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1952-05-23 第13回国会 衆議院 農林委員会 第38号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年五月二十三日(金曜日)     午前十時四十九分開議  出席委員    委員長 松浦 東介君    理事 遠藤 三郎君    宇野秀次郎君      小笠原八十美君    小淵 光平君       川西  清君    坂本  實君       千賀 康治君    幡谷仙次郎君       原田 雪松君    吉川 久衛君       高倉 定助君    竹村奈良一君       足鹿  覺君  委員外出席者         農林事務官         (食糧庁総務部         長)     松任谷健太郎君         專  門  員 難波 理平君         專  門  員 岩隈  博君         專  門  員 藤井  信君 五月二十三日  委員平野三郎君、河野謙三君、坂田英一君及び  井上良二君辞任につき、その補欠として井上知  治君、木村公平君、山口六郎次君及び松岡駒吉  君が議長の指名で委員選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  小委員及び小委員長補欠選任  小委員追加選任  農産物検査法の一部を改正する法律案河野謙  三君外二十三名提出衆法第四一号)     —————————————
  2. 松浦東介

    松浦委員長 これより農林委員会を開会いたします。  この機会にお諮りいたします。田中彰治君より畜産に関する小委員を辞任いたしたいとの申出があります。これを許すに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 松浦東介

    松浦委員長 御異議なしと認めます。  次に、ただいまの小委員補欠委員長において指名いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 松浦東介

    松浦委員長 御異議なしと認めまして、遠藤三郎君を畜産に関する小委員に指名いたします。  次に、原田雪松君より畜産に関する小委員長を辞任いたしたいとの申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 松浦東介

    松浦委員長 御異議なしと認めます。  次に、ただいまの小委員長補欠委員長において指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 松浦東介

    松浦委員長 御異議なしと認めまして、遠藤三郎君を畜産に関する小委員長に指名いたします。  なお農業共済制度に関する小委員選任につきましては委員長に一任になつておりましたが、一名保留いたしておきましたので、この際原田雪松君を小委員に追加選任いたします。     —————————————
  7. 松浦東介

    松浦委員長 引続きこれより農産物検査法の一部を改正する法律案を議題といたし審査を進めます。質疑なり御意見のある方は発言を許します。
  8. 遠藤三郎

    遠藤委員 今回農産物検査法の一部改正法律案が提案されましが、農産物検査法前々国会において、国営検査主要食糧について行う、こういう建前で参りましたが、その後の実施状況を見ておりますと、必ずしもわれわれの初期に考えておつたような十分なる検査が行われておらないという声をしばしば聞くわけでありますが、その検査法施行後における実施状況について、この際政府の方から御説明を願いたいと思います。
  9. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 ただいま遠藤委員から農産物検査法施行以来の実施に関しまして御質問があつたわけでございますが、ただいま仰せの通り農産物検査法国会提出法案といたしまして、国営検査実施をはかつて参るというような建前のもとに、生産農家関係を中心にいたしまして、極力農産物の公正あるいは円滑な取引品質並びに品質の改善の助長といつたようなことを目的にいたしまして実施に努力されたのでございますが、御承知通り米麦につきましては強制検査建前をとりまして、国の食糧管理行政事務との関連におきまして、検査並びに買取りに対する検収といつたようなことをあわせ行いまして農家に対しましては、検査事前指導を十分いたしますとともに、その事前指導を通じまして法律趣旨を徹底させまして、それを検査部面に反映させて、公正に検査をして参るというふうなことをはかつて参りますとともに、検査品目雑穀、かんしよ、ばれいしよ等につきましては、農家希望に応じまして、検査員を増員いたしまして、希望沿つた検査と申しますか、農家取引に便宜になるような検査をして参るということでやつておるわけであります。検査員もすべて食糧管理特別会計関係で全部人件費が考慮されておりますし、役所建前といたしましては、農家経済というような点に重点を置きまして、農家指導というような場合に、検査員の公正な検査をする目的を強調いたしまして農家のお世話をするようなつもりで、この検査事務農家に喜ばれることになるように努力して参つておるわけであります。しかしながら地方によりまして、まだ実施日浅いために——浅いと申しますか、農産物検査法趣旨から申しまして、もう少し親切にやるべきではなかろうかというようなお話でございますとか、あるいは農産物検査につきましては、もつと公正な建前でやるべきであるというようないろいろの御意見も出ておるのでございまして、役所立場といたしましては、十分これらの御批判を受けまして、御希望にこたえ得るように改善し、努力して参るという考えでおるのでございます。
  10. 遠藤三郎

    遠藤委員 ただいま概況の御説明がありましたが、国営検査をやつております検査員の数、その他検査機構がどうなつておるか、さらに予算はどうなつておるか、その点についての御説明を願いたいと思います。
  11. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 ごく概略的に申し上げますと、御承知通り農産物検査関係検査員建前といたしましては、食糧管理特別会計予算、すなわち二十七年度で申し上げますと、全部でその関係が二万八千百十六人という人員に対しまして、事務費六十六億二千七百八十万円というような予算になつておるわけでございまして、この人員並びに予算につきましては、全部の人員であり予算でありまするが、その中の純粋に検査関係専門に従事するという者は、大体三分の二程度になつておる現状でございます。すなわち業務関係検査関係と合せた人員予算でございますが、御承知通り食糧管理建前から申しますと、検査事務に専念するかたわら、各種の調査関係もございますし、それから食糧管理行政の面におきまして、買入れといつたような事務関係も手伝つておることでございまして、純粋に検査人員というものと、それから業務人員とを仕事の面で人をわけて参ることは、おおよその見当としてはできまするが、厳格に区別なく、一応食糧管理行政業務検査の面があわせて、実施されておるという建前をとつて進んで参つておるのでございます。
  12. 遠藤三郎

