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1952-02-22 第13回国会 衆議院 農林委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年二月二十二日(金曜日)     午後二時二十一分開議  出席委員    委員長 松浦 東介君    理事 遠藤 三郎君 理事 河野 謙三君    理事 平野 三郎君 理事 小林 運美君    理事 井上 良二君       宇野秀次郎君   小笠原八十美君       越智  茂君    小淵 光平君       川西  清君    坂本  實君       千賀 康治君    原田 雪松君       高倉 定助君    竹村奈良一君  出席政府委員         食糧庁長官   東畑 四郎君  委員外出席者         專  門  員 難波 理平君         專  門  員 岩隈  博君         專  門  員 藤井  信君     ――――――――――――― 二月十八日  宮城県に営林局設置請願内海安吉君外一名  紹介)(第七八二号)  高知航空隊跡地開拓事業費全額国庫負担の請  願(長野長廣紹介)(第七八三号)  畜犬競技法制定に関する請願川西清紹介)  (第八一三号)  同(守島伍郎紹介)(第八四〇号)  鍋田干拓事業促進に関する請願江崎真澄君紹  介)(第八三八号)  関市の土地改良事業促進に関する請願武藤嘉  一君紹介)(第八三九号)  桃生郡北方土地改良区の水害防除排水機関設置  の請願角田幸吉紹介)(第八四一号)  農地災害復旧事業費の繰上げ交付に関する請願  (圓谷光衞紹介)(第八四二号) の審査を本委員会付託された。 同日  排水機維持管理費全額国庫負担に関する陳情  書(第五〇六号)  無家畜農家の解消に関する陳情書  (第五〇七号)  積雪寒冷單作地帶の指定に関する陳情書  (第五〇八号)  麦類統制撤廃反対並びに加工方式に関する陳  情書  (第五〇九号)  農地保全対策事業促進に関する陳情書  (第五一〇号)  地方競馬民営移管反対に関する陳情書外一件  (第五一一  号)  上唐沢地区土地改良事業埼玉県営事業とし  て施行の陳情書  (第五一二号) 同月二十一日  土地改良法改正並びに同法による農地の区画  整理に対する補助金復活に関する陳情書  (第六〇七号)  積雪寒冷單作地帶振興に対する予算増額に関す  る陳情書(第六〇  八号)  林政機構拡充強化に関する陳情書  (第六〇九号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  小委員及び小委員長選任に関する件  食糧問題に関する件     ―――――――――――――
  2. 松浦東介

    松浦委員長 これより農林委員会を開会いたします。  この際小委員会設置についてお諮りいたします。公報により御承知の通り、すでに請願相当件数付託になつております。また今後も逐次付託になることと思われますが、請願審査愼重にするために、ただいま付託になつておりますところの請願、及び今後付託せられますところの請願を、小委員会において審査せしめたいと思います。つきましては小委員十名よりなる請願審査小委員会設置することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 松浦東介

    松浦委員長 御異議ないと認めまして、さようとりはからいます。なお小委員及び小委員長選任につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 松浦東介

    松浦委員長 御異議ないようでございますから、その氏名は追つて公報をもつて指名いたします。     —————————————
  5. 松浦東介

    松浦委員長 次に食糧問題に関する件につきまして、調査を行います。本日は主として輸入食糧の問題、すなわちタイビルマ等における食糧買付状況、及び昨年風水害をこうむつた関西、四国九州地方等における食糧供出状況等を中心に、議事を進めることにいたします。まずこの点について、政府説明を求めます。東畑政府委員
  6. 東畑四郎

    東畑政府委員 外国食糧購入計画でございますが、昭和二十六会計年度で申しますと、一応政府計画といたしましては、三百二十万トンという計画を実はいたしておつたのです。大体年度十二月末までに、二百四十九万八千トン、およそ二百五十万トン輸入食糧到着いたしております。こまかい内訳を申し上げますと、米で六十二万トン、小麦で百二十万四千トン、大麦で六十七万四千トン、合計二百四十九万八千トンでございます。これは原石トンでございます。本年の三月末までに、すでに買付済みのもので、到着を予想し得るものが、約八十万トン弱でございます。大体昭和二十六会計年度から申し上げますと三百三十万トン弱、計画は三百二十万トンでございますが、三百三十万トン程度輸入到着をするのではないかというように、実は考えておる次第でございます。来会計年度で申し上げますと、三百五十一万七千トンというのが、予算上におきまして、またわれわれが計画しております輸入計画でございます。これの確保のうち、一番問題になりますのは米でございます。米は大体百万トンを予想いたしております。百万トンのうちの非常に大きな分がタイビルマになつております。食糧会計年度のほかに、やはり米穀年度というものが非常に重要でございますが、昭和二十七米穀年度で申し上げますと、昨年の十一月からでございます。昨年の十一月から以後米で到着いたしておりますものは、本年の一月までに十六万五千トンであります。すでに買付けまして未到着なものが、米で申しますと四十三万七千トンございますので、合計米穀年度で申し上げますと、六十万トンは買付済みで、到着未済で、必ず米穀年度中に入るものでございますので、残り約四十万トン程度が、本米穀年度中に買付けなければいかぬというものになつております。タイビルマから幾ら買うかと申し上げますと、国際市場等関係もありまして、正式にはお許しを願いたいと思いますが、相当量のものがタイビルマに依存するということになると思います。タイビルマ等につきして、われわれの責任者を派遣いたしましたり、その他われわれとしましては、なるたけ有利に国民食糧確保したいという考えをもちまして、目下いろいろ検討いたしておる次第でございます。  それから供出事情でございますが、二千五百五十万石に対しまして、減額補正をいたしましたのが、いつか申し上げましたように、約百六万石でございます。そのほか百二十六万石程度超過を実はお願いをいたしております。超過供出数量というものは、正式にはいわゆる割当という形をとりませず、それ以上ひとつお願いするという形で、各府県御当局に懇請をいたしておる次第であります。ただいまのところ供出実績は、超過等も含めておるのでありますけれども、二千三百五十三万二千八百石、これは二月十五日現在で、私どもの手元まで届いておる数字であります。当初の割当二千五百五十万石に対しましては九二・三%という数字になるのであります。減額補正いたしました数字二千四百四十九万三千三百石に対しましては、九六・一%という数字になるのであります。われわれといたしましては、超過供出等を懇請いたしまして、当初割当あるいは当初割当以上の確保をはかるべく、目下努力をいたしておるのであります。減額補正等決定いたしましたのが遅れまして、二月上旬になりましたもので、各県の末端市町村の方に、減額補正割当がつきましたのが遅れましたために、供出等も若干遅れておるようでございます。四国九州、中国、近畿、東海方面における減額補正割当が、末端につきました際には、減額補正の線までは私は行けるのではないかというように考えております。それ以上の超過をお願いしておる県が、今後の超過供出の進行によりましては、相当の量を確保できるのではないかと期待をいたしておる次第でございます。なお供出を完遂いたしました県は、鳥取県その他含めまして十四県に達しておる次第でございます。
  7. 松浦東介

    松浦委員長 質疑の通告がございますから、順次これを許します。河野謙三君。
  8. 河野謙三

    河野(謙)委員 まず長官にお伺いしたいのは、匿名供出に関する問題ですが、去る委員会におきまして長官並びに農林大臣にただしました一点につきましてあらためてもう一度御答弁願いたい、その際に私が伺いましたのは、国税庁長官並びに食糧庁長官として知事もしくは国税局長通牒を出された、その通牒内容におきまして、通牒を出された二月十三日からさかのぼつて一月一日、この間におけるところの匿名供出によらざる分、この分は当然匿名供出と同等の取扱いをされると解釈しておりましたが、通牒内容に少しく疑義がありますので、これを私が同時に扱うかどうかというお尋ねをしました場合に、長官はつきりと、同等に扱うと言われ、また農林大臣は、長官答弁通りであるということを明確に御答弁があつたので、私はそのように承知しておるのですが、本日の新聞を見ますと、参議院における論議等において、過日私がこの席で答弁をいただいた、一月一日から二月十三日までの間の分が、匿名供出同等な扱いとされないというふうに承知しておりますが、私はまさか長官が食言されるとは思いませんし、大臣が食言されるとは思いませんが、新聞等によつてそういうことを承知しましたので、あらためてこの点もう一度明確に御答弁願いたいと思います。
  9. 東畑四郎

    東畑政府委員 実は私自身としては、食言をいたしたつもりはなかつたのでありますが、当時の速記録を私見ておりませんので、どう申し上げたかはつきりした記憶はいたしておらないのであります。匿名供出御度は従来ございましたが、一時それはやめましたので、二月二日の省令の改正で、匿名供出制度というものを、実はまた復活いたしたのであります。そこで匿名供出に対する二十七年度所得の更正をなす場合において、石当り二千円のものについて、来年度所得税をかけるかどうかという問題につきましては、それを決定通牒いたしましたのが、二月十三日になつてつたのであります。匿名供出制度ができましてから以後の問題につきましては、当然これは免税になるという趣旨答弁はいたしたつもりであります。もう一つ大事な、匿名供出外超過供出という問題もございます。この問題につきましては、実は今年は価格としてはこれを見ておりませんし、集荷委託費という形で、市町村を通して実は出しておるのであります。超過供出がありました場合における、超過供出に対する石当り価格というものは、実は二途にわかれております。従来は石当り一千円ということできまつておりましたのを、一月二十八日に、ある條件のもとに二千円までよろしいという通牒をいたしまして、この間非常に複雑になつております。結論を申しますと、超過供出のあつた事実によりまして、実は税がかかるのであろうと思います。金の支拂いというものは、おそらく一月中にはそうたくさんないというところに、実は問題があるのでありますが、その間の事情等につきまして、匿名供出については免税措置をするということは、はつきり通牒をいたしておりますが、匿名供出によらざる問題につきましては、均衡上これが問題になつて参りまして、その量、金額等につきまして、実は私の方もまだどれくらいあるかということが、はつきり把握できないので、そういう問題等をよく数字的に末端から集めました上で、さらに大蔵当局話合いをするというので、その問題は通牒外の問題になつたわけであります。もつと率直に申し上げますと、農林大蔵大臣のお話合い決定いたしまして、その方法については、立法的措置でやるか、行政的措置でやるかについては、まだ決定いたしておりませんが、いずれにしても来年度所得税決定のときまでにはきめるという、匿名供出にからむ話合いが実は根本でありまして、これは事務当局から発生したわけではございませんけれども、現実匿名供出外超過供出というものが、二月二日前にはあつたという事実と、これとの均衡の問題は、金額量等もよく事務当局で検討いたしまして、さらにこれは両大臣話合いできめていただきたい、こういうように実は考えている次第であります。
  10. 河野謙三

