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若林委員 この全額
国庫負担という案を
小林委員などの間でもお考えにな
つておると思
つておるわけですが、この場合は、そこを懸念する必要があろのじやないかと思うのです。私たちも全額
国庫負担という案を、一応
構想に置いて協議をしたことがございます。そのときの
——これを私がここで申し上げていいか悪いかわかりませんが、こうなると、
文部省の課長のごときは、命が何ぼあ
つても足らぬというくらいに、
全国から押しかけられて来るわけです。そういう
意味において、もし全額
国庫負担ということになれば、私はいわゆる
中央集権化というものが、非常に懸念されると思うのであります。しかし、
法案の
算定基準その他をお考え願いましたならば、裁量の余地というものはないわけでございまして、大体児童の数に根拠を置いて、すべてのものが処理されて、円滑に行くように考えられておるのでありまして、ここにこの
法案の持
つておる弱点もあると私は思います。突つ込まれたならば、数だけで根拠をも
つて行くということはおかしいじやないか、薄弱じやないかという弱点もあると思いますけれども、しかし
全国一万二千に余りますところの各小
学校のことでございますから、大体この標準で行くのが妥当であるという線を出したのであります。
それからもう
一つ、この
中央集権化という
事柄に関しましては、われわれはその意図でないということを申し上げるのは、やはりこれは
地方におきますところの、
教育委員会というものの権限に属することになるのであります。この
教育委員会の権限というものは、相当強力なものでありまして、今は各
府県と、七十に近い
市町村に置かれておるだけでありますけれども、将来これを
構想いたしておりますのには、各
市町村にも置くという
法律が現存しておるわけでありますから、それと勘案いたしますことによ
つて、
中央集権化というようなことは、完全に防止されるのじやないかと思
つております。
それから私たちの意図しますところのものは、ともすれば独立を機会に、昔の
教育の形式に逆もどりするのじやないかということを、われわれ自身も懸念いたしております。これをひとつ防止しなければならぬという
意味を、
小林委員もお考えにな
つておるのと同様に、私たちも懸念いたしておるのでありまして、世界の連合国の中に堂々と歩を進めて参ります上において、何に根拠を置いて日本が民主化されておるかということを、外国側に立
つて考えるときには、やはりその
基礎は
教育にあると考えるのであります。これは
教育形式、
制度というものを、どこまでも民主化された行き方に行くべきだという、強い信念に立
つておるものでありますが、その点をひとつ御了承を願
つておきたいと考えるのであります。
なお、これは事務的にこういう
基準の
法案があ
つても、
中央集権化のおそれがあるというような懸念が、もしありますならば、局長からでも、全然そういうような懸念はないということを御
答弁願
つてもいいのですが、現在の
地財委が、千三百億近いところの
予算を持
つて市町村、知事の上に君臨をいたしております。日銀総裁がローマ法皇だと言われると同じように、法皇という名前をも
つて呼ばれておりますが、ややこれに近い、一事務官がこの
平衡交付金というものの上に君臨をしておる姿から比べますと、私はこれは
中央集権化よりもより民主化された行き方になるのではないか、こう思
つておるわけであります。