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野原政府委員 参議院の
農林委員会における
農林大臣の答弁と食い違いがあるということでありますが、さほどの食い違いはないと
思つております。当時としまして御承知のごとく
農林省といたしましては、あくまでも
肥料の価格ができるだけ安くなることが好ましいことでありますので、農業政策の上から見ましても、現実に肥科が高過ぎるということは常識であります。何とかして
肥料が安くな
つてくれることをわれわれは心から念願しておるのでありまして、特に輸出等の問題に関しましては、御承知の
通りわれわれとしましては、司令部等からの要請等もございまして、国内における肥科の増産ができた際においては、ある
程度の輸出もやむを得ないということで承認を與えた過去の事例もあるのでありますが、その際におきましても、絶対に価格が上らぬことをわれわれは期待もし、通算
当局ともしばしば連絡をと
つてお
つたのであります、が、ややもしますというと、肥科の価格には、この輸出を
一つのポイントとして上るというような現象が過去においてございましたので、この際われわれとしまては、こういう点は十分警戒を要するという点から、相なるべくならば、現行価格が少し下るというくらいなことにならなければ、輸出に対しては賛成をいたしかねるという点を卒直に大臣の見解と申し述べりたものと私は了承するのであります。今日におきましても、農林
当局としましての
考え方は依然としてかわ
つておりませんけれ
ども、輸出の問題はひとり
農林省だけできめられる問題でもないのでございまして
肥料生産等の問題につきましては、御承知の
通り通産省及び安定本部等も關與します。特に通産省所管として生産の方の仕事を担当してもら
つておるのであります。
農林省が卒直に
農民の立場において主張するという点におきましては、今後とも大いに努力をいたすつもりでございますが、今回の措置につきましてい、三者十分に緊密な連携をとりまして少くとも現行価格を上まわらない、これより上らないということを絶対の要件としてならば、われわれも
考えなければならぬ。しかも需給の事情等も十分にらみ合せまして、一どきに大量のものを出すということは、いくら価格決定があ
つたとは言いながらも、国内における肥科の需給等にいろいろ変動がある。そのために時期的にもいろいろ困難が生ずる、あるいは価格の高騰が起るかもしれない。そういう点も
考え合せまして、時期的にさような影響のないようにという点を十分おもんばかりまして三月から七月の間に適正な
計画のもとに輸出をする。しかも現行価格以上に上らないという
建前をも
つてこの際メーカーに対しましても、十分自粛をするようにという要望、またもしこれがその
計画通り進みまし実際においてはなはだしく高騰したということがありますれば、ただちに
農林省当局としましては、適切なる措置を講じまして、肥科の価格が上らないように十分なる善処をいたしたいと
考えておる次第であります。