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1952-06-04 第13回国会 衆議院 通商産業委員会 第47号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年六月四日(水曜日)     午後一時三十九分開議  出席委員    委員長 中村 純一君    理事 小川 平二君 理事 中村 幸八君    理事 山手 滿男君       江田斗米吉君    小金 義照君       高木吉之助君    土倉 宗明君       永井 要造君    淵上房太郎君       南  好雄君    佐伯 宗義君       加藤 鐐造君    横田甚太郎君  出席政府委員         通商産業政務次         官       本間 俊一君         通商産業事務官         (通商機械局         長)      佐枝 新一君  委員外出席者         議     員 尾崎 末吉君         通商産業事務官         (通商機械局産         業機械課長)  島村 武久君         参  考  人         (川崎機械株式         会社社々長 ) 砂野  仁君         参  考  人         (新三菱重工業         株式会社副社         長)      荘田 泰藏君         参  考  人         (富士産業株式         会社々長)   野村 清臣君         専  門  員 谷崎  明君         専  門  員 越田 清七君     ――――――――――――― 六月三日  商工会議所法改正促進に関する陳情書  (第二一二七号)  中小企業者に対する特需調達に関する陳情書  (第二一二八  号)  臨時中小企業安定法制定に関する陳情書  (第  二一二九号)  電気料金値上げ反対に関する陳情書  (第二二三〇号)  小林アルコール工場存置に関する陳情書  (第二一三号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  航空機製造法案内閣提出第二二六号)     ―――――――――――――
  2. 中村純一

    中村委員長 これより会議を開きます。  本日は航空機製造法案を議題といたし、まず参考人より意見を聴取いたしたいと存じます。本日御出席参考人は、川崎機械株式会社社長砂野仁君、新三菱重工業株式会社社長莊田泰藏君、富士産業株式会社社長野溝臣君であります。  この際参考人各位にごあいさつ申し上げます。本日は御多用中のところ本委員会のためにわざわざ御出席ぐださいましてありがとうございました参考人におかれましてはおのおのの御意見を忌憚なくお述べいただければ、本委員会といたしまして幸いに存ずる次第であります。  それではこれより順次参考人より御意見の御陳述をお願いいたしますが、委員よりの御質疑は、参考人の御意見の御陳述が全部終了してから許したいと存じますから、さよう御了承願います。それではまず野村清臣君。外会議録
  3. 野村清臣

    野村参考人 富士産業野村でございます。航空機製造法案について私の考えを申し上げたいと思うのであります。  実はこの法案をお見せいただいたのは一昨日だつたものですから、まだ十分な検討をいたす時間がございませんでして、会社の方で調べさせておるという状態でありますが、私としては前に新聞にも出ておりましたし、一昨日ちようだいしましたので大体の感想を申し上げます。  御承知のように飛行機製造というものは、戦争のためにたな上げになつておりまして、従来いわゆる所管官庁がなかつたのでございます。ところが昨年あたりからいわゆるダグラス調査団が参りまして、われわれ従来の航空機製造業者で再興して、現在こちらへ来ております米軍飛行機のオーパホールなり修理なりをやる意思があるかということを尋ね、なおかつ工場を視察して帰つたのであります。そのとき私どもといたしましては、十分やる覚悟はいたしておりましたが、何分にもわれわれ工場米軍に接収されておるので、そういうものを返してくれと言うのは私どもとしての交渉では弱いのであります。御承知のように使用特別調達庁を通じて政府が御関係なのでございます。そこで私どもとしては、その所管官庁が早くきまつてほしいということを熱望したのでございます。今日この法案で私どものその希望が明文化されるということは私どもとして非常にけつこうなことだと思うのであります。ただいまは私どもとしてはまだ買手がないものでありますので、飛行機製造を必要とする時期ではないということは考えておりますが、こういうふうにきまりますればいろいろの準備をしたい。たとえば私ども会社で申しますれば、太田、小泉の間にある飛行場米軍使用から接収解除してほしい、できれば接収されておる小泉工場の半分を返してほしいという考なことをいろいろ運動しておるのでございますが、これを国家を通じてやつていただくということになりますれば非常に力強いことでございます。またそれが一番正しい道だと思うのであります。従いましてこの航空機製造法案通りまして、早く所管官庁はつきりきまつて、今申しますようなことに十分な援助をお願いしたいというふうに考えるのであります。  なお御承知のように、戦争中に参りましたたびたびの空襲の三分の一くらいは、われわれの航空機工場の攻撃ということが主であつたものですから、工場自体が非常にいためられております。再開すればそれの修理もしなければなりませんし、なお御承知のように機種が大きくなつております。前のような単発、双発というようなものでは現在の航空機としては完全でございませんので、双発なり四発なりという大型になつております。これをおろしますについては飛行場がどうしてもいる。私の会社の場合はございますが、ほかの航空機会社ではそういう大きな飛行機をおろす飛行場がない。これをつくらなければ物が入つて来ない、またつくつたものを出すことができないというつまり玄関口に当るわけでございますが、こういうものにも莫大な費用がかかるのであります。これに対して政府援助していただかなければ正直に申しまして再起不能だと思います。飛行機のない文明とかまた航空機のない国防というものは考えられませんので、われわれは打ちひしがれた飛行機製造業者でありますが、やれるならばやりたいという熱意を持つておりますから、今のような御援助をいただきまして再起ができればけつこうだと思うのでございます。従つて私はこの法案を一日も早く通していただくことを希望するわけでございます。  しかしここでちよつと欲を言わせていただきますと、この航空機製造法を拝見しますと、前にございましたやはり同じ種類の規定、これはたしか大正十三年くらいに通つたものかと思いますが、それと比較いたしてみますと、飛行機製造事業に対する保護ということが全部抜けております。御承知のように前には工場拡張のためには土地の収用を許すとか、税金を五箇年間免除するとか、機械輸入税を免除するとか、また新しい飛行機を入れるときには政府補助金を出すとかいうような、いろいろな航空機製造に対する保護規定があつたのでございますが、これが抜けているのです。まだ再軍備は国是としてきまつておりません際に、そういう保護規定の入る法律はむずかしいということは重々わかつておりますが、今申し上げましたように陸海軍のはなやかなころでさえあれだけの保護があつたのでございます。再軍備というものがどういうかつこうになるか存じませんが、それより以上の保護をいただくように十分皆さん考えいただいて、その際にはまた別の法律をおつくりくださるなり、この法律改正をお願いするなり、われわれが立ち得るような方法を講じていただくようにお願い申し上げておきます。  なおこれはこの法案関係がないことでございますが、飛行機製造再開につきまして、絶対必要なものは資金でございます。先ほど申し上げましたように、工場がたいへん打撃を受けております。これを回復しなければならない、なおかつ飛行機が非常に進歩しているので、これをやつて行くためには非常な金がかかるのでございます。  それにつきまして私過去十年くらい前まで興銀に二十六、七年おりまして、金融関係を多少存じておりますが、御承知のように、航空工業というものは、非常にみながやりたい、欲しいものなのでございますが、経済的に見ましては、非常に危険性のある仕事であります。それが証拠に、御承知のように、陸海軍はなやかなときでさえ、国家補償がなければ、航空機会社金融ができなかつたというのが実情でございます。それを戦争が終りまして、国家財政処理のために一応補償打切りということになつておりますので、金融機関から見れば、航空機製造というものに対して金融してくれと、私どもとしても言い得ないし、しないというのが実情でございます。昨年ダグラスの一行が参りましたとき、私としては、やりたいというふうに考えて、日銀、大蔵省、開発銀行興銀その他友人に話してみたのでありますが、これは政府の特別の何らかの方法による、わくによる金融、もしくは補助というようなことによらなければできないぞ、つまり私企業の金はむずかしい。税金というかつこうにおいて国家がとつた金で保護し、助成するというかつこうでなければいけないというのが、その連中の説であります。そういう点を申し上げまして、立つ際には、十分その辺についての御援助をいただきたいということを、この際お願い申し上げておきます。  なお、この法律にもどりますが、われわれとしましては、監督官庁というのは一つけつこうでございますが、いろいろの事情なり、材料関係その他から考えて、通産省関係でこういうことになるというのも、ごもつともだというふうに私は考えるのでございますが、前に陸海軍があり、逓信省でありましたか、また商工省としても、一般会社としての御関係もあり、そういう関係で、関係が非常に複雑だつた。この点を十分お考えくださつて、今度は、運輸省の方からも出る法律とにらみ合せていただいて、一元化同様なはからいにしていただくということを希望する次第でございます。以上で終ります。
  4. 中村純一

