○田島(ひ)
委員 私が御
質問したい点は、大分前から
質問をされているようでありますが、私は最初に佐藤新
大臣にちよつと苦言を申し上げておきたい。それは本
国会が開かれましてから、通信
行政についての
説明は、最初
次官が代読されましたけれ
ども、その後一箇月以上になりましても、まだこれに対する十分な質疑がなされておりません。この前の
委員会は
大臣がおられなくて、流会に
なつたのです。ところが
大臣は本会議へはのこのこと出て来ておられるのであります。私がこう申し上げますのは、本
国会であの二條約が通りまして、
政府の言い分で言いますれば、本年からおそらく日本は独立するだろうということを言われておる。そういたしますと、ここに示されましたところの
予算とかその他いろいろな問題は、この面からはあまりかわらないように思われますけれ
ども、本質的には日本の電通
行政については、今までの
国会とはかわ
つているわけです。つまり今後日本が独立して、完全自主権を持つとすれば、その自主権のもとでどのような電通
行政が行われるかということが、ここに問題にならなければならないと思います。またそれが十分ここで
審議されなければならない。おそらく
大臣は大物
大臣だということをしきりにいわれておいでになりますから、電通
事業についてはあまり腰がおちつかないようであります。すでに
予算も上ろうとしておりますのに、一回もそれについての
審議がなされておらない。
行政協定についても、これは
国会が
審議する必要はないということを言
つておられますが、
国会の一応知りたい、国民も知らなければならない問題が非常にあります。なぜかといいますと、この汚職の問題につきましても、それからいろいろな問題につきましても、
大臣は機構が云々とかなんとか言
つておられますけれ
ども、やはり機構の面の不備な点もありましよう。それから
従業員の賃金が安いという点から、やむを得ずこういうような
汚職事件、不正
事件がどんどん行われておるということもありますけれ
ども、その原因の大部分は、私はやはり何といいましても、日本が占領下にあつたからだと思います。今まで私は電通
行政につきましていろいろ
質問いたしますと、各
大臣は、占領下なんだ、向うさんは優先権があるから、やむを得ぬのだというので、電通
事業の市内
電話あるいは市外
電話の回線のごときは、おそらく連合軍と警察で三〇%も使用されておる、向うに使われるのはやむを得ないということを、今まで言われておりました。そういう
関係からいろいろなところにしわ寄せが来ておりまして、不正
事件の起る原因もそこに
一つあつたと思うのです。おそらく今後は日本が完全に自主権を回復するといわれますについては、それらの問題がどのようになるか。私は
一般的な
行政協定のことをここでお尋ねしようとは思いませんけれ
ども、電通
関係についてはどうなるのか。たとえば向うさんが今まで使
つていた回線はどうなるのか、市内
電話はどうなるのか、まだ料金未回收の
電話も
相当残
つておりますか、そういうものはどうなるのか。あの
説明では終りの方に講和後の問題について「講和後の自立体制確立の基盤としての
電気通信施設の
重要性にかんがみ」云々と、わずか二、三行ほど言
つておられます。これではどうしても納得できないと思います。具体的に電通
事業について
審議するのが、電通
委員会じやないかと思うのです。その点につきまして私は、
大臣は非常に不熱心だ、非常におしりがおちつかない、そういう苦言を申し上げておきます。
汚職の問題についても、検察庁的なことをここで私は
審議しようとするのではありませんけれ
ども、原因を確かめ、それに対する対策がなされなければ、
大臣のようなのほほんとしたことでは、今後決して解決されません。根本的な解決をここでしない限りはだめです。おそらく汚職の問題を全部あげて参つたならば、電通
事業の
運営は停止するということを、新聞ではいわれております。それほど徹底的に摘発いたしましたならば深いものがある。その問題は単なる不正とかいうものではなく、根本に欠陷がある。そういう点で私は十分御
審議なさることを希望いたします。先ほど
石川委員その他から御
質問がありましたけれ
ども、それに対する
大臣の十分なるお答えは出ておりません。電通
事業についてはここにはたいへん大ざつぱなことが出ておりますが、非常に復興がおそいために、特に市内
電話のごときは三十五万くらいの積滞数がある。それも
一般の人は
電話を申し込んでも、引かれないからとい
つて、申し込まない。ほんとうに申し込んだら、その何層倍になるかしれません。それから市外
電話のごときは、非常に大ざつぱなわけのわからない
説明がなされております。市外
電話のこういうような破壊
状態が回復するためには、やはり占領軍のために使用されておりましたものが、完全に独立自主権のもとに返ることが私は根本であろうと思います。その点について
大臣の御見解をはつきりお伺いしたいと思います。つまり独立すると言われるけれ
ども、電通
事業は一応われわれの手に返るかどうかわからないと仰せられましたので、
大臣はどういう御見解を持
つておられるのか、はつきりお伺いしたい。