして許す範囲内の御答弁を承りたいと思います。
  70. 吉田豊

    吉田最高裁判所説明員 昭和二十七年度の裁判所の歳出見積りのうちで、裁判所の営繕費につきまして内閣最高裁判所との間に意見が一致しませずに、最高裁判所が見積りました九億一千二百万円ほどの額を、内閣では六億六千六百万円に減額されたのであります。その結果、財政法第十九條によりまして予算書にその旨が附記されるようになつたのでございます。しかしその後最高裁判所といたしまして、いろいろの事情を考慮いたしまして、営繕工事の一部を次年度に繰延べることによつて内閣の決定額に同意する、こういう方針に決定されまして、その旨を内閣に通知いたしたのでございます。  その間の事情を申し上げますと、御承知のように裁判所の腐朽庁舎の改築、戰災庁舎の復旧、それから狹隘庁舎の増築、新設の家庭裁判所や簡易裁判所の新築等、全国的に非常に大きな営繕工事を進めて行かなければならない時期が到来しておるのでございます。それで今かりに二十六年度の営繕費の予算額の九億九千万円を毎年国会予算に計上していただいたといたしましても、全部完成いたしますまでには、七十六年の長い月日を要することになるわけでございます。そのために最高裁判所といたしましては、少くとも先ほど申し上げた九億一千二百万円の額は必要と認めたのでございます。ところが二十七年度予算の編成が、いろいろの事情から非常に短日月の間に行われましたために、大蔵省と最高裁判所との間にその事務的折衝が十分に行われなかつたうらみがございます。そのためになお両者の間に検討する余地が十分にあり、またそういたすことが、最高裁判所の将来の大きな営繕計画のためにも良策であろうと考えまして、今後両者の間に十分検討を加えることとしまして、意見の一致を見なかつた工事は次の年度に繰延べる、こういうことにして、ひとまず内閣の決定額に同意をいたしたわけでございます。
  71. 有田二郎

    有田主査 これについて主計局長の意見を聞きたいのですが主計局長は来ておりませんから白石説明員。
  72. 白石正雄

    ○白石説明員 裁判所の営繕工事に関しまして、裁判所と内閣の間において当初意見の相違がありましたことは、ただいま裁判所の方から御説明通りであります。内閣といたしまして、二十七年度の裁判所施設費を六億六千六百二十万円と決定いたしました根拠は、一般的に営繕工事費につきまして、前年度よりも減額査定をいたしておりましたので、裁判所につきましても同様の処置をお願いした次第であります、このことは、たとえば総理府関係の営繕費につきましては、前年度の二億二千九百万が一億五千三百万、大蔵省の営繕費につきましては、前年度の一億八千八百万が九千五百万と、約五割程度というようにそれぞれ営繕費につきまして減額をいたしておりまして、内閣所管の全体の営繕費の合計で見ますと、合同庁舎関係を除きまして、前年度十億五千九百万円が七億一千百万円と相なつておりまして、六割七分程度になつておるわけであります。従いまして裁判所の営繕工事につきましても、大体前年度の六割七分程度の六億六千六百万円ということに決定いたした次第であります。最近におきまして、裁判所の方からこの金額に同意する旨の通知がありましたことは、先ほど説明された通りであります。
  73. 有田二郎

    有田主査 さらに白石主計官にお伺いしたいのですが、内閣決定の中の公務員宿舎施設費は、裁判所が五千六百万円要求しておるのにゼロになつておる。これについては一般公務員宿舎の費用が別にあるわけですが、それを裁判所の方にまわすのか、一切これを認めないのか、同時に裁判所に認めないのならば、一般の公務員宿舎は一つもつくらないのか、この点も承りたいと思います。
  74. 白石正雄

    ○白石説明員 公務員宿舎施設費につきましては、二十六年度におきましても一般の公務員宿舎施設費十二億の中から裁判所分を、宿舎審議会の議を経て移しかえておるのであります。二十七年度におきましても、職員宿舎費十億の中から同様支出をなす予定であります。
  75. 有田二郎

    有田主査 それについて白石主計官にさらにお尋ねいたしますが、二十六年度十二億のうち最高裁判所の方にまわつた公務員宿舎の費用が幾らあるか。今度十億になり、また審議会の議を経なければならぬのでしようけれども、昨年の状況をお話願いたいと思います。
  76. 白石正雄

    ○白石説明員 五千九百万円であります。
  77. 有田二郎

    有田主査 それについて吉田説明員から承りたい。最高裁判所として昨年五千数百万円公務員宿舎の費用が来て、どの程度できましたか、承りたいと思います。
  78. 吉田豊

    吉田最高裁判所説明員 ちよつと正確な数字を用意しておりませんが、最高裁判所裁判官の公邸一戸と、下級裁判所裁判官の宿舎といたしまして約三十戸ばかりをつくりました。
  79. 有田二郎

    有田主査 それではこの五千六百万円というものは、この公務員の一般のいわゆる十億、昨年は十二億ですが、そういう割当以外に五千六百万円を御請求になつたものかどうか、承りたいと思います。
  80. 吉田豊

    吉田最高裁判所説明員 五千六百万円という数字は、裁判官だけの宿舎といたしまして請求したわけでございます。
  81. 有田二郎

    有田主査 そうしたら結局一般公務員の、昨年は十二億、本年は十億の中からもらうものはもらつて、さらに判事の宿舎を別に建てよう、かようなお考えであつたのか、それを承りたいと思います。
  82. 吉田豊