    中村委員長 次は駐田泰藏君。
  5. 荘田泰藏

    荘田参考人 ただいま、私から申し上げたい一般のことは、全部野村さんからお話になりましたから、これ以上何も申し上げることはないのでございます。ただ二、三敷衍いたしまして御参考にいたしたいと思います。実情でございますけれども、ただいま野村さんからお話がありました通りダグラス調査団が参りまして、その後どうなつたかということを、ずいぶん皆さんも御関心を持つておられると思います。大体一番問題になつておりますのは、受入れ態勢が完備しておらない、こういうことであります。修理をやるにしても、工場、格納庫の設備が、完全とは申さなくとも、相当な施設がなければ、修理を出しても、その修理はできないだろうというような考えでありますのか、いまだにはつきりしておりません。要するに、私ども受入れ態勢が不完全であるということが、受注の面に非常に反映しておる、こういうふうに思います。こうなりますと、今野村さんからお話のように、資金関係が一番重要な問題になつて参りますが、重複しますから申し上げません。最初この法案が出ますときに、できましたら一本建であつてほしいという念願を持つてつたのでありますが、いろいろ御審議の結果二本建になりまして、われわれ業者といたしましては、はなはだ遺憾に思つておるわけでございますけれども、すでに二本案として相当御研究の結果だろうと思いますから、これ以上一本建を申し上げるよりも、むしろ二本建のかみ合いの面を十分御審議願いまして、そうして二本建として完全に航空工業発達するような方向に善導していただきたいと思うわけであります。なお私もまだこの案を拝見したばかりでありまして、内容については詳しく存じませんが、一般的に申し上げますと、必要な事項は網羅してある、こういうふうに考えますが実際の運用にあたりましては、いろいろと実際的な問題が起りて来ると思います。そのときは、できるだけ問題点を御審議くださいまして、案情に沿うように、この製造法改正するなり、訂正していただけばけつこうではないかと存じます。ちよつと拝見いたしますと、簡単に申しますと、べからずべからずということがたくさん書いてあります。こういうべからずの面でなく、どうかひとつこういうふうにしてやりなさいというような一助成法のごときものが、これのカウンター・パートとして将来こしらえていただけるならば、われわれ業者として非常に助かると思います。  なおこまかいことがございますけれども、あるいは御質問くださいますれば、業者としての所見を述べるつもりであります。
  6. 中村純一

    中村委員長 次は砂野仁君。
  7. 砂野仁

    砂野参考人 ただいま野村さん、荘田さんお二人の発言によりまして、私から新たにつけ加えるようなことはないように存じます。ただ航空機製造しておりました者といたしまして、この機会に特に御希望申し上げたいことは、国家防衛という立場から考えますならば、国内治安の問題は別といたしまして、外敵から国を守るということについて、航空兵器以上のものは何ものもない。またこれが一番経済的な防衛力であることは、何人もこれを疑うことはできないと思う。第二次大戦において、英国を独軍の進攻から守り得たものは、あの小さなスピツト・フアイヤーという戦闘機にすぎなかつた。これが第二次大戦の勝敗をさかさまにして遂に連合国の勝利に帰せしめたようなわけであります。国家防衛ということを考えるならば、航空機、ことに戦闘機等発達に負う以上のものはないと思う。しかるに、この法案を拝見いたしますと、これらの助成についての点は一言もないのみならず、むしろ第十八條等に拝見いたしますと、相当の検査料手数料等の額がきめられております。前の航空助成法は、先刻野村さんもお話なつたように、税金を免除するとか、いろいろ試作等につきましての政府援助があつたのでありますけれども、今度はそれがさかさまになりまして、税金をとるという方面のことが強調されておるということは、現在の日本の国において航空事業を起そうとするには、少し不適当ではないかというふうに考えられるのであります。なお将来航空機の最も大きな需要者であると考えられます保安庁方面から、製作、検査等についていろいろの意見が出るようなことが多かろうと思うのでありますが、その辺の調整もあわせてお考えの上、法案の確立を願つて、混乱を避けるようにお願いしたいというふうに思つておるのであります。なおこの航空機製造法案航空法案とをつき合せて読んでみますると、二重監督、二重検査を受けるおそれが多分にあるのでありまして、先刻野村さん、離田さんから述べられましたように、これは実質的にはどうしても一元化されたような態勢のものにならなければ、航空機発達は期しがたいというふうにわれわれ業者考えておる。この点も特に慎重なる御審議をお願いしたいと思います。  以上簡単でありますがこれで終ります。
  8. 中村純一

