○
小林(進)
委員 政治は現実でございますから、やはりかすに年月をも
つてすれば、現実に基いて
思想もかわりますし、また別な
思想も生れて来るのでありますから、あまり提案当時の気持を言われぬことをお願いいたします。
とにかく私は、
教育といたしましては、こういう
勤労と
研究と相重な
つて行く
一つの進み方、これは確かにあ
つていいと思います。またこれは世界の
教育に見られることでございますから、けつこうでございます。もちろん、こういう働くことを前提としてでき上る
学校は、これは私学であ
つて、最初からそういうことを予定した
学校はよろしいけれども、そういうシステムを、
産業関係の
学校ということで、全般的にこれをやることに、
相当考える余地があるのじやないか。
一つのモデル・スクールとしてや
つてみる、こういう段階ではないかという気持がするのです。そういうことで、われわれはやはりその利益の点のみならず、よ
つて生ずる
弊害の点もこの際十分考慮して、大事をとる必要があるということを痛感するのでありますが、今の御
説明によれば、もつぱら
校長の良心に基いてやる、そうしてその根底をなすものには
教育基本法があるではないか、こうおつしやるのであります。しかし、その
校長の良心なるものを、実は私は非常に全幅的にまだ信頼ができないという感じがする。これをつづめて言えば、やはり実施をした場合には、よその
学校よりぬきんでて、
自分の
学校の
産業設備を優秀にしたいという競争心が、まず
校長に出て参りましよう。なるべくよその
学校よりは
自分の
学校が特別に利益を上げたいという
一つの競争心がわいて参りましよう。そういう他校にすぐれたいという
校長の競争心なり名誉心なり、そういうことが、ひいては生徒に労働を強化したり、あるいはさつき
渡部君が何を言
つたか知りませんが、産報だの、労働の收奪だのというような言葉で表現するのではありませんが、実施した現実の場合に、
校長の良心が
一つの競争心なり、他校よりもすぐれたいというようないろいろの形から、どうしても無理な利益を上げ、無理な労働を強制するような
弊害が出て来るのではないかということを私はおそれるのでありまして、願わくばこれをいま少し
研究材料としてモデル・スクールの範囲にとどめておく。そして結果良好と見て、全般的に
産業教育に及ぼして行くというような方法はどうだろうかということが、
考えられるのでありますが、これに対する提案者の
考え方を承りたいと思います。