○横田
委員 その破壊的行為については、私が一般質問の時間を持
つておりますからそのときゆつくりあなたにいたします。破壊的行為としては、労働者がもらえるところの賃金をもらえない、農民がもらうべき米の値段をもらえない、公務員が十分なる給料をもらえない、税金がむちやに高い、ここに騒動があるのであります。ここにすなわち現在の憲法によ
つて保障された
日本が、憲法に保障された
日本とは全然逆の形に移
つているときに、せめて今の憲法の形の
日本に持ち直したいという人々と、あなたたちの方では憲法を蹂躙して不当の利得を受けて、その上にあぐらをかいているのが治安の乱れになる。だから現在においてそれを守るための何ものでもない。そういう
ようなことから「改造」三月号の警察予備隊の記録でもよくお読みにな
つてよく思案なさいまして、私の質問のときにゆつくり答えていただきたい。
最後に私は、関連質問でありますから簡単に伺いたいのは、
日本が軍隊を持つということは非常に私は残念です。国辱です。なぜかと申しますと、軍隊は国威を発揚するものであります。この国が伸びるために、この国の
発展のためになくちやならないものだと再軍備派は言うにもかかわらず、この軍隊はそうでない証拠があるのです。ここに一つの事実があります。これは二十七年二月十一日の読売紙の報ずるところによりますと、西欧において人手が足りない、
アメリカが自国の権益と搾取を擁護するためには、どうしても西ドイツの人たちの命とからだをもらわなくちやならない、そのためにドイツで軍隊をこしらえる、これを一歩讓
つてこしらえるといたしまして、この軍隊をこしらえたときに、必ずドイツは、押し詰められた四方に対しまして自由になりたいその結果、西に向
つたときフランスの心配になる、西に向わずに東に向
つたときにソ連と衝突し、ドイツと同盟したフランスが東に向
つたドイツを助けるために強大なソ連勢力と争わなければならない、この二つの脅威に対して
アメリカがと
つた態度は一体どうなんだ。心配するな、ドイツが
アメリカの世界秩序維持のために軍隊を出す、そこでその軍隊を出した結果、もしドイツがフランスが心配し、ベルギーが心配し、オランダが心配する
ような強いドイツの軍隊に
なつた場合には、
アメリカが実力をも
つてドイツ軍を弾圧するとこう書いてあるのです。それではドイツ人の血を流しながら、ドイツの権益のためにこれでは何になるか。それは外国のことだから答えないとい
つておそらくとぼけるだろうから、
日本の問題で申しますと、
安全保障條約の前文ではどう出ておりますか。「
アメリカ合衆国は、平和と安全のために、現在、若干の自国軍隊を
日本国内及びその附近に維持する意思がある。但し、
アメリカ合衆国は、
日本国が、攻撃的な脅威となり又は国際連合憲章の目的及び
原則に従
つて平和と安全を増進すること以外に用いられうべき軍備をもつことを常に避けつつ、」云々と書いてあるのです。そういたしますと、
日本の軍隊は三十一万になるのです。うんとほらを吹いて現在言われるところは三十一万なんです。三十一万の軍隊をも
つて日本の国威の発揚になるだろうかというと、それ以上伸ばしたならば、
アメリカが恐ろしい、フイリピンが恐ろしい、そのために太平洋の国々の協調ができないから、これを
ちよき
ちよき切る。だから
日本は血の犠牲として三十一万の人命を
アメリカに供出しろと言われておるだけじやないか。これは
日本の人間をいたずらに殺すことなのであり、このために何千億の金が食われて
日本のためにはならない。しかも
日本の純真な青年が警察予備隊に入
つて、そこで白骨になる。白骨にな
つて引取人もない
ような目にあわせられる。こういう
ような形は一体どういうわけなんですか。だから
日本のこういう軍備なるものは、こういうふうな形において再軍備に賛成しつつある遅れた大衆に対しては、
間違つた形において、何といいますか、事実を曲げて宣伝煽動をされておる。だから国会の
答弁におきまして、あんたたちの答えは一つにな
つておる。装備は軍隊でありながら軍隊でないと
言つておる。まさしくその
答弁は正しい。
アメリカのためには軍隊であ
つて、
日本のためにはこの
ように役に立たない軍隊であるがために、
日本の閣僚は軍隊でないと答えざるを得ないのだろう、こう思うのです。だからこういう点におきまして、この軍隊が
日本の国威のためになるというところの根拠だけを
ちよつと承
つておきたい。