    遠藤委員 人員その他の説明がただいまありましたが、実は私ども農村におきましてしばしば聞くことは、食糧検査がきわめて不親切だ、まつた食糧管理特別会計の御都合次第な検査をやつてつて、しかも検査員はまことに不親切だという声をしばしば聞いておるわけでございます。検査員国営検査という重要な仕事を担当しており、しかも農民はこの検査を受ける以外に検査を受ける道はないわけであります。ただ一つの道しかあけていない。その検査員が不親切な検査をするようでは、はなはだ遺憾だと思うわけです。しかしそのよつて来るところを考えてみますと、今説明にもありましたように、検査員の実際の人員の三分の一は、検査事業以外の仕事に使つておるという話でありますけれども、やはり人手が足りないということが、不親切になる一つの大きな原因になつておるのではないか。この点について、食糧庁としては、検査充実をはかり、検査の公正を期するために、人員問題等についてはどういう考えを持つておるか、その点についての説明を求めたいと思います。
  13. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 ただいまの御質問でございまするが、検査事務というものは厳格にわけまして、業務の面と混淆しない方がいいだろうというような御意見と、そうでなくて、食糧管理行政から見まして、検査部面は、毅然として第三者的な立場において国家検査を遂行するかたわら、業務の面との関連において食糧管理行政をやつて行くべきであるというような御意見等、いろいろと御批判があるのでございます。役所建前といたしましては、現在のところ生産者関係、あるいは消費者関係というようなことを考え合せまして、役所食糧管理行政事務をやつて参るという建前になつておるわけでございますので、食糧需給調整と、それに伴うところの買入れ、売渡しといつたような業務建前も、国家行政事務の一部として遂行しておるわけでございまして、また検査関係も、お話のように国営検査といつたような権威ある国の検査機能といたしまして遂行して参る建前になつておるわけでございます。現在のところ、検査仕事につきましては、具体的に申しますと、雑穀等品目を追加するというようなことにつきましては、一般会計予算を六千九百万円ほど組みまして、これを特別会計に繰入れて行くというような措置を講じておるわけでございまして、その内容といたしましては、そういう検査に要する人員の整備につきましては、臨時職員として三千名を必要とするというようなことで、その検査人員態勢を整えつつあるわけであります。従いまして、かりに検査品目が追加して参りますと、そこに検査手数料というものが一般会計の方に歳入として上つて参るわけでございますので、それがまた特別会計の方に繰入れられ、検査経費に充当されるというような建前をとつて参りまして、検査機能というものの充実につきまして、予算面でも、人の面でも裏打しつつ考慮して参るというような関係を考慮しているのでございます。
  14. 遠藤三郎

    遠藤委員 今回麦の統制が解除されることになつたのでありますが、麦の統制が解除されますと、この検査仕事はますます重要になつて来ると思う。今まではすべての麦を政府が買い上げる。しかも買い上げる場合に、特別会計で御都合のいいような検査をして行く、こういう建前でありましたけれども、今度は一般市場に出て行く麦の検査をするのであります。この麦の検査については、相当政府の用意があると私どもは思いますけれども統制解除後における麦の検査についての政府の計画を伺いたいと思います。
  15. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 麦の統制廃止法案実施いたしました場合におきまして、麦の国営検査の問題の重要性につきましては、お話通りでございまして、政府といたしましても、麦の検査充実ということにつきましては、農家の方々の便利になるような、御迷惑にならないような態勢を整えなければいかぬと考えておる次第でありまして、たとえば受検場所等にいたしましても、農業倉庫等の倉前で検査をするのでございますが、場合によりまして、その検査場所が狭院でありますれば、適当な場所を他に選ぶ問題でございますとか、あるいは麦の検査規格等につきましても、生産農家の御要望にこたえまして、種々規格を公正な全国的な立場から改訂して参るといつたような問題でありますとか、また事前指導の問題にいたしましても、従来検査検収といつたような機能をあわせておつたような建前から申しまして、従来の検査機能をより一層整備いたしますように、努力いたしたいと存じておるのでございます。
  16. 遠藤三郎

