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1951-12-27 第13回国会 衆議院 文部委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十二月二十七日(木曜日)     午前十一時十二分開議  出席委員    委員長 竹尾  弌君    理事 若林 義孝君 理事 小林 信一君    理事 松本 七郎君       甲木  保君    高木  章君       圓谷 光衞君    長野 長廣君       平島 良一君    井出一太郎君       志賀健次郎君    渡部 義通君       坂本 泰良君    小林  進君  出席国務大臣         文 部 大 臣 天野 貞祐君  出席政府委員         大蔵政務次官  西村 直己君         文部政務次官  今村 忠助君         文部事務官         (初等中等教育         局長)     辻田  力君         文部事務官         (大学学術局         長)      稲田 清助君         文部事務官         (管理局長)  久保田藤麿君  委員外出席者         文部事務官         (大臣官房会計         課長)     寺中 作雄君         専  門  員 石井  勗君        専  門  員 横田重左衞門君     ————————————— 十二月二十日  教育財政確立に関する請願玉置實紹介)(  第四七号)  六・三制教育施設費国庫補助等に関する請願(  大泉寛三君紹介)(第四八号)  教職員行政整理に関する請願神田博君紹  介)(第四九号)  学校給食継続実施に関する請願神田博君紹  介)(第五〇号)  教育委員選任に関する請願神田博紹介)  (第五一号)  新潟大学医学部付属病院再建に関する請願(塚  田十一郎紹介)(第七七号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  小委員及び小委員長選任に関する件  昭和二十七年度文部省所管事項につき説明聴取  の件     —————————————
  2. 竹尾弌

    竹尾委員長 これより会議を開きます。  本日は自然休会中にもかかわりませず、非常に御多忙の折、お集まり願いましたのは、ただいま予算編成の重大な段階にありますので、特に当委員会所管であります文部関係予算について、今までどうなつて来ましたか、今後どうしなければならないかということにつきまして、各位の御意見を承り、これに従いまして、強力に文部関係予算確保方を推進いたして参りたいと考えます。  それではまず文部当局より、昭和二十七年度文部関係予算大蔵当局との折衝経過を承りたいと存じますが、その前に今村政務次官からちよつとごあいさつがあるそうでございます。今村政務次官
  3. 今村忠助

    今村政府委員 私、今回文部政務次官に就任いたしましたので、この際ごあいさつを申し上げたいのであります。  教育文教関係のことは、敗戰後日本再建にあたりまして、経済、外交などとともに、力強く振興いたして参らなければならぬものであることを痛感いたしておるのでありますが、何と申しましても敗戰後国民精神の弛緩ということは、いずれの敗戰国を見ましてもありがちのことであります。これが振興といいますか、精神の作興をいたして参るには、何といつて文教の面に一段努力をいたさなければならぬと考えているのであります。さように考えますと、勢い新規の事業も起り、従来のものといたしましても、一段努力をいたして参らなければならぬと考えるのでありますが、さような場合には、ぜひともこれが裏づけたる予算措置が必要なのでありまして、文部関係者それぞれただいま努力中であります。本日は大臣も出、係の会計課長も出まして、これらの点について御説明申し上げるとともに、各位の絶大なる御支持を要望申し上げなければならぬと考えているのでありますが、大臣もやむなく、また会計課長はただいま大蔵省参つて折衝中でありますので、時間の都合もあろうかと思いまして、それぞれ主管の局長より説明させることにいたします。  就任のごあいさつとともに、本日皆様方にぜひお願いしたい向きを各局長より申し上げる点をも、御了解いただきたいのであります。
  4. 辻田力

    辻田政府委員 初等中等教育局関係いたします重要予算の問題につきまして、従来の経過を御報告申し上げます。  初中局といたしましては、重要事項といたしまして、三つ事項考えておるのでございます。一つ教科用図書給与の問題でございます。教科用図書給与につきましては、当初の要求といたしましては、一年生、二年生の国語算数について、全額国庫から補助するという形で要求したのでございますが、その後種々折衝の結果、一応一年の全科目についての全額国庫から補助するということに模様がえをしたのであります。但し、今日までの経過におきましては、一年の国語算数の二科目につきまして全額補助することを認められておる次第であります。その額は国語につきまして二億五千万円、算数が一億一千六百万円、両方で三億六千万円余でございます。文部省といたしましては種々研究の結果、二十七年度におきましては一年生の国語算数の二科目全額負担するということで、この事項につきましては一応妥結をしてはどうかと思つておる次第でございます。  それから第二の問題は、産業教育振興費補助金の問題でございます。これは当初十七億六千万円要求いたしたのでございますが、その後第一次の査定におきまして三億四千万円余を認められたのでございます。こういうふうに非常に大きく査定が開きました理由は、先般の国会のこの委員会におきまして御説明申し上げました事項の中で、中学校大学については全然これを承認しないで、高等学校につきましてこの三億四千万円を認めたのでございます。この内容は高等学校としては約十二億円余になるのでありますが、その中で三億四千万円しか認めないというその理由は、一つはわれわれの考えておりまする基準と、現有量の設備との差が二百二十七億円というふうに積算をして、それを根拠といたしまして、五箇年計画で二分の一を補助するという計画であつたのでありますが、今回の査定におきましては、大蔵省では基本額を四十五億円といたしまして、この四十五億円を五年間にしかも三分の一を国が補助するという計算をいたしたのでございます。さような結果、ただいま申しましたように、三億四千万円という数字になつたのでございまして、この点はわれわれとしてはとうてい認めることができませんので、目下強く再復活について要求いたしておるような次第であります。申すまでもなく、これくらいの費用では、産業教育振興のために、ほとんど大した事業ができませんので、われわれとしましては、皆様方の格別の御支援、御指導を得て、ぜひこの点は実現したいと思つておる次第でございます。  第三の点は、義務教育費国庫負担制度創設の点でございます。これは当初給与費維持費とそれから施設費と、この三つ事項を含めまして要求をいたしておつたのでありますが、それにつきまして、この十月ごろまでは、大蔵省としては給与費についてだけはこれを見たいという考えで種々計算をしておられたのでありますが、途中で模様がえになりまして、現在のところでは、全然認めていないということになつております。しかしこれは全然削除という意味ではなくて、保留しておきたいということになつておるのであります。われわれといたしましては、この補助の持ちまする重要な意義にかんがみまして、この制度が二十七年度におきまして確立されますように、全力を傾けておるような次第でございます。これにつきましては、皆様方十分御承知のことと思うのでありますが、今後とも御指導、御支援のほどをお願いする次第であります。その他細部の問題は、いろいろ雑件としてございますが、一応重要事項についてだけ御説明した次第でございます。
  5. 稲田清助

    稲田政府委員 大学学術局所管予算でございますが、本省関係直轄関係と二つにわかれております。  本省関係で、私どもとして重要事項考えておりますのは、第一が科学研究費、第二が育英会費用であります。科学研究費は、御承知のようにこのたび閣議決定せられました文部関係の六・三制予算産業振興と並びまして、三本建のもう一本の学術振興という柱に相当いたします費目といたしまして、最も中核的なものであります。これが二十五年ど以来五億にとまつております。学術会議の方の勧告によりますと十二億ということでありますので、その予算要求いたしておつたのでありますが、いまだに五億を越えないのであります。文部省といたしましては、少くも十億という程度で再復活要求をいたしております。大蔵省としては、この費目については、多少事務的に増額を考慮しておりますけれども、とうてい文部省要求には応じがたい額であることを考えておりますので、目下保留いたしております。いれなければならぬと考えてはおるようでございますけれども保留しておるような形であります。  それから育英会につきましては、大学においては学制改革過渡的現象といたしまして、明年度一年に入学する者に対する貸付が、ほうつておきますと昨年の半分になるような状況にありますので、大学においてそれを増すということにする。それから高等学校貸付が依然三%にとどまつておりますのを、せめて四%まで——最初は五%でございました、そういう要求でございましたが、今日までの査定は、本年度二十四億でありますのが二十八億にふえて、さらに三千万円ふえたというかつこうでございまして、相当増額しておるようなことでございますが、これは学生数がふえておりますので、計算いたしますと自然にこういうことになりますので、別段これによつて単価上つたわけでもない、また先ほど申しました来年の特異現象である一年の貸付が昨年の率に達するというわけでもないのでございますが、われわれといたしましては、まずこの程度以上は困難じやないかという見込みをもつて今対しているようなわけでございます。  そこから次に学校関係予算でございます。これは全国各地から非常に要望がございまして、大学創設、あるいは学部創設、あるいは夜間短期大学創設、あるいは北海道開発計画伴つて教員を大きく養成するというような問題等がございますが、またそれ以外に、昨年認められた予算、一昨年認められた予算におきまして新たに置きました学部とか、あるいは附属中学校あたり学年進行に伴います人員増等があるわけでございますが、大蔵省としては一切この人員の増は認めない、先般国会で決定いたしました定員法のあの線の中に納めろということで終始しているわけでございます。われわれとしては学年進行のごときは、一ぺん出発した以上は、途中でとめられないものでもあり、また学部につきましては、茨城大学の農学部、岐阜大学の工学部のごときは、昨年国会において承認せられました予算でお約束的に準備費を組んでおります。どうしてもこれは置かなければならぬ約束になつております。さらに神戸商船大学のごときは、申すまでもない経過において要求しているわけでございます。そのほか北海道大学獣医学部創設——これは多少の定員増で振りかえがききますので、おそらくできるだろうとはこの点については考えております。それから夜間短期大学——小樽商科大学、福島大学、千葉大学夜間短期大学があります。これは定員が少いのでございますけれども、やはり定員の増を押えられているということで、今保留になつております。北海道教員養成は先ほど申し上げ通りであります。  以上申し上げたように、とにかく定員を増すという根本方針にぜひ変革をしてもらいたいということで、折衝している状況でございます。
  6. 久保田藤麿