    中村委員長 ただいまお述べいただいた参考人に対し、御質疑はありませんか。加藤君。
  9. 加藤鐐造

    加藤(鐐)委員 どなたでもよろしいが、お答え願いたいと思います。  まず第一に、先ほど、野村さんもお述べになりました通り設備の点で非常に欠くるところがあるという問題があると思います。それから資金の問題も、やはり今日航空機製造を始めるにつきましては相当重大であり、かつ困難な問題があろうと思います。さらに技術の点においてもしかりと思いまするが、特に技術の点において、今日航空機製造を始めるにつきまして、現在あなた方が持つておいでになりまする技術で国際的な水準に達し得る航空機ができるとお考えですか、どうですか、その点をお伺いしたいと思います。
  10. 荘田泰藏

    荘田参考人 昔話をするようでございますが、戦前大体三十年で日本技術を土台にして飛行機ができたのでありますが、これから三十年も待つて飛行機をこしらえることは絶対不可能でありますから、どうしてもこの際急速、に立ち上るためには、外国技術指導を受けなければならない、こう考えております。しかしその技術の基礎は十分ございます。ただ時間と資金とが一番重大な問題だと思います。
  11. 加藤鐐造

    加藤(鐐)委員 技術の欠くる点で外国指導を受けなければならぬというお話ですが、その点でどういう形で受けたら一番いいか、可能性があるかという点、さらにそれは資金の問題とからんで参ると思いまするが、先ほどのお話は簡単なお話で十分わかりませんでしたが、現在自己資金はもちろん足りないと思いますけれども、みずからの手で調達し得るか、あるいは政府が特殊な方法考えなければできないというような状態でありまするか。その二つをお伺いいたします。
  12. 野村清臣

    野村参考人 私が技術を申し上げるのははなはだ変でございますが、昨年タグラスのエンジニアが参りました。まずつくつておる飛行機の、タグラスは、昔中島時代にDC3についてやつた経験があるのでございますが、それで春祭り、いろいろの点において経験したわけでございます。先方の申出では、最初、もしもこの話がうまくでき上れば、五、六十人程度技術者と工員を向うから送つて来る、そして教え、覚えるに従つて漸次人引揚げて行くということにして指導したい。それから先ほど申し上げたオーバーホール修理ですが、これについて部品アメリカの方から初めは供給するが、将来日本でできるものがあれば日本でやるようにして漸次かわつて行くという仕組みで考えろということであつたので、われわれとしては、こうこうこういうことをしてくれればできるという答案をダグラスに出したわけです。  次に資金の問題ですが、全部政府におんぶしようという気持はない。各会社はそれぞれ事情は違うのであつて、ある会社増資をしてある程度資金をつくるでございましよう。私のところでは新会社を設立するなり、過去の二次会社向う注文によつて規模考え直さなければなりませんから、どの方法によるということを今明確にはつきり申し上げるわけには行きませんが、先方需要従つてそういうふうな増資をするなり、新規の会社を起して株式を募集するなりいたさなければならぬ。幸いにして航空機に対する国民のあこがれかもしれませんが、私どもの方の二次会社株式も相当な値が出ておりますので、それである程度資金は集まる。しかし先ほど申しましたような飛行場だとか、工場の改造も考えなければならぬ。はつきり申し上げますれば、小泉工場を半分返してもらわなければならぬ。ところが向うが接収しているうちにクレーンはとりはずす、電気施設はない、ヒーターもないということになつてしまつて、そういうものを入れるのに固定資産として、巨額な金がかかるのであります。この面につきまして民間のために政府飛行場をつくることは無理かもしれませんが、ある程度補助金を出し、あとの設備拡張については別途の裏づけの資金開発銀行なりに入れてもらつて、それによりまして低利資金を融通してもらうというようなことで固定関係の方の助成していただきたいと思います。
  13. 加藤鐐造

    加藤(鐐)委員 部品アメリカから供給してもよいというような話が出ているということでございますが、そういたしますと、日本ではさしあたつて組立てだけをやるということになりますか、もう少し詳しく御説明願いたいと思います。
  14. 野村清臣

    野村参考人 われわれ五社でございますが、いろいろ事情が違いますので、それは考えておりましたが、最近あるいろいろな会合で意見を聞いてみますと、いきなり新しい飛行機をつくろうといつたところが、ただいまはお得意がないのです。買つてくれ手がございません。また技術的にも今申し上げたような懸念もございますし、またスピード・アップされた飛行機については、材料も標準のものでなければなりませんし、従つてそれをいきなりやることは非常な冒険であります。それからなお資金の面から申しますれば、先ほど申しました極東空軍オ治バーホールなり修理なりをやるには、各社それぞれ事情が違うから申し上げられませんが、私のところでは十億程度、それより上あればオーバー・ホールなり修理なりはできます。その間に、最近の飛行機の構造なりいろいろな資材なりというものの研究を二、三年やつておりますれば、先ほど駐田さんからもお話がありましたように、われわれ日本人は航空機のことにつきましては割に進歩が早いのでございますから、遅れがとりもどせて、新しいのをつくつてもはずかしくないのができるのではないか。そのころにはやがて国策もきまつて、それとマッチするような状態になるのではないかという考えであります。一種の先物買いみたいなものですが、これはおそらく必至じやないかというふうにわれわれ考えております。
  15. 加藤鐐造

    加藤(鐐)委員 大体わかりましたが、そこでもう一つお伺いしたいことは、御承知通り航空法というものが今提案になつておりますが、先ほど安全性という点から法案で見られたような二重検査の行き方は困るというような御意見だつたと思います。それでわれわれ通産委員会としては、皆さんも大体同意見だと思いますが、生産の面においては生産者責任を負う建前で行くべきであるということ、従つて通産省検査責任を負うことが妥当であるというような考えであると思います。しかしそのできたものを受取る際に検査するだけでは、安全性について責任が負えないという運輸省意見もあるようでございますが、そういう点についてはどうお思いになりますか。いわゆる一元的な検査を希望せられる建前からどういう方法が一番よいとお思いになりますか。また生産者安全性ということを当然考え生産せられると思うわけですが、その点であくまで責任を負うてやれるというような御意見を持つておいでになりますか承りたい。
  16. 砂野仁

