○佐藤国務大臣 ただいまの松井さんの御
質問にお答えいたします前に、時間をいただきまして、一昨日起りました北海道における震災の概況を御報告申し上げたいと思います。
一昨四日北海道十勝地方に発生しました地震による通信施設の被害並びにその復旧
状況について御報告申し上げます。現在までに判明いたしましたところによりますと、回線の障害は市外電話百九十六回線、電信五十二回線、加入電話約二千個、災害を受けた局は三十局、電柱の倒壊五十五、挫折三十七、傾斜二千三百三、流失七、計二千三百九十七本でありますが、昨夕までにすでに市外電話回線については、十二回線を除き全部開通いたしておりまして、釧路、根室
方面に対しましても通信が可能であり、治安関係通信には何ら支障はございません。未復旧のものに対しましても、目下鋭意復旧に努力いたしておりますから、近く開通の
運びになるものと存じます。
電信におきましても、無線連絡または臨時中継等の措置によりまして、様似、静内、平取を除き取扱
つておりますが、釧路、日高、十勝の一部にあてる電報につきましては、遅延承知で受付けております。
札幌局における電報の停滞は千百余通に上り、電信の遅延は
最高五時間でありますが、電信回線も五十二回線のうち三十九回線が復旧いたしておりますので、逐次改善されるものと思われます。損害額は、局舎関依を除き、大体五千百万円程度であります。職員の罹災
状況につきましても、目下調査中でありますが、ただいままでに判明いたしましたところでは、被害の大きか
つた浦河管理所におきまして重傷二名、軽傷二名、宿舎の全壊二、半壊一を出しております。これら罹災職員に対しましては、共済組合法に基く罹災給付、救恤規程による救済等により、救護の万全を期したいと
考えております。なお災害の実地調査のために、本省から五、六名の調査団を現地に派遣いたすことにいたしております。右御報告いたします。
次に、
先ほどの
お尋ねにお答えをいたしたいと思います。電通省関係の事件につきましては、
先ほどお尋ねの中にもありましたように、私
ども電通
当局といたしましては、一日も早くこの事件が片がつくと申してはいかがと思いますが、一応の結末を見ることを心から希望いたしておるものであります。これによりまして、従業員自身の動揺なり、あるいは失われんとする
国民の信頼等をもつなぎとめ、本来の業務遂行に従業員が非常な熱意を示してくれることだと思いますので、かような
意味合いにおきまして、できるだけ早く一段落がつくように、かように念願をいたしておるのでありまするが、しかし御承知のように、事柄は検察
当局の手にあるのでありますから、私
ども行政官庁といたしましては、これに関與するわけにも参りませんし、もちろん干渉がましいこともできるのではないのであります。従いまして検察
当局におきまして調査をいたしておるその調査が、一日も早く終了することを念願する以外の方法は実はないのであります。
先ほどお尋ねにありましたように、数人の起訴者をその後生じておるのではないかという
お話でありまするが、私
どもの存じておりますところでは、杉山中国通信局長が起訴された、その他の諸君はただいま取調べを受けておるような状態であります。従いまして、この取調べの進行の結果を待つ以外には方法はないのであります。私
どもの気持といたしましては、冒頭に申しましたように、一日もすみやかに調査取調べが終了いたしまして、かような事件が結着を見ますことの、一日もすみやかならんことのみを念願いたしておるような次第でございます。従いまして今後これがいかなる
状況に参りまするか、一に検察
当局の取調べの結果に待つ以外には方法がないのであります。その点を
お話申し上げます。
なお
先ほどお話になりました選挙の関係だとすれば、これが非常に擴大するのではないかという御意見を伺
つたのでありまするが、私
ども現残階におきましては、この取調べの
内容等をつまびらかにいたしておりませんので、いかような想像も実はつきかねておるというのが実際の
状況でありますので、つけ加えてお答えを申し上げます。