    久保田政府委員 私の所管関係では、まず第一番が六・三制の予算でございます。これは私ども要求いたしましたものは大体五十七億でございまして、それに対して一応認められております数字は三十七億一千万円ということになつております。三十七億一千万円の内訳をごく大まかに申しますと、六・三の校舎そのものが三十四億六千万円、それに屋内体操場が九千八百万円、その計が三十五億六千万円。そのほかに盲聾唖義務制になつております関係で、盲聾唖補助関係が一億四千六百万という内訳になつております。たまたま私どもが五十七億を要求して、査定が三十七億になつておりますこのいきさつでございますが、一番大きな骨になつておりますところは、昭和二十四年の計画が百四十五万坪を完成するということになつておりまして、その昭和二十四年の計画に対して実際現在では子供の数が動き、また学校単位の動きがあり、そういう意味で大きな補正を必要としているのでありますが、これを大蔵省は認めない。二十四年の計画がたまたまずれて今日に及んでいるにすぎぬのであるから、二十四年度の計数を押えて、それに対する処置をしようというのが、一番大きな食い違いの骨でございます。その結果出て来ます関係が約十二万坪、そこに狂いが出て来るのでございまして、この十二万坪の金が約二十億ばかり狂つて来る、この点が事務折衝ではとうてい片づかない。大まかに申してそういう点でございます。それに引続きまして、私どもの一番心配しております危險校舎の四十四万坪の解決が残つているのでありますが、これは起債で見るべきもので、補助金関係計算には入れないということで、これは締め出しを食つております。  それから国立学校整備関係でございますが、これは大体最後の線として、私ども十六億円を要求して来ておつたわけでありますが、大体十三億少少というところで、これは妥協いたしました。先ほど申しました六・三関係危険校舎関係は、閣議に持ち込む段取りにいたしております。これは態度の問題に属しますので、私どもは本年度でもつて六・三関係を一応〇・七坪の線において打切りたいというふうに考えておりますので、そこで態度の問題として閣議でおきめいただくようにいたしたわけでございます。  その次は私立学校補助金関係でありますが、この私立学校は、今までに戰災復興なり、また経営費の助けなりといつたようなもので、国の貸し付けております金が十七億ばかりあります。あと十三億ばかりを国から出資してもらう形で約三十億ばかりのいわば金庫を私立学校のためにつくつて、従来の貸付金私立学校関係者が返して行きますと同時に、国からも若干の援助をしながら相互扶助の形で、私立学校がお互いの財政的な援助をはかろうということと、共済組合私立学校職員のために創設いたしまして、共済組合的な私立学校職員の互助をはかろうという計画であつたわけであります。これは私立学校職員だけが、事実上今まで共済組合に入つていけないことになつてつた。どういうわけかと申しますと、私立学校職員は、共済組合の全体として対象にされておるものよりも、非常に俸給が安いので、掛金が安いということになりまして、いわば自分たちの出し前が少くて給付の方では一般並のものをもらうという関係になりますので、保険組合側から申すと歓迎されないということになりまして、事実入れてもらえないという実情なのでございます。これを救済することが、この際私立学校そのものを救つて行くゆえんであるというふうに考えまして、大体本年度五億、明年度七億程度補助金を国に持つてもらつてあとは国にごやつかいにならなくても、めいめいが今まで貸し付けてもらつたものの返済をやつて行きます金と合せて独立経営をしようという計画の分でありますが、大蔵省は、とりあえずのところ、金額が大きいということと、共済組合的な考え方国一般考えるという社会保障の面から見て、これも多少態度の問題に属するということから、保留ということになつておりまして、閣議に持ち込む段取りにいたしておりますが、閣議以前に何とか解決したいと思つております。  次は、給食関係でございますが、従来私どもは、国の単純な補助金として、この給食栄養面を担当いたしますミルクの補償をやつてもらいたい、その全額が大体三十六億ということで来ておつたのでありますが、前の議会あたりからいろいろ折衝の結果、国の食糧政策、また国民生活改善という意味合いから、食生活の改善費ということにして、農林省所管において米と麦との価格差を利用する方法考えてみて、国民粉食を奨励する。また麦の安定的な消費線をつくるというような意味から、学童パンのどれだけかを補償をする方法で、この給食を現在の姿で継続して持つて行きたいというふうに、多少方向をかえまして、農林省予算として約五十億——これは学童パンを無償で提供してやるに要する費用であります。この五十億ばかりを要求して来ておつたのでありますが、これは完全給食そのものをやらせるかやらせないかという態度の問題として閣議に持ち込もう、保留するという形になつております。ただここでぜひお聞取りいただきたいことは、米を麦にかえますについて、価格差補給金が約十九億違います。それから米と麦の消費者価格それ自体の差額が十六億、端数がありますので、両者合せて三十六億ばかりの財源がそこに出て来るものなりという見方を、私どもいたしておるわけでありますが、食管の特別会計が全体として赤字になつているときでありますから、この上そういう赤字を背負わせることは、それがいかに大事であろうとも、どういうものであろうという態度の問題として、その二点は閣議できめらるべきだという意味保留されているわけであります。  私の局の所管の大きなものは大体そういう状態でございますが、あと関係者がおりませんので、私の知つております限り、若干ほかの局の関係を補いますと、調査普及局教科書公社設置四億円の問題がそのままたな上げになりました。それから今まで地方教科書展示会をとり行われており、それに半額補助を見ておつたものが——ごくわずか四百万円ばかりの問題でありますが、平衡交付金の中に入れないということで、たな上げになつております。  それから社会教育局の方は、大体完結いたして来ておりまして、勤労青年勤労青年学級、あれが百六十万ばかりになつておりましたものが、五百万で妥結いたしましたし、近代美術館継続分が一億ほど入つております。それからオリンピツクの関係の分が一応たな上げされておりますが、これももう少しやつて事務的に解決できるものであろうと思つて、現にやつております。社会教育関係は大体そんな程度かと思います。  それからユネスコ関係が約一千二百方円ばかりあと復活いたしておりまして、これも大体解決点に来ております。文化財が昨年度程度大体復活しておりまして、けさほどの最後のところでは一億ちよつと入れておりますから、大体それで文化財関係も妥結できる線に近いと思つております。  一応大きいものといたしましては以上のようなものがあります。
  7. 竹尾弌

    竹尾委員長 ただいまの御説明に対しまして、御質疑または御意見がございましたならば許します。ございませんか。——それでは速記をとめてください。     〔速記中止〕     〔委員長退席若林委員長代理着席
  8. 若林義孝

    若林委員長代理 速記を始めてください。  この際大臣が出席しておりますので、予算編成に関して、本年度文部予算は非常にしわ寄せをせられておるような感じがするのでありまして、おそらく閣議でもその気分が現われておると思うのでありますが、そういう点について、ひとつ実情大臣から聞くと同時に、再要求をして、根本的に文部予算の進出を見なければならぬと思うのでありますが、その点大臣の決意をひとつ伺いたいと思います。
  9. 天野貞祐

    天野国務大臣 文部省予算につきましていろいろ御配慮を得て、ありがとうございました。私は、この文部予算につきましては、いろいろな点において査定を受けておるのでは、不満足なんで、ぜひやりたいと思つておりますことは、六・三建築でございます。この六・三建築整備、同時に危険校舎の対策とかいうようなものに対して、六・三建築整備というようなことを今年で打切るというのであつては、とうてい三十七億というようなことではだめだ、これで打切るというのでは、〇・七坪ということにはならないと思います。それから科学研究振興なんということにつきましても、約五億でございますが、とうてい五億というようなことでは困る。御承知のように、日本科学研究は最近非常な発達をして参りまして、湯川博士ノーベル賞がそれを証明するばかりでなく、今年は朝永教授ノーベル賞をほとんどもらえそうなところまで行つたのですが、あるいは二年続けて日本物理学ノーベル賞をもらうというようなことも、無理な点があつたでしようか、選には入りませんでしたが、とにかくそういう学者がたくさんおり、あるいは化学の研究なんかも、その業績の出ているのが日本が三番目ぐらいになつている。そういうように、非常に日本の学問が勢ついを示しているときに、こういう研究費が出ないということは、非常に残念なことで、この研究費というものは、国立大学だけでなく、全国大学研究者にわたる研究費でございますから、これはぜひ十億程度、は出してもらうように努力をいたしたいと思つております。また私立学校振興会の設立というようなことがゼロになるということでは困る。ぜひこれが成り立つ程度にはしてもらわないと困ると思つております。それから産業教育振興補助金も、三億程度ということでは、とうてい問題にならないと思う。そのほかいろいろこまかいことはたくさんございますが、以上申したような点とか、あるいはまた給食事業でございますが、これも給食と言わないで、私は粉食奨励言つてもよろしいのですが、今後の日本が成り立つて行くのには、米食だけによるというわけにはいかないのですから、どうしても粉食と申しましようか、あるいはパンを食べさすということを、全国学校でやらせることになれば、そういう食糧問題の解決ということにも、非常に大きい貢献をすることができる。だから、この問題は必ずしも文部省でやらなくてもいいのですが、どうかしてこれは成り立たせたいというふうに考えております。それからまた義務教育費国庫負担ということを考えたい。御承知のように平衡交付金の中に義務教育費が入つてしまうというのでありますと、義務教育の安定ということができませんから、これは国庫負担制度考えて行く。しかし国庫負担制度といつても、全額国庫負担制度とか、あるいは半額国庫負担制度ということでは、私は弊害があると思うのです。なぜかというならば、全額国家で負担するということになりますと、地方教育に対する関心というものが少くなるおそれがある。なおまた、非常に富んでおる県も、非常に貧乏な県も一様にやるというのでは、そこに非常な不公平が出来るというようなことからして、地方財政力程度によつて、ある程度地方が負担し、他の部分は国家が負担するというような新しい考え方によつて教育財政を確立したいという考えを持つております。まだこまかい点はたくさんございますが、以上のような要点については、ぜひともこれを貫徹したい。ことに金の問題とはすぐに関係しませんけれども学年進行ということがございまして、学校を始めて、それが進み、その定員をみな切つてしまうというのでは、始めた学校も成り立たなくなりますから、この点は、私はどうあつてもこれは承認できない。今まで文部省がやつて来た通りのやり方を、ここでなくしてしまうわけに行きませんから、そういうような点に力を注ぎたいと考えております。  なお詳しいことは会計課長から説明させたいと思います。
  10. 松本七郎