    砂野参考人 ただいまの御質問でございますが、生産技術検査につきましては通産省でやる、安全性検査については運輸大臣所管でやられるというわけで、形の上から見ると非常にはつきりしておるようなのでございます。しかし実行面においてそれがはたして明確にわけ得るかどうかということを、われわれとしては非常に心配しておるわけです。そこで二重監督、二軍検査を行われるようなことになりますと非常に困わますのと、また別の問題になるかもしれませんが、たとえば飛行機修理をする場合等でも、その修理設備等について通産大臣の許可を得なければならない、検査を経なければならないということになつておりますが、そういう設備等につきましては時々刻々に変化して行くべきだと思います。日進月歩でもありますし、またほかの品物の製造についても同様でありますが、特に航空機については、始終その設備の更新、新しい機械の導入ということがありまして、それをその都度検査を受けなければ仕事ができないというふうなことでは、実際の生産に支障を来すのではないかというふうに考えられますので、この航空機製造法においては、生産問題自体についても十分御検討願わなければならぬと思います上、運輸大臣所管事項とのかみ合せが非常にむずかしいというふうに考えられるわけです。そこで先刻野村さんなり荘田さんからお話のありましたように、形の上において現在の国家の機構上二つにならなければならぬということはやむを得ぬとしましても実際の運営上では、これを一元的にやつてもらうような方法を特に御研究願いたい、こういう趣旨なのであります。
  17. 加藤鐐造

    加藤(鐐)委員 あなた方としては明確におつしやりにくい点もあろうと思いますので、あまり深く追究しません。ただ問題は、先ほど来今日本には注文はないからというお話がございましたが、おそらく航空機が完全なものが日本でできるときになりましても、軍需品としての航空機をつくるという機会日本にはまだなかなか来ないだろうと思います。そこで結局外国注文に応じてやるということになりますが、そうなりますと日本の運航という面からの検査は必要がなくなります。そこでそういう場合に二重検査生産の面に深く入つて参りますと、いろいろの面で非能率になつたり、また技術の面でいろいろの意見の相違が起つて、かえつて混乱する面が出て来はしないかということを考えるわけですが、その点はどういうふうにお考えですか。
  18. 野村清臣

    野村参考人 私どもとして、つくりますれば通産省の方の試験も航空庁の試験ももちろん通る確信でやりますので、あえてそれは恐れるのでは、ございません。ただ、手続がめんどうである。たとえば一通でいい書類を二通出すのは困るということがよく言われる文句でございますが、それを両方の方が互いに嘱託をし合うというようなことで便宜やつていただければしのげるのじやないかというふうに考えます。実はこういうことはあまりはつきり申し上げることはどうかと思つて遠慮していたのですが、私もしろうとのくせになまいきでしようが、いわゆる官僚の独善、われわれの独善ももつと困りものですが、そういう点を押えていただきたい。法案の第十六條に民間の業者から検査員をとるということがありますが、これは非常な進歩だと思うのであります。これを十分活用していただいて、官民一致してやれば、そうめんどうなことはないのじやないかということです。その辺はどうぞ…。
  19. 加藤鐐造

    加藤(鐐)委員 その問題はこれだけにしておきます。ただ、私は日本の将来の航空機工業の大きな問題が一つあると思いますが、今日軍需品の中で重要性を持つておるものは航空機だと思います。その航空機が、先ほどどなたかおつしやいましたように日進日歩で、製造技術の面においてまつたく目まぐるしいほど急速に進んでおると思います。今日世界の軍拡時代におきまして、技術が進むために設計の変更というようなことから、よほど力のある航空機製造会社でないと、その注文に応じきれないという問題があろうと思います。私は世界が今日そういう状態にあるのではないかと思いまするが、そういう状態のときにこのめまぐるしく進んで参ります問題に追いついて行けるか、今日の比較的貧弱な、と申しましては失礼でございますが、この日本航空機製造会社において、そのあとを追かけて行き得るかどうかという問題についての御意見を承りたいと思います。
  20. 荘田泰藏

    荘田参考人 それは十分確信があると思います。ただ従来われわれの方でも風洞試験とか強度試験とか、相当りつばな設備を持つておりました。また資金の問題がありますから、さしあたり向うから技術を輸入して、そうしてその間こういうものをまた新たにつくり直さなければ実際の日本航空機工業は独立できません。
  21. 中村純一

    中村委員長 この際お諮りいたします。議員尾崎末吉君よか委員外発言の申出がありますので、これを許すに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 中村純一

    中村委員長 御異議なければこれを許します。尾崎議員に申し上げますが、このあとまだ質疑がありますから、委員外発言は簡潔にお願いいたします。尾崎君。
  23. 尾崎末吉