    河野(謙)委員 速記録を見ればわかるのですが、二月二日でしたか十三日でしたか、この通牒を発する以前、一月一日にさかのぼつて、その間におけるところの匿名供出相当分につきましては、同様の免税その他の措置をとるということは、たしかに長官は言つておられます。それを今まだ問題があとに残されておるような御答弁ですが、これは農民から見ればゆゆしき問題であります。なるほど一月一日から二月までの間の数量その他の整理は、まだ遅れるでしよう。しかしこの扱いにつきましては、どういう方針で扱うかということは、すでに私は決定したように聞いておりますが、かりに決定しなくても、この際はつきり言つてもらわないと困ります。そこで私はあらためて伺いますが、この国税庁長官なりあなたが出された通牒の文面に、二十六年度分のことが一、二書いてあつて、三に匿名供出にかかる超過供出奨励金云云としてある。その前の一、二には、二十六年度分については匿名供出等によりという、この等というのは、二十七年度分にも当然同様な意味が含まれておると私は思いますが、これは何か故意にと申しますか、この等がついているのが意味があるのですか、それを伺いたい。
  11. 東畑四郎

    東畑政府委員 等のついていない第三項と、等のついている第一項、第二項とは、非常に意味が違うのであります。一、二の等という字は、二十六年の所得決定の場合に、かりに超過供出がありましても、これは反当収量が上つたものではなくして、あくまでも節米供出であるという意味において所得発生主義からいいまして、二十六年の収入を査定する場合に、所得にしない。また超過供出奨励金が二十六年收入としてもらえましても、あるいは先途奨励金がもらえましても、いわゆる超過供出にからむ奨励金は、二十六年の収入にしない、こういう意味の等でございますが、その二千円というものを、二十七年の収入にいたします場合は、匿名供出による収入免税的措置をとる、こういう意味でありまして、そこはこの前も実は非常に愼重に私はお答え申し上げたのでございます。要するにまだ問題外になつておりまして、先ほどお答え申し上げましたような趣旨のお話を申し上げたと思つている次第であります。
  12. 河野謙三

    河野(謙)委員 私が想像しました通り、等という一字がなかなか重天な意味があり、この間に非常に大きな取扱いの差があるということはわかりました。これは大臣にお尋ねすべき問題かもしれませんけれども、直接食糧関係事務を担当しておられる長官として、こういうふうに両者を区分して、それで一体それが公平な、正しい政治とお思いになるかどうですか、あなただけの個人の気持を知らせてもらいたい。
  13. 東畑四郎

    東畑政府委員 私政治的見解は述べる資格もございません。事務的な話といたしまして免税という措置が必要になつたほど、やはりわれわれとしては超過供出を懇請いたしておるわけであります。超過供出のあり方として、匿名によりますか、匿名によらない個人超過供出でありますかは、これは農民自体自由意思によつて決定されるものだと思います。率直に申し上げますと、私個人といたしましては、均衡をはかるべきものである。こういうふうに実は考えておるのでありますが、この話合いというものが、事務的の話として出発をいたしておりませんので、政治的な話合いであつて事務当局といたしましては、通牒を急ぎましたので、早く通牒をする限界としましては、そういう表現以外に実は解決のしようがなかつたのであります。問題は来年度所得の問題でございますので、今後また十分事務当局の間で話合いをいたしまして、均衡を失しないように食糧庁といたしましては努力をいたしたい、こういうふうに考えております。
  14. 河野謙三

    河野(謙)委員 よくわかりました。長官意思でない、非常に不本意であるけれども——あなたは非常に愼重な言葉を使つておられましたが、結局大蔵省の圧力に負けた、自分の意思ではない、こういうふうに解釈いたしまして、これは大臣なり、われわれの政治の分野でありますから、この問題はわれわれも預かりたいと思います。  次に本年の麦価の問題ですが、本年の麦価は、過日の長官説明によりますと、二十六年度麦価基準にして、それに二五五のパリテイ基礎としてきめる、こういうふうに伺いましたが、その通りであるかどうか。またそういたしました場合に、はなはだしろうとらしい質問で相済みませんが、そういう計算基礎に立つて麦価算出いたしました場合に、本年の小麦なり大麦は一体幾らになるかということを伺いたいと思います。
  15. 東畑四郎

    東畑政府委員 本年の麦価の問題は、予算考えました麦価という問題と、今後法案を提出いたしましたり、あるいは米価審議会等でお練りを願う麦価とはまた別にお考えを願いたいと思います。一応予算上の麦価というものの考え方につきまして御説明を申し上げたいと思います。従来麦価は、米価パリテイといいますか、昭和——十一年の二十七円十六銭という米価基礎といたしまして、それに農業パリテイ指数というものをかけまして米価をきめまして、その米価に対しまして、ある対米比価というものをかけましてきめて予算編成をいたしておつたのでありますが、昭和二十七年度予算におきまする予算麦価考え方につきましては、米価議会答申等もございまして、なるたけ戦後の最近の事態に即応したパリティ編成をしたいというのを建前にいたしております。そこで私の方といたしまして、物価庁等とも相談の結果、昭和二十六年度は、農家購入品上昇率というものが、もちろん上昇はいたしておりますが、戦後では比較的安定をいたしておる年である。それから農家生活水準が、農林省の農家経済調査からいいましても、戰後では比較的上昇しておる年である。豊凶問題につきましても、比較的平穏な年であるということから、パリテイ方式をとりまして、農民対非農民のいわゆる所得均衡が比較的とれ得る年ではないかということを考えまして予算では昭和二十六年というものを一応基準にいたしたのであります。昭和二十六年の、もとになる麦価でございますが、考え方といたしましては、厳密に言いますと、昭和二十六年の五月から昭和二十七年の二月までのパリテイ指数のいわゆる平均であります。と言いますのは、昭和二十七年の四月にバツク・ペイをいたしますので、バツク・ペイをいたしましたものを含めたいわゆる。パリテイ指数というものを基礎にいたしまして、今後のパリティ上昇率、これは一応二五五ということを推定しておりますが、これは今後のパリテイの変化によりまして変更いたさざるを得ないとは思いますが、一応二五五にいたしまして、その上昇率というものを、昭和二十六年の麦価に対して予想し得るバツク・ペイのものを加えた値段をもつて単価にいたしてかけておる。なかなか複雑でありますが、もつと簡単に言いますと、昭和二十六年の麦価バツク・ペイを加える。そのバツク・ペイは、この四月に現実にきまるわけであります。その四月にバツク・ペイを加えたものを単価にいたしまして、それにバツク・ペイをやつたときまでのパリテイ指数上昇率昭和二十七年五月の現実パリティ指数というものを予算単価にいたしたわけでございます。
  16. 河野謙三

    河野(謙)委員 そうしますと、石でも一俵でもいいのですが、その価格は一応幾らになるかおわかりにになりますか。
  17. 東畑四郎

    東畑政府委員 バツク・ペイ金額をちよつと単価に割れないのでありますが、小麦で申しますと、六十キロ裸で千八百三十四円に、バツク・ペイの金を加えなければいかぬのでありますが、それになるわけであります。
  18. 河野謙三

    河野(謙)委員 これはあらためてその計算をこまかく資料としていただきたいと思います。  そこで今予想される二十七年度麦価、これは今政府が意図している麦の統制撤廃後におきまする需給調整の場合の最低価格ということになりますか、それともこの予定麦価というものは、需給調整仲値ということに考えますか、これをひとつ伺いたいと思います。
  19. 東畑四郎

    東畑政府委員 麦の統制を変更する法案を出します場合において、いろいろの御審議をいただかなくちやならぬかと思います。具体的に今申し上げました数字というものは、実は単なる予算上の数等ございます。われわれといたしましては、農産物につきまして仮に統制を撤廃いたしました場合においても、もちろんこれが最低であります。これでいつでも買う、こういうことでありますし、同時にそう大きな変動のないような安定価格というものを持たしたい。安定価格をもつて麦価を合理的にきめまして、同時にそれがいつも市場を保障されておる。市場を保障されておるという意味は、農民が自由に取引ができない場合に、いつでも政府に無制限に市場を開放しており、安定価格で、かつ市場を保障する、こういう建前麦価価格政策をやりたい、実はこういうふうに考えておるのであります。具体的な計数等は、パリテイのはじき方等によつて変動いたすのでありまして、大体予算考え方基準といたしまして考えてみたい、こういうふうに考えております。
  20. 河野謙三

    河野(謙)委員 そうしますと、今の計算基礎に立つて出ました麦価というものは、政府需給調整をやる場合に、農民希望があれば買い取るところのいわゆる最低価格だ。別に安定価格と申しますか、需給調整上の仲値というか、麦の値段というものは、これから一割なり八分なり上つたところにまた一つの標準価格がきまる。こういうふうに私は承知したのですが、それで間違いありませんか。
  21. 東畑四郎

    東畑政府委員 実はそういうふうには考えておらないのでありまして、今まで統制を長く継続いたしまして、政府公定価格というものが、すなわち農民の手取りの価格であるという多年の慣習がございますので、われわれといたしましては、政府が買う値段、すなわち時価にいたす、こういう理想を実は持つておりますので、それが時価になるかどうかということは、逆に今度は政府の手持ちの麦の売拂い値段関係して来ると思います。これにつきまして、地域性、時期、金利、保管料等、そういういろいろ問題がありますが、農業の方におきましては、なるだけ一本価格で、最低帥時価、あるいは最高、いつでもその価格でもつて安定をして参つてあとは売拂い価格調整によつて農家経済の安定をはかりたい、こういう建前でおるのでありまして、政府がある価格の何割で安定するとか、そういう思想は、実は麦価政策については、この予算もそうでありますが、全然持つておらない次第であります。
  22. 河野謙三