    松本(七)委員 文部大臣が、これらの必要性を痛感されておるということは、むしろ当然なことであるのですが、こういう大切な予算が、こうやつて大蔵省によつて査定されて削られる原因は、一体どういうところにあるかということを、閣議その他を通じて大臣がいかように判断されておられるかをお伺いしたい。
  11. 天野貞祐

    天野国務大臣 平和条約が成立するについては、賠償とかいろいろそちらに金がいるので、そういう金をとれば、どうしてもわくが狭くなる。だから今は従来の普通のときと同じようには行かない、だから今年狭くなるということはよんどころない。ただその程度の問題だと思つております。
  12. 松本七郎

    松本(七)委員 そういう考えですと、文部省教育関係予算は、なかなか増大する時期は来ないのです。いつまで経つても、必要なものが次から次に出て来るのです。ですから、やはり新しく講和条約もできて、これから真の独立を獲得しようというようなとき、しかも国際情勢その他で非常に重要な問題が多いときに、何としても教育を充実してやる以外に、自主的にすべてを解決する根本策はないわけです。その点を文部当局が強く閣議に反映できるかどうかということが、文部予算を増大できるかどうかのかぎになると思う。そういう点の認識を強く持つていただきたいと私は要望するのです。これはかねがね考えておるのですが、大臣のそういう点の決意を少し強めていただきたい。
  13. 若林義孝

    若林委員長代理 この際、私からお伺いしたい。警察予備隊に六百億という予算が出て来るようですが、警察予備隊を強化する点と、教育を圧迫してまでもその方面の費用をふやすということについて、大臣はどうお考えになつておるか。私たちは警察予備隊を三百億に減らしても、教育を完全にして行けば、自然警察予備隊は少くて済む、こういうように思うのであります。もしも警察予備隊が防衛その他と関係があるなら、別問題でありますけれども大臣はそれをどうお考えになつておるか。非常な決意を持つて閣議をひつぱつて行くだけの覚悟をきめていただきたいということと、一昨年の六・三予算をとるについては、高瀬文部大臣は、辞表をふところにしてまでもがんばるという決意を持つておられたのでありまして、われわれ委員も、文部委員辞職というくらいの決意で当つたわけでありますが、その決意があるかどうか。大臣がそのお気持になれば、われわれもやりがいがあると思うのでありますが、大臣の方で、もうすべて折れられてしまつてつたのでは、われわれとして、から舞いするということになる。今の定員の問題にしても、すでにあの行政整理のときにはつきり片づけておかなければならないことである、いまさらこれが問題になることは少し遺憾に存ずるのであります。その決意をひとつ伺いたいと思います。
  14. 天野貞祐

    天野国務大臣 私は、今の警察予備隊と教育という問題は、簡単に言えない問題だと思つております。治安が十分維持されなければ、教育ができないから、どの程度にそれをやるかということは、私が教育をやるんだから予備隊を減らしたらいいというような論は、程度の問題ですから、簡単に私は言えない。その他のことは御意見として承つておきたいと思います。
  15. 井出一太郎

    ○井出委員 会計課長からお伺いしたいことは、前年度予算との関連において、全体のわくがどうか、あるいは人件費、物件費等を勘案すると、今の折衝過程にある大蔵省の示している線では、本年度に比べてどのような支障があるか、こういうようなことをごくざつと伺つておきたい。     〔若林委員代理退席、委員長着席〕
  16. 寺中作雄

    ○寺中政府委員 今年度すなわち昭和二十六年度と、ただいま内示を受けております二十七年度予算に予定されておるものとの比較をいたしますと、国立学校その他の所轄機関を加えまして、全体といたしまして、最初の査定で約一億ばかり上つておる程度でございましたが、その後の折衝で四、五億ばかり増額ができることになつております。最後数字はまだ結論を得ておりませんが第一の内示の数字を中心に申し上げますと、大体本省関係は、二十六年度の補正予算を加えた数字との比較において、大体において三十億くらい下つておるのであります。国立学校関係は、反対に三十億ばかり上つております。所轄機関、文化財保護委員会関係は、文化財保護委員会において約一億下つておるという状況でありまして、全体的に一般的な経費をできるだけ節約するというような方針が見えみのであります。本省において三十億下つております原因は、例の補正予算において二十四億という給食の経費が入つておりましたのが、それが計上してないことが重大な原因でありまして、大体において前年通りだということが言えると思います。国立学校において三十億上つておりますのは、職員のペース・アツプの関係が主でありまして、一般物件費の関係では、大体前年通りあるいはそれ以下でございます。大体の状況はかようでございます。
  17. 渡部義通

    ○渡部委員 若林君から非常に重要な意見が出たと思いますが、文部大臣は六・三制義務教育費とか、科学研究費産業教育費など、いろいろの項目が非常に不満足であり、あるいはどうしても承認できないような大蔵省査定方針であるということを言われたのであります。先ほど若林君からも、教育予算の面が非常にわくを狭められてしまつておる、この原因はどこにあるかという問題が出たわけであります。この場合新聞が伝えるところによれば、アメリカの方では安全保障の日本側分担金等で二千五百億を要求しておるということでありますが、こうした形で、文教予算その他国内関係予算のわくが非常に狭められてしまつておるという事実をこそ、日本政府としても、また国会としても非常に重大視しなければならないと思うわけです。しかも今申し上げたような安全保障及び国内治安という形で要求されておる二千五百億というものは、内容的に見ればこれは軍事基地とか、警察予備隊費とかいうものが重点になるのでありまして、今日では警察予備隊を見ても、これは軍事費的なものであるということは、国民の中に、もうはつきりしている事実なのであります。この軍事基地の経費にしましても、警察予備隊という形をとる軍隊再編成の問題にしましても、これは明らかに憲法に違反する性質のものであつて、憲法に違反しながら、日本の再軍備という、日本を将来最も不幸に陷らしめるところの予算を今日組んでおる。他面では憲法で保障されておる義務教育費全額国庫負担、つまり国民義務教育を無償で受けることができるという、憲法で規定された教育の最も重大な問題がないがしろにされてしまつているという事実が起きておるのであります。従つてこの見地から文部予算考える場合に、健康にして文化的な生活を送ることのできるはずのわれわれ国民は、同時に義務教育全額国庫負担による無償の権利を持つておるわけでありますが、それが日本の再軍備のためにぶちこわされてしまつておるという現実なのであります。従つてわれわれはこういう現実の上に立つて問題を考えてみなければならないし、解決の方途を見出さなければならないわけでありまして、大臣は治安維持と教育とどちらが重要かということは、簡単に言えないし、従つて予算の問題についても簡単に言えないということを若林委員に対してお答えになりましたけれども、しかしながら一方は憲法に違反して日本の再軍備をして、そして日本を非常な不幸に陷らしめる、世界の戰争を一歩前進させるような問題をつくり出して行くという問題であり、他方では日本の憲法に違反して教育を破壊して行くという道を歩んでおる。どちらを歩まなければならないかということは明らかなはずだと思うのであります。大臣はこの点について明確な見解を述べられる必要があると思いますし、それによつて委員会としても、文部予算考えるべきだと思うわけであります。従つて、簡単に行かないということではなくて、二つの道について、大臣の根本的な考えを伺いたいと思うのです。
  18. 天野貞祐

    天野国務大臣 私どもは理想論とか観念的な考えならば、何でもなくやさしいのですけれども、今おつしやる通り、現実に即して考えて行くことになりますと、国家がなくなつてしまうとだめなのですから、国家の治安を維持しなければ教育はない。教育を尊ぶことについては、私は人後に落ちないけれども簡単に警察予備隊費を減らしてしまえとかういう論は、私は文部大臣であると同時に国務大臣ですから、私はそういう論はとることはできません。
  19. 渡部義通

    ○渡部委員 それはまた、大臣としてはなはだもつて不当な言葉を使われたと思う。国家がなくなるとおつしやるけれども、警察費を教育費にまわして、どうして国家がなくなるのか。大臣は一体警察国家国家考えられているのか。国民の生活を安定して、文化を高めて行くことに、日本の勢力と財力とを向ける方向でこれを望んでおられるのか。あるいは国家というのは警察国家であり、戰争をやる国家を望んでおられるのか、ここに問題があると思います。国家というものは決して抽象的なものではありません。あなたのお言葉こそ観念的なものである。従つてどういう国家を望んでおられるのか、どのような性格の国家を望んでおられるかという点を、お聞きしたいのであります。
  20. 天野貞祐