    ○尾崎末吉君 たいへんよい機会でございますので、十分に参考人の方々の御意見を拝聴したいと思つておるのでありますが、ただいまの御注意のように、あとにまだ本委員会の継続審議があるそうでありますから、ごく要点二、三につきまして率直な御質問を申し上げてみたいと思うのであります。  ただいま委員長のおつしやいましたように、私は本委員会委員ではなくして予算と運輸の常任委員をいたしておりますので、いわゆる委員外発言であります。先ほど参考人の各位からお述べになりました航空法との関係がありますので、御意見を拝聴さしていただいて、そうして二、三御質問を申し上げたいと思うのであります。法律ができ上つてしまいますと、御承知通りでき上つた法律皆さんが御希望になるように運用することはなかなか困難なことでございますので、御質問申し上げますことについて、率直な、ざつくばらんな御意見を拝聴させていただきたいという希望を申し上げておきます。  そこで第一に御質問を申し上げてみたいと思いますことは、先ほどお述べになりましたように、航空機行政というものは、生産から運航に至るまですべて一元化した方がよろしいのではないか、こういうことを私どもずつと主張して参つたのであります。通産委員会と運輸委員会の運命審査会も七回にわたつて開かれたのでありますが、今申し上げたように一元化しなければいけない、その一元化するには、航空事業についての先進国である米英、カナダ、イタリア、フランスその他の国々がすべてやつておるように——ただ例外といたしましては英国がいわゆる供給省に発注をして、製造する際にはやはり一元的の検査をやつておる。こういうのが例外であるだけでありまして、おもな先進国はことごとく生産から運航に至るまで一元行政をいたしておる。これにならつて、というよりも航空事業そのものが、一元的でなければ最終の責任をだれが負つてよいかという責任の所在点が明らかにならなくなる。であるからこの責任が一元化するために生産から運航まで一元化しなければいけないのじやないか、こういうことを私ども申し上げて参つたのであります。どころがここにご質問にお答えくださいますところの御参考になりますことは、平手條約の第十三條のC項に、日本は国際民間航空條約に加盟をしない前といえども、国際民間航空條約の各規定を厳重に遵守しなければならない、こういう規定があることは御承知通りであります。ところがその国際民間航空條約の規定の中で、第三十一條には、航空機はその国が定めた耐空性の検査に合格したものでなければならない、いわゆる耐空証明がなければ飛ばしてはいけない、こういう規定があることも御承知通りであります。この規定をさらにこまかくつくり上げてありますのが附属書でありまして、その第八の項目の中に、こういう規定があります。これはしばしば引用いたしておるのでありますが、国際民間航空條約第八附属書の中の第三章三・一・二に「航空機がすべての重要な点で承認済の設計に合致しており、またその製造及び組立が良好であることを決定するためには、その国が承認した検査制度に従つて製造工程中に航空機検査しなければならない。」これは厳重な規定がございまして、この検査規定は耐空証明をつくるための前提条件として定められておる。安全性検査をするために、航空機製造工程中においても検査しなければならないという規定があるわけであります。だから、この三つを組み合せて考えますと、航空機行政は一元化しなければならないが、その一元化は最終の責任を持つところの航空庁がこれを持たなければいけない、こういうことを私ども主張して参つておるのであります。こういうことなのでありますから、製造工程中における検査安全性建前からやらなければならない。問題はさきお述べになりました点がここにかかつて来るようであります。いわゆる二重行政は困る。もとより二重行政をやつてつたのでは、これはお述べになりましたように、日進月歩発展して行く航空機修理に関してまでも一々製造の方の通産省でやつてつたのでは、なかなかめんどうになつて来る、こういうことでありますので、そういう建前から見ますると、航空機製造法について私どもの希望するのは、やはりお述べになりましたように、いわゆる助長育成のやり方を法律の中に多く規定しなければいけないのじやないか。それがお述べになりましたように、規定がない第一に、こういう点についての御意見を承つてみたいのでありますが、この法律は、航空機製造しようという企業家は届出をすればよろしいという自由企業の建前をとつておるようであります。ところが自由企業の建前をとつておるが、その次の第六條以降におきまして、製造設備等検査、これは六條、七條であります。製造の確認八條、修理設備等検査九條、修理の確認十條、航空機用機器、製造設備等検査十一條、航空機用機器製造証明十二條、使用の制限十三條、修理設備等検査十四條、航空工場検査官十五條、航空工場検査員十六條、報告徴収及び立入検査十七條、こういうふうに、届出制の自由企業の建前をとつておりながら、統制時代よりもつと強い、いわゆる検査であるとか、証明であるとか、確認であるとか、こういうことに重きを置いておるようであるから、これではたして製造をなさる企業家の皆さんの側でうまくやつて行けるという御自信があるかどうか。先ほどの加藤委員の御質問に対しまして、大体断片的のお話をお述べ願つたのでありますが、こういうようなやり方でありますから、私どもは、安全性検査建前からの検査をすれば、製造の方向においては、二重行政になるような検査は必要はないのではないか、こういう建前のことを考えておるのであります。今申し上げましたようなこと等について、航空機製造法にあるような、こういうやり方でうまくやつて行けるかどうか、端的にお話を伺つてみたいと思います。これはでき上つてしまいましたあとのことをお考えになつて、ひとつ御意見を伺わせていただきたい。どなたからでもけつこうです。
  24. 荘田泰藏

    荘田参考人 なるほどこの法案を見ますと、すべての制限が書いてありますが、いかなる制限があるのか、ここには書いていないのです。いかなる検査をするか、何も書いていない。どういう検査をするかによつてこれが初めて生きるか死ぬかということになるのじやないかと思います。今のところ細目がわかりませんから、何とも申し上げられませんが、ただこれは単に手続のことだけ書いておりまして、たとえば発動機ならこういう検査をするということは書いてありません。それによつてずいぶん実施がかわつて来るのじやないかと思います。
  25. 尾崎末吉

    ○尾崎末吉君 ただいまお述べになりました詳細の検査その他の規定がないということは、こまかいことは省令によつてごくこまかい厳重なものがつくられる、こういうことに相なつておるようであります。それはさきにお述べになりましたように、運輸省の航空庁の方からは安全性建前から詳細な省令が出る、通産省の方からは製造の方の建前からこまかい規定が出る、こういうことになるだろうと思います。大体そういうことになるそうでありますから、そこで二つのものが重なり合つてうまくやつて行けるかどうか、自信があるかどうかということを伺つた次第であります。  それではもう一つ伺います。最初野村さんからお述べくださつた中に、法案の内容を見ると、保護規定が全然抜けている。前にあつた法律には税金やその他について保護すべき規定があつたが、それらに比較して今回の法案には保護規定が全部抜けている。であるから援助、助長育成と申しますか、そういつたような保護規定を相当につくつてほしい、こういう御意見があつたのでありますが、今航空機製造をお始めになるに際しまして、それはあるいはお述べになりましたように、二、三年後になるかしれませんが、そのいわゆる保護規定というものでこれだけはぜひともやつてもらいたい、こういうような問題は何と何でございましようか。大体それらの点をお聞かせ願いたい。
  26. 野村清臣

    野村参考人 これは欲を言えば切りがございません、がおもな点だけを申しますと、このごろの税金です。これを通産省案では三年くらいとありましたが、旧法では五年となつておりましたので、この程度までお願したいというふうなことです。それから先ほどからお話の出まするように、航空機は日進月歩でございまするので、次々といろいろの新しい機種の輸入もし、研究もしなければならないと思いまするが、これに対して新規のいろいろな機械を輸入したときには、奨励金を出すということが前にございましたが、そういうようなものはぜひお願いしたいと思うのでございます。  それから早期償却ですが、アメリカでは五年、最近七年とか聞いておりましたが、そのくらいで償却し尽すという程度の償却を認めてほしいことでございます。  ただ一番最初の立ち上りに、飛行場をこしらえるにつきまして、土地収用というものが前のように荒つぽく行けるかどうかということはよくわかりませんが、これも何らかの方法を講じて、従来ある飛行場の延長につきましては、できるだけ事情を話して、われわれとしてもいたしますが、あるいは強権を用いてもらわなければ延びない。強権を用いてもらうことは絶対希望ではありませんが、そのときには調停というような意味のことでもとつていただくようなことができれば仕合せだと思うのでございます。  さしあたり思いついた点はそれくらいであります。
  27. 尾崎末吉

    ○尾崎末吉君 もう一つ、融資のあつせんと申しますか、先ほどお述べになつた中に、国家補償がなければ、補助規定がなければ、なかなか融資を受けることが、昔でも困難だつたし、今日ではなお困難だというふうなことがあつたのでありますが、その融資あつせんを、あつせんということでなく、もつと確実に政府の方で引受けてやつてくれるというようなことについての具体的な希望はあるんですか、ないんですか。
  28. 野村清臣

    野村参考人 飛行場は莫大な金がかかり、しかも何ら生まないのでございますが、これがなければ入つて来ないという重大なものでございます。こういうものに対してはできれば半額くらい補助するとか何とかいうような方法を講じていただいて、なお足らぬ分、そのほかの工場設備については政府が裏づけの資金でも預けていただいて、金庫を通して低利の融資をしてもらうというようなことが願えないか、と思うのでございますが、私もひとつ金融機関に当つて研究したいとは思つております。
  29. 尾崎末吉