    河野(謙)委員 はつきり一点だけ聞かしてください。今算出基礎が出ましたが、その算出基礎によつて出た麦価というものは、需給調整をやつた場合には、農民希望によつて政府に売り渡せという場合に買い取る価格、こういうことになるのではないですか。
  23. 東畑四郎

    東畑政府委員 もちろん買い取る価格でありますし、それがまたある地域においては農民最高価格になると思いますが、ある地域におきましては、運賃等関係がございまして、それ以上に農民が売れる場合も予想し得ると思いますが、それは地域心々生産地帶によつて違う。ある地帯におきましては、政府の買値が最高になると思います。ある地帯におきましては、地域性がございますので、政府よりはもつと有利に売れるかもしれませんが、全体としての考え方としましては、いわゆる支持価格政府買上げ価格というように実は考えております。     〔委員長退席遠藤委員長代理着席
  24. 河野謙三

    河野(謙)委員 具体的に需給調整をやつた場合に、政府の意図するままに相場は動くものではありません。これはよくわかります。ただ政府考え方としては、政府農民希望によつて買い取る価格、この政府がきめた価格農民最低価格である、生産費であるという考え方によつて政府は買い取る価格をきめてやる。でありますから、考え方から行きますれば、これがどこまでも最低価格であるという考え方であるかどうか。実際の相場の動きというものはまた別であることはわかりります。しかし政府はこういう考え方のものとにおいて最低価格は保障するのだ、もしそれ以下に下つた場合には、外麦その他の拂い下げをとめるのだ、そしてこの価格はどこまでも政府が運用の面において農民の再生産を保障するのだという考え方であるかどうかということを聞いているのです。それがもし間違つて政府が買い取る価格が、需給調整を運用する場合の仲値であるというような考え方であつては、たいへんな間違いであると思うのです。そういうことはないと思いますが、その考え方を私は伺いたい。
  25. 東畑四郎

    東畑政府委員 考え方は、河野さんの言われた通りでございまして政府は、ある指定倉庫の倉前において保障する最低価格考えております。その指定倉庫等も、なるだけなら各市町村に設けたい、こういうことになりますので、ある地域における最低価格を保障しておる、こういうことが考え方の中心でございます。
  26. 河野謙三

    河野(謙)委員 他の委員の質問もありますから、この問題はもう少し掘り下げたいのですが、次に移ります。  食糧庁は四月一日から麦の買取制をやるということを発表されておりますが、この買取制を実施される場合に、食糧庁手持ちの加工割当ての基準は、従来同様な基準においてやられるのか。その場合に金の面は一体どういうふうに考えておられるのか。これを伺いたいと思います。
  27. 東畑四郎

    東畑政府委員 統制撤廃の問題と別に切り離しまして売却をやりたいという意図は、前々から実はございましたが、われわれといたしましては、来年度予算とも関連いたしまして、四月からこれを実施したいという意図を持つていろいろ検討いたしております。これはまだ最後の政府決定までの手続は済んでおりません。いろいろ準備をいたしております。その場合における割当は、第一回目はもちろん従来の割当方式で実施いたしたい、こういうように考えておりますが、事後は、いわゆる統制継続中はクーポンで動くわけであります。クーポンの還流というものが大きな要素を占めますことはもちろんでございますけれども、単にクーポンを集めたというだけで割当をいたしますと、そこにまた若干の問題等もありますことを予想いたしましてクーポンの数字をある程度は制限せざるを得ないということ等につきましても、実は検討を重ねておる次第であります。従来の割当と、原麦の購入の仕方に、そう大きな急激の変化を来さないような措置で、クーポン制の数字等の制限を検討いたしておりますが、これはまだ最終決定をいたす運びに至つておりません。もちろん売渡しをしました場合におきましては、その金融等の問題が非常に大きな問題であるということも重々承知いたしております。中小企業でも大企業でも、金融は相当問題がございますので、われわれといたしましては、単にこれは金融でやるのだというようなことであつてはなかなか解決はいたしませんので、やはり財政がこれをある程度カバーするという以外に、解決の大きな道はないというので、食糧特別会計も資金繰り等は、実は千二百四十億で押えられまして相当苦しいのでございますけれども、延納の措置考えたい。延納の期間、金利等につきましては、まだ最後の結論には達しないのでありますが、まず企業が成り立つような延納の期間を設けたいということで、延滞利子等につきましても二銭二厘程度措置いたしたい、こういうので、今案をいろいろ練つている次第であります。その他中小企業等につきましては、なるたけいわゆる共同購入等をしていただきましてそれに延納的の措置考えるというふうにいたしたいと思います。なおこれはやはり政府の財政資金でございますので、担保につきましてはなるだけ確実な保証をしていただくことはやむを得ない、こういうように実は考えておる次第であります。
  28. 河野謙三

    河野(謙)委員 今のようなクーポンとのからみ合せにおいて買取制をやるのだということになりますと、その結果いわゆる大資本企業に集中されて小資本の方は非常に圧迫を受けるという結果になることは歴然だと私は思いますが、こういうふうなことについてお考えになつておりませんか。
  29. 東畑四郎

    東畑政府委員 フリー・クーポン制でございますので、消費者が製粉、精麦等を自由に選択によつて買えるのでございます。その選択によつて買える根拠は、やはり良質の小麦が安く買えることが望ましいのであります。その間企業が存在いたしまして、その企業にもいろいろな形態がございますが、どういう形態でクーポンの還流が行われますかは、実は実施をしないとわからないのでありますけれども、一応考え得る点は、河野さんが指摘されましたような点も予想いたされますので、先ほどお答え申し上げましたように、単にクーポンの還流数だけで次の玄麦を割当てることにつきましては、ある程度の抑制といいますか、制限的措置を講ずる方が、全体としての動きに対してはよいのじやないかというので、クーポンの還流数だけでは考えないというふうに、実はただいま検討を加えている次第であります。
  30. 河野謙三

    河野(謙)委員 私が言うようなことをやはり長官考えておられるので、クーポンの問題は単なる一つの参考にしてやるということでありまして、私はこれ以上追究はしませんが、現在の食管の加工割当におきましても、ごく二、三の大企業に食管の恩典と申しますか、拂下げが厚くて、いわゆる小資本の方が非常に大資本の犠牲になつておる。この事実は食管長官も御存じのはずなんです。たださえそういう形になつてつて、逆に小資本の方にもう少しウエートをかけて行かなければならぬというときに、これを買取制のこの機会に、さらにまた一層拍車をかけて大資本に事業のウエートをよけいかけているということは、これはよほどお考えにならなければいかぬ。これについては私はいろいろ意見がありますが、差控えます。  次の問題に移りましてふすまの問題でありますが、食糧庁は現在加工業者にふすまなり麦ぬかの加工賃を、どういう予定額において拂つておられるか、これをひとつ伺いたいと思う。
  31. 東畑四郎

    東畑政府委員 加工賃の計算は、私の記憶では二つの形態になつておる。自県産でやる工場と、他県から導入する工場との加工賃の計算をいたしておるのでありますが、その場合におきまする加工賃に、両者差があるわけであります。能率の悪い工場といいますか、小さい工場は加工賃は高く計算いたしておりまが、ふすま代につきましては三十キロ四百六十五円と一応計算いたしまして、若干の幅はそれに見ておることになつております。
  32. 河野謙三

    河野(謙)委員 あなたがおつしやるように、今の加工賃は、三十キロで四百六十五円とか七十五円というふすまの販売標準価格で加工賃を拂つておるわけです。でありますから、もしふすまがそれ以上の値であつた場合には、加工賃を下げると言われる。ところが御承知のように、今ふすまなり麦ぬかは、政府の予定しておられる販売価格に比べて、現在の市場価格というものは二割や三割の問題じやない、倍しておる。しかるにこういうことが三箇月も四箇月も五箇月も続いておるのに、食糧庁予算が苦しい苦しいといいながら、加工賃を依然としてすえ置きで拂つておる。こういうことについて一体どういうふうなことをお考えになつておられるか。これは今後ともふすまの価格とはまつたく無関係で、加工賃をこのまますえ置きでやつて行かれるのか。それとも加工賃を下げて、そしてふすまを今のまま認めるのか。さもなければ加工賃を今のまま拂つて、ふすまの市況に何らかの手を打たれるのか、どつちか私は伺いたい。
  33. 東畑四郎

    東畑政府委員 食糧庁はどうしても主食ばかりを見ておりますので、ときどき手ぬかりをいたすのでありますが、委託加工をきめました際における操業度というものが非常な問題になると思います。A型工場ではたしか五〇%程度の操業度でございます。B型工場では三%程度の操業度を見ております。ふすまの上ります各期間におきましては、どちらかといいますと米の出まわり期でありまして、麦製品の需要が実は少いときに当るものでありますから、従いまして食糧庁といたしましては、麦の委託加工賃に計算しましたような加工計画というものは、実はどうしても縮小しがちなのであります。従いまして遺憾ながらふすま等が逼迫をいたしましてわれわれが操業度で見ておりましたようなふすま以上に市価がなつてしまうという欠陷がございます。そこを飼料の事情と食糧の事情とをかみ合せまして、どういう形でこれを調整して行くかということは、実はいろいろ検討いたしております。河野さんの言われましたように、食糧庁で今まで見ておりました操業度におけるふすま代金の価格と市価とを比べますと、非常に離れておる。われわれといたしましては、なるたけふすまを多く出す、ということは、やはり委託加工をなるたけやらすことにいたしまして、ふすまの値段を下げた方が——実は監督と申しましても今日の段階ではふすまの量をふやす以外に実際的な効果は上らないのでありますから、食糧庁といたしましては、加工賃を切り詰めましてふすまを上げるよりも、ふすまを下げることによつて合理化する、ということ自体は加工をもう少しやらし、売拂いを多くするという形でふすまの問題を解決して行くとともに、さらにわれわれ食糧庁としてはありがたくないのでありますけれども、主食の方は若干犠牲になつても、ふすまのたくさんとれる麦類の輸入の増加も考えまして、両者の調整を今後はかつて参りたい、こういうように考えておる次第であります。
  34. 河野謙三