    天野国務大臣 治安が全然維持できなくなつてしまつたら、国家国家として存立できないという意味です。
  21. 小林進

    小林(進)委員 実はまだ最終案ではございませんが、文部当局の交渉の経過の今までの説明を承りまして、実は私は二つの失望を覚えたのであります。  第一の問題は、あるいは観念論になるかもしれませんが、いやしくもいよいよあちら様の桎梏をのがれて、これから独立の、独自の予算を組むという、まつたく構想を新たにして進まなければならない二十七年度予算におきまして、文部省といたしましては、この独立日本を建設して行く予算の中に、教育という問題が、今の内閣なり今の予算の面に、どれだけの比重をもつてこれが現われるかということを、私は非常に重大なる焦点としてながめておつたのでありますが、ここに現われた予算面は、単に旧年度予算をそのまま踏襲して、何とか昨年度よりもよけいとりたいというだけの、一つのマンネリズムであります。そういう構想しか現われていないということに、私は非常に失望したのであります。この際まつたく新たなる角度で、これからの独立日本、文化日本を建設するために、教育というものはいかにあるべきかというような大きな構想が生れて来なければならない。それが一つも盛られていないということが、私は非常に失望にたえないのであります。特に義務教育費国庫負担の問題、全額半額か、そういう問題は、文部大臣のただいまの御説明がよいか悪いかということは別といたしまして、どうもわれわれが地方をまわつて来たときに、あのみすぼらしい校舎に、一番官公吏の中でみじめな生活をしているのは教員であります。あのみすぼらしい教壇に立つている姿をながめたとき、しかも年末越冬資金の要求をするために、すわり込み戰術などをしているああいう醜い姿、これは国家教育のためにはずかしいと思う。そういう意味においては、少くとも、義務教育費国庫負担というものが完全に施行されないにしても、ああいうことが再び繰返されないことにするために、特に国家の手で何割かが教員のために、義務教育費国庫負担という問題でなしに、別に予算を組む、そういう方面に文部大臣が指令をする、何とか新しい構想がこの中に一つでも二つでも盛られなければならないと思つたのでありますが、どうもそれがない。それからこういうことは議論でありますが、義務教育費国庫負担費用は、一割でも二割でもよろしい、大いにがんばつてもらいたいということを考えます。これは私立大学振興費でありますとか、こういうことも教育全般の面からいえば、大いにがんばつてもらいたいのであります。今の御説明ではとうてい私どもは納得できない。  それからいま一つ思われることは、文部だけではありませんが、ほかの委員会、農林でもそうでありますが、大体議員提出案なる法律に対しては、どうも予算の盛られ方が少い。これは国会における痛切な感じであります。このたび提出されるものが、あるいは議員提出になるかどうかわかりませんが、この私立大学振興法案というものは、どういう構想でお出しになるかしりませんが、原案は官庁でおつくりになるかもしれません。とにかくこういうことで、大いにがんばつていただきたいと思います。  第二に失望を感じたことは、昨年度も私どもは通常国会の終了後、相当に全国をまわつたのでありますが、地方を視察して参りました報告資料が、関係官庁に提出されてあるはずであります。こういうわれわれの意見が、文部大臣並びに属僚官僚諸君に対して、一体どれだけ重視されたかという問題であります。私どもは、報告資料なんかも、相当熱意を込めて、教育はかくあれかしということで、報告書類を出しておるが、この予算面には、少しもそういうことが現われていない。たとえていえば、一つの小さな例でありますけれども、室内運動場や雪中運動場なんかも、特に私どもは諸地方をまわつた実情に照して真剣に要求したけれども、何か今の御説明では、私も少し耳がはつきりしませんでしたけれども、六・三制の設備資金の三十七億の中の九千万円というような御説明で、実に昨年度のわれわれがそういう視察をして報告をしない前の考え方と同じ考え方でこういう予算を組んで要求しておられるのではないかという感じを受けるのであります。こういうことは、国会議員たるわれわれのそういう視察報告書類をまず重要視して、こういうことを明らかに予算面に出してもらわなければならないのであります。  以上の二点が、私どものはなはだ失望するところであります。大いに文部当局の奮励をお願いいたしまして、私の質問はこれで終ります。これに対する何か具体的な答弁がありましたならば伺いたいと思います。
  22. 天野貞祐

    天野国務大臣 私は今度の義務教育費国庫負担考え方というものについては、新しい考えを持つておるつもりでおります。やはり教員の生活を安定させるとか、義務教育というものを確実に安定させるとか、そういうことについてこれが非常に大きなものではないか。自分たちとしては、これが一つの大きな構想だという考えを持つております。その他の点につきましても、教育の問題は、目新しいことばかり出すというのではなく、今までほんとうにやろうとして六・三制の充実とか、あるいは学術の振興とかいうことはともかくとして、これをやらなければならないというつもりでやつておるのであります。またお話の報告書等を十分私ども尊重しなかつたということがあつたのは、はなはだ申訳ないのでありますが、そういうことも、事務当局で十分考慮に入れて、今後やつて参りたいと思います。
  23. 渡部義通

    ○渡部委員 先ほど私の質問が中断されたわけでありますが、これは予算の上で根本的な問題なので、大臣にもほんとうに真剣に答弁していただきたいと思うのです。治安と教育の問題を言われましたけれども、やはりもし治安が乱れるという形があるとするならば、それは乱す根本の原因がなければならぬ。つまり国民が生活のできない状態に置かれておるという状態、国民のどの層を見てもごく一部の者を除いては、ほとんど生活ができない状態に置かれておる。その場合に、国民が生活の安定を求めており、また安定のために闘うということは、これは当然のことだと思う。食えないのに、食えるために闘わないところの人間はありません。民族もありません、国民もありません。同時にまた、日本が国際関係によつて、ことに今度の条約等によつて過重の軍事費を捻出することを要求される。このことに対しても、国民としてはただでさえ生活できぬ、日本の財政の成り立たないような今日、そのような過大な負担をほかの国のために要求されるということに対しては、心から反対しております。大臣が、もし地方に行かれて——地方でなくてもいいが、一般の国民に接してごらんなさい。みんな反対しております。従つて、こういう事柄のために金を出さなければならぬということにも、反対しております。またこのことによつて日本が国際的な紛争の中に飛び込んで、しかも外国の戰争のために日本が利用されるということがあつてはたいへんだということで、反対しておるわけでありまして、その反対をするということ、反対のために闘うということが、どうして治安を乱すということになるのでしようか。この治安を乱すという形で、実はこういう国民の生活のための運動、日本のほんとうの独立のための運動、平和のための闘いというものを弾圧する機関として、今日予備隊ができ、その他の弾圧施設ができている。その方面に予算が多く使われている。これはむしろ口実になつているわけです。その点を大臣はどういうふうに実際認識されておるのか。大臣の周囲の学者たちでさえも、今日国民がどのような生活の状態にあるかということをはつきり認めておるわけです。また今日軍事基地とか、警察予備隊の増強によつて日本が外国のための戰争に巻き込まれるということに対して、強硬に反対しているのは、御存じのはずであると思うのです。大臣の昔の友人である学者たちもこぞつて、しかも団結して今日このことに対して強硬に反対しております。いわんや日本の民衆がこういう傾向に、こういう歴史的な動向に対して、政策に対して、命をかけても反対してやらなければならないという、こういうことが、どうして治安を害することになるのでしようか。真剣に考えて、こういう傾向に対して、こういう政策の傾向、歴史的な動向を防ぐことが、むしろわれわれ国民の任務なのでありまして、そのために、予算のこともこういう見地から考える必要があるし、またこの見地に対して国民の意思をはつきりさせ、あるいはまた日本民族の将来を考えられて、決意がきまつたならば、大臣は職を賭してももちろん闘わるべきはずだと思うのです。もしこのために職を賭して闘うことがないと大臣考えられるならば、大臣はもはや昔の天野貞祐先生ではないのであつて、自分の理想も自分の方向というものもまつたく投げ捨てて、アメリカの政策のために屈服されたものだと、私は考えざるを得ないわけです。どうかこの点を真剣に考えて、教育予算の問題についても行動していただきたいと思うわけであります。
  24. 若林義孝

    若林委員 私の発言に対しまして、渡部君が非常な力を得たように見えますが、私は渡部君が構想いたしておりますような意味大臣に申し上げたのではないのであります。あくまでも治安を維持しなければならぬのでありますが、しかしその治安を守るという点と教育とのつり合いを考えたときに、いま少し教育に重点を置く方がいいのでではないかという気持から申し上げておるのであります。渡部君は治安撹乱の総本家でありますから、治安の鎮圧の設備の少い方が効果があるということで言うておられるのでありますが、その点は全然目的が違うのでありますから、誤解のないようにお願いいたしたいと思います。私も、むろん大臣の心持はわかるのでありますが、明年度予算の骨子をながめましたときに、あまりに文部、文教関係予算がみじめであるということを痛感するのであります。会計課長の報告もありますように、前年度のままであつたならば退歩であります。やはりすべてのものが、ベース・アツプに従つてつて行くとするならば、その点も平均して上つて行くべきでありますから、去年の予算を確保したからこれでもういいのだというようなお気持は持たないでいただきたい。また社会教育関係費用を見ましても、治安を維持する警察予備隊に、おそらく国民のだれよりもいい服装をして歩かすよりも、私はそれを国民普通一般の服装ぐらいに下げても、その費用で社会教育を施して行くならば、警察予備隊を設置するという目的は、社会教育施設その他を増強することによつて達せられると思います。少くとも大臣は、治安維持ということは、警察予備隊を強化することだけが治安維持ではない、あらゆる施策を充実して行くことによつて治安維持ができるわけなのであります。軍隊を強化して、その軍隊のために日本の国がつぶされたのでありまして、われわれとしてはそういうものよりも、日本の国を存立せしめる根本は、とにかく教育をはつきり確立しなければならぬということでございますので、警察予備隊に六百億出すというならば、おそらくそれにつり合うて社会教育その他教育全般についての費用も確保して、日本の国の治安を維持して行くという決意を大臣が持つていただいて、先ほど申しましたように、文部大臣であると同時に国務大臣であるといわれたのでありますから、閣議をリードして行くというところまでの決意を持つていただきたい。日本のほんとうの存立のために天野文部大臣倒れたというても、私は大臣におなりになつただけの何があり、日本将来のために大臣の御功績というものは輝くのだと思いますので、そういう決意でやつていただきたいとお願いする次第であります。
  25. 圓谷光衞