    ○尾崎末吉君 ありがとうございました。けつこうであります。
  30. 中村純一

    中村委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。  次に航空機製造法案に対する質疑を続行いたします。質疑の通告がありますからこれを許します。横田甚太郎君。
  31. 横田甚太郎

    ○横田委員 第一に、二十七年五月通産省より配られました「航空機生産行政の所管について」という資料に盛られておりますものの意味のわからないところから承ります。これらの一の(五)に、「今後の日本における航空機需要は、戦前と異り量的にみても内需よりは、寧ろ海外需要に多く期待され、又民間用機よりは、航空法の適用を受けない特殊用機が多いことも予想されるとともに、質的にもこれらの航空機安全性と同時に高性能が要求されるものである。」と書いてあります。ここに性能の問題は第二といたしまして、きようの日本経済新聞の報ずるところによりますと、各業界の要望として、「国内の航空機需要は目下全然見通しがつかないので、航空機工業再開の障害になつている、したがつて政府は早く再軍備に関連する航空機需要台数のメドを明らかにしてほしい、」こういうふうに書いてあります。台数がわかつたら非常にやりよいと思うのです。きのうの問題はあとで伺いますが、新聞に書かれている限りにおいては台数はわからないようですが、ここに書いてある文章から割出しますと、飛行機の性格までよくわかつている。あまりわれわれの文化に貢献しない人殺しの飛行機が多いように思います。こういうような意味におきまして、大体どれくちいの台数が日本に発注されると思われますか。国内的にあるいは国外的に日本に対して注文される台数、その需要量をお知らせ願いたいと思います。
  32. 本間俊一

    ○本間政府委員 お答えを申し上げます。そこに書いてあります意味は、横田委員も御指摘になりましたように、日本の民間航空会社使用いたします飛行機の数は非常に少いと大体常識的に判断されるだろうと思います。そうすると航空機工業というものは、やはり量産方式でないと経済的な採算もとれないのじやないかということも考慮されますので、また現にある会社などでは濠州であるとかインドであるとかいうところで使用いたしまする飛行機の組立てというものもやりたいという話もあるように聞いております。従つて日本航空機工業が量産方式で採算がとれて成り立つて行くためには、民間の航空会社で使う飛行機だけではとても採算がとれないのじやないかというふうに私ども考えているわけであります。そこで将来日本需要がどういう形でどのくらいのものになりますか、これは正直のところまだ実際わかつておらないわけであります。しからば外国で使う飛行機の中で日本でどれだけのものをつくりたい、つくるようにしたいという考えを持つておりますか、その点もまだ明確にわかつておりません。
  33. 横田甚太郎

    ○横田委員 何もわかつていないのに、こういう法案を急いで出さなければならない根拠はどこにあるのですか。
  34. 本間俊一

    ○本間政府委員 当委員会でもたびたび申し上げたのでございますが、修理のような事業を計画されているところもあります。それから組立て工場をつくりたいという機運もありますし、部品を主としてつくりたいという考えで計画を立てているところもあるわけであります。現に今受付けております中に軽飛行機をつくりたいという申請が参つております。そういう機運が非常に濃厚になつて来ておりますので、所管を明確にして、日本でやる場合は大体こういう方針でやるとかいうことをはつきりしておきますことが、航空機工業の将来の発達のためにいいだろうという考えから、製造法案を提案いたした次第であります。
  35. 横田甚太郎

    ○横田委員 組立てを計画したいといううことを言われましたが、組立てを計画したいというのは外国資本と合体してですか。あるいはその意味におきましては、きようの新聞に出ておりますように、ブリストル社がこれはたしか英国であつたと思いますが、提携を申し込んでいる。これ以外にまだこういう会社がありますか。
  36. 本間俊一

    ○本間政府委員 お尋ねの資本の構成でありますが、これはどういう形になるかまだはつきりしておらないのでありますが、先ほど参考人も申されましたように、技術の点も遅れておりますのでそれらの会社で話合いをしておるようでありますが、まだどういう形で資本提供をいたしますか、そういう点は私どもは明確に伺つておりません。
  37. 横田甚太郎

    ○横田委員 ブリストル社が日本飛行機組立て工場をつくりたいということを申し込んで来たことは政府側もわかつておるのですか。もしわかつておれまその事実と、またそれ以外にこういう外国会社の動きがあるかないかということを伺いたい。
  38. 本間俊一

    ○本間政府委員 お尋ねのイギリスの会社が組立てをすぐやりたいということかどうか、その点は明確でありませんが、日本のそういつたような調査をしたいということでお尋ねの会社から人も日本に来ているようであります。
  39. 横田甚太郎

    ○横田委員 さつきの問題にもどるのですが、大体民間航空と軍用機に大別いたしまして、日本は現在はこの二つの中に入らない部分的な修理から行く。あるいはそれ以外には外国の資本と合体して組立てから行く、こういうような行き方もあると思うのですが、それから大きな見通しとしては民間航空と軍需航空との割が一体どういうような比率で進んで行くような見通しがあるのですか。
  40. 本間俊一

    ○本間政府委員 日本の民間航空事業者が使います飛行機はごくわずかなものであろうと思います。今後どの程度需要がありますか、これは今私どもの方で明確にその比率はこうなんであろう、またこういうような事情があるということを申し上げる程度にははつきりいたしておらないわけであります。
  41. 横田甚太郎

    ○横田委員 民間機はわずかなんだというような御答弁ですが、大体飛行機というものは政府側並びに——もつとはつきり言うならば本間次官といたしましては、飛行機というものは大体軍用機に使われるものがおもであつて、あまり民間では発達しないものである。こういうような点に対するお考えは一体どうなんですか。
  42. 本間俊一

    ○本間政府委員 民間機と申しましても、日本航空事業者の使います民間機はそうたくさんな数ではない、こう私は見ているのであります。あるいは観光用と申しますが、非常に軽い意味合いの方に使います飛行機どもあろうかと思いますが、おそらくそういつたようなものはそうたんさんな数にはならぬのじやないかということを常識的に考えております。しからば日本防衛と申しますか、自衛と申しますか、そういうような方面にどれだけの飛行機がいるかというようなことは、いろいろな場合に応じて違つて来るかと思いますが、私どもの方ではそういう計画を立てておりませんので、今どれくらいの飛行機が必要か、どういう需要が生れるかということは明確にはお答えできないわけでございます。
  43. 横田甚太郎

