○塚田
委員長 御異議なければその
通り決します。
なお御報告申し上げます。昨日
川島委員より要求されました警察予備隊の発注等に関する件であります。これは
委員長あてに警察予備隊本部長官から次のように報告いたして参
つております。要点だけを申し上げます。
一、南方向け天幕を発注した事実はない。
二、天幕調達
計画といたしまして、携帶天幕約四万箇の調達を研究中であるが、その規格及び見積り価格は未決定である。
三、帝国製麻株式会社及び
日本繊維工業株式会社の重役及び顧問の名前は、
昭和二十七年度版
日本繊維年鑑により調査したところでは次の
通りである。帝国製麻株式会社は、社長山田酉蔵君外三常務、五取締役、二監査役、
日本繊維工業株式会社重役は、社長坂内義雄君外三常務、六取締役、三監査役、もちろんその中には
池田大蔵大臣の名前も大橋国務大臣の名前も見当りません。
なお補足的に
委員長において調査いたしましたところによりますと、帝国製麻株式会社には顧問一名、相談役一名、顧問は高橋劉三という方であります。相談役は増田外十郎という方であります。それから
日本繊維工業株式会社には顧問も相談役もありません。
それからなおその他について若干申し上げます。天幕の材料といたしましては、昔は陸軍では亜麻、すなわち麻が大部分でありましたが、海軍の方では苧麻、すなわちラミーを使
つていたようであります。両者のうちいずれがよいかということでありますが、使
つたものはおのおの自分の使
つたものがよいと主張しているので、両者の比較はまだ判然といたしておりません。しかしてこの両種類の材料の大メーカーはおのおの数社ありますが、たいていはどちらか一方しかつく
つていませんから、亜麻を選ぶか苧麻を選ぶかによ
つて、どちらか一方がほとんど独占的に注文を受ける結果になります。大橋君は十日ほど前に増原長官からこの問題について、亜麻にしようか、苧麻にしようかという相談を受けたことがあるそうであります。そのとき大橋君は、どちらが耐久力があるかと長官に聞いたところ、長官は、昔は陸軍では亜麻、海軍の一部は苧麻を使
つていたが、使
つたものはどちらも自分の使
つた方がよいと言
つておるので、その点ははつきりわからない。値段はと聞いたところ、これまた競争しておるから、どちらとも言えぬということであ
つたそうであります。そこで、それなら亜麻、苧麻の区別を度外視して入札を行い、結果によ
つて安い方を九割、はずれた方の種類については、落札価格またはこれに近い価格で、そのうちの安い値段を入れたものに、試験用として一割を契約したらよかろうと、指
示したとのことがあるとのことであります。そこで入札はどうな
つたかと調べましたところ、警察予備隊においては、大橋国務大臣の指示方針で入札しようと思
つていたやさき、その後の調査で、亜麻は大部分国産原料で、二割以内がベルギー及び南方から輸入される。苧麻は一、二割が内地でできるが、他の大部分は中国から輸入されることがわか
つた。中国からは現在直接
わが国への正規の輸入がないから、香港から中継
貿易で入
つていると思われる。そのような
事情でありますので、なおまた入札には付しておらないということが判明いたしたのであります。以上御報告申し上げます。
なお本件に関しましては、先ほどの
理事会の申合せで、本日は発言を行わないという申合せでありますから、本日の
会議はこの
程度にとどめまして、明後十八日は午前十時より
委員会を開会して、質疑を継続することにいたします。
これにて散会いたします。
午後四時四十分散会