    圓谷委員 大蔵省より今回承認された予算経過については、西村政務次官がおいでになりましたが、おそらくおわかりにならないだろうと思います。(笑声)ひとつ大蔵大臣にお伝えしていただきたい。  まず産業振興法についてでありますが、前委員長の長野氏に私はお伺いしたい。産業教育振興法が議員提案で立法化されて提案されたときに、二百数十億の予算が七年間に出されるということであります。そのときに委員長は、大蔵大臣に交渉して、明二十七年度においては十八億の予算を盛るということをはつきり答えて着る。この点について、前の委員長に大蔵大臣がはたして明言したかどうかお聞きしたい。——委員長お答えにならないのですか。(笑声)それではお伺いいたしますが、今度の産業教育振興法は、日本の重大法案として、大蔵大臣はその当時二百億は安いということまで言われたそうです。今その法律が出発するにあたつて、三億四千万円ですかに査定されたということを、当局の説明で聞きました。これもお聞きしてもわからないかもしれないのですが、大蔵省は、この十八億出すと大蔵大臣が明言したのを、三億四千万円に削減したのはどういう理由か、お答えできるならお答え願いたい。
  26. 西村直己

    ○西村(直)政府委員 圓谷さんからおつしやる通り、私案は就任早々でございまして、わかつていないといえばわかつていないのであります。ただ私としまして、実は大臣がきようここへおじやまして、十分御説明になり、また経緯を申し上げるべきでありますが、まだ予算も、御存じの通り最後決定まつていない段階であります。従つて産業教育法の重要性につきましては、大蔵当局も十分認識しているわけであります。問題は、財政措置としてどうこれを調整して行くかということで、現在も実は省議を開き、続いてきよう政府部内においても閣議等もあるように承つておりますので、御趣旨のあるところは、私としても十分大臣なり大蔵当局にお伝えしたい、こういうふうに思つております。
  27. 松本七郎

    松本(七)委員 文部大臣に、先ほどの治安の関係で大蔵大臣折衝され、あるいは閣議に臨まれるときの心組みとして、一点だけ伺います。  大臣のいわれる、治安が乱れてしまえば教育も何もない、これは言葉だけから言うと、まつたくその通りなんです。しかしながら、そういうふうに治安と教育というものをまつたく別個に考えて行くと、治安の方からいえば、これだけのものは絶対に必要なんだ、こう言われた場合に、それでは治安を維持しなければ教育はできないのだからといつて、引下らなければならないわけなんです。私どもは、やはり、治安というものを、ただそういう力による維持ということでなしに、広い意味の治安維持ということを考えて行かなければならぬのじやないか、その場合に、結局は程度の問題になつて来ると思う。そこで、わけて考えると、向うから、治安維持にこれだけ絶対必要だと言われれば、引下らなければならぬわけですが、そうでなしに、やはり治安というものは、警察力とかそういう力だけでは維持できないので、そういうものだけにたよろうとしていれば、それをますます増大しなければならぬ。そこでそれをできるだけ最小限度のものでもつて維持して行くには、やはり教育というような面、あるいは学術振興ということが、非常に大きな要素になつて、ここに浮び上つて来るわけです。教育そのものの面からばかりでなしに、国全体の治安とか、そういう面から教育というものを取上げて来ると、ここに治安の面を担当しておる人も、教育あるいは学術というものを重要視しなければならなくなつて来る。そういう点を文部大臣が深く御認識なさつておるならば、そういう点から、閣議等でも主張していただいたら、なお獲得しやすいのじやないかと思つて、その点を今申し上げておるわけです。
  28. 天野貞祐

    天野国務大臣 私は、その点については、松本委員と全然同じ考えを持つておるのです。ただ力だけでもつて治安というものはできるものでなくして、もつと言うならば、やはりよい政治をすることですね。またその中において教育というものが非常に大きい力を持つていることは、私も十分存じておるつもりでございます。ただ先ほども申しましたように、そういう理想的とか、観念的なことばかりでは、現実は行かない。やはり、われわれが精神と同時に肉体を持つているように、教育と同時に、やはり治安を維持する、そういう力もなければできないのですから、その兼ね合いがむずかしい、どこに線を引くかということがむずかしいということを答弁いたしたわけであります。松本委員の御主張には、私は全然同感でございます。
  29. 圓谷光衞

    圓谷委員 文部大臣は新聞において、六・三は守るということをたびたび声明されております。お守りになると存じておりますが、六・三を守るということは、予算を確保するということです。しかるに、先ほどの御説明の中に、私不安にたえないことがある。それは三十七億でもつて大体大蔵省は六・三は〇・七が完成するというような見解を持つておる。しかるに久保田局長の方では、五十七億なければ六・三は完成できない、こういう食い違いがある。そこで私は大蔵省はどういうそろばんでこういう三十七億でできるという——二十七年度に打切るという話になれば延びないことになる。これは二十七年度において大体大蔵大臣も六・三は完成するということであつたのに、一体三十七億でがまんできるのですか。あくまでこれは文部大臣の責任において五十七億を確保してもらいたいと思いますが、来年に延ばしていいのですか。
  30. 天野貞祐

    天野国務大臣 私は六・三を維持するということについては、二つの面があると思います。一つは、制度的に六・三を六・二とするという論があるから、制度的に決してかえない、これが第一の点です。同時に、かえないで行くためには、予算の裏づけがなければならぬということは、当然の話でございます。だからこの額では、本年度は打切りということでは、とうてい〇・七は完成されない、こういう考えであります。
  31. 長野長廣

    ○長野委員 先ほど圓谷君から、私に何かお答えをせよということでありましたけれども、性質上、私が今から文部大臣にお尋ねすること自体が、圓谷氏の御要求に応ずることになるのであります。この意味において、まず文部大臣にお尋ねしたいと思います。この産業教育振興法なるものが、まさに提案をされんとする前におきまして、これをいかに取扱うべきかということについて、文部大臣、大蔵大臣、それから私と、別に二人私は人を連れて会見したのであります。その際に、文部大臣産業教育に対する御意見も承りました。しかし、そのときに大蔵大臣としましては、非常な積極的な意図のあるところを発表せられたことは、もちろん御記憶にあることと思います。同時に、それは文部大臣とせられましては、私とともに産業教育振興に関する法案を提案するということについての強き信念をここに固められたことでありましようと想像いたします。従つて大臣は安心をせられて、ともに委員会等におきまして、私とくつわを並べて、いや私に先んじて大いに御努力をいただいたわけであります。そうして画期的なる二百億の予算裏づけを持つという事柄は、関係方面とも関連をいたしまして、無事に今日に進んで参つておる次第であります。この全般を通じた感じからとたしまして、はたしてこの三億五千万という金で、この企図に応ずるだけのお仕事ができるやいなや、文部大臣としてできるやいなやということについて、お気持をお聞かせ願いたいと思います。
  32. 天野貞祐

    天野国務大臣 私の記憶が間違つておりましようか。私は御一緒に大蔵大臣をたずねて、個人的に大蔵大臣意見を伺つたということは一度もないと思つております。ただ私はいつも委員会ですべて意見を述べておりますが、当時の長野委員長と御一緒に大蔵大臣をおたずねして、大蔵大臣がこれこれの金を出すというようなことを言つたという記憶は全然ございません。ただ産業教育ということの重要性は私も認めております。けれども、これは六・三制というものと矛盾するものでなくして、これを補充するものであるという意見を常に述べて来たものでございます。従つて、この額でいいかと言われれば、この額ではとうていできないと考えております。
  33. 長野長廣

    ○長野委員 それではちよつと申し上げておきますが、ともに携えて行つたのではないですが、私はまたそれをここに持つて来て、こういうことをお互いに話したではないかといつて、この委員会の席で引用するわけではありません。ただあなたのお気持と産業教育法とを結ぶ意味において、あまり具体的に申したくありませんけれども、あなたと三人で、私はここに見えておる專門員二名を連れて会見したことがあります。その際において、あなたの産業教育に対する、何といいますか、疑問といいますか、それほど力を入れてどうかということに対して、大蔵大臣は別に金高を言うたじやありませんか。これは少しただいまの圓谷委員のお話とは違うと思いますが、ともかく金額については私ははつきり言うてある。そのときに大蔵大臣の積極的な気持を発露されたことは、お知りのはずであります。
  34. 天野貞祐

    天野国務大臣 では私の記憶が非常に悪いのであつて、何か院内の部屋で、そういう大蔵大臣と一緒だつたことがあるそうでございます。私の記憶の間違いでございました。
  35. 長野長廣

    ○長野委員 そこで、私はむずかしいことを言うのではありません。さようなわけで、初めて議員提案としてこれが現われて来た次第でありまして、しかもただいまのお話によりますると、三億五千万円でははなはだおぼつかないというお気持を出されて来たわけでありまするが、それで次に西村政務次官にお尋ねというていいか、お願いというてよろしゆうございますか、ただいまのような経過をたどつて、いやしくも議員提案として提出せられ、関係者は非常な責任を感じて今日に及んで来たものであります、しかもこれは両院を通過いたしましていよいよ実現に立ちかかつて来ておるのであります。しかるに、そのことが他の政策との関係において十分でない、文部大臣としてはおぼつかないという結果に陷つていることを見たときに、私は文部大臣が、警察予備隊予算関係との関連を申されましたけれども、それはそれで別に反対するものではありません、その通りであります。しかしこの問題は、以上の経過を持ち、しかも議員提案として実現をせられたものである。これを実現するということについては、警察予備隊以外に、内政問題について関連いたします。万一これ以上の金が出なければ、どこかから適当に按配をする必要があるのじやないか。いやしくもこの国会において、われわれとともに責任ある法律の制定に関連をして、しかも重要なる基礎的打合せをしたものである。この点から顧みまするときにおいて、私は單に漠然と困難であるというのじや済まぬ、あらゆる国内経費と検討し、按配し、その比重を比較いたしまして、そうしてこの程度ならばできるという、もう少し進んだ話が生れ得るのじやないか。もしこれをこのまま放置して、このままにこれが終つてしまうということになりますと、私は国会の権威というものに対してもこれは大きな響きを持つものじやないかと考えます。どうかひとつ西村大蔵政務次官におかれましては、お考えがあれば御発表願いたいし、なおこのことは、大蔵大臣にもひとつ御報告をしていただきまして、何分の善処方をお願いしたいと思いまするが、一応これについての西村政務次官のお答えを願いたいと思います。
  36. 西村直己

