○庄司
委員 大蔵
大臣にお伺いを申し上げたい二、三の問題がございますが、実はわれわれの常任
予算委員会が、元のように各専門部門の分科会が存置されておりますと、非常に便利な
質問となり、応答となるのでございますが、元の、古い言葉でいえば
予算総会で、分科会にあらざるこの
委員会においてお伺いするには、あまりに実はこまかいことなのでありますけれ
ども、分科会がございませんので、勢い分科会的なこまかい問題を二、三お伺いして納得しておきたい、こう思うのであります。
お伺いしたい第一点は、
政府は、ただいま議題とな
つておりまする明年度の
一般会計予算等の中には、
財政金融の面において、あるいは開発銀行あるいは
輸入輸出関係の銀行、その他これからの産業開発の投資の銀行等、いろいろ御構想もあり、御計画もあるようでございます。金融
関係において、合計約一千百八十五億ほどを
予算化されておるようでございますが、私のお伺いしたいのは、いわゆる中小
企業という言葉が、きわめて簡單に用いられておるが、私の最も関心を持
つておるのは、中小というような社会通念、あるいは概念の問題でなく、零細なる金融を絶対的に必要とするところのこまかい商工業者の問題であります。具体的に申し上げるならば、あるいは五万、あるいは十万、あるいはそれ以上三十方、五十万という金融を必要とする部分もありましようが、こまかいところの面においてもとより信用組合、あるいは地方の無盡会社、このごろでは相互銀行とかな
つておるようでございますが、そういう面の金融機関が力がございますならば問題はないのでありますが、まだ資本の蓄積が十分ではない。そういう
関係上五万、十万のこまかい金というものは、まつたく国家の金融面よりオミツトされておるのであります。そこでそういう諸君の需要を満たさんがために、ここに生れておるところの、きわめて奇々怪々なる金融機関があるわけでございます。私は最近わが国における庶民金融
関係の問題を、明大の学生五、六人をアルバイトに使いまして調査しております。大分材料が集まりましたが、たとえばこういう具体的な問題を申し上げておきたい。東京都内のあるAという金融会社、これは五万円ほしいというものには五万円を貸すのであります。きわめて簡單に貸す。但し当初において七千円の金利、及び手数料というものを差引き、四万三千円渡すのであります。しこうして一日一千円ずつの
割合で向う五十日間にその貸付を回收するのであります。この金利は年計算において七割五分であります。そういう不当に、不法に、高利貸しといいましようか、そういう高い金融機関が都内だけでも私
どもの調査では二百五十何社を越えておるのであります。また個人のさような営業もある。新聞を見ると、大蔵
大臣公認、あるいは大蔵省公認などというようなアーテイクルをつけて新聞に三行広告をや
つておる。でありますから、かりにそういう会社がここに百万円の金があり、その百万円の金を五万円計算で二十人に貸し付ける。毎日金が入
つて来る。貸したそのせつなにおいて七千円入
つて来る。この計算は百万円を資本金として、それがまんべんなく毎日金融された場合を推定すると、七十日に驚くなかれ一千六百五十万円となるのであります。まことにこれはピラミツド的計算であります。かような金融が現実にこの都内において跋扈跳梁しておる。彼らはかようなとにかく金融ぶりであります。借りる人は当初七千円を控除されるけれ
ども、一日千円ずつかけて完納するというそのことが営業者等においては比較的容易である。だからきわめて簡單に借ります。貸付をする者は保証人二人をつけさせることは、むろんである。こういうのは大蔵省に対して届出だけでや
つておるのであるか、あるいは大蔵
大臣の許可認可であるか、私は金融法というものをはなはだはずかしいのですが詳細に知りませんが、とにかく新聞広告には大蔵
大臣公認、大蔵省公認というような美辞麗句を並べて、そうして少額の資金のほしい者に貸し付ける。今申し上げたような計算であります。かようなことは
政府に零細なるところの
企業家、零細なる商工業者に対して、金融を簡單に容易になしあたうところの機構、設備がない。そういう御計画がないという悲哀がもたらしたところの副産物である、かように私は
考えます。これについてはまとまつた大論文を書くつもりでありますが、わが国においても
アメリカのモリス・プラン的な庶民金融、あるいはごく零細な諸君に対するところの金融をひ
とつ考えてみたい。私はただいま御提案にな
つておる国民金融公庫に、
政府はことしもまた七十億ですか、増額をされるという点において、多分にこれは高度な社会
政策を
意味してたいへんけつこうなることを大蔵
大臣はおやりにな
つておる、こう
考えるのでございますが、とにかく中小
企業というような社会通念にとらわれて、零細な五万、十万のこまかい金
——一昨日も同僚の高橋議員より遺家族等に対する金融をどうするか。大蔵
大臣は国民金融公庫をして優先的に貸付をさせる方途を講ずる、まことにけつこうな御方針でございますが、ただいま申し上げたような私の資料を御参考にされ、大蔵省としては何らかこの庶民金融の方途をよりゆたかに円滑化するような方途の御研究はないものでございましようか。ぜひこれは国家のために零細なる
企業家諸君のために、ほしいものであるということを私は念願をしてやまないと同時に、一方において今申し上げたような高金利の金融機関、これに対して金融業法では年二割を越えてはならぬとうたわれておるように拜承しておるのでありますが、かような会社等に対してどういう御
措置をとらるる御方針であるか。中には参議院議員何がしが顧問だとか、相談役、あるいは衆議院においても顧問とか相談役に御承諾をなされたかどうかはわかりませんけれ
ども、名前が羅列されておる会社なんかもたくさんある。ところがその金利は、今申し上げたように高金利である。われわれ国
会議員としては顧問にも相談役にもな
つてはいけない程度の高金利の会社に名前が羅列されておる。まことに寒心にたえないのであります。往年といいますと、今から十二、三年前に、全国に無蓋というものがはやりました。その結果非常に被害者が出た。ただいま申し上げたある会社のごときは、払込みの金に対して最低三分、最高五分の配当を毎月やる、こういう好餌をも
つて投資者を求めておる。こういうような問題に対して、新たに大蔵
大臣は何らかの
措置をとられる必要に迫られておるのではないか、かように
考えますが、大蔵
大臣の御所見はいかがでございますか。