    河野(謙)委員 私はきようはえさの話をしておるのじやないのです。ふすまの供給料が少いから高いとか、加工量をもつとふやしてえさをふやせ、値段を下げろということを言つておるのじやない。きようは食管の長官として、あなたの手元で加工賃を拂つておる。その加工賃を拂う場合に、ふすまの予定額をきめておる。この予定額との関連が加工賃にはあるわけです。ところがその関連のある加工賃を、ふすまの値段がかつて気ままに動いておるにかかわらず、三月も半年も固定してお拂いになつておることは、極端に言えば会計上違法じやないか。そういうことについて一体どうかと言つておるのです。これはやむを得ざる措置でおる、おれの知つたことじやない、おれは粉だけやつておる、ふすまはどうたろうとかつてだ、こういう考えてれられるか。私はそういうことでは乱暴だと思う。加工賃を拂う場合、ふすまの額はきまつておる。それも一割とか一割とかいう程度の上下ならば、これは運用上なかなかめんどうな問題でありますから、私はやかましく言わない。ところが倍になつておる。しかもそれが半月や一月の問題じやない。もう長きにわたつてそういう価格が続いておる。しかも目先まだ三月になつても四月になつても、今の加工賃の基礎になつておるところのふすまの予定額四百何円に行かないことは当然なのです。しかるにその方には目をつぶつて、依然として加工賃をすえ置きで拂つておるというのは不当じやありませんか。その点について私はえさの問題と離れて、加工賃とふすまの関連、これをひとつはつきり教えてもらいたい。
  35. 東畑四郎

    東畑政府委員 はなはだ話が具体的で、実は計数等もよく検討しませんと的確な答弁はできないのでありますが、われわれが加工賃を計算をいたしました場合における操業度で委託加工へ渡しました以上にふすまが上りました場合は、これは河野さんが仰せられましたように、もちろんそれだけが利潤の増ということになるわけであります。そういうところはわれわれとしても今後十分注意を拂つて行かなければならぬ問題と思います。加工賃の過去の支拂いの実績というものを検討いたしまして、善処して行きたいと考えます。
  36. 河野謙三

    河野(謙)委員 そうしますと、過去において、加工賃との関連においてのふすまの価格、麦ぬかの価格と実際のえさの価格が非常に違つております。それにつきましては、過去に遡及して清算して、これを加工業者からとりもどすということをおやりになる意思があるかどうか。将来に対して、今日この際ただちに加工賃の計算をし直すかどうか。もし加工割当が少いならは加工割当が少いように、またその計算によつてやり直せばいいと思う。いずれにしても実情と違う現在のようなことをいつまでもおやりになるのか。過去の清算をするかどうか。将来に対してこのままでやつて行くかどうか。将来に対してただちに訂正するかどうか。それから聞くところによりますと、畜産局には、せめて現状のえさの少いときには、やむを得ざる措置として、今までやりましたひもつきによりまして、農民の組織する団体を通じて配給しだい。そうして加工賃との関連においてきまつておる予定額に近いものとして農民のところに届けたい。こういうことが畜産局の切なる要求のようでありますが、食糧庁であなたの部下がこういうことは反対だということで、これをひどくけつておられる。現にその中間で今のふすまの配給は三分の一をひもつき配給にして三分の二を自由だというような変な妥協をしておられるようですが、一体こういうことは長官の御意思ではなく、あなたの部下の御意思だと思う。畜産局の希望が正しいと思う。そういうことについて、もし長官の部下の意見があなたの意見であるとすれば、東畑長官をきようから見直さなければならぬ。私はそんなふうに長官を思つておらない。こういうことを一体今後続けてやられるのか、この点について一点、はつきりお答え願つて、長くなりますから私の質問を打切りたいと思います。
  37. 東畑四郎

    東畑政府委員 糧庁のやります原価計算と加工賃等については、厳密にやらなければならぬことは十分承知しております。私といたしましては、過去におけるいろいろなデータ等を検討いたしまして、将来の加工賃につきまして嚴正な査定を加えて行きたいと思います。     〔遠藤委員長代理退席、委員長着席〕 過去のものにつきましては、将来においてこれを調整いたしたい、こういうように実は考えております。  次に食糧庁と畜産局内のいろいろな問題について、ちよつと私には意味がわかりませんが、どういうような話合いをしたのか存じません。私といたしましては、ふすま等がいたずらに暴騰することを抑制することにつきましては、畜産局とまつたく同意見でございます。
  38. 小林運美

    ○小林(運)委員 本日の農林委員会は、大臣の出席の下に現在の食糧問題について十分な検討をするという理事会の約束にもかかわらず、大臣は供米の奨励に出かけて出て来ないという、この農林大臣の態度に対しては、私は実に遺憾の意を表したい。大臣予算委員会等で、この食糧問題について相かわらずののらくらりの答弁をしておる。そこでわれわれは農林委員会において真劔にこの問題を質疑したいというようなわけで委員会を開いたが、大臣が出て来ない。こういうことであつたら農林委員会意味がない。これは委員長においても厳重にひとつ政府当局に談判をしてもらいたい。われわれは今まで農林大臣農業政策については一応聞いたけれども、特に食糧問題については日を改めて十分やろうという約束なんです。これをひとつ委員長は、厳重に政府と御相談の上はつきり返事をしていただきたい。これは委員長に対する要望です。  なお先ほど来河野君の政府との質疑を聞いておりますと、非常にいいところへ行くと、政治的な問題だからといつて長官答弁を避けておる。この問題はただ事務の打合せじやない。農林委員会は少くともこういう政治的な問題を取上げて、これをどうするかということを決定するのがその使命だと思う。ただの事務の打合せなら、こんなところで速記をとつてやらぬでもいくらでもできる。そういう重要なことは、やはり大臣に出て来てもらつて、ここではつきり黒白をつけるべきだと考える。従いましてそういう問題については大臣の出席の上においてわれわれは質問をいたしたいと思います。  そこで多少事務的にわたりますが、一つだけ食糧庁長官に聞きたいのですが、昨年の八月に米の値段がかわりまして、その際に中間の人たちが持つておつた米の量と、それからその値段改訂による差益金が生ずるのでありますが、この差益金を将来どういうふうに処分されるか。またその総額がどのくらいになるかわかつておりましたら御発表願いたいと思います。
  39. 東畑四郎

    東畑政府委員 卸売業者、小売業者が米価売拂い価格の改訂に際しまして、ランニングを持つておりまして、それが値上りしまして、いわゆるランニング・ストックの値上りがあつたことは事実でございます。その金額につきましては、一応私の方の見積り価格で申し上げますと、卸売、小売を含めまして全国で十九億程度だと記憶いたしております。こまかい数字等はいずれ資料等を差上げることにいたしたいと思います。それにつきましては、マージャン改訂の際にこれを考えるという方針で参りたい。もう少し厳密なランニングの数字を集めまして決定いたしたい、こういうふうに考えております。
  40. 小林運美

    ○小林(運)委員 そうしますと、この十九億の処分をどんなふうにされるか、今までにもこういう価格の差益金の処分がいろいろの方面にありましたが、この米の十九億をどういうふうにするか、もう少し詳細に承りたい。
  41. 東畑四郎

    東畑政府委員 従来は価格差益金というものは、物統令に基きまして基金勘定に徴収をいたしております。遺憾ながらそういう法令は今日ございませんので、食糧庁といたしましては、マル公における卸売、小売のマージンというものをはつきりいたしております。その場合にその差益との調整をやりたいという趣旨で検討を加えておる次第であります。
  42. 小林運美

    ○小林(運)委員 その辺がちよつとわからないのですが、マージンを調整するというのは、どんなふうに調整するのですか。
  43. 東畑四郎

    東畑政府委員 マージンを支拂いますのは、マル公できまつておるのでありますが、そのときに個々の卸売等につきましての差益金等がありますので、どういう形でそれらのマージンとの間の調整をするかという具体的の問題については目下検討いたしておるのであります。考え方といたしましては、そういう方式でやるのが一番ただいまのところはよいのじやないかというように実は考えておる次第であります。
  44. 小林運美

    ○小林(運)委員 そうしますと、そのマージンの調整をして残つた金の処分はどういうふうにしますか。
  45. 東畑四郎

    東畑政府委員 過去の価格差益でございますので、その価格差益をマージン等の改訂の際に考慮いたしますれば、それだけ政府の支拂いが少くて済むというように考えております。それだけ卸売価格が高くなつて小売価格の一番末端は上らない、こういう形で差を縮めて行く、こういう構想で案をつくつておる次第であります。
  46. 小林運美

    ○小林(運)委員 卸、小売にすでに金が入つておる、その際における利息等の問題はどういうふうに考えておりますか。
  47. 東畑四郎

    東畑政府委員 金利等の問題はやはり考えなければいけないと思つておりますけれども、嚴密な金利をどうするかという問題になりますと、これはもう少し検討を加えて見なければならぬと思つております。
  48. 小林運美

    ○小林(運)委員 大体考え方はわかりました。先ほど十九億程度になるという大体のお話でございましたが、この根拠となる品種別の数量でございますが、そういつた統計の資料を至急いただきたいと考えます。また今のマージャンとの調整問題等も、考え方はつきり文書に書て、ひとつわれわれの方べお手渡しを願いたいと思います。  以上希望を申し上げまして、私の質問を終ります。
  49. 松浦東介