    ○西村(直)政府委員 お答え申し上げます。実は産業教育振興法の制定当時におきましては、私も議員の一人でございまして、御趣旨については、心から賛同いたしておつたものでございます。ただいま長野委員のおつしやる通り、幾多の予算上の問題がございますが、これは今回皆様が強くお取上げになつていらつしやる通りに、相当な重点を置かなければならぬ。ただ、今申し上げます通り、国全体の財政の規模なり財政の按分なりの問題が、たびたび御議論になつておりますように、あるわけでありまして、予算そのものも、まだ最終決定という段階にまで至つておらない。現在も、大蔵省内で省議を開いている状態であります。御趣旨のある点は、十分私もお伝えいたしたいと思います。
  37. 長野長廣

    ○長野委員 文部大臣に、私お願いをし、御見解を承りたいと思いますが、すでにあなたは、三億五千万円ではおぼつかないと仰せられました。しかるに一方においては、七箇年間とはいえ、二百億という、他にほとんど類例を見ざるほど、教育問題としては飛躍的な政策を込めて法律案として成立させております。ここにおいて、大臣におきましては、今の政務次官のお話を聞かれて、今後なお考慮の余地ありと言われるについては、現情においていかなる御態度をとられるお考えであるか、これを承りたい。
  38. 天野貞祐

    天野国務大臣 この増額については、今までも十分努力して参りましたけれども、今後もなお努力を続けたいと思つております。
  39. 小林信一

    小林(信)委員 大臣はお急ぎのようですから、簡単にお伺いいたしますが、先ほどもちよつと問題になりました六・三制を堅持するかというような問題があつたのですが、大臣は必ず六・三制は堅持する、これは前からもお話があつたところであります。しかし、最近の情勢から伺いますと、制度上六・三制というものは、文部大臣が堅持されても、実際これに対して負担を受けるところの地方財政からすれば、六・三制は堅持しがたいという声まで聞いておるのであります。これは単に地方の声ばかりではなくて、今度臨時国会におきまして、補正予算の問題で地財委等にいろいろ意見を聞きますと、地財委等も現在地方財政の苦しくなつているのは六・三制から影響を受けている。従つてもし地方財政に対して政府が持つている現在のままの見解を持続するならば、地財委としては六・三制を地方とともに要求する以外にない、こういうことまで聞いておるのでありまして、実にこの六・三制の問題は——六・三制も、ことに建築予算の問題につきましては、地方財政がどうなるかというような重大な問題に至つておるのでありますが、この六・三制の問題におきましても、単に〇・七坪の問題であつたのではなくて、すでに新制中学校というものを建設するための犠牲からして、小学校の方の老朽校舎というものは、ここ当分の間放置されているような状態にあるわけであります。最近これがいよいよ腐朽はなはだしくなりまして、危険状態に陷るようになつたところが多々見受けられて、地方の声としましては、〇・七坪だけでなくして、老朽校舎に対しても何らか施策をしてほしい。もし国家の財政が許さぬならば、地方財政でまかなつてつてもいいけれども、現在ただちに地方財政から捻出することは困難であるから、そこにいろいろな工作をいたしまして、当分の間何か国庫で貸与の形ででも見てもらつて自分たちの力ででも老朽校舎は何とか早急に復旧したい、こういうような声まで聞いておるのですが、〇・七坪の問題さえも満足に行かない現在の情勢としますと、老朽校舎の問題はさらに放置されるような形になりはしないかと懸念をするものであります。この点大蔵省の意向を聞く前に、文部大臣としては、この老朽校舎に対してはどういうお考えを持つておられるか。地方等におきましても、これに対して文部大臣にいろいろとお話があると思います。それらについて何らかお考えがあつたら、その御意見をこの際承つておきたいと思います。
  40. 天野貞祐

    天野国務大臣 六・三制の堅持ということについては、ただシステムだけの堅持ではいけないと私の考えておることは、今申した通りです。私どもが新しい義務教育費国庫負担法というものを考えようというのも、六・三制を維持して行くために必要だという考えからしておるわけでございます。それからまた老朽校舎のことは、ぜひそれらを何とかしなければならないと思いまして、私ども予算を出したのですけれども、その予算が今認められていない。だからそれが認められるように今後も努めたい、そういう考えであります。
  41. 小林信一

    小林(信)委員 ただいまのお考えはまことに消極的でありまして、地方の要望はもつと切実なものであるのですが、大臣がそういうお考えならば、ぜひとも実現していただきたいと思うのです。  さらに給食の問題につきまして、先ほど粉食奨励費というような形でもつて大臣は要望されたと聞いておりますが、そういう形だと、もしこれを大蔵省で了解しましても、農林省あたりの管轄に属する形でもつて捻出されるようなことになりはしないかと思うのですが、農林省関係の方はこれに対してはどんな態度を持つておられるか、お伺いしたいと思います。
  42. 天野貞祐

    天野国務大臣 私はこの一両日のことを聞いておりませんけれども、このことについては、今までずつと私ども考えに賛成して来てもらつております。私は、所管文部省であろうと農林省であろうと、とにかくこういうことが成り立てばよいという考えでございますから、必ずしも文部省ということに執着をいたさない考えでございます。
  43. 若林義孝

    若林委員 大臣に一言だけ聞いておきたいと思うのでありますが、神戸商船大学を二十七年度から設置すべく、文部省並びに運輸省また国会の衆参両方とも動いておるのであります。われわれはその必要性にかんがみまして、ぜひこれを実現いたしたい、また地元関西方面におきましても、この要望の切なるものがあるのでありますが、この二十七年度よりの神戸商船大学の設置に関しまして、大臣としての御決意を伺つておきたいと思います。
  44. 天野貞祐

    天野国務大臣 私は、今出ております問題を、まず先にどこまでも進めて行きたいと思つております。けれども、神戸商船大学のことについては、この門も大蔵大臣に対して、どうかこれを何とか考慮してくれぬかということは話をいたしております。そういうようにして、できるだけ成立ができますように考えて行きたいと思つております。私はたいへん失礼でございますけれども、一時から二時までよんどころない用事がありますから、了承していただきたいと思います。二時過ぎに私の出席が必要でしたら、すぐ参ります。
  45. 松本七郎

    松本(七)委員 西村大蔵政務次官ちよつとお伺いしたいと思います。実は今度の予算について、今回に限つたことではないと思いますが、たとえば先ほど文部当局から御説明がありましたように、検定教科書展示会半額補助四百万円、これがたな上げなつたというような問題で、その折衝の過程において、大蔵省側として金が出せないというので、それを査定するというようなことならば、これは大蔵省としてやむを得ない。これに対して文部省は、こういう事情だから絶対必要だ、こう説明することになるだろうと思いますが、その教育なり、あるいはそういう文部省管轄の内容について、大蔵省側からいろいろ意見を述べることがあると聞いております。たとえば展示会のごときは、中央でやらないで、各県でやればいいじやないかとか、いろいろ内容にわたつたことを言う。これは大蔵省といたしましても、国全体の予算をいろいろ勘案する場合に、意見は当然あり得るわけだし、また意見を言うことは一応さしつかえないでありましよう。それを聞く聞かぬは文部省のやることなんですから、形式的にいえば、さしつかえないでしようけれども、何といつても金を握つているものは強い。そういう意見が、とかく金をバツクにして押しつけがましいことになりがちです。そういう点を国会から出ておられる政務次官がある程度押えて行くことが、国全体の政治の運営上必要があるのじやないか。これはただに文部省に関することだけではない。そういう点について、せつかくきよう御出席願つた大蔵省の政務次官の御意見を伺つておきたいと思います。
  46. 西村直己

    ○西村(直)政府委員 御意見ごもりともなように思うのでありますが、一面大蔵省主計局が御存じの通り予算査定ということで、各省と御折衝申し上げておる段階におきましては、単に形、式的な数字の面だけでなくて、内容に入らなければ、お互いに調節点が発見できない。査定というものは、一つの事務上の調節である。さらにそれが政策の大きな基本問題になつて来る場合には、政党政治でありますから、当然国会の意思を体した政府各代表者の間の折衝になつて行くのだろう、そういう考え方でおります。
  47. 若林義孝

    若林委員 先ほど大臣にも繰返したのでありますが、大蔵省に御関係の西村政務次官に伺つて、御協力を得たいと思うのであります。いつも文部予算というものは、一番弱いところになつております。何かといえば、しわが文部予算に寄せられるのであります。今度も、講和条約関係予算が、実に厖大なものが出て参ります。むろんそれも必要でございますから、これを認めるのでありますけれども文部予算というものが、本年度予算明年度予算とのバランスをとつてみると、あまりにみじめなのであります。片一方講和条約予算にいたしましても、治安関係などの警察予備隊のごときは六百億といわれるように、急に出て来る。先ほども大臣の所見を聞いたのでありますが、また松本君からも補足的にお話があつたのでありますが、国民感情といたしましては、一方にそういう予算がどつと出て来るときに、教育予算が押えられて一つも伸びていない、こういう感じを持つということは、非常に悪いことでないかと思うのであります。なおこの教育予算は、やはりほかの予算が増大するに伴うて最低限度伸びて行きませんと、いわゆる教育を軽んずる気配が世の中に移つて行くのじやないかというように、非常におそれるのであります。警察予備隊その他いろいろな費用がいるのでありますが、そのうちのたとえ百分の一でも、これを社会教育費用に充当するようなことがあれば、警察予備隊の任務というものも非常に遂行されやすくなるのじやないか。このバランス——兼ね合いと先ほど大臣も言うておりましたが、特にこの治安関係に御造詣深い大蔵政務次官から、この点をひとつお聞きしたい。片一方ばかりふやしまして、社会教育面の公民館、図書館、その他の費用を見ましても去年より一つもふえていないどころか、減つておるわけでありますが、これでは私は社会に与えます影響が非常に悪いのじやないか、こういうように思うのでありまして、いま少しこの社会教育関係ども——特にこれは治安に関係があるわけでありますし、それからこのほとんど就学することのできぬような者が、通信教育を受けておるのでありますが、これが昨年は二千数百万円であつたのが、今年はゼロになつておるというようなことは、私たちとしてちよつと思いもよらぬことになるのでありまして、そういうようなことは、大蔵当局査定をいたします者が、通信教育が今いかに重大な役割を果しつつあるかというようなことを御認識あつてつておられるかどうかということも、むしろ疑うわけなんでございますので、この点は、ひとつ政務次官の御所見を伺い、まずこの予算復活のために格別の御努力、御協力を煩わしたいと思うのであります。
  48. 西村直己