    ○横田委員 先ほど言われました軽飛行機というようなものの特長とか、あるいは需要台数とか、そういうような点について何か見通しとかそれ以外のものはありませんか。
  44. 本間俊一

    ○本間政府委員 台数の見通しは全然つかないのでございます。
  45. 横田甚太郎

    ○横田委員 軽飛行機とは一体どんなものですか。
  46. 本間俊一

    ○本間政府委員 ご承知かとも思いますが、ヘリコプターのようなものを輸送用に使つたらどうか、あるいは観光用に相当な需要があるのではないかというようなことを言つている人々もございますが、その需要がどのくらいになりますか、これは今ちよつと明確には予想がつきかねる次第であります。
  47. 横田甚太郎

    ○横田委員 それではこのヘリコプターとか輸送用に軽飛行機を使いたいというような意向の人がある。そういう人に対しまして飛行機生産する場合に、外国飛行機を買う方がかえつて安いのであつて日本生産された飛行機はかえつて高くつく。こういうような点についてこの生産が成り立つて行くかどうか。これは自動車生産と非常に関連を持つておりまして、自動車生産などの場合は、大量生産は自動車生産の生命であるということが言われておりますね。こういう意味から飛行機もおそらくこれに適用されると思うのです。そうなつて来ると日本において芽が出ようとした軽飛行機が、外国の大きな、特にアメリカの厖大なる1一九五〇年にアメリカの自動車生産はたしか軍需用をまじえて八百万台と言われておりますね。こういうような背景を持つたアメリカなんかの飛行機が大量に入つて来た場合に、こういうような飛行機が軽飛行機だからという理由で経営が成り立つて行きますか、その点はどうですか。
  48. 本間俊一

    ○本間政府委員 御承知のように日本技術的にも設備もしばらく空白の時代がありましたからどういう形で成立いたしますか、これはいろいろ見方もあろうかと思いますが、しかし外国飛行機が必ずしも安いということばかりでもないのではないかと思います。従いまして今後日本航空機工業が経済的に採算がとれないのではないかというふうには私ども考えておらないのであります。
  49. 横田甚太郎

    ○横田委員 アメリカの自動車は大量生産で、それ自体がすでに経営が成り立つて行き外国に売り出している。だから日本におきまして、あるいはいろいろの税金をかけまして、米国の大型車百三十万円くらいで買えますね。あるいは欧州の車は型は小さいけれども大体八十万円くらいで買える。ところが生産する規模においては小さい。だから台数も少い。しかし八十万円で売れておる。日本の自動車はたしか百万円から百二、三十万円している。こういう場合にアメリカはそれ自体が経営として成り立つているのですが、欧州の場合におきましてはそうではないのでありまして、これが非常に国の力で、各国の政府自身の力で保護をしております。そういうような点において非常に自動車生産保護されている。日本もこれから芽ばえる弱い産業なんですから、こういうものに対してどういうような保護政策をとつて行くつもりなのですか、その点を承りたい。
  50. 本間俊一

    ○本間政府委員 政府の方でも相当助成をする保護をするということは将来どうしても必要になつて来るだろうと思いますが、ただいまのところは輸入をいたします機械につきましても免税措置がございます。それから例の早期償却というような問題も例の企業合理化促進法で一応はやれるかと思いますが、それからいろいろな研究も問題になつて参りますので、私ども所管をいたしております工業技術庁の方の研究の予算なども、できるだけこの方面に使えるものは使つて参りたいと考えております。それはさしあたりの考え方でございまして、いずれこれはもう少し事態が明確になつて参りますれば、お説のように保護政策はどうしても必要なものであるというふうに考えております。
  51. 横田甚太郎

    ○横田委員 保護政策と同時に需要というもが非常に大事だと思うのです。海外からの需要はほとんどだめだと思う。もし海外から需要があつたならば外国資本がうんと入つた場合に、外国資本のもうけを助ける意味で、日本の動力と日本の土地と、工場、建物を貸す。こういう意味で外国資本のかせぎになつてしまう。そういうような場合にはどうしても日本独自の航空機工場を持ちたい、そこに日本航空機の今後の特色を持ちたい。そのためにはある程度の国内の需要がなくてはならないと思うのです。だから今答弁されました保護というものは、生産に対する保護でありまして、その生産に対する保護を必要としないようにするためには需要を増大される。そうすれば生産飛行機を必要とするような需要を増すために、何か特別に考えておられる処置はありませんか。
  52. 本間俊一

    ○本間政府委員 ただいまのところは、日本の国内の需要を特にふやすというような考えは私どもの方では持つておりません、がいずれ将来はそういう需要が起るかと考えております。
  53. 横田甚太郎

    ○横田委員 これは航空法の連合審査のときに私が聞いたのですが、そのときには航空機を動かすところの技術者、この人たちの数を聞いたのです。それにに対して政府側でははつきりした答弁がなく、わからないということをはつきり言つた。ところが民間におきましてはそうではないのであつて、航空士として空飛ぶ資格を持つておる人たちを内密に調査しておる。こういうようなこともあつた。私は今これを聞こうとしておるのじやないのです。ところが先ほど申しましたこの書類の二の(ロ)のところに「通産省は、旧軍需省を引継いで設置されたものであるから当時国連工業部門の生産に携わつたエキスパートの多くが現在なお当省に勤務中であるばかりでなく、退職した要員も相当数は、必要の場合ただちに集め得る見込みである。」こうなつておる。こうなつておるので、私はこれに対する本質的な質問はあとまわしにいたしまして、さつきの航空技術者の場合にはわからなかつたのに、この場合においては、こういうふうにはつきり書けるほど技術者が残つておる。これはどういう相違からこういうふうにかわつて来たのでしようか、その点を承りたい。
  54. 本間俊一

    ○本間政府委員 そこで私どもが申し上げております意味は、戦前もそうでございますが、ことに戦争中に飛行機生産行政に携わつた者が相当通産省に残つておる、こういう意味のことであります。それから御承知のように日本では相当飛行機をつくつておつたわけでありますから、それらの技術者がどれだけの数になりますか、私どもの方では正確に調べておりませんが、やはり相当の技術者日本にはおる、こういうふうに私ども考えておるわけでありまして、そのうちに、雑多と言つてははなはだ失礼かもしれませんが、ただいま自動車工業の方に関係しておる人もありますし、また戦争中に飛行機をつくつておりました工場の中で、自動車の方に転換しております工場もございますから、そういう意味合いで、戦争中に飛行機関係をいたしました技術者ども、どういう人が自動車工場の中に、あるいは自動車工業の方に関係しておるかという点は、連絡がつきやすいという意味のことを申し上げておるわけでございます。
  55. 横田甚太郎