    松浦委員長 次に井上君。
  50. 井上良二

    ○井上(良)委員 この際ちよつと長官に伺いたいのは、今年度の外米の輸入の見通しでありますが、いろいろ対外関係があつて、詳細な点は秘密にわたるところもあつてはつきり申されぬところもあろうと思いますが、大体でよろしゆうございます。今御説明を聞きますと、昨年十一月からこの四月ごろまでに入つて来る予定のものを合せまして、当初予定の九十七万トン、砕米を入れて百七万トン、このうちすでに六十万トンが買付輸入される、こういうお話がございました。そこで問題は、残り四十万トンが、どういう方法で入るかという問題であります。そこで私の承りたいのは、長官はこの主なる輸入先を、タイビルマに置いておるようでありますが、この六十万トンのうちで、タイビルマからどのくらい買われておるかということが一つ、それからさらにあとつております四十万トンのうちでタイビルマで買い付ける予定のものはどれだけかを一つ、この二点をまず明らかにしてもらいたいと思います。
  51. 東畑四郎

    東畑政府委員 タイビルマで買いましたもので、確実に今度到着するものが二十五万トンでございます。今後どれだけ買いますかは申し上げない方がいいと思います。
  52. 井上良二

    ○井上(良)委員 政府は昨年タイから三十万トン買付をいたしました、ところがタイの最近の状況というものは非常に情勢がかわつておることは御存じでありましよう。タイみずからいろいろな方面に——英領インドシナや、インドやセイロンや、アラビア等に、それぞれ予定の数量を出さなければならぬ、そこヘタイ政府みずから三十万トンを備蓄する、こういう状態になりまして、本年のタイの輸出というものは全体でまず八十万トンぐらいでないか、こういうことが情報として伝えられております。そうなつて来ますと、日本がすでに二十五万トン買いつけておる、そうすると、あとタイからあまり大きな期待はできないということが大体言われます。そうなつて参りますと、その次はビルマでありますが、ビルマで一体なんぼ買いつけられる計画でありますか、それで現在六十万トンのうちで、ビルマで買いつけたものがありますか、これを明らかにしてもらいたい。
  53. 東畑四郎

    東畑政府委員 ビルマで買いつけましたものが七万トン強であります。今後の買付量につきましては、ごかんべんを願いたいと考えます。従いまして二十五万トンがタイだけで買つたものではございません。タイの輸出余力につきましていろいろ実は情報もございます。井上さんのおつしやいましたような情報もあるのでありますが、また百二十万トン程度出るんじやないかという情報もあるのであります。ビルマにつきましても、実はその程度以上の輸出余力があるのではないかという情報もございます。問題はタイはやはり割当をしておるのであります。割当の中で三つの種類があるようであります。政府割当以外にハード・クオータ、ソフト・クオータという割当があるのであります。それは実は複雑な仕組みになつておりますので、単なる政府同士の話合いだけでも行かないように、実は考えております。輸出余力というものは、日本のタイビルマに依存する量以上に、相当の量があるのでありますが、そういうような点等も考慮しまして、われわれといたしましては、それを日本の方に輸出してもらうことについて、やはり相場等の変動等も刺激しないように、計画的に輸入をはかりたいというので、いろいろ努力をいたしております。これはそうは来ないのではないかということが決してないように私は努力をして行きたいと考えております。
  54. 井上良二

    ○井上(良)委員 もちろんその政府間の買付といいますか、売渡し、買取りという話のほかに、商業取引がございましよう、ところが問題は外貨資金が自由に使えるか、使えないかということが一つであります。その外貨資金もドル現金が必要であります。ドル現金を思うように政府で支拂うだけの具体的な何かを持つておるか、持つてないかというところへ問題は落ちて行く。それといま一つは予算に組んでありますトン当り百七十二ドルで、一体そういう米が買えるか買えぬかという問題であります。ここで国際的な穀物相場を日本であふり立てて上げるというのなら、買えるかもわかりませんけれども、百七十二ドルの予算が組んである、その買取り価格政府割当以外のものが買えるかどうかということになると、この点は非常に私どもも心配をいたしております。同時にまたビルマ等におきましても、政府は昨年確かに十五万トンほど入れまして——これを本年は二十万トン入れたいという計画らしいですが、ところが逆に、私どもがビルマのいろいろな米の輸出の状況を見、またこれら米を輸出する各国が、それぞれ国内需要が非常にふえたということと、反対に輸入する国々が非常に人口増加等による米の不足から、国際市場価格が上るという見通しを立てて、去年のような十五万トンさえ確保することが困難ではないか、私どもはこういう一定の見通しを立てておるわけです。そういう全体の観点から、私ども米の輸入というものを考えまして、たとえばその他イタリア、エジプト、濠州、ブラジル、メキシコ等の南方米がございますけれども、これはいずれもドル資金の段取りと、価格相当高く買う、船賃を相当張り込むという條件がそろわないと、なかなかそう政府が予定しておるだけのものは買えぬこになりはせんか、こういうように私どもは思つておるのであります。というのは、政府は語るに落ちるで、非常に大臣は安易に外国輸入食糧考えられておるようですけれども、逆に輸入懇請使といいますか、輸入をできるだけうまくできるように相手の国にお願いに行くという、政府代表といいますか、政府役人をそれぞれ現地に派遣しておるというこの事実から、相当輸入は困難である。こう私は見ておりまして、そこで当初政府計画しておる九十七万トンという数字は、実際これは困難な数字ではないか、というのは、これは私どもに政府は発表しませんけれども、政府は隠した需給推算を持つておる。あなたはそこで先般発表しました需給数量のほかにもう一つ秘密の需給推算というものを持つておるはずだ。需給推算はこの外米の輸入を実ははるかに下に押えておるということが大体において考えられる。そこへ持つて来てこの外米の輸入が思うように予定通り各国において行きませんというと、その肩がわりが麦に来るのであります。麦の輸入にこれがかかつて来るわけです。そういう総合的な米麦両方の需給を見ておりますと、政府が先般ここで発表されました明年度への持越しですが、この持越しが麦が去年より非常に減つております。そこへもつて来て、一方政府では、麦の統制をはずすというようなことになりますと、麦の業務用の加工、それからつき減りといいますか、このつき減りのふえる量、そういうことから全体において私は政府が見積つておる数字よりも、はるかに麦の需要は実際は多くなる。そういうことから次年度へ繰越します麦の量というものは大体三十四、五万トン、約一箇月分の麦の消費量に該当するくらいのものが二十八年度へ繰越されやせぬかという一つの見通しを立てている。そういう実情を私ども考えますときに、ただわれわれがタイビルマやその他の国々の実際の実情を現地においてつかんでおりませんから、ただ政府から出て来るいろいろな数字だけで議論をさせられておりますので、はなはだどうもたよりないような議論になりますけれども、ぜひ現実に世界のいろいろな動きや情勢や、また昨年度の麦の収穫等の実情を、アメリカ、カナダその他を見まして想定いたします場合、私は今年の日本の食糧需給というものは、実は容易ならぬと考えておるのであります。その見通しを、あなた方の方は非常に安易に考えておりやせぬかということです。現にあなたの方では、内地米の操作におきましても、今御説明がありました通り、本年の供出と補正と超過供出と、この三つを比べてみて、年度末に一体どういう状態になるか。その年度末の大きな穴を埋めようとして、二十七年度産米を約二十万トン早食いするという計画がこの中に入つておる。ところが過去の早食いの実績というものは、そんなべらぼうな早食いをせいといつたつてできない実績であつた。二十五年度には確かに十二、三万トンと私は考えておりますが、昨年でこれが大体十六万トンくらいじやないかと思つておる。それを本年は二十万トンを越す早食いを見込んでおる。もしこれを石数に直すならば、百万石からの早食いになつてしまう。百三十万石くらいにもなるでしよう。そんなことが事実できるとお考えになりますか。そういう実情からわれわれが推定いたして行きますと、なかなか本年の需給というものは、政府が楽観するような状態ではないという結論がここへ出て来る。その一つの現われは、すでに長官もお耳に入つておる通り九州地方の炭鉱においては、加配米がどんどん質がかえられておるじやないか。従来内地米で保証しておつたものを外米で埋めておるじやないか。福岡地方に起つたと思つたら、それが長崎へ行き、山口県へ来ておるのです。現にあなたの下におる需給課長は、関西や四国や中国や九州へ行つて、当該の県の関係官を集めて、これから県内需給を一体どうするか、政府のいわゆる手持ちが現在どのくらいあるか、どれだけ食いつなぎができるかというところから、東北の米を九州へ持つて行かなければならぬ実情にあるのじやないか。そういう実情がないとお考えになつておりますか。その点を一ぺん聞いてみたい。
  55. 東畑四郎

    東畑政府委員 いろいろ専門的に御注意を受けまして感謝をいたします。一番初めの御質問でありましたドルの問題でありますが、ビルマは御承知のようにポンド地域でございますので、これはドルとは関係なしにわれわれは買えると思つております。問題は輸入量でありますけれども、数字を申し上げればそんなにお驚きになるような数字ではございません。ただいろいろな関係がありまして、公の席での発表は差控えたい。タイにつきましては、貿易上はオープン・アカウント地域ということになつております。かりに向うのフリー・クオータの米を確保するために従来の清算協定でできない場合におきましては、われわれは食糧を輸入する資金としてのドル資金のわくで、ある程度のドル・キヤツシユで拂う用意も実はしております。私の方の責任課長が今タイへ参りまして、実は支拂いその他の問題等を兼ねまして話合いを進めておるのであります。この確保量もそう莫大な数量では実はございませんので、われわれとしましては極力努力をいたしまして、外米輸入をはかりたいというように考えております。  それから食糧需給計画でございますが、これはわれわれ責任者といたしまして、相当の予想等も織り込んでおりますので、内部といたしましては、いろいろな場合を考えて、いろいろな準備をするということが、これは国民食糧をあずかります責任者として当然だと考えおります。いろいろ議論をして、そう楽観もいたしておりませんし、決して悲観もいたしておりませんが、この前最後に私が発表いたしました数字が公のものであるというふうにひとつお考えを願いとうございます。内部でいろいろの計算等をいたします場合に、それは最後のものではない、悲観的な見方、楽観的な見方、いろいろあると思いますけれども、しかしそういう悲観的な状況では決してないということをひとつ御了承願いたいと思います。  それから本年の内地米は、西の方が非常に実収高が落ちましたので、減額補正等をいたしましたために、従来の食糧需給関係というものが昨年に比べまして非常に変化いたしましたことは事実でございます。従いまして米食傘というものは外米の輸入——外米の中にも日本米と細長いものとございますが、そういういものを含めまして、米食率は今年は労務加配についても確保したいということに非常に努力をいたしておりますが、内地米は何分にも地域的に非常に片寄つて移出力がございます。ことに九州におきましては、福岡のごとき大消費県が従来依存しておりましたのが佐賀、熊本等でありますが、そういうところもまた減額せざるを得ない事情であつたために、九州管内において福岡県等に導入いたします内地米が減つておりますことは、これは事実であります。われわれは米食率の維持とともに、内町米食率の維持をはかりたいために、先般炭鉱等の代表者等につきましても、大体七二%の米食率は維持する、そのうち三一%を内地米食率にするというようにして需給操作をいたしておるのであります。そういたしますと、井上さんが今御指摘になりましたように、九州管内だけの内弁米の輸送だけでは足りません。そこでわれわれといたしましては、東北ではありませんが、北陸等の米を北九州に運ぶということも当然考えなければならない。内地米食率をなるたけ消費地において均衡にしたいという一つの意図もありまして、本年は北陸等の米を北九州に送ることは事実であります。これは食糧自体が逼迫しておるのではありません。地域的な生産の不均衡というものを消費地において均衡にするための長短離の輸送をやらなければならないということは、これはやむを得ないと考えております。外米を含めまして、われわれは米食率の均衡を落さないように最善の努力をいたしておるような次第であります。
  56. 井上良二