    ○西村(直)政府委員 若林委員の御質問にお答えをいたします。今回の予算の骨格は、御存じの通り講和関係費なり、治安関係費というものが、ある程度入り込む性格を持つておるわけであります。従つて、治安とあるいは文教予算ということが、先ほどから御論議になつておりますが、私も確かに今お話にありますように、治安の基礎は国民の協力がなくては成り立たないと思います。従つてその基礎になるものはやはり、この文教というものにも大いに関係する。実は今回の予算編成は、まだ最終決定まで行きませんが、途上におきましても、文部委員長なり、文教関係国会あるいはその他の方々が、時に御熱心に御要求なさつておる姿は、私は涙ぐましい状況だと存じておるのであります。実は私も省議の最中でありますが、ここに参りまして、皆様の御熱意のあるところは私もできるだけ御尽力いたしたい。ただ予算全体の構成なり、あるいは配分の問題は、ある程度そこに調節点の起るのはやむを得ない、こういうふうに考えております。
  49. 小林進

    小林(進)委員 これは委員長にひとつお願いいたしたいのでありますが、この文部委員会に参りましても、私どもの知らない一つの資料が討論の中心になつておりますし、またほのかに見ますと、ちやんとわら半紙に文部の今までの予算の草案か何か知りませんが、印刷してガリ版にしたものを与党の方々がお持ちになつて、そうして討論の資料にしておられるようであります。これがどこから出てどういうふうに頒布されたか知りませんけれども、いやしくも文部委員会が一齊に国政を論ずるというようなことであるならば、何とか便宜をはかつて、与党の手に入る資料ならば、われわれの方にも入るように御尽力願いたい。これはぜひ私はお願いしたい。  それから西村大蔵政務次官に、ひとつ私はお願いしたいのでありますが、実はこの前の臨時国会のときの文部委員会におきましても、私は特に名前は申し上げませんけれども、大蔵官僚と称する方々がお見えになりまして、いわゆる学校給食の問題について、あなた方は若干の費用と思われるかもしれませんが国費の中から十二億、十八億出すというようなことは、国家全般の上から見るならば、たいへんなことであるというような財政演説をとうとうとやられえた。われわれはこれを聞かされた。聞いてから私は言つた。あなたは事務官僚で、事務のことだけ言えばいい、予算より政治の問題でわれわれを牽制するとは何か、国家全般の政治を言う必要はない、そういうふうに私は非常に憤慨したのでありますが、また最近の文部予算の編成についても、どうも承るところによりますと、この大蔵官僚の中に、文部大臣よりももつと強いところの私設の文部大臣がいられて、そこに行かなければどうも教育予算なんか見ないというようなことが、風説か知りませんけれども、与党各位大臣からも漏れ承つている。そういうことが予算編成においても、あるいは官僚政治と言われるがんだ。私はあなたが非常に頭脳明晰であられることは知つています。心から崇敬いたしておりまするが、私は西村政務次官を迎えて、そういう官僚の下つ端仕事をするようなこまかい計数を承りたいとは思わないのであります。幸いにあなたは警察行政に御経験をお持ちになりまして、なかなかそういうことに辣腕をお持ちになつております。(笑声)その経験もあわせ生かして、こうした文部予算の編成に、あるいはその他の予算も同じでありますが、どうか大蔵省内における名政務次官として、国会におけるわれわれの輿論を、この気持をひとつよくおくみくださいまして——どうもいつでもわれわれの意思が軽く扱われて、一官僚のもとで予算が編成される、どうも国会あたりで代議士諸君の言うことを聞くのは小うるさい、聞きつぱなしにするというようなそういう風潮のないように、ひとつ大蔵省内における風潮の断を大いに覚悟努力くださいまして、その点からわれわれ文部委員のこうした要求を注入するように御尽力をお願い申し上げたい。これをひとつお願い申し上げたい。
  50. 小林信一

    小林(信)委員 大蔵政務次官にお伺いする前に、監理局長にお伺いしたい。今まで国庫が出しました六・三予算の総額と、それから実際全国的に実現しております六・三のための新しい建設費、これがおわかりでしたらお伺いいたします。
  51. 久保田藤麿

    久保田政府委員 こまかい数字は、あるいはちよつと間違つているかもしれませんが、国費で支出されております部分が、補正予算を入れまして百七十億でございます。それから認証外工事として出ておりますのが大体百三十億見当ではないかと思つております。
  52. 小林信一

    小林(信)委員 この六・三建築の問題は、先ほど文部大臣にもちよつとお伺いしたのですが、実際問題としまして、地方財政というものが隠れた面で相当の負担をいたしているのであります。今も文部省の方かわお伺いしたところでは、厖大なものが全国的に建設されておるのでございますが、国庫として当然これをみるという建前で出ておりながら、国庫負担というものはその実態から考えますと非常に僅少であるのであります。やはりこの六・三制というものは実質におきましては父兄の負担、地方財政の犠牲によつて行われているということは、何人といえども否定しがたいところでございまして、〇・七坪という問題も、これもほんとうにその一部を充当するというような形でありますが、しかしこれも財政自体の関係から、あるいは親の情からして甘んじて受ける犠牲なんです。しかしそれが大きな影響となりまして、地方財政というものは非常に苦しくなつていると思いますが、しかし、せめてもこの〇・七坪というものは早く完成してほしいというのが地方の要望でございます。今回文部省が〇・七坪をぜひとも来年度は完成したいということを言つておられますが、文部省がこういう意向を持ちましたのは、すでに前年におきましてもこういう意向を持つたので、地方は必ず昭和二十六年度には〇・七坪完成されるのだ。特別教室とか、あるいはその他どうでも必要なものを順次これから地方はまた自分たちの負担においてでも実現したい、こういう考えでおつたのですが、しかし昭和二十六年度におきましても、当初予算においてまずこれが実現できない状態が示された。しかし文部省といたしましては補正予算で何とかするということは、地方に表面的ではないにしても、それが暗示されたわけです。しかしそれがまた補正予算においても実現することができなかつた。ここにおいて来年度予算では必ず〇・七坪は何とかしてくれるだろう。あるいは認証外の問題だとか、あるいは特別教室の問題等、これらが順次何とか国庫において考えられるのじやないかという期待を持つてつたのでありますが、最近におきまして、また〇・七坪も来年度においてもこれが完成できない。こうなりますと、日本教育行政というものは、はたして国に信頼して実現できるかどうかという不安さえ持つものでありまして、これが最近の地方財政からして、それなら六・二制にしてもやむを得ないのだというようなことが地方から起きなければならないような状態にあるのであります。この際文部省としても、切実な要望を大蔵省に向けておるのでございますから、大蔵省としましては、文部省の最低の要求であります〇・七坪は、来年度において完成してもらいたい。これがぜひとも実現できるように要望するのでございます。私は、それにつきましてさらにお願いしたいのは、老朽校舎の問題でございます。新制中学校を各町村におきまして実現しようと努力したその反面、等閑視されたわけではないのですが、小学校の修理とか、あるいは改築とかいうようなことが、今までなされておらなかつたのです。この際どうしてもこれに手をつけなければならない状態なんで、毎日授業をしておつても、生徒も先生も不安である、父兄も、これを黙つて見ておられないという状態なんです。これに対して組んだ予算というものは、非常にわずかなんですが、文部省としてもこれを無視することができない状態だと思います。これにつきましては、大蔵省としてはどんな見解を持つておられるか、次官から承りたいのであります。
  53. 西村直己

    ○西村(直)政府委員 小林さんの御質問に対しましてお答えを申し上げます。六・三制の完成の問題につきまして、これは大蔵省としましても、十分考慮して行かなければならぬ点でございます。老朽校舎の問題も、私も実は実情はよく存じておりまして、全国には相当の老朽校舎がある。ただ校舎の場合におきまして、はたして今回の予算解決するものか、あるいは起債その他の措置で漸次解決するか、これらのことについて、私どもがここではつきり来年度の方針について申し上げる段階に至つておらないことを御了承願いたいと思います。しかし、御趣旨の点は十分私は体しております。
  54. 小林信一

