○笹森
委員 そういたしますると、大体胸算にしてみますると、まあ平均にはむろん行かぬでありましようが、十万そこそこの金になりはせぬかと思うわけであります。それは、ある
学校はすぐに恩恵を受けないでありましようけれども、平均してもずいぶん数が多い。あるいは三千五百が四千になるかもしれない。そうすると、わずかばかりのことにしかなりませんので、先ほど来同僚
委員から御発言がありましたこれらの
私立学校が、官
公立学校とやや近いまでの整備をするために、
国家が
考えた
助成をするならば、そういうごくわずかなことであ
つたのでは、このせつかくできた
法案が、
目的を達しがたい。そこで、できるだけすみやかにこのことが実現するようにしなければならぬと思う。「
予算に定める
金額の範囲内において」ということを、第五條にうた
つてあるようでありますが、これはどうしても、今
政府委員が発言されましたように、強力に進めて行くように、私どもは
要望するのであります。
それについて、なお尋ねておきたいことは、実は先ほども
若林委員から御発言がありましたが、受けた方はもらつたと思
つておつた。私どももそれを開いて、そういう印象を受けていた。ところが、
政府は
債権だと言う。従来この問題ばかりでなくして、いろいろな
政府出資というものは、完全にこれが償還になるという例が非常に少い。またこれが非常に困難である。今まで数億あるいは数十億、あるいはもつと大きな数百億の金さえも、遂に払われずにおしまいに
なつたという例を私どもよく知
つておる。特に利益を伴わない
教育事業のために、
国家がか
つて出資したものを、今度再び
債権だとされて払い返せということは、非常にむずかしいことだと思う。これがそのまま新しい
法律によ
つてこの
振興会に継承せられないものだとしたならば、どういう結果にな
つておつたかということを想像しますと、償還の見込みがないということまで、私ども実は憂えているのです。それは、ほかの利益を伴うものに対する
国家出資に対しての経験から、そういうことを憂える。
文部省でこういうことを立案された場合に、はたしてそれが百パーセントと行かなくても、
相当額まで、この
振興会にやらせるとそれが入るだろうというようなことを
考えたのか、あるいはまたそういうことを
考えずに、ただ
法案をつくるときに、ほかに方法がないからこうしたとか、こういうことについて、どういう見当をつけてや
つたのか。三十年のうちにこの十七億が全部入り得るというよう
なつもりでや
つたのか。その
気持を聞かなければ、せつかくここにこれをいただいても、結果が画餅に帰するようなことにな
つてはいかぬから、その辺のことを、もう少し素直にお話願いたいと思います。