    ○井上(良)委員 そうしますと、現に起つております先般の福岡地方の炭鉱の労務者に対する内地米の米食率の確保については手が打たれたということを承つておりましたが、その後長崎県それから山口県の宇部、この地帶に福岡と同様の事態が発生いたしておるのであります。これに対しても福岡同様の手を打つ意思がありますか。それをまず伺いたい。
  57. 東畑四郎

    東畑政府委員 佐賀、熊本を除きました山口、福岡、長崎の内地米の食糧事情というものは、大体において似通つた地帶だと思います。従いましてそこに働いております労働者の同一業種につきましては、大体同じようにしたいという考えを持つております。従いまして福岡県できめましたものは、同じような地帶における一つの標準であるというようにお考えくださつてけつこうだと思います。
  58. 井上良二

    ○井上(良)委員 そういうことをぜひひとつ当該の食糧事務所長あてに——現にそういう内地米の米食率が低下して、炭鉱の坑内夫なんかは実際生産の上に非常な支障を来しておる事実を訴えて来ておりますから、この点に対しては、特に手配を至急におとりはからいを願いたいと思うのであります。  次に供出に関連をしてでありますが、減額補正がきめられますと、減額補正を越える部分について超過供出奨励金を出すべきが当然でないかと考えるが、たとえば今度は政府の方では、中央補正と神方補正というものをやつています。そういう関係から、中央補正が割当られた地域におきましては、減額補正の上に当然超過供出をしなければならぬ部分が出て参りますが、超過供出はその減額補正を越えた部分に対して適用する、こういうことはできませんか。この点が第一点。  それから供出を完途しました場合、完遂奨励金というものが渡されております。同時に超過供出奨励金に対しても、さいぜんから問題になつておる税金の問題でございますが、どうも下の方でもやもやしておつてはつきりしないのである。これはもう少し農民にわかるように何とかもつと簡単に要領よく、手取り早く行かぬものかしらと思つておるのであります。あなたの方の言うことと、下の税務署が言うことと違うのであります。言うことがみな違うのです。だから超過供出奨励金やあるいは供出完遂の奨励金には税はかけぬ。これが一番はつきりしておる。そういう具体的なことがはつきり言えないのですか。ややこしいことを言つて飯米を出してもらつておる。税をかけぬとか、匿名供出だとか、どうとか言わんと、やはり政府は出してもらわなければならぬし、非常に安い価格で出してもらつておるのであるから、免税措置だけははつきりさせて、だから完遂奨励金超過供出奨励金には税はかけぬ。匿名であろうと何であろうと、税はかけぬ。そういうことをはつきりしておいた方が一番手取り早いと考えますが、そういう点はどうですか。  それからいま一つ、どうも高橋国税庁長官の意見を聞いても、また政府の意見を聞いておりましても、法的措置は講ぜぬでもよいといつてみたり、講ぜねばならぬといつてみたり、そこの点がまことにあぶない。だからはつきり法的措置を講じなければならぬものなら法的措置を講じて、この国会中にそういう法律を出して、所得税法の一部を修正する法律案でいいのです、から、二十六年度産米の供米完遂奨励金並びに超過供出奨励金に対しては、所得税は免除する、こうはつきりすれば簡単じやないか。そういう法的な処置をはつきりした方が、私は農民も安心するであろうと思うが、そういう意思はありませんか。そんなことはせずとも行けるというならば、下へはつきりわかるように、ひとつお答えを願いたいと思います。
  59. 東畑四郎

    東畑政府委員 減額補正奨励金の問題を御質問でございますが、減額補正をいたしました場合に、超過供出が行われた場合とか、あるいは完途奨励金を出す場合、いろいろ政府から集荷委託の形で支拂われる金がございます。それを明確にしておきませんと、非常にあとで問題になりますので、ややこしい形式をとつたのでありますが、超過供出のいわゆる先にきめました千円分は、市町村で完遂いたしました場合は出すわけでありますが、その完遂は中央で認めました減額補正市町村ということであります。減額補正の中に二つありますことは御承知の通りでありまして、中央で減額補正した場合、地方で補正した場合、地方で補正した場合も、中央で認めた地方補正分である。こういう線を実は引いておるのであります。その減額補正をした場合は、完遂奨励金のみならず、超過供出の千円分は出すのでございますが、二千円分につきましては、実はもう一つ條件がついておるのでありまして、当初の割当を出していただいた県であれば、減額補正を地方で認めた場合においても二千円分をお上げする。しかし中央で認めた当初の割当を完遂しない県につきましては、減額補正をした市町村には千円であつて、二千円をお上げしない。実はこういうむずかしい條件をつけましたので、まことに複雑でございますが、問題は集荷委託費関係等もございまして、あくまで超過をお願いをする。ことにそれは大体におきまして、東北、北陸、関東地域が大部分でございます。それは大体当初の割当以上出ておる県でございまして、言葉で言いますと非常に複雑でありますけれども、支拂い方は簡単に行ける、こういうように実は考えております。  それからもう一つ、奨励金に対する免税措置でございますが、(「そこだ、そこをはつきりしてもらいたい」と呼ぶ者あり)実はこれもはつきりすることが、かえつて誤解を招くようになるのであります。たとえば完遂奨励金超過供出奨励金だけを免税対象にするということだと、非常に農民に不利になるのでございます。と申しますのは、超過供出がありました場合に、二千円分は免税になるかもしれませんが、元の七千三十円というものは、これは税がかかるということになるわけであります。それはいけないというので、二十六年の收入につきましては、これは税の対象にしないということをはつきり言つているのでありまして、元の方の税はかからないということを、二十六年において申し上げておる。所得発生主義でありますから、二十六年の実収、それを上げなければ元の方は済んでしまうのです。ややこしい文書を書いたのでありますが、上積みの二千円につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、政府通牒は実ははつきりいたしておるのであります。匿名供出免税である、こうはつきりしているのでありますが、匿名によらざる供出については書いてないのでございます。書いてないことはどうかという御質問に対しては、先ほど河野さんにも申し上げました趣旨で、ひとつ御了承願いたいと存じます。
  60. 井上良二

    ○井上(良)委員 そうすると二十六年度産米に対する匿名供出等にかかると書いてあるが、この等というのは超過供出奨励金も入つておるのでありますか。等というのは何を言うておるのでありますか。
  61. 東畑四郎

    東畑政府委員 二十六年の所得税の場合においては、この超過供出奨励金も完遂奨励金も、匿名によろうがよるまいが、全部二十六年の所得に算入しない、こういう意味で等がついたのでありますが、二十七年の場合の所得の中の元金はもちろん税はかからないが、二千円分についてどうかという問題については等がなくて、そごがはつきりいたしているのであります。
  62. 井上良二

    ○井上(良)委員 そこでもう一点、最後に私は、河野さんとの質問慶答の点について伺いたいのであります。それは麦の委託加工を廃止いたしまして、買取制をいよいよ四月からやろう。麦の統制は法律を出してそれが国会を通過して、それから諸般の事務的打合せが済まないと実施ができませんから、少くともこれはかりに国会を通過するとしても六、七月ごろになりますね、麦の統制撤廃をやろうとする場合。そうなりますと現実に麦の収穫期に入つて行くわけです。その場合政府は、一方予算で八百万石の国内産の麦を買い入れるということが計画されている。今河野君との質疑応答の中の、政府が買い入れようとする価格でこの予定量が買い入れられるかどうかということが一つは問題になつて来る。いま一つは、またこれが買い入れられませんと国内需給の上にも非常に大きな影響がある。それから私が今ここでそういうことを予想しつつあるのは、統制撤廃に進むという一つの見通しを政府は立てているのに、現在続けて来ておる委託加工制を一月、二月早くやめなければならぬという理由はどこにあるのです。どういう理由で委託加工制を買取制に切りかえるのかその意思、どういう理由によつてそういうことをせねばならぬか。買取制になりましていろいろそこに問題がたくさん起つて参る。そういう問題がたくさん起ることを政府みずから解決しなければならぬ責任を持ちながら、一月、二月早く買取制をやらなければならぬという理由はどうも私にはわかりませんが、どうせ統制をはずすならば、そのときに一緒に委託加工もなくなつてしまいますから問題はないのです。何ゆえに一月、二月続けられぬのか。現に政府は四月分まで委託加工をやらしているのであります。それで買取制を四月から実施するといつても、これは五月から六月分にかかつた分じやないかとわれわれは認めるわけです。そうならば別に業界を混乱させて、いたずらな不安を感ぜさせることはない。財政的金融的措置を講じてやつていろいろな混乱を巻起すのです。そんなよけいなことをしなくても、やめるならば一緒にやめたらいい。どういうわけで一月、二月早めにやらなければならぬのか、その理由をひとつ御説明を願いたい。
  63. 東畑四郎

