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椎熊委員 どうも今国会は、
政府のどういう都合か、予想されておつた
法案の出方が非常におそい。そのために国会が非常に活発でないという世間から非難を受けておる。われわれ他の
委員会に関係しておりますが、ぶら下
つている
法案はほとんどないほどに始末がついておるのに、大分前から出ておる当
委員会の
法案に限
つて、
審議が遅遅として進まないという現状は、これは私は本
委員会の責任だと思うのです。ことにきよう可決したこの
法案より先に出ておる。
審議の順序を転倒しておる。そういうことは私は国会の運営上はなはだ遺憾にたえない。端からどんどん一生懸命勉強して、これを決定して行くということでなければいかぬと思う。承れば
政府部内においては、いろいろ論議があ
つて、一致しないという点があるとのことです。そういうような場合こそ、最も立法府の機能を発揮しなければならぬ。
政府の閣僚間のいろいろな事情で困
つておるような問題は、独自の見解でわれわれが片つぱしからきめて行かなければならぬ。それだけの見識がなければならぬ。ことに
政府原案は、五万円を八万円にすると私は聞いておるのですが、もしそうだとすれば、それは非常に上げ方に不合理があるので、もつと大幅に上げてしかるべきだ。それが民間保険に影響するかどうかというような問題も勘案して、それを無視してはいかぬけれ
ども、今日十万や十五万円値上げしても、すでに民間保險では三十万円の無審査保険をや
つておる。決して私は不当な上げ方ではないと思う。長い間国会の
要望でもあつた。私は短かい間ではあるが
郵政省の、当時の逓信省の飯も食つた。当時
従業員、それから
職員諸君、ことに幹部におかれましては、この増額についてはずいぶん苦労した歴史がある。われわれのときはわずか三万円に引上げたいというのを、閣議の反対にあ
つて、当時の大臣は悲憤糠働して帰
つて来た。私は政務
次官であつたが、閣議に飛び込んで二万五千円にしたという経験は、今の保険
局長も御承知の
通り、この問題はその後における物価その他の経済情勢に勘案して、今の状態では断じて不適当であるということは天下の輿論であります。
郵政省の
職員のみならず、
一般大衆においても、そのことは非常に期待した点なんです。こういう
法案が、わずかに五万円を八万円に上げる、それでも決しかねるというなら、この
郵政委員会は無力たといわれても、私ははなはだ遺憾ではあるが、そういうそしりを免れないと思う。
委員長におかれましては、当
委員会の権威のために、即刻この
審議を進められて、結論に到達されんことを私は希望いたします。