    遠藤委員 いろいろお尋ねしたいことがたくさんありますけれども、最後に一点だけお伺いしておきたいのでありますが、国営検査の問題については、毎国会非常にやかましい議論がありましたが、ことに前々国会だと思いますが、農林委員会の満場一致の決議で、検査部独立をやるべし、こういう決議ができているわけです。その趣旨は、その決議にもはつきり書いてありますけれども、今までの検査のやり方は、まつた特別会計買手御都合主義によるような検査をやつている。これはどうしても生産者の面からいいましても、消費者の面からいいましても納得ができない。すみやかに、生産者から見ても消費者から見ても、まつたく公正な検査ができるように、特別会計、つまり買手御都合主義検査を改めて、そして農林省におきましても一般会計でもつて検査をする。むしろ官房等にその検査機構独立さして行く、これが火急の事態になつておることをはつきり決議にも出しております。  もう一つ検査予算でありますけれども検査独立採算ということをあまりに強調するために、検査手数量がややもすると高くなる。それで検査手数料を下げようと思うと人員の整理をしなくちやならぬという、二律背反的な問題にぶつかつておる。そこでこの検査はあくまで国営でやるべきものであるから、しかも消費者生産者の両面の意味を持つものであるから、これは国家的な事務である。従つて一般会計でもつて負担すべきである。あまり独立採算を強調すべきではないということを、はつきりこの決議にもうたつてあるわけであります。農林省としては、この検査機構独立案について、国会決議を尊重して着々準備を進めておられると思いますけれども、その点はどうなつておりますか。この問題については、農林省はもうとつくに案をつくつて、われわれの方の国会へ出すべきだと思うのでありますが、いまだにそれを出しておらない。まことに不誠意きわまれるわけです。この点についての政府答弁をお願いしたいと思います。
  17. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 検査機構独立問題等につきまして、国会におかれましていろいろ御審議を煩わした経過につきましては、その趣旨を実は政府におきましても尊重いたしまして、研究を重ねておるわけでございますが、御承知通り、現在の食糧管理行政、それから国営検査国家的な行政機能も、目的はすべて国民経済の安定というところにあるのでございます。單に食糧を買つたり売つたりする商人的な機能と申しますか、商業的な立場においてその機能を発揮しておるわけではございませんで、やはり国家がやつておるというところに、一つの公の機関としての行政目的がそこに加わつておるのでございます。従いまして、食糧管理行政といい、あるいは検査仕事といい、すべて大きな国家目的のために運営されておるわけでございまして両方の建前をどうするか、現状をどう改善して参るかということにつきましても、そういつて方面からにらみ合して改善して参ることが必要じやなかろうかと考えておるのでございます。ただいまのところ、実は国の検査仕事も時期的に非常に繁閑がございまするし、そのひまな時期におきましては、あるいは調査事務をやり、あるいは業務仕事を手伝うことも、国の食糧管理運営の面から見ましてまた必要であるということも考えられます。そういう意味で実は現状通り運営されておるわけでございまして、これを機構的にはつきりとわけるといつたような問題、それから先ほど申しましたように、ある程度関連さして、一本の形で運営して行つたらいいだろうというような問題、いろいろと問題がございます。またかたわら県の検査の問題をとらえてみましても、県の検査機構も現在のところ非常にばらばらでございまして、あるところでは独立さして検査機構を持ち、あるところでは検査機構を持たずに食糧事務所の方に依頼する建前をとつておるような関係等もございまして、検査機構の問題を一つ大きな問題として取上げた場合におきましても、いろいろな問題をあわせて考えて参らなければならぬ点に実は逢着しておるのであります。お話のような趣旨を尊重いたしまして、実は検討いたしておるのでございますが、現在のところ、業務関係検査関係とを今ただちに分離して行くというような点については、県の機構等考え合せまして、結論を得ていないのであります。
  18. 遠藤三郎

    遠藤委員 ただいま食糧管理の面と検査の面と彼此融通して、合理的な運営をはかるために独立しない方がいいだろうというような意味の御答弁がありましたけれども、その点については独立した後でも十分に彼此融通する道はあるわけであります。これは一つの詭弁にすぎない。しかも研究しておると言いますけれども国会決議があつてからすでに一年もたつておる。この間何をしておつたかということを問いたいわけであります。政府はすみやかにこの問題の結論を出して、国会に提案をしていただきたい。県云々の問題がありましたけれども、あなたはおそらく県の関係についての決議案を見ておらないだろうと思う。あの決議の第三項には、県の検査と国の検査との調整をはかるために、その指導も一本にやつて行くべきである、こういう決議ができておるわけであります。その決議案を見ないで、見当でもつて常識でやつておるとすれば、これは国会軽視もはなはだしいものだと思う。そこですみやかにその点をはつきり検討されて、結論を出していただきたい。もう一年もたつております。全国農民はこの検査の問題がどうなるかということに、非常な関心を持つております。これはことに麦の統制が解除せられまして、これから自分のものを市場へどんどん売らなければならぬ、こういうような段階になつて来て、しかも検査がきわめて不徹底な、不明朗な、しかも特別会計からいいますと、買手立場に立つておるような、こういう検査機構では、国民の、ことに農民の信をつなぐことはできないと思う。先ほど総務部長は、この検査の食管の特別会計というものは、買手であると同時に国家的な機能を持つておると言いますが、この特別会計の最も強い機能は何かといいますと、損をしないということが一番強い要請ではありませんか。こういうふうな検査買い方をすれば特別会計赤字が出る、赤字が出ては困るということを一番先に考える性格を持つておるじやありませんか。まつた買手であります。それは役人であるから国家的な使命を持ちましよう。しかし国家特別会計の出先で働いておる役人でありますから、特別会計赤字になるようなことをだれができるものか、やるものか。そうなつて来れば、あなたがどんなに弁解しようとも、特別会計はやつぱり買方であり、買手都合のいいような規格つけ都合のいいような買い方をする。これを否定することはできない。これは何といつて農民承知しません。その点をよく御認識いただいて、すみやかにこの検査機構独立の問題の案をつくつていただきたい。そのことを申し上げて私は質問を打切ります。
  19. 竹村奈良一

    竹村委員 私は二点だけ伺つておきたい。今度出されました、改正案によつて検査というものが、あわとかひえとか拡大されるのですが、これに対する検査手数料は一体どのくらいおとりになる考えでありますか。     〔委員長退席遠藤委員長代理着席
  20. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 検査手数料追加品目についての考え方でございまするが、現在御承知のように、追加品目につきましては、各県の條例によりまして検査実施しておりまして、その條例による検査手数料というものがあるわけでございます。そういうような現行検査手数料を実は参考にいたしまして、その他検査の難易の問題でございまするとか、あるいは現行国営検査手数料関係でございますとかというものを参酌いたしまして決定して参る方針でございまするが、大体平均的に申し上げますると、最少農産物従価千分の二ないし千分の五程度考えられておるのでございます。
  21. 竹村奈良一