    東畑政府委員 麦の配給統制と委託加工を売拂い加工に関する問題とは、農林省といたしましては前々から切り離して考えておつたのでございます。率直に申し上げますと、一月ごろからこれを実施いたしたいということで準備いたしておつたのでありますけれども、業界の金融的な措置等についてもまだ検討が済まなくて、今日まで延び延びになつておるのであります。何分にも委託加工で参りますと、政府手持ちの麦等をやはりフリー・クーポン制で売拂いをいたしました際に、だんだん消費者の食生活の改善とともに品質が問題になります。もちろん品質等につきましては食糧庁の検査員が検査をいたしますが、その場合でもまだいろいろな操作で品質に若干の差が出て来るのはやむを得ないと思います。そういう問題が能率的なもの、合理的なものをはばむ場合におきましては、ある時期に売拂い加工に切りかえまして、消費者の消費選択と、企業、政府というものが合理的に結びついて行き、若干の競争原理を得た方が、加工の問題その他につきましてもより合理的じやないかという考え方を持つておるのでありますが、それをいつ切りかえたらいいかということが問題だと考えます。統制を解くということにつきましては、いずれ法案を提出した際に愼重に御審議願いたいと考えますが、実はそれと切り離して考えておつた次第であります。今日の小麦粉の事情、政府手持ちの状況から見ますと、食糧庁といたしましては、売拂い加工に進めて参る方が消費者の希望に沿うのじやないかというように考えております。もちろんその間に企業等がありますので、それが健全に発達しますことは当然必要であります。私どもといたしましては、延納等の措置話合いを進めまして、そういうものが了解つき次第正式に政府決定をしていただきたいというように考え、ただいまその準備を進めておるのであります。なぜ急ぐかということでございますけれども、私といたしましては、むしろ遅れておつたのだという認識でそれを進めておるような次第であります。先ほど申し上げましたように、費用等の急激な変化がないような措置をいたしますれば、企業の混乱は避け得るのじやないかという自信を持つて進めておるということを、御承知願いたいと思います。
  64. 井上良二

    ○井上(良)委員 さきに河野さんも御注意申しておつたのですが、麦の委託加工をやめて買取制にしました結果は、あなたみずから今お話になつておりました通り、品質競争ということになりましよう。そういたしますと、結局四大製粉会社の独占になつて行くという危険が起つて参ります。あなたの方ではクーポンの発行高によつて従来の稼働率から一つの制限を加えて行こうという腹らしいのですが、実際はそれを打破ることになりはせぬかと私は見ておるのです。  それからいま一つ、河野さんがついておりましたふすまの問題です。買取制になつた場合の原麦の拂下げを一体政府はどう考えておるか。ふすまというけれども、われわれの税金でもつて補給金がこの中に入つておるのですから、現在のふすまの市場価格というものが何ぼしているかということから逆算して原麦を拂い下げてもらいませんと、今のような加工賃の肩がわりのようなふすま代金でもつて原麦を拂い下げたんじやどだいわれわれは承知できないのです。それだからふすまの今の市場価格というものとにらみ合せて、大体搗精度これこれにすればふすまはこれくらい出て来るというところから、粉の価格とふすまの価格と両方で原価を見て拂下げをして行くということにしなければえらい問題が起つて来ますよ。それらについてどうお考えですか。
  65. 東畑四郎

    東畑政府委員 今小麦粉は末端までマル公がございますので、実はそこまでははつきりといたしておるのでありまして、小麦粉のマル公から逆算するほかにふすま等の時価というものがございます。そういうものとを考えまして、製粉会社の先ほど問題になりました加工賃というものをはじいて原麦の価格を出すべきだと実は考えております。そこの具体的な対策等に関しましてはまだ発表する時期に至りませんが、そういうことは当然考えてみなければならないというふうに思つております。
  66. 井上良二

    ○井上(良)委員 外米の輸入、西日本の需給状況、これを質問が済んだ後に伺いたいのですが、それは懇談をしていただくことにいたしますから、私の質問はこのくらいにしておきます。
  67. 松浦東介

  68. 遠藤三郎

    遠藤委員 時間もありませんから簡単に一点だけ御質問を申し上げると同時に、意見を伺つておきたいのであります。  麦の買取り加工の問題でありますが、これは先ほど来河野委員及び井上委員からるるお話がありましたが、重大な問題だと思います。こまかいことは申し上げませんが、結論から言いますと、これを無雑作にやつて参りますと、中小の製粉、精麦はたちまち参つてしまう。これはもうあげて大製粉に併呑されて行くことは明瞭であります。私ども統制解除論者でありまして、できる限り早く統制を解除するのがよろしいという考えを持つておりますが、しかし統制を解除する場合は、それぞれこまかな準備をして、あらゆる方面に不当な損得を與えたり、あるいは企業に対して急激な圧迫を加えたりすることのないよう、細心の準備をした後にやるべきだと考えております。ところが今回の買取り加工の問題については、ただいま伺つておりましても、資金が問題だから、あるいは延納の制度を考えるとか何とか言つておりますけれども、その延納も一週間や一箇月では問題が解決しない。政府がやることはたかが知れておるのであります。十五日や二十日の延納ではこの問題を解決することはとうてい困難であります。しかも中小製粉あるいは中小精麦等の現状から見ますと、その製品は大製粉、大精麦に比較しまして非常に劣悪なものが出ております。自由競争下においてこれらの中小企業が併呑されてしまう結果になることは明瞭であります。従いまして、この問題は愼重にやらなければいけない。ただいま井上委員あるいは河野委員からもるるお話がありましたけれども、政府は無雑作に、無用意のままこれを実行されるようなことはおそらくないだろうと思いますが、もしそういうことがあるとすればこれは重大な問題でありますから、愼重にやつていただくことを重ねてここでお願いしておきます。特に食糧庁長官にお伺いしておきたいのは、どの程度まで準備ができているのか、その準備を伺うと同時に、ここで一つわれわれ與党の立場から申し上げておくわけでありますけれども、悔いを将来に残すようなことのないように、愼重にやるように再検討する考えがあるかどうか、その点をお伺いしておきたいのであります。
  69. 東畑四郎

    東畑政府委員 売拂いの問題は、遠藤委員の申されましたように、われわれといたしましても、企業に重大な影響を與える問題だということは、重々承知いたしております。従いましてこれは最後は政府決定で実行することはもちろんであります。まだ政府決定というところまでは行つておりませんので、詳しいお話を申し上げるわけに行かなかつたのであります。売拂い場所ということが非常に問題でありますが、売拂い場所等も現状とさしたる変化のない形で参りたい。売拂い方法等につきましても、先ほど申し上げましたように、フリー・クーポン制が今まで卸から政府に参りましたものが、企業の選択制を卸が自由にやりますと、これを自由にしますと、先ほど申しましたような別の形の不合理がまた出て参りますので、そういうところは先ほど河野委員の御質問に対しましてお答えしましたような考え方で、単に消費者選択、卸の自由選択というだけの線で原麦の割当はいたさない。ほかの能力でありますとか、実績でありますとかいうことも尊重いたしまして実施いたしますれば、そう無用な混乱はないのではないかというように実は考えておつたのであります。あと金融措置その他は延納等で考えますと同時に、割当の数量等もなるたけ月の回数をふやしまして緩和できるようにやつて行きたいという考え方でありますので、詳細につきましてはさらに愼重に検討をいたしたいと思います。
  70. 遠藤三郎

    遠藤委員 ただいまの御答弁によりまして、非常に愼重にやつておられるということでありますから、その点は非常にけつこうであります。願わくは無鉄砲なことをやられないように——私は與党の立場からも、これは簡単に賛成するわけにいかぬということをはつきり申し上げておくつもりであります。どうぞ愼重におやりになるようにということを申しまして、私の質問を打切ります。
  71. 河野謙三

    河野委員 買取制の問題ですが、あなたは買取制を急ぐことは消費者の利便のためにやると言われるのですが、消費者の利便というのは、品質の向上ということもあるでしようが、買取制を急ぐことによつて、私は中間経費の削減ができて、四月からかりにやるとすれば、四月から粉の配給価格、麦の配給価格も下げられるじやないかと思いますが、長官の言う消費者の利便ということは、中間経費を削減して四月から粉なり押麦の消費者の価格を下げるという意味も含めて消費者の利便ということかどうか。これはできるのです。たとえば、買取制をあなたはどういうふうにやられるか知りませんが、ただ金の問題だけでなくて、政府が売り渡す場合の運送費を、あなた方のやつておられるようなむだの多い政府輸送をやめて、買取制にすると同時に、輸送については、工場でとる場合も工場から出す場合も、できる限り民間輸送に切りかえるということによつて、従来非常に問題になつている中間経費の削減ができると思う。そういう意味を含めての消費者の利便ということか、この点を伺いたいと思います。
  72. 東畑四郎

    東畑政府委員 中間経費の削減が、一つの簡単なことで参りますと、非常に能率のいい、いわゆる大製粉の方がコストが下る傾向になると考えます。それをそのままの形でやりますことは、また一つの企業全体の問題等になりますので、そういう全体としてのある程度の競争原理を入れまして、中間経費が削減することはもちろん考えておるのでありますけれども、その間企業間の能率等もありますので、偏しないようにいたしたいと思います。ただ輸送等の問題につきましては、私実は専門でないのでありますけれども、売渡し場所等におきましては、現在政府輸送等をやりまして、政府から産地で渡しておるというような事情等もありますので、その関係を急激にかえますことは、またかえつて海辺の工場だけに原料が集まるという弊害が出て来ると思います。さしあたり原麦の輸送は今のままで実施をいたしたい。従いましてその間に中間経費削減の努力はいたしますけれども、なかなか困難ではないかと思います。
  73. 河野謙三