    吉田最高裁判所説明員 従来の予算のやり方といたしまして、内閣の方に一般公務員の宿舎費といたしまして相当額が計上されておるわけでございます。二十六年度は十二億ばかり計上されたと思つておりますが、そのうちで裁判官だけの分といたしまして六千五百万円ばかりを裁判所の方に移しかえしてもらつておるわけでございます。裁判官以外の裁判所の職員の病舎につきましては、大蔵省の方で全国各地に統一的に宿舎を経営しておられますので、そのでき上つた分の割当を受けておるわけでございます。それで来年度予算につきましても同じような意味におきまして、五千六百万円を裁判所だけの宿舎として要求し、その他の職員の分は内閣の方でお建てになつたものをさらに割当を受ける、こういう考えでいたしたわけであります。
  83. 有田二郎

    有田主査 もう一度お尋ねしたいのですが、しからば公務員宿舎施設費というような名目でなく、裁判官宿舎施設費というような名目でお出しになるのが適当でないかと思うのでありますが、これに対する御所見を承りたいと思います。
  84. 吉田豊

    吉田最高裁判所説明員 裁判所の予算は独立計上という法律の建前になつておりますし、仰せのようにもし裁判所の予算に計上されるといたしますれば、裁判官宿舎施設費、こういう名前が適当であろうと存じております。
  85. 有田二郎

    有田主査 どうかひとつ主計局との間に十分御検討願つて、この次の予算申請のときにはそれらのはつきりした——これで行きますと、われわれが考えますと、一般の公務員宿舎と同じように、公務員宿舎は公務員宿舎で割当を受けながら、さらにまた別に裁判所は公務員宿舎をとるのじやないかという、一つの誤つた見方をわれわれするようになるのでありまして、裁判官の宿舎であれば、裁判官は三権分立からいつて、当然相当な宿舎があつてしかるべきものであるとわれわれも考えるのです。しかしわれわれ国会議員も今日わずかな八疊の部屋一部屋というような状態の宿舎、それも全議員には及んでいないというような状態でありまして、将来全裁判官が判事としてはずかしくない相当な宿舎をお持ちになられることは当然であるけれども、今日の日本の段階においては、ただちにさようなことも御期待になつておられぬでしようが、とにかく裁判官の宿舎というような名目におかえになるのが、われわれとしては妥当ではないか、こういう考えを持つておるので、十分大蔵省と御相談の上、将来そういうようなおとりはからいを願うことがけつこうだと思うのであります。  それからさらにお尋ねしたいのでありますが、二十七年度予算の中の統計機構の整備に必要な経費が、昨年度は二千六百八十五万四千円、これが二千二百六十万六千円になつて、その間約四百二、三十万円の減額を示しております。これは大体十分できたからあなたの方でお削りになつたものか、それとも主計局の方でお創りになつたものか、この点お尋ね申し上げたいと思います。
  86. 吉田豊

    吉田最高裁判所説明員 ただいまの数字は、私の方で承知して要求した数字でございまして、それは統計カードの整理箱が二十六年度予算で一応整備されましたので、その分だけを来年度は減額いたしておるわけでございます。
  87. 有田二郎

    有田主査 さらにお尋ねしたいのは、昭和二十七年度に行われる衆議院議員の総選挙に関する事件の裁判を適正迅速に処理する必要がある。」かようにはつきり書いておられますが、衆議院議員の任期は来年一月二十二日まであるのでありまして——解散があればこれは別でありますが、なければ任期一ぱい、昭和二十八年に行われる衆議院議員の選挙、こう考えられるのですが、来年の一月は昭和二十七年度だからさようにお考えになつたものか、その点を承りたいと思います。
  88. 吉田豊

    吉田最高裁判所説明員 裁判所といたしましては、選挙の前に法律の解釈その他についていろいろ研究するために会同を催しますので、そのために選挙の施行の前にその費用が必要になるだろう、こういうわけで計上してございます。
  89. 有田二郎

    有田主査 それから裁判所の予備金に必要な経費として、昨年も本年も八百万円予定されておりますが、これはどういうような方面に御使用になつておられるか、承りたいと思います。
  90. 吉田豊

    吉田最高裁判所説明員 従来の予備金の使用のほとんどは、火災その他のためにこわれました庁舎の復旧、そういうものに使つております。
  91. 有田二郎

    有田主査 それから主計局と最高裁判所の方にお願いしたいことは、三権分立の建前ではありますけれども、仲よくやつていただきたい、主計局もお越しになつておられますから、私はこうお願いするのです。われわれの耳に、予算に関して最高裁判所と政府とが対立しておるということが入つておりますが、今まで国会政府との間に、国会予算について対立したということを聞いたことはないのです。裁判所としては、ただいま承りましたことは当然のことでありますけれども、今日の與えられた事態というものが敗戰後の状態であつて——先般私靜岡に参りましたときに、靜岡の裁判所のビルデイングがりつぱに建つておる。それに対して一般民衆の声は、われわれは税金で困つておるのにかかわらず、裁判所だけりつぱなものが建つておる。これは占領しておるアメリカ側から見れば、もちろん裁判に対する権威をお考えになつてのことであると思いますが、アメリカと日本とでは経済状態が違のうでありまして、しかも敗戰後の今日の実態をよくお考え願つて——将来のことは別といたしまして、われわれの耳に、最高裁判所と政府との間において対立的なものがあつたというようなことを聞くことは、われわれも遺憾であるし、国民もひとしく遺憾と思うところであろうと私は思うのであります。そういうことが表に出ない間に、十分主計局方面も国会並びに最高裁判所、あるいは会計検査院というものとの間には、外に争いことが漏れないような方向に、政治的に十分解決し得るような御努力をお願いいたしたいと思うのであります。  これをもつて裁判所の質疑を終ります。  他に質疑がなければ、これをもつて本分科会における審査は全部終了いたしました。  この際お諮りいたします。本分科会における討論採決は予算委員会に讓るべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  92. 有田二郎

    有田主査 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。  これにて散会いたします。     午後零時十分散会