    竹村委員 大体検査手数料の額はわかりましたがそれでもう一つつておきたいのは、これは今度のこの検査に関する基準というものが、農林規格によつて検査をする。それが検査基準になる、こういうことでございますが、そこで今度追加される品目あるいはその他についてのその農林規格というものによつて全国一律に検査でき得るものであるかどうか。私の考えからいたしますならば、少くとも今日日本の生産的な諸條件によつて、でき上るものは相当な相違が地方々々によつてあると思うのです。ところが一定の農林規格によつて全国的に一律に検査をやりますならば、少くとも立地條件あるいは季候、風土によるところのでき上り口規格というものが相当違うのではないか、それを一律に検査をするという場合においては、結果的に見て、ある所においては最も農民に対して厳格な検査になり、ある所においては緩慢な検査になるのではないか。こういう点についてどういう対策を持つておられるか、伺つておきたい。
  22. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 御承知通り農林物資規格法によりまするところの、日本農林規格の設定につきましては、農林大臣がこれを全国的に統一した規格を定めることになつておりまして、その規格を定めます場合には、専門家意見も十分聞きまして、全国的に統一できますところの規格が定められておるのでございます。従いまして、現在この追加品目につきましての規格につきまして農林規格が定められておりますものを見ますと、相当の幅がございまして、全国に適用できるような規格になつておるのでございまして、地方地方のいろいろの事情というものも、その幅の範囲内において参酌されておるという関係になつておるのであります。
  23. 竹村奈良一

    竹村委員 それはこのくらいにしておきまして、それでもう一点伺つておきたいのは、たとえばこういうふうに検査品目を追加されてたとい自由検査をするとしても、相当大幅な検査をせられる場合におきましては、いわゆる検査員人員増加等の問題が起つて来るのかどうか、この点を聞いておきたいと思います。
  24. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 先ほどお答え申し上げましたように、十七年度の予算といたしまして、一般会計に六千九百万円ほどの検査経費が追加計上されておるのでございまして、この六千九百万円は一般会計から特別会計に繰入れられるということになつておるのでございます。その内容は、大体雑穀検査、かんしよ、ばれいしよ、澱粉、はつか、じよちゆうぎくといつたような種類につきまして、検査実施をはかりますために、三千人程度臨時職員検査人員として充実するというようなことになつておるのでございまし、て、今度の検査法の一部改正によりまして、品目がさらに増加し、検査経費がそれ相当かかつて参るというようなことになりますれば、補正予算あるいは来年の予算等におきまして、その実施時期の問題にも関連いたしまするが、さような予算においてこれが増加をはかつて参るということを考えておるのでございます。
  25. 竹村奈良一

    竹村委員 その三千人ばかりを置くということも大体わかります。わかりますが、しかし臨時職員でやられるということで、そういう統一した検査あるいはそういうことが完全にやれるかどうか、今日検査員に対する農民の不満というものは、いろいろな形において先ほど遠藤委員も指摘されておりますので、私は重ねて申しませんが、しかしこの臨時職員を置いて、統一的な国営検査をやつて行こう、こういう考え方がはたして完璧を期せられるかどうか、この点私は非常に問題だと思うのであります。このことについては、現在の政府が前に定員法を出して首切つておられる。これはほんとうは政府の政策から申しますと、非常に矛盾したことになるのですが——首を切つておいてまたぞろ臨時職員を入れて行く。そういうことで定員法で一律に首切つた。これは遺憾ながら、今日の吉田政府農産物検査やその他の面において、無定見を暴露していることになる。それで私は、そういうふうなことは全然別にいたしましても、しかし一方で首切つておる、また臨時職員を三千人置く、そしてこれをやるとまた追加予算でふやさなくちやならぬ。こういうことはこれは大臣にでも言うべきことだからあまり言いませんが、実に無定見、無方針、もう何と言つていいか、首を切つたりまた入れたり、こういうことをするから検査がまちまちになる、私はこう思う。そこで、それはそれとしてもう一つつておきたいのは、私はこの検査にあたつて、たとえば種子検査とそれから一般需要に供する食糧その他に利用する検査との考え方を、どういうふうにしておられるか。たとえば種子に対しては、どういう特別な規格と特別な方法で検査をされる考えでやつておられるのか。これは別な形でやつておられると思いますが、その点をひとつ詳しくお尋ねいたしたい。たとえば種子に対してはどういう規格検査をやつておられるのか、それを聞いておきたい。
  26. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 私の説明が足りないために、多少誤解を招いた点がございまするが、先ほど申しました臨時職員の三千名の問題につきましては、これは一般の検査員というものが、従来通り検査をやるのでございまして、先ほど申しました品目につきましては、春季あるいは秋季につきまして、季節の職員をある程度雇い入れませんと、手伝い不十分であるというような建前で、その時期的な関係臨時職員が雇われるのでございます。従いまして、仰せのような点は今ないのでありまして、その点御了承願います。  それから種子検査の問題でございますが、種子につきましては、今回の国会で御決定になられました種子法に基きまして、米麦種子につきましては、圃場審査をすることになつておりまして、その圃場審査で合格したものにつきまして、農産物検査法に基きまして種子検査をするという建前になつておるわけでございます。従いまして、その種子になりますまでの圃場における指導とかいうようなものは、改良普及員が中心になりまして、十分圃場の指導をするということで、優良な種子ができるような建前をとつておるのでございまして、その圃場指導に基いて、それによつてできた種子を審査して、さらにそれを検査するというような建前で、優良な種子が最後にふるいにかけられるというようなことで、農家の方もその審査に合格し、検査に合格した種子については、安心して使えるという建前をとつておるのでございます。なお規格につきましても、府県の方の御希望を聞きまして、十分種子検査規格を設定しておるのでございます。
  27. 竹村奈良一

