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城谷説明員 この
陳情の
趣旨は、
市町村立の
高等学校以上の
先生方の一時
恩給を
国庫または
府県で
負担してほしい、こうゆうふうな
陳情のように考えるのであります。元来この一時
恩給と申しますのはずつと昔にございました
退官賜金、つまりやめるときにもらうところの
賜金の変形のものであります。これが
大正十二年に
恩給法が制定されます際に、一時
恩給として
恩給法の中に取入れられておるのであります。元来この
退官賜金は、御
承知の通り、その勤務した庁におきまして支弁すべきものが当然のことと考えられておるのでありますが、そういうふうなわけで一時
恩給もやはり
勤務庁で
負担することに相なつておるのであります。従いまして
大正十二年に
恩給法を制定します際にもやはりその思想を受継ぎまして、
市町村立学校の場合は
市町村でこれを
負担するというふうなことに相なつてお
つたのであります。ところがその後これが
負担の問題につきましていろいろ議論がありましたために、たとえば甲の
市町村から乙の
市町村へ移る、さらにまた丙の
市町村へ移るとしました場合におきまして、丙の
市町村でその一時
恩給の全額を
負担しなければならないのははなはだ不公平じやないか、こういうふうな
意見もありましたので、
昭和の中ごろにおきましてこの
制度を一時
恩給の
分担、つまり一時
恩給を
勤務庁ごとに、いはゆる割勘をするというふうな考え方で進みまして、甲の
市町村乙の
市町村、丙の
市町村というふうに、おのおのその持ち分を持つことにしてお
つたのであります。ところが大
東亜戦争の進展に伴いまして、人手その他の
関係でこの
分担制度が一時中止になりまして現在に至つておるのでありますので、最後の
勤務庁が全部これを
負担しなければならないというふうな問題に相なつておるのであります。こういうふうな理由といきさつがありますのでこれをこの
請願にあるようにただちに
国庫負担とかあるいは
府県負担というふうなことにしますことにつきましては、今後十分検討しなければならない問題であると考えております。さよう御
承知を願いたいのであります。