    小林(信)委員 ただいま一生懸命に努力してくれるという御答弁なんですが、こういうことはたびたび承つてつて、そしていつもほうり投げられるのが文部予算なんで、それが結局先ほど来問題になつているような、教育を尊重するどころか、とんでもないところをばかに強化して、教育問題というものは縮小できるだけ縮小してしまえというような態度が、たびたび大蔵省にもとられているので、私たちももどうもそれだけで安心して引下るわけに行かないのです。最近この老朽校舎の問題については、地方は非常に真剣でありまして、もし国庫費用を捻出しないならば、全国的にお互いに何か金を出し合つて、貯蓄し合つて、恒久的な対策を講じなければならぬ、国庫にたよつておられないというような、実に重大な問題まで出ているわけです。こういう点も、何らか地方の声をお聞きになつて大蔵省として善処してもらいたいのです。地方から、そういうような声が大蔵政務次官にも確かに来ているはずなんです。もしこれが来年度予算に全然考えられないというようなことになりますと、教育行政というものに対しては、地方はもう全然信頼を持たない。今まで地方の父兄に言わせれば、制度をしいたのは国家であるかもしれないけれども、これを今日まで育て上げたのは、われわれ父兄の犠牲においてして来たのだ。しかもこれ以上自分たちに犠牲を与えるならば、われわれは六・三制を六・二制にするということにも、余儀なく賛成しなければならぬというような悲痛なものまであるのであります。この老朽校舎の問題は、ぜひとも政務次官の御努力によつて、多少でも頭が出るように私はお願いしたいと思います。これが日本教育行政の中で、一番重大な問題になつて、今後これに対して全力をあげて努力しなければならない問題だと思う。単に来年度彌縫的にこれを処理するというようなことでなくて、相当恒久的な考えを持つてもらわなければならぬ問題だと思つております。  それから、次にお伺いしたいのは給食の問題でございます。今のところ大蔵省としては、この前もそうですが、給食についてはきわめて冷淡なんです。この際政務次官は、給食に対してどういう考えを持つておられるか、政務次官のほんとうの腹蔵ないところをお伺いしたいと思います。
  55. 西村直己

    ○西村(直)政府委員 実はこの問題につきましても、私はたびたび各方面から御意見を承つております。事柄の必要性ということにつきましてはわかります。ただ問題は、先ほどからこの委員会でもお取上げになり、また文教関係の各方面の方々が、今回の予算に対して非常な熱意を持つて努力されている姿は、私も涙ぐましいほど感じているわけであります。給食をどうするかという、今度は財政上の問題になつて参りますと、国の財政規模なり、施策なり、それから同じ文教予算の中でもどこに重点を勘案するかというような問題から、私がここで個人の意見でこれをどうするとか、あるいは政務次官だけの立場から意見を申し上げる段階にまだ至つていないということを、御答弁申し上げます。
  56. 小林信一

    小林(信)委員 まことにたよりのない御答弁ですが、しかし給食の問題は何かほかの予算と比べると、もし予算がきゆうくつの場合には、これは除外してもいいのだというようなふうにも受取られるのです。しかしせつかくこの給食の問題が、国家の政策として地方は承つて地方だけの努力できようまでの段階を持つておるわけなんです。これに対しては、自由党の諸君も子供から来た手紙をこの委員会で涙を流しながら読まれて、与党としても、これはどうしても継続してもらいたいのだ、こういうことを要望されておるわけなんであります。もしこれを葬つたら、小さい子供に政治の信頼を失わせることになるのであります。ですから、この給食の問題は、小さい子供に与える影響も大きいわけなんで、また食糧事情の問題からいたしましても、教育そのものからいいましても、ここで打切るということがありましたならば、実に重大な問題だと思う。おそらく各小学校中学校といたしまして、教育上これは重要なもので、欠くべからざるものである。教育の一環として父兄に訴えて、そうして父兄の費用を集めて施設等をしておつたわけなんです。そういう点から、もしこれが中止というような形になりますと、先生の考えておる教育上重大だということを、そう簡單に父兄は受入れることができない、学校に対する信頼も失うというようなことで、先生の立場も困るし、またPTAというような立場からしても、それほど努力をしても、ここにむざむざ葬り去られるというようなことになりますと、PTAも非常な疑惑を持つことになるわけでありまして、この給食の問題は何らかの形で継続することが教育上重大である。これはもしほかの予算と比較して、ほかの方は重大である、これは重大でないという見解を持つてつたら、私は重大な問題になると思うのですが、ひとつ給食の問題につきましても特に御考慮を願いたいと思います。  それから育英資金の問題ですが、育英資金の問題につきましては、文部大臣も今までも努力されまして、大蔵省としても、これは相当認められて来たわけですが、しかし現在の学生の生活状態を考えますときに、学生の思想等が悪化する、その原因というものは、やはり十分な学費がなくて、勉強することができないというところにあると、大学の先生等もよく言つております。こういう点に政府が心を向けずにおつて、学生等のいろいろな問題等を、ただ学生の責任あるいは学校の責任というふうなことでもつて、たびたび追究されるのですが、やはり現在の情勢、また学生諸君の向学心というふうなものに対しては、慎重な考えを持つていただきたいと思うので、現在の額が決して十分でないことはおわかりになつておると思いますが、それをさらに減額するようなことがありますと、学生諸君のそういう問題が一層悪くなるのではないかと思うのです。とにかくこの育英資金につきましても、十分御考慮を願いたい。次官からいろいろ御意見を承りますと、まことに吉田総理大臣のような御答弁を承るのでありますが、私たちはざつくばらんに、超党派的にこういうことを申し上げておるのですから、なるべくならば率直に次官の御意向を承りたいのです。
  57. 圓谷光衞

    圓谷委員 議事進行について……。この問題については、委員各位から非常に熱烈なる御意見がありましたが、私はここに大蔵政務次官がおいでになつておるので、この際われわれ委員として、文部予算復活について、これは総予算で三百億幾らという重要予算についても、ちよつと見ますと百何億という減額になつておりますから、これを要求しても、大蔵省はおそらく復活は不可能だと思いまするので、これは最低限度の復活要求をここに決議いたしまして、そして大蔵当局に、政務次官を通してこの実現をはかりたいと思います。これについて理事会なり何なり開いて、それから文部省の方の最低限度の、これだけは抜けないというような重要予算についてお打合せを願いたいと思います。そうでなければ、きようここで論議してもしようがないと思います。
  58. 渡部義通

    ○渡部委員 この二十七年度文部予算については、文部省自体が非常に不満であり、委員会は最も不満である。しかも明日の閣議で大綱が決定してしまうと、これは動くことのできないことに、従来の例から見てなつてしまう。それでどうしても文部省関係予算に関して大蔵大臣なり、また予算編成上の実質的な責任を持つている関係者に出てもらつて、一体どうしてこんな予算が組まれたのか、また国会要求するような予算を編成する可能性があるのかどうかということを、まず明確にしなければならぬ。これを明確にして、文部委員会要求をできるだけ貫徹するという根本方針を、委員会としては貫く必要があると思います。これなしにはやはり文部省自体が反対の予算、文部委員会がどうしても許すことのできないような予算が明日組まれてしまう。従つて私の提案は、大蔵大臣、またそれがどうしてもできないならば、予算の実質上の編成について責任を持ち得る人を呼んで、委員会で十分徹底的に追究、討論する。その上で文部予算に関することを閣議の方できめてもらうようにしなければならないと思うのです。このことを私は提案したいと思います。
  59. 坂本泰良

    ○坂本(泰)委員 私も圓谷委員の結論に大体賛成で、そういうふうに運んでもらいたいと思うのでありますが、その前に二、三申し上げたいのは、先ほどの文部省の各当局者の説明を聞きますと、従来出しておりました予算、それに対する比較において、育英資金なり、六・三制の問題あるいは教科書問題等についての査定額の点について、非常な不満を持つておるのであります。特に注意しなければならぬのは、産業教育法の関係について、すずめの涙くらいの予算しか組まなかつたが、これは自由党の委員の方々が特に一生懸命にここでやられたものであります。明年度予算措置として、ぜひ考えなければならないものは、義務教育費国庫負担と、私立学校振興振興費、それから私立学校の教職員共済組合のものでありますが、これがいずれも保留になつておる。従つて閣議決定に待つという説明もありましたが、少くとも産業教育法を合せますこの四つは、昭和二十七年度文教政策といたしまして、ぜひとも予算措置を立てなければ、わが国の文教の政策は立たないじやないか。文教政策上非常に重大であり、唯一のものである、かように考えられるのであります。従つてそういうふうに保留になつておる分についての実現をはかり、また文部省において第一回の査定に対してその復活要求している点が多々あるのであります。これは今明日のうちに決定しなければ、来年度の再開後において審議にあたりましても、なかなか困難な状態にありますから、文部当局復活要求の限度をお聞きしたい。なお西村大蔵政務次官は、少くとも本日は大蔵大臣を代理して来られておるのでありますから、本日この限度をはつきり示していただきたい。文部大臣においては、これが貫徹するように、最後努力を払つてもらわなければならぬし、また大蔵当局においては、これをぜひとも入れていただきまして、この二十七年度文教政策を確立しなければならぬ、かように存ずるのでありますが、ひとつさように取運んでいただきたいと思います。     —————————————
  60. 竹尾弌

    竹尾委員長 それではこの際お諮りいたしたいことがございます。商船大学に関する小委員会を設置いたしまして、神戸商船大学設置に関する諸問題を調査いたし、その対策を樹立いたしたいと存じますが、小委員会を設置するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 竹尾弌

    竹尾委員長 御異議ないと認めまして小委員会を設置するに決定いたしました。  なお小委員長、小委員選任に関しては、委員長より御指名するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 竹尾弌

    竹尾委員長 御異議なしと認め、私より指名させていただきます。  商船大学に関する小委員    圓谷 光衞君  平島 良一君    若林 義孝君  長野 長廣君    笹森 順造君  松本 七郎君    浦口 鉄男君  竹尾  弌君  以上八名を指名いたします。なお小委員長に平島良一君を指名いたします。  それではしばらく休憩いたします。     午後一時三十七分休憩      ————◇—————     午後二時十一分開議
  63. 竹尾弌

    竹尾委員長 それでは休憩前に引続きまして会議を再開いたします。  休憩中に理事会を開きまして、大蔵当局要求する事項とその額を決定いたしまして、西村政務次官にそれをお渡しておきました。それで本委員会の散会後、理事の方及び有志の方で大蔵大臣に面会を求めて折衝いたしまして、強力に私ども要求を通すよう折衝いたしたいと思いますが、そういうことにとりはからつてよろしゆうございましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 竹尾弌

    竹尾委員長 それでは散会後そういうようにとりはからいまして、できるだけ私ども要求の貫徹できるように努力いたしたいと思います。  本日はこれにて散会いたします。     午後二時十二分散会