    竹村委員 この種子検査については、一応そういう径路をとるといたしましても、最近の農村の実情を見ておりますと、たとえば野菜その他の種子にいたしましても、実際非常に不良な種子全国至るところに氾濫しておるわけであります。そこで少くとも今の検査規格というもの、これは府県の希望によつてというような御説明でありますけれども種子に対してだけは特別な規格と、特別な方法をとる必要があるのではないかと私は思う。本月説明されましたが、前の、いわゆる圃場あるいは種苗その他についてのいろいろな補導的なことはやられておりますが、最後の段階においてその規格はつきりいたしませんと、單に米麦だけでなしに、それ以外の種子についても、特別な検査をする方法を考える必要があるのではないかと思うのです。それは府県にまかしているというだけでは問題は解決しないと思うのですが、これに対して何か考えを持つておられますならば、伺つておきたいと思います。
  28. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 ただいまお尋ねの種子検査規格でございますが、御承知通り、この農産物検査法によります規格設定をいたします場合におきまして、種子につきましては特別な規格を考慮して設定されているのでございまして、特に一般の検査と違います点は、発芽率といつたような問題も重点に置いて、その種子検査規格ができ上つているのでございます。
  29. 遠藤三郎

    遠藤委員長代理 足鹿覧君。
  30. 足鹿覺

    足鹿委員 政府にお尋ねいたしたいと思います。今竹村委員から農産物種子検査規格等について質問になりましたことに関連をしておりますから、それから先にお尋ねしたいと思います。  昨年産の、これは主として北海道で生産される種ばれいしよの問題について伺いたいのですが、北海道の種ばれいしよは、全国に百万俵以上も配付するきわめて大量産地なんです。これに対して相当食糧用が混入しておつたり、あるいは植物防疫法の不徹底の点から、病害、すなわちバイラスとかあるいはリング・ロツトとかいうようなものの相当多いものが市販に供されて非常に迷惑を受けておりますが、この責任は道ですか、あるいは国ですか、どういうふうになるのですか。種ばれいしよの検査を道がかりにやつた場合、その検査の実際に当るのはやはり検査員が当つておると思うのですが、その責任はどこにあるのですか。
  31. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 お話通り、北海道における種ばれいしよの検査につきましては、道の條例により実施しておるわけでございまして、圃場の検査食糧事務所関係検査とは全然関係がないのでございます。
  32. 足鹿覺

    足鹿委員 関係がないとおつしやればそれまでですが、現在道営の検査をなされてあれだけ大きな問題を起しておつても、当局としては責任はないと、そのまま放任をして行かれる考えでありますか。これは全国農民が非常に迷惑をしておる。私は本年北海道へ参りまして、いろいろ現地について調べてみたんですが、植物防疫法による圃場検査というものはなるほどやられておる。ところが北海道全道にわたつて防疫官がわずか七人か八人という貧弱な状態なんです。従つてその圃場検査というものが格付検査員にある程度委託されておる。植物防疫法はあつてなきがごとき実情であることを私は目撃して帰つて来た。いずれにいたしましても、私は直接今あなたの責任を追究するのではありませんが、検査の衝には検査員が当つてつておるわけだ。それは道営検査で、国の検査員にこれを委託しておられるわけだ。今度新しくこれが追加品目がきまりますけれども、これもやはり国の検査員に委託されることになる。従つて形式上の責任は、府県の條例に基き、あるいは道の條例に基いて行つたその道にありましようが、検査の実態上の責任は、私は検査員検査するのでありますから、国にあると思う。従つて道営の検査であるから、あるいは府県営の検査であるからといつて、当局がその責任を免れることはできないと思う。一体検査員に対してはどういう指導方針をもつて臨んでおられますか、もう少しその点を明らかにしてもらいたいと思います。
  33. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 お話のように、北海道の種ばれいしよの検査につきましては、道條例による検査であり、また国の検査になつておるのでございますが、圃場の関係指導につきまして原因があると思われるのでありまして、種ばれいしよをつくります圃場の指導等におきまして、さような病虫害とかいうような問題が起るのではないかと思われるのでございますが、検査員といたしましては、できました種について検査を公平に、依頼を受けて実施するというような建前になつておりますので、その以前の圃場指導ということにつきまして、従来から検査員農家の生産指導と申しますか、そういうものに関心を持ちまして、農家の御相談を受けていた部面も多いのでございまするが、十分そういつた面にも注意をいたさせますと同時に、その圃場指導そのものにつきまして、担当局の方とも連絡いたしまして、そういつた問題が起らぬように御相談して参りたい、かように存じております。
  34. 足鹿覺

