○淺沼委員 明日また合同
審査会があるそうでありますが、私
ちよつと明日欠席するかもしれないので、簡単にお伺いしておきたいと思います。
資料として、
航空機生産の所管に関する件、四月二十六日の閣議決定というものが配付にな
つておるのであります。これは
航空機生産に関しまして、大体中心を通産省に置かれて、運輸大臣がある程度関与する形のものが現われておるのでありますが、運輸機関の発達を見ますれば、汽車から自動車、自動車から
航空機といつたぐあいに、将来
航空行政というものは非常に重大な役割をする結果になろうと私は思うのであります。しかし
航空機の製造に関しては通産省、
航空に関しては運輸省という関係にな
つて、
航空行政に関して二重行政が行われる結果が出て来るのでありますが、これは私
ども国民の側から申しますならば、納得の行かない点が多々あるのであります。できまするならば
航空行政は一元化してもらいたいというぐあいに考えるのであります。この
航空機生産の所管に関する閣議決定を見ますと、第三項に「生産過程における
検査については、(イ)生産
技術検査は通産大臣の所管とし、(ロ)
安全性検査は、運輸大臣の所管とする。」 こういうぐあいに決定にな
つておるのであります。私は行政を執行して行く場合においては当然責任が賦課されて行かなければならぬと思うのであります。
従つてこの生産
技術の
検査と
安全性の
検査が一体でなければならぬと思うのであります。すなわち生産
技術が完全であつたらまた飛ぶ
安全性も生れて来るのであります。生産
技術の完全性なくして飛ぶ安金性はないはずだと思います。それが
検査において二つにわかれるのでありますから、責任が三つにわかれる結果にな
つて、もし
事故が濃きた場合においては、いずれの大臣が責任を負うか非常に不明確なものにな
つて参ると思います。国民の側からいえば、こういう責任が明確でない行政はや
つてもらいたくないという
希望を持つのであります。それで第四番目にこういうことが書かれております。「前項(ロ)の
検査は、(A)当該工場の従業員(運輸、通産両省共同にて行う
検査員
試験に合格したる者)及び(B)通産省の職員(その任命については運輸大臣に協議することを要する。)に委託して行わしめる。
検査は(A)が主としてこれに当り(B)は極く少数とし極めて緊要なる
検査のみをなすこと。」こうな
つて参りますと、ますます責任の所在が明らかでなくな
つて参りまして、運輸大臣と協議するということになるのでありますから、通産省の職員に対して運輸大臣が責任を持つということは、行政の責任に対する混迷これよりはなはだしいものはないと私は思うのであります。責任大臣がその所管事項については全部の責任を持つということがなければならぬと思うのであります。しかも「(B)は極く少数とし極めて緊要なる
検査のみをなすこと。」そうすると
安全性に関して行われるところの
検査あるいは生産
技術に関する
検査等を考えて見ましても、この点責任の所在がどうしても不明確にな
つて来ると思うのであります。そこで一元化する考えは両省の間に行われなかつたかどうか明確にしていただきたいと思います。私は運輸委員でありますから何も運輸大臣の所管を云々するわけではございません。しかし大体運輸大臣が飛ぶ責任を持つのでありますから、ほかの事業と違いまして、飛ぶということの責任を持つなら、つくる方の責任も持
つて行かなければならぬと思うのでありますが、通産省ではその点についてどういうようなお考えを持
つておるのか。またこの責任が非常に明確でないということは、もし
飛行機が落ちたような場合に、一体どこに責任があるかということについては両方に聞かなければならぬことにな
つて非常な混迷を来すと思うのですが、そういう点もう少し明確にするお考えはないか。
戦前における
航空行政あるいは
航空機生産行政を考えてみますならば、いろいろなことがあつただろうと思います。しかし
日本が戦争に負けて、独立をして、これから立て直そうというのでありますから、ここら辺セクトにとらわれないで一元化して、国民自体が利益を得るような行政をやるお考えはないものでしようか。