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南委員 どうも私は非常にわからぬのですが、
型式証明をや
つて、これは要するに私が例をあげたやつが
自動車で、それと
飛行機は違う、こう言われた。なるほど
自動車工業と
航空機工業は違う、一緒だとは言
つておらぬのでありまして、組立て
工業の高度の精密
工業だという程度の差はあ
つても、そういう観念においては同じだ、こう申し上げたのです。そういう意味でただ申し上げただけで、一緒だと決して申し上げておるのではない。それから
型式証明をや
つて、そうすると
一つの試作をや
つて、それが何々の型の何式ということができますれば、そうすれば、
あとは流れ
作業でありますから、そういうようにできて行くが、やはり
飛行機というものは
安全性が一番大事でありますから、これを
一つの
飛行機として飛ばす場合においては、
耐空証明をや
つて行くのではないか、そこでちやんと
運輸省としてチエツクできる
方法があるのではないか、こう私はただ申し上げたのであ
つて、
耐空証明もいるし、
型式証明もあり、また一機片々試作から現実のやつまで、全部調べ、さらに
部品の
検査も、自分の思
つたままのいわゆる
標準でやらなければ安心ができぬというのは、それはいささか
生産行政部門に対する行き過罰な
考えでないかと私はただ申し上げた、そういうようなことをやらなければ、
飛行機の
安全性が保てぬものだとも私は決して
思つておらぬのであります。私がなぜこういうことを
心配するかと申しますと、先ほど同僚
尾崎さんからも話があ
つたように、
航空機製造事業というものは、
日本の
工業にと
つても非常に将来重要な
工業であ
つて、これが
運輸省の
所管であろうが、
通産省の
所管であろうが、一致
協力して育てて行かなければならぬ、そういうものでありますから、業者にと
つて二元的に働くことを私はあまり好んでおらぬのです。しかし
国際航空條約のどこを読んでみましても、各国の手続に従いとい
つているのでありまして、どこの省に一元化せいとかいうことは何も書いていないのでありまして、その国々の手続に
従つてや
つて行くべきものである。私は
通産省の
航空事業に対する監督の眼目が、
運輸省の
考えていらつしやる眼目と相
矛盾するものであ
つてはならぬということをただ言
つているだけであります。なぜ自分がそれを全部手がけなければならぬか、
運輸省の
一つの機関ではありますが、おのおの別々な人がや
つておるのでありまして、ただその機関が全部にタッチしなければ安心がならぬというのは、私は少し権限
争いが過ぎるような気もするのであります。しかしそれは
尾崎さんあたりからいろいろな意見が出すからか、ここで
議論してもしまうがないと思いますけれ
ども、その
観点に立
つてもう少し
考えていいのではないか。この
法律を見てみましても、これはいろいろ
両方が争
つて、そうして
一つの裁定が出て、その裁定の
趣旨で
法律をつく
つてありますものですから、一条々々を見ますと、ときどき妙な條文が出て来る。それをあげまして、どつちが悪い、こつちが悪いということを私は申し上げるのではないが、しかし
航空工業に対する
日本の国の
政府の要請としては、両者は二元的であるべきものではない。それが
運輸省の
所管であろうと、
通産省の
所管であろうと、二元的であるべきものではないということを申し上げた。この
観点は何も
飛行機ばかりに限らぬと思います。
自動車についてもそうだし、船舶にしても同じだと思います。結局そういうように
機械工業のごときものは、非常に高度に
発達して来て、
航空機だけをつく
つてそれ以外のものを全然つくらぬというものではないのでありまして、
一つの
航空機工業を育てるためには、非常に従属
産業ができましてこういうふうに山形にな
つて行
つているものです。これは
工業の
実態として、汽船についても同じであります。なるほど
飛行機と汽船は違
つておりましようが、造船所で何から何まで一切できるのではない。
自動車についても同じであります。
航空機については、もつとこれからの
日本においては、まだまだ
運輸省が
所管してない部門にまでも依存したければならぬものだと
思つております。あなた方がそれをどんなに主張されましても、
航空機に関する一切の
製造事業を、
運輸省が持
つてしまうということは、私は事実上不可能だと思います。御
承知の
通り航空機の資材につきまては、これは非常に大事なものであります。資材をやるためには、全部の軽金属
工業を押えなければならぬという
議論にもな
つて参ります。そういうようにな
つて参りますと、不当に私は
航空機の
安全性を拡張解釈して行
つて、そうして
工業部門に対する
所管争いをしているようにとれてかなわないものですから申し上げたのです。
所管が違
つているからとい
つて通産省は
航空機の
安全性を否定するような
行政はやり得ないということを私は申し上げたい。そこを
運輸省にもよく
納得していただきたい。
通産省の方もそうであります。
製造者の
立場に立
つて、いわゆる
理由なくして業者を保護するような
行政をや
つたら、これはたいへんなことです。私は御
説明を聞かなくてもわか
つておりますが、
飛行機というものは、安全で飛ばなか
つたら意味がないのであります。安全で飛べるような、どこの
飛行機にも負けないような
飛行機をつく
つて行きたい。この
観点に立
つて運輸省は
運輸省として、国際條約に
従つて規定ができてこれをつく
つておる。
通商産業省は、その
観点に立
つて行政を指導して行く、これが当然のことであ
つて、その間において私は
矛盾があるべきものではないと思
つたから、そういう御
質問を申し上げたのです。今
尾崎さんから
お話がありましたが、これは、
航空証明とか、
型式証明をわけでや
つているところは
外国にないという御
説明だろうと私は思う。
航空機の一切の
部品、素材に至るまでの
工業を二元的にや
つているとは、私は承
つておらぬし、また記憶もしておらぬのでありまするが、そういうふうに広が
つて行
つてはいかぬから私はそういう見地で申し上げたのでありまするから、その意見にもし
政府委員の方で反対ならば、
はつきり御返事いただければ
けつこうであります。