○吉川委員
農村が金詰まりになり、
農民の経済がどういう
状態にな
つて来ているかということについては、
大臣の御議論を伺わなくともこれは事実でございまして、これは特に賢明なる
廣川大臣に御配慮をお願いしたいと思います。
農家の財産の相続の問題については御研究にな
つていらつしやらないようでございますが、これはきわめて重要な問題でございます。今相続の問題の裁判が全国に実に
厖大に起
つておるのでございます。こういう不自然な姿は、私はよくないと思いますので、特に急いで
政府の
方針をきめていただきたいと思います。
そこで
農村工業等を振興なさるというようなことを竹村委員の質問に対してお答えでございましたが、
農村工業の問題は、農協等がやらなければなりません。ところが御案内の
通り、農協はただいま再建整備の問題が起きているようなきわめて不振の
状況にございます。こういう不振な農協の現状をも
つてして、
農村工業を振興する、積極的にそれと取組んで、そうして
農村のこの狭い土地の限られた資源をできるだけ高度に活用をして行こうという、すなわち立体的な科学的な
農業経営をして行こうというのには、あまりに農協は弱体でございます。そこで農協に期待することができないので、
農村の心ある人々が幾人か寄り集ま
つて、何とかお互いの道を打開して行こうと非常な熱意を持
つておるのであります。しかるに農協あたりで扱うところの預金は、ことごとく中央に吸い上げられてしま
つて、それが
農村に少しも還元されません。ただいまの農林中金を通ずるところの
農業金融は、むしろ農協の組合員に対するところの
一つの圧迫とな
つております。ほかの言葉で言えば、むしろ搾取と言
つた方が適当かもしれません。そういう
状況で
農村は非常に金詰まりを来しておるのであります。そこで幾人かの目ざめた
農民が
農村工業を積極的にやろうと思いましても、資金の面においてま
つたく行き詰ま
つている現状なんです。何か
方法はないかというので、
農林省の農林金融課あたりに相談に参りましても、ただいまの農林金融課はま
つたく無力でございます。これは無理もない。法的な裏づけもなければ資金的な裏づけもない、ま
つたく手の下しようがないという
状況なんです。そこで中小企業庁にたより、勧銀あるいは商工金融等にたよらんとすれば、
農村の
関係はまま子扱いなんです。実にもう見ていられないような不公平な取扱いを受けておるのです。これは
農村の振興のために、
農林大臣は特に御配慮を願わなければならぬ問題であろうと思いますが、こういう問題について、今後どういうふうにや
つて行こうとお
考えでありますか。その点を一点お伺いいたしたい。
それから農協は、このままではほとんど行き詰ま
つてしまうと私は思います。農漁業協同組合再建整備法ができまして、いろいろ御心配をいただいておりますけれども、そこへ最近附加価値税の問題が現われた。この附加価値税の問題については、
廣川大臣非常に御
努力いただいて見送りの形のように伺
つております。附加価値税は税の制度としては私どもは歓迎をいたしますが、営利を目的としない
農業協同組合等に対しては免除の措置がとられることは当然であろうと思いますが、この問題について
大臣はどうお
考えでございますか。
次に
肥料需給の問題でございます。同僚大森議員から伺いましたときの
大臣の御答弁は、はなはだ私満足できませんけれどもこの問題について、
大臣はまだよく御検討ができていないと思いますから、後日ゆつくり伺いたいと思いますが、御決意だけは伺
つておきたいと思います。私は需給調整法案というものが過渡的に必要じやないかと思うのですが、この御用意があるかどうか。
肥料の
統制撤廃のときに、
統制さえ撤廃して自由経済に移行すれば、
肥料の値上りを来したりするようなことはない、
肥料の値が上れば生産が増強されて決して
農民を圧迫するようなことはなく、ある妥当な
価格に値下りするであろう、こういうことでこの
肥料の
統制撤廃をおやりに
なつた。ところが事実は、
電力事情等の
事情によ
つて非常な値上りを来したのです。そこで
農民団体や
農民が騒ぎましたところ、
農林省はその
統制撤廃の非なるをさとられて、
農政局長試案として需給調整法案が出て来たのです。そうしたところが、あの
肥料の
統制を撤廃すれば、自然に需給のバランスはとれて行くから心配ないとい
つたではないかということで、
関係方面からお目玉を一発食
つてとうとう流れてしま
つたというようなことがあ
つては、私はまことに心配でたまらないのです。幸いにして名
大臣廣川氏はこの問題は司令部を納得さしてもや
つていただけると非常な期待を持
つておりますが、あなたのお見通しを伺
つておきたい。私はこの前、
肥料は
農民のためにつくるのではないかということを、陳情に来たメーカーや
通産省の
諸君に尋ねましたところが、いやわれわれはもうけるためにつくるんだ、百姓のためにつくるんじやないとい
つております。そこでわれわれは、これからわれわれの必要とするものはわれわれがつくるというシステムを立てる必要がある。そこで
農業協同組合営の
肥料製造工場を持たなければならないと思いますが、そういう問題について、
大臣はどういうようにお
考えでございますか、それだけとりあえずお答えを願いたい。なお、
委員長にお願いしておきますが、私に与えられた時間は十五分でありますが、十七分くらいかかりますから、二分くらいの超過をあらかじめお願いをいたしておきます。