    足鹿委員 その圃場検査は、食糧庁の所管事項ではないと思うのであります。植物防疫法は農政局の方で別個の法律でおやりになつておるのでありますから、その点については関連事項として私は申し上げているのであつて、要するに格付検査はあなた方の方の指導でなさつているわけなんです。そうでしよう。いわゆる圃場の検査については、あなた方に直接期待することは困難だろうと思います。しかしこれは農林省としては総合指導でありますから、どちらの責任ということはできませんが、少くとも格付検査はあなた方の責任なんです。ところがこの格付検査の場合、こういう矛盾がある。食糧いもを混入しているどころか、まつたくの食糧いもを出しているのです。これを種いもだといつて配付している。この取締りは一体どうなさるのですか。そうしてはなはだしきに至つては、農業協同組合以外の商人筋でやつたものについては、一俵の票箋一枚が三十円から五十円のやみ相場で動いた事実もある。われわれも聞いておるのです。現実に北海道の人が言つているのです。一体そういうでたらめの格付検査というものがありますか。一体検査の権威がどこにあるか。この点について対策はどうですか。
  35. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 ただいまの道條例による国の検査実施して参る面接の監督につきましては、知事にも責任があるような建前になつておると思いますが、その原因が農産物検査検査官にもあるとしますならば、そういう検査官の素質向上といつたような点については、十分今後注意して参りたいと思います。
  36. 足鹿覺

    足鹿委員 その程度では不徹底だろうと思うのです。大体私はいも類の検査というのは困難だという自説を持つているのです。一体何十万俵、何百万俵というものに一々さしを立ててみるわけには行かぬでしよう。結局これは内容量の程度、あるいは品種等によつて一応大体の縦でわけをなさる程度のものであつて、これはなかな困難だと私は思つておる。その普通の検査でも困難なものが、種いもの格付検査になりますと、さらに困難になつて来ると思う。従つてこれは知事が委託を受けた、だから直接の責任は道にあるとおつしやつても、その検査官が事実検査の衝に当つているわけですから、これでは不十分だということになれば、検査員の素質の向上というような、さような抽象的なことでは私は満足できません。もつとこれに対する具体的な対策が打出されなければならぬと思う。あるいは種いも外のものを混入した分に対しては、もつと厳重な罰則が考えられるとか、これは国で当然取上げるべきことです。なるほど産地はわずかな北海道のある局限された地域でしよう。しかしそのいもは日本全国に全部輸送されて、日本のばれいしよ作を左右している重大な問題なんです。それをただ、これは産地が北海道だからといつて、あなた方が検査員の素質向上という程度でお茶を濁されるということはけしからぬと思う。もつとこれは国の立場から検討されなければならぬはずだと私は思う。その点についてもう少し確たる御答弁を承りたい。
  37. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 ただいまの問題につきましては、よくその原因を調査いたしまして、それに対応する対策を至急担当局とも相談の上確立いたして参りたい、かように考えております。
  38. 足鹿覺

    足鹿委員 今後調査をするとおつしやいますが、これは去年に限らず、その前からも多少あつた。去年は自由販売になりまして一番弊害が現われておる。その実情を御存じないはずはないと思いますが、しかしよく御調査になつて対策を立てるということでありますし、また本年の種子も予約の時期にそろそろ入つて参ります。でありますから速急に権威ある対策を確立していただきたいことを、特に私は強く要望いたしておきたいと思います。  それから現在の検査員指導方針についてでありますが、農民のための農産物検査が、ややもいたしますると、農民から怨嗟の声を聞くような実態がなきにしもない、数万の検査員の個々の問題をどうこうというわけではありませんが、今までは国の一つの収量検査とでもいいますか、そういう性格を持つておる。今度自由販売になつて参りますと、一つの商品に対する格付なのであります。従つて麦にしましても、その他今回入つて来ようとしておる雑穀類にいたしましても、できたものをただ單に検査員検査せしむるというような心構えでありますならば、この検査は成功しないと思う。ほんとうの農民の利益を擁護して行くということは私はできないと思う。むしろこれは消費者のための検査というような印象を農民は強く受けないとも限りません。従つてできたものをただ單に検査するというような消極的な検査員に対する指導方針でありまするならば、農産物検査というものに対して失望せざるを得ないのでありますが、自由販売へ農産物が移行いたしましてからの検査員の気持は相当かわつて来ておりますが、まだかつての収量検査とでもいいますか、そういつたときの気分が相当残つておる。たとえば一日に何百俵以上は検査してはいけないとかいうようなことも、ときどきわれわれ農村に行と聞く。ところが今後たとえば農協なら農協で自主統制をやつて、共同販売運動をやつて行くという場合に、これは従来もあつたことでありますが、きようは日曜だ、きようは半どんだというようなことで検査がしぶられるということになりますと、一刻を争う共販態勢の上に非常に支障が出て参ります。そういつた点で、ほんとうに農民のために親切な検査員に対する指導方針を確立して、それが厳重に励行されなければならないと私は思う。そういつた点について、当局の検査員に対する具体的な、農産物が商品化して来た場合の格付検査に対するところの指導方針は、どういうものを持つておられますか、その点を伺いたい。
  39. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 検査生産農家の利益のために行われる、行われるといいますと語弊がございますが、農家の収支経済を維持改善するために、検査が全農民から希望されて行われるといつたような建前でございますので、それを担当します検査員もそのつもりで、農家の苦心してつくつた農産物の格付を丁寧にやるというようなことが必要でありますとともに、そこにでき上つて参りますものの指導と申しますか、検査事前指導というものも、従来以上に十分徹底させてやつて行くというようなことが必要であろうと思うわけでございます。  なお検査員の質の向上等につきましても、常時食糧庁といたしましては、講習とかあるいは実習、競技会その他を通じまして、素質の向上をはかつておるのでございまして、そういつた施設につきましても、充実して参りたい、かように考えておるのでございます。
  40. 足鹿覺