    河野委員 消費者価格はどうですか。
  74. 東畑四郎

    東畑政府委員 今は統制中でございますので、消費者価格はかえないつもりであります。
  75. 竹村奈良一

    ○竹村委員 私のお伺いいたしたいことは、今度政府は麦を直接統制から間接統制に切りかえられ、そうしてしかも輸入麦等を通じて内地の麦価を操作するというような観点に立つておられると思いますので、ここで私のお伺しておきたいのは、大体麦類の国内における推定消費量と申しますか、これは従来一箇月二十五万トンを必要とすると政府は算定をしておるわけでございますが、しかし最近のクーポン制やその他による買取り自体から考えまして、現在もやはり二十五万トンを必要とするのかどうか。一箇月のいわゆる推定消費量というものは、どれだけの額を要するのかということを一点お伺いしたいのと、それからもう一つは、大体資料によりまして、輸入数量の十二月末後における——その前における数量はわかりましたが、十二月現在の内地麦の大麦小麦、両方でけつこうでありますが、両方の手持ちと、それから輸入食糧の手持ち、いわゆる十二月末現在の手持ちは、一体どれだけ政府では持つておられるか、これをまず第一に伺いたいと思います。
  76. 東畑四郎

    東畑政府委員 麦類等につきましては、主食以外等の需要もございますので、年間大体三百六十万トン程度に実は考えておるのであります。その麦類の中には大麦小麦、裸麦等の需要が含まれております。それは玄米で申し上げておる数字であります。それから十二月末の持越しというお話でありましたが、ちよつと十二月末の持越しにつきましては、私どもの方にただいま資料がこの場でございませんが、十月末の持越しで申し上げますと、百七十四万トン程度持越しておるということを申しておきます。
  77. 竹村奈良一

    ○竹村委員 それで一つ、大体農林省が今手持ちを持つておられるとおつしやいましたので、私の方で農林省から前に頂戴いたしました調べによりますと、十二月一日現在の内地麦の小麦大麦の手持ちは七十五万三千八百四十二トン、あるいは輸入の方では九十一万九千五百九十一トンというようなぐあいに持つておられるという数字が出ているわけでございますが、そういたしますと、私の考えによりますと、その後いただきました資料によりますれば、十二月末後においての麥、小麥の輸入は二百四十万トン計画されておるわけであります。従つて今までの推定は三百六十万トンとおつしやいましたが、これは食糧その他一切を含めてそういうふうに考えられておるのかもわかりませんが、そういたしますと、私の考えでは、十二月一日の手持ちだけで約七箇月ある。そして今後予定されている輸入麦では大体八箇月の消費量に相当する。その上先ほどから言われておりますように、間接統制になりましても、内地麦を八百万石、約百三十万トン買うとしますと、これが四箇月余りある。そういたしますと、十二月一日からの国内消費をずつと考えますと、大体二十一箇月ほどの消費量を見込まれるわけであります。そこが私はどうも合点が参らぬので伺うわけでありますけれども、それだけ厖大な麦類——これはもちろん米のことは別でありまして、米はもつと欲しいのでありますけれども、しかしこういう多くの輸入を麦類の方にばかりされるというその方針が私にはちよつとのみ込めないのであります。そして先ほど河野委員の質問に対しましても、今度の麦価決定についてはいろいろ説明されましたが、結局一応あなたの説明でいいますと、中心価格になる。そうすると、上るところもあるし、下るところもあるだろうということになります。問題は、その麦価を圧迫します原因がこの輸入麦の厖大な数量の中に私は見出すのでございますが、この点は私の計算が間違つているかどうか。この数字で検討してもそういう勘定になる。そこで私はそういう厖大な外国食糧を入れなければならぬという原因をひとつ伺つておきたい。
  78. 東畑四郎

    東畑政府委員 ちよつと私数字を手元に持つておりませんので判断に苦しむのでありますが、先ほど申しましたように、本年の、といいましても、会計年度米穀年度とは違うのでありまして、そうさしたる差はないのでありますが、会計年度で申しますと、昭和二十六会計年度は三百二十万トンという計画であつた。それが実績はもつと上まわると申し上げたのです。その中で、先ほど井上さんがおつしやいましたように、米が九十万トン程度でありますので、かりに三百二十万トン入りますと、その九十万トンを引いた残りの二百三十万トンがいわゆる輸入麦であります。それで国内のものがどれくらい買えるかと申しますと、これはトンで言いますと、米換算では百万トンちよつと上程度だと思います。正確に来年度考えております数字等を申し上げますと、七百八十七万石というのが玄米換算の石でありますので、大体百万トンちよつと上ということになります。そうしますと、ただいま申しましたように、それを加えましてもそう厖大な数字にならない。需要量は先ほど申しましたように、三百六十万トン程度あるわけでありまして、そう過大な輸入を見ているわけじやありません。あと食糧操作上の持越し、繰越しというものが当然いるのでありまして、そう日本の米作農業を圧迫するような不合理な入れ方はいたしていないのであります。ただある時点をとりますと、輸入の問題であるとか、国内の集荷問題がありまして、非常にストックが多いのでありますが、年間を通じて合理的にやつて参るのでありまして、いつの持越しをとるかによりまして、そこに計算が違つて参るのでありますが、年間を通じますと、そう不合理な入れ方はいたしておらないのであります。
  79. 竹村奈良一

    ○竹村委員 これは私個人が調べたのじやなしに、農林省が発表した数字の中から計算したのであります。というのは、先ほど申しましたように、内地麦と輸入麦を一緒にしましても、十二月一日で百六十七万三千トンです。これは私きよう電話で食糧庁に聞いた数字ですが、ともかく持つている。そうすると、今三百六十万トン年間にいるとおつしやいましたが、今まででありますと、農林省の言うのには、大体二十五万トンが一箇月の消費推定数量だとはつきり言つておられる。そういたしますと、百六十七万三千トンはちようど七箇月あることになる。だから十二月一日に現に政府の手に持つておられるのですから、それから七箇月となりますと、ちようど十二月一ぱいから六月の末ごろまであるわけです。そういたしまして、その後ここにもらいましたさつきの輸入の米の数字から申しますと、前の輸入額を省いても百八十七万トンある。そういたしますと、これで五箇月余りある。それから内地麦の八百万石、つまり百三十万トンを買いますと、これもまた五・六箇月ある。そうすると、どう見積りましても、来年の七月か八月ごろまでのものを予定しておられるわけでありますが、この点は後刻別にもう一ぺん伺います。  そこで一番問題になるのは、一体こういう数量を買われて、そして厖大な輸入補給金を出して、それで内地の麦価が非常に抑えられることも百姓は本能的に知つておる。だから、私は前々から何べんも政府に警告しておりますように、本日のこの資料によりましても、やはり麦作というものは、耕作反別が非常に減少しておる。そこでこういう厖大な小麦あるいはいろいろ毒のまじつたようなものをどんどん入れられるが、ほんとうに必要なものを入れるためには米の方に振りかえて行く、こういう政策がとられなければならぬと私は思うのです。特にこれだけを無理に入れられるということについては、私はほんとうに納得が行かない。  それからもう一、二点伺つておきたいのですが、最近巷間伝えるところによりますと、先ほど井上君も指摘されましたが、至るところで米食い率が非常に下つておる。あるいは炭鉱における労務加配米等がだんだん外米にかわつて来ておる。こういうことでございますが、そこで私が伺いたいのは、巷間日本の内地米が朝鮮に少し出ているのではないかというようにもつぱらうわさされておる。私はそういうことはないと思いますが、そういう出された事実があるだろうか。もう一つは、麦類を朝鮮に今までどれくらい出されましたか、この点も伺つておきたいのです。
  80. 東畑四郎

    東畑政府委員 ただいまの需給数字等につきましては、さらにもう少し詳しく数学的に御検討願いたいと思います。もつと率直に言いますと、これは麦年度でいうと、もつとおわかりくださると思います。何しろ米中心でありますので、いつも米中心に麦を考えますから、ある場合には非常に持越し、繰越しがあるが、麦は麦年度考えますと、日本の農業を圧迫するほど持ち越してはおらないのであります。その事情はいずれ数字で御検討願いたいと思います。  それから朝鮮に米を輸出しておるじやないかということでありますが、とんでもない話であります。内地の米というのはやはり季節によつても、また地域的にも非常に豊凶がありますので、その間食い率等が若干でこぼこいたしておる。それで米食率がどうしてもやはり自然的に減るのでありまして、われわれといたしましては、それを供出等で補いをしておるので、多少そこに内地米食率のでこぼこがございます。外米を含めました米食率が下つておるということは先ほど申し上げた通りであります。麦を朝鮮に出したかというお話でありますが、米をもらうために麦とバーターしようという話合いをしたことはありますけれども、私が責任者となりましてからは、麦の輸出を朝鮮にやつたことはございません。まして米においてはなおさらであります。その以前のことにつきましては、私詳細のことは存じておりません。
  81. 竹村奈良一

    ○竹村委員 そうすると前の廣川農林大臣は朝鮮に六万トン出したと言つておられましたのですが、これははつきり私に答弁されております。あなたが赴任されてから出さないというならけつこうであります。  もう一点お伺いしておきたいのは、警察予備隊の配給は、普通並に配給しておられるのですか。あるいはその他いろいろな加配等の措置をとつておられるのですか。この点を伺つておきませんと、またあれを増強する、こう言つておりますので、これは日本の食糧事情に、特別な加配米を出されておりますと、大きな問題になると思いますので、その点をひとつ伺つておきたい。
  82. 東畑四郎

    東畑政府委員 家庭配給以外に労務なり、刑務所なりその他につきましては、安定本部で厳密な所要カロリー計算というものをやつていただいておりまして、警察予備隊等につきましても、その必要な所要カロリー等を厳密に検討していただきまして、それによつて加配米の措置をいたしております。加配米は米だけじやなくて、麦類等もやつております。具体的の加配量につきましては私ちよつと記憶しておりませんので、お答えをいたしかねます。
  83. 松浦東介

    松浦委員長 本日の会議はこの程度にとどめ、これをもつて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。     午後四時三十一分散会