○
小林(進)
委員 総理大臣にお伺いいたします。問題を三つにわけて、簡単にお伺いしたいのであります。
第一の問題は、
日本の
独立と
経済の自立というものは、私は不可分だと思うのであります。自立のない
独立というものは考えられない。今日のわが
日本の
状態では、
独立は
回復いたしましたが、中小企業者、労働者並びに農民諸君の、この
経済自立から見た貧困と窮乏というものは、まさに悲惨なものがあるのであります。
国民大衆の
経済の基盤がこんな不安定な
状態であ
つて、いかに
政府の施策が進められて行
つても、とうてい
国民は満足することはできない、この問題を
総理は一体どうお考えにな
つているか。今の中小企業者の窮乏、農民の窮乏を率直に認められるかどうか、この問題が第一。認められるならば、この中小企業者その他の自由市民の救済のために、いかなる構想をお持ちにな
つているか。あるいは農民のこの窮乏に対し、あるいは輸入総額の三分の一以上を輸入食糧が占めている、この面からも貿易が圧迫せられておる、この食糧問題に対して、一体どういう構想をお持ちにな
つているか。たとえていえば、依然としてやはり米などを自由販売とせられる意向であるかどうか、税金を軽減されるかどうか、
国民生活水準の向上についてどうお考えにな
つているか、
独立を契機とした
総理大臣の総合的な
経済自立の構想を承りたいと私は思うのであります。これが第一問であります。
第二間は、何とい
つても現在の
政治情勢は非常に不安定な
状況にあります。それは先ほどから言われましたメーデーあるいはいろいろの
関係もございましようが、それに加えて、この
吉田内閣のいわば任期が間近に控えているということと、あわせて次期選挙を目ざして、院の内外を通じて、事前運動を
中心にする選挙運動が行われておるということが根本でありまして、
独立を
回復いたしました今日でも、真剣に、新しい
日本のために構想を練り、
政治を論ずるという形が、国の内外に
一つもでき上
つていないのであります。これは実に悲しむべき現状であると私は思うのでありまして、これがためには、やはりあくまでも
独立を契機に解散をいたしまして、ま
つたく人心を新たにして、新しい
日本の建設に
向うという態勢をつくることが、最も重大だと私は思うのでありますが、この解散をおそまきながら即時におやりになる意向があるかどうか、あるいはおやりにならないで、任期一ぱいおやりになる意向であるか、これをひ
とつ明確にしていただきたい。
総理のお考えであります。これが第二番目であります。
第三番目といたしましては、きようのこの予算
委員会でもしかり。われわれは十三日に予算
委員会を開く予定でありましたが、
総理の御都合で十三日分
委員会を延期せられ、十五日の十一時から十二時までという
総理の御指命で、その
総理の御指命に基いてわが予算
委員会がそれに歩調を合せたという形ででき上
つたのであります。これは私は実に立法府に対する
行政府の干犯である、こう思うのであります。いやしくもわれわれ国会はいわゆる国の行政に対する最高の指導、最高の監督の機関といたしまして、この
行政府の長たる
総理大臣を招致して、その
政治のやり方あるいはよしあしに対して、われわれはこれを十分指導監督する権限を持
つている。しかもその立法府における予算
委員会というものは、国政の総合的な問題を収上げてこれを論議する最も重要なる
委員会である。その
委員会は当然
総理を招致して、国政全般を開く権利を持ち、責任を所有しているのであります。
総理は当然この予算
委員会に出席して、
国民の代表たるわれわれの前にこれを
説明せられる責任と義務があるのであります。(「その
通り」)これが正確に行われてこそ三権分立もりつぱに行われて、立法府の権威も保たれるのであります。(拍手)しかるにもかかわらず、
総理はこのたびのみならず、いつも
行政府の都合で立法府がそれに歩調を合せる、こういうようなことは、先ほど
総理大臣が
学生に法を遵守せよということを説かれて
答弁せられたが、その説かれている
総理大臣みずからが三権分立の
原則を破壊している。実に国会軽視、国会を冒涜する
行為を行
つている。この問題に対して、将来とも依然としてこういう不穏なる
行為を一体続けられる意向であるか、われわれの招致に今度は敢然と出席せられる意向があるかどうか、私は国会の権威のために、この点明らかにひ
とつ総理の
答弁を承
つておきたいと思うのであります。以上三点明確に
総理の御
答弁をお伺いいたします。