    足鹿委員 御努力になるそうでございますが、私はもつと具体的なものがなければならぬはずだと思う。総務部長検査方面の専門でなければ、他の方からでもけつこうでありますが、私は少くとも今後における農産物検査の精神は、公正な格付をして、生産者にも消費者にも利益というような考え方も一応は言えるでしよう。しかし農産物検査の精神は、どこまでも農民立場に立つて検査して行くべきなんです。その結果が公正な一つ検査となつて現われ、それが消費者に対しましても一つのサービスになつて行くという考え方が、私は正しいと思う。農民のための検査というようなことについては、部長は疑念があるような御答弁でありましたが、その点どうお考えになつておりますか。いわゆる農産物が商品化して来る今日における検査というものは、農民立場に立つ、農産物検査でなければ、これは意味をなさないと私は思う。そういう点について、いわゆる検査員の頭の切りかえと申しますか、かつての強権供出時代と違つた画期的なものが、もうすでに当局に用意され、そうしてそれが実践に移されていなければならぬと私は思う。今から研究するなんということではたよりない話で、私は納得が行きません。もつとしつかりこの点はやつていただきたいと思いますが、これ以上申し上げても意見になりますので、ほんとうにやつていただきたいと思う。  それからさつきも遠藤さんからもこれは御質問があつたと思いますが、私は、検査をやつて行く場合に、民主的な運営というようなものが相当なされなければならぬと思う。たとえば麦なんかは産地銘柄が復活するような話で、私はその後の経過はよく聞いておりませんが、いろいろそういつた面で運営上に相当問題があると思う。たとえば農産物検査運営委員会というようなものでもつくりまして、そうしてこれに対しては農民の代表を入れる、あるいはその他学識経験者も入れるというふうにして、そうして料金の問題であるとか、あるいは格付の標準の決定の問題であるとか、いろいろ点についてその運営が民主化されて、そうして農民もほんとうに格付の点については納得をして行くように、農民から喜ばれ、農民からほんとうに慕はれるような検査運営が行われませんと、私ども地方へ帰つてこの問題を直接聞きますと、検査ぐらい個々の農民にぶつかる政策はない。これは農民個々にぶつかつて行く問題であります。そうしてじかにこれはいい悪いが出て来るわけなのであります。従つてこの運営が、官僚的というと語弊がありますが、かつての収量検査のときのような気持でありますと、逆に農民の怨嗟を受けるような結果になると思う。従つて具体的な御答弁がありませんので、私は一つの私の考えを述べて、当局の御答弁を聞きただしてみたいのですが、そういう検査制度の運営については何らお考えはありませんか。今申しましたような、運営については、農民代表を入れる、あるいは農業団体あるいは学識経験者というようなものを入れまして、真に農民を納得し、そうして権威ある検査実施されて行くようにして行かないと、私は農産物検査は将来非常な禍根を残して行くと思うのですが、この点はどうですか。
  41. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 検査制度の運営につきまして、各般の意見を聞いて改善して参るということにつきましては、異議のないところでございまして、こういう点が必要であろうと思われるのでございます。格付審議会あるいは標準品の査定委員会と申しますか、そういつたような機関も考えつつあるのでございまして、それとあわせて、運営の面について御意見が承れるような方々の協議会的なものもつくるというようなことにつきまして、考えて参りたいと思います。
  42. 高倉定助

    ○高倉委員 ただいまのばれいしよの検査関連いたしますのでお尋ねしたいと思いますが、先ほど政府当局から足鹿君の質問に対して、北海道のばれいしよの検査は北海道庁に委託してあるというようなお話を承つたのでありますが、これは昨年の六月から国が検査する品目に入つておらないわけです。これはどうなつておるのでありますか。
  43. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 農産物検査法によりますばれいしよの国営検査は、希望検査といつたような建前品目が追加されております。
  44. 高倉定助

    ○高倉委員 そこで内地に種子用ばれいしよ送りまして、今年はヴアイラス病が出たとかなんとかいうので、非常な非難を受けておる箇所が数箇所あるように聞いておるのでありますが、検査は厳重にして、規格その他のことははつきりとして移出をしておることになつておるにもかかわらず、かようないろいろの問題ができるということは、私は検査そのものが悪いのじやないと思う。これははつきりした規格がきまつておる。たとえば種子ばれいしよ、食糧ばれいしよ、澱粉用の原料ばれいしよというように価格をきめて移出をするのでありますから、間違いがないと思うのでありますけれども、そこに問題のできるのは、種子ばれいしよと食糧ばれいしよとは価格が違うのであります。従つて種子ばれいしよということにしてはつきりと各府県においてこれをとればいいのでありますけれども、それが種子ばれいしよでなく食糧ばれいしよを持つて来て、そうしてこれを、安いから商人がもうけて、そうしてそれを種にするというのでこういう問題が大きく出て来る、私はかように考える。決して検査が悪いんでない、これは中間商人あるいはその受入れされるところの県の当局が、そういうようなことで問題を起すと思うのでありますが、この点はこういうようなことをお調べになつたことがありますかどうか、お尋ねしたいと思います。
  45. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 はなはだ申訳ない次第ですが、さような実情について調べた資料もございませんので、先ほどお答え申し上げました通り、よく調査いたしまして対策を樹立したい、かように考えます。
  46. 高倉定助

    ○高倉委員 これはよく御調査をして発表していただかないと、北海道のばれいしよに対するところの声価が落ちて来て、今後の取引に対して大きな支障を来すのであります。これは急速にひとつお調べを願つて御発表願いたい、かように考えます。  それからもう一点お伺いしたいのは、今度の新しい品目に亜麻が入つておりますが、この種が入つておりませんが、これは二十万俵くらいですが、これはどういうふうになつておりますか、お聞きしたい。提案者にお伺いします。
  47. 千賀康治

    ○千賀委員 政府によくその点は答弁をさせます。
  48. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 現在亜麻の検査につきまして、希望検査條例でやつておるところがあると思うのでございますが、亜麻の種の検査につきましては、農家の方の希望全国的に見ますと少いようでございまして、わずかに北海道の関係が一道だけ條例検査を施行しておるようでございまするが、さような意味におきまして、実は御要望と申しまするか、そういつた追加品目について、ぜひそれを追加すべきであるというような品目としては、ウエートと申しますか、今度の追加品目と比べまして御要望の点が少かつたものですから、多分落ちたのではないかと考えておるのでございます。
  49. 足鹿覺

    足鹿委員 私は最後にひとつ資料としていただきたいと思います。それは今まで都道府県條例をつくつて農産物検査を行つておる県、また農産物の種類、あるいは手数料関連した問題をお調査になつたものがありますれば、至急にひとついただきたい。委員長の方にもそれをお願いいたしたいと思います。私は先刻から要望を兼ねて意見を交えていろいろ申し上げましが、この農産物検査は、くどく申し上げて恐縮でありますが、私どもが議員立法として提案をした精神というものは、あくまでも先刻述べましたような精神があるのでありまして、これは一歩誤まりますと非常に重大な問題になりますので、特にこの実施面については、われわれは議員立法でこれをやりましても、実際はあなた方がおやりになるのでありますから、よくこの運営を誤らないように、そうして農民から真に喜ばれるような運営をしていただきたいということをくどいようでありますが、最後に特に私は要望して私の質問を終わりたいと思います。  なおこの機会に委員長にお願いしておきたいことは、五月九日及び十三日に東北地方を襲いました霜害の被害状況、これに対する政府の対策というようなことについて、農林委員会において適当な機会に説明を聽取し、いろいろ質疑をかわす機会をお与えいただきたい。その点をひとつ委員長の方においておとりはからいをいただきたいし、またその霜害の実相について、至急その調査資料をわれわれの手元にお届けいただけますようにお願いいたしたい。
  50. 遠藤三郎

    遠藤委員長代理 承知いたしまし  た。
  51. 小笠原八十美

    ○小笠原委員 今の検査の問題、私も提案者の一人でありますが、大分やかましくなつているが、この検査の実際の内容はよくわからぬようだが、監督省の立場として、下部の方でどういう検査をしているか、臨時のものがどういう検査をしているかということをもう少し検討をしなければ、せつかく法律をつくりましても、それを使うところの腕がなければたいへんな問題になりますよ。そのところを考えてもらいたい。今のばれいしよの北海道云々という問題が出たが、これは大きな原因がある。これは今も高倉さんが言つた通り価格が違う。いいものは高く売りたい、種で売りたい、ところが種は制限がある。あるけれども種で売る方が現実によくて種としてたくさん出る。種の検査で出ます。種があふれれば食糧に売る、他に出れば食べてしまうから文句が来る。商人ばかりが悪いじやない、検査する方でも、ばれいしよはなかなかめんどうでも、米のようにさしが入るのじやなし、大体積み重ねておいて、こいつはこうこうと区分をつけてしまう。いい方の検査だ。ところがわら工品とかその他ひえ雑穀の方になると、これは不始末なもので、あなた方臨時を頼んでもうまく検査できるか。これは危いと思う。一例をあげれば、木炭検査でこういうことがある。木炭検査証を売つている、検査するものじやない。たいていのところで札をつけてしまう。中にひどいのは臨時を頼んで、臨時の検査員で合格する者がないのに、今まで木炭の仲間の者を臨時の検査員にして、それはきようからおれが検査員だから、おれの言うことを聞かないと検査にひつかけるぞといつて、けんかをして一日で免職になつたという、そういう臨時の検査員が多い。今雑穀の方で、あわてて検査員といつてその辺の者をひつぱつて来て間に合わそうと思つても、とてもものになるものじやないぞ。それは国の検査員はよほど気をつけないとものになるものじやない。だから特に雑穀など、ほんとうにその専門々々の者は臨時にありつこはないから、それは答弁されてもだめだ。十分注意して、最も効果的なことをやるようにして、この次の機会に、一年たつたときに農林委員会で少くとも検査員がほめられるような、野党からもほめる言葉が聞かれるように、ひとつ努力していただきたい。
  52. 遠藤三郎

    遠藤委員長代理 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。  これより討論に入るわけでありまするが、別に討論の通告もないようでありますので、これより農産物検査法の一部を改正する法律案について採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  53. 遠藤三郎

    遠藤委員長代理 起立多数。よつて本案は原案の通り可決すべきものと決しました。(拍手)  なおお諮りいたしますが、ただいま可決いたしました本案に対する衆議院規則第八十六條の規定による報告書作成に関しては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 遠藤三郎

    遠藤委員長代理 御異議なしと認めましてさよう決します。  本日はこれをもつて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。     午後零時十分散会