    ○横田委員 そうするとこの意味がはつきりわかりにくいのです。(ロ)の項目全体にわたつておるのは、「生産に携わつたエキスパート」と書いてあるのですが、あなたの答弁では生産行政に携わつたとかいうのですね。そうすると、この生産に携わつたというのは、生産する技術者のことじやないのですか。それから生産行政というのはそこにおられる。あるいはそれと類似のような、飛行機の台数を調べたり、いろいろのことをしたり、あるいは私たちが質問した場合には、それに上手にごまかして答弁したりする、そういう人たちのことを生産行政に携わつておると言うのではないですかその点は、どうなんですか
  56. 本間俊一

    ○本間政府委員 広い意味で生産行政と申し上げたのでございますが、生産に直接関係しておりました技術溝もおります。それから先ほど申し上げましたように、生産行政に関係しておりました人が通産省に相当多数おる、こういう意味合いでございます。
  57. 横田甚太郎

    ○横田委員 日本におきましても、もう古くなつたかもしれませんが、名前は読みにくいのですが、終戦当時海軍には何か雷震とか震雷とかいう妙な名前の飛行機があつた。もう一つは、どう読むのか、橘の花と書くような飛行機があつた。それを日本でまだ試作中であるにもかかわらず、アメリカでは知つてつて、これが大きな問題になつておつた。こういう意味において、終戦当時飛行機のことにつきましては日本技術も非常に進んでおつたように言う人もあるし、遅れておつたように言う人もある。こういう人たちが今日立ち遅れておる日本航空機生産再開のためには非常に重要視されなければならぬと思うのです。だからこういう意味で、あなたのおつしやつた生産に直接携わつた人、生産行政に携わつた人、こういうふうにわけておられるのですから、この顔とか名前とか、あるいはどういう種類の人とかいうのでわかつたのがあれば、知らしていただきたい。
  58. 本間俊一

    ○本間政府委員 御指摘のような調査を一々直接いたしたわけではございません。従つてだれがどの会社でどういう仕事に携わつておるかということを、今ここで申し上げるわけに参らないのでございますが、大体御提出いたしました書類は、先ほど私が申し上げました意味合いでございます。
  59. 横田甚太郎

    ○横田委員 ここに「要員も相当数は」こうはつきり書いてあるのですが、この「相当数」というのは見込みに対して書いてある言葉でしよう。先ほど飛行機需要はどのくらいありますか、生産はどのくらいしますかと聞いたら、そんなものかいもくわかりませんと言うし、それから今人の点から聞いてみますと、わかりませんと言うのですが、この「相当数」というのは、何を目的に相当数という数字を割出して文字に表わしたのですか。
  60. 本間俊一

    ○本間政府委員 これは文字通り相当数でありまして、戦争中に飛行機技術的な検査その他をいたしておりました人々を指さして、そう書いておるのでございます。
  61. 横田甚太郎

    ○横田委員 そうすると、その当時の技術者といたしまして、私が非常に不審に思いますのは、たしか日本の旧陸海軍軍需品、軍機、こういうものは、戦争に行く人を殺してもいいから、機械だけ持つて帰れ、これは天皇のものだから持つてつて来い、こういう言い方でしたね。しかし、あなたのすきな、私のきらいなアメリカはこういうことを言つております。戦争の場合には、戦争に行く人を保護するために兵器が必要だ、こう言つております。そこに日本飛行機アメリカ飛行機との相違がある。だから私のいやでしかたのないアメリカの、原子爆弾を持つて来たB二九までが、日本を空襲する場合には、乗員が安全に逃げ帰られるその見込みがつくまでは空襲しなかつた、こういうことが言われておるのです。そこで聞きたいのは、今度の情勢のかわつた條件のもとにおいて生産する場合に、前の技術者をそのまま使えるのですか。巷聞伝えられるところによりますと、航空機生産再開のためには、再教育が非常に必要だと言われておるのですが、この再教育については後ほどまた伺います。いろいろの問題があるだろうと思うのですが、今限定いたしまして、再教育とは、民主主義国と言つておるアメリカ恥主体といたしましたところの資本主義国の軍需品、特に飛行機と、日本の天皇制軍隊の飛行機との相違、それをそのまま使つて今後に間に合うものでしようか、合わないものでしようか、もし合わないとすれば、今後どういうふうに教育して行かれるのですか。
  62. 本間俊一

    ○本間政府委員 その書類には、そういう人にも相当数おるということを卒直に申し上げておるわけでございますが、これは航空庁の方で、塔乗員として飛行機の運転をやらせまする場合には、やはり相当な再教育が必要だということを申したのだと思います。私の役所が担当いたしております生産関係で申しますると、七年間も空白でございまするから、先ほど参考人も申し上げま差考に、いろいろな飛行機を買いまして、それらの飛行機につきましているくな研究がどうしても必要だと思いまするから、そのままではすぐに役立つわけには参らぬと思います。
  63. 横田甚太郎

    ○横田委員 相当数おると言わ承ましたことは、相当数おつても、ただちに使うというわけではないのですね。そうしますと、相当数おるうちで使う人と使わない人ができて来る。これはどういうようなものを基準にしておわけになりますか。
  64. 本間俊一

    ○本間政府委員 それは御指摘の通りでございますが、どういう形になりますか、あるいはその中からどういう人をとりますか、それは今法案も成立をいたしておらないわけでございまするので、どの人をどれだけとるという具体的な計画はまだはつきりいたしておりません。
  65. 横田甚太郎

    ○横田委員 法案も成立しておらないとは、それはちよつとむちやでしよう。そんなことは言えないでしよう。自由党が提出しました法案で成立しなかつた法案がありますか。みんな無理押しに通してしまう。農林委員会が吉田ワンマン政府にたてついてニュース映画を走らせた、これだけが最近の珍しいできごとなんです。だからこれなんかも法案を提出されたときに十分の見込みがあつてやられておるのじやないでしようか。その証拠に、うしろの方にも書いてございまするように、航空機全体ではないが、四項目では、「従来米国極東空軍においては航空機関係部品を若干すでに国内業者に発注しており、」と書いてある。実際こしらえておつたのです。ここでまた言うたらお困りの問題になりますけれども日本は憲法第九條において戦争放棄をしたという規定を持つておるのですから、軍需生産はやつてはいけないのです。私は憲法を守りたい方ですから、演説会等でも言うのですが、もし憲法を忠実に守るなら、人殺しをやるような武器をつくらされたら、これを川の中へほうり込んでしまえ、これが憲法を守るゆえんである、こういうことを言つておる。今木村さんと社会党の左派が法廷でよたよたたよりない争いをしておるから、これは後日われわれは実力をもつて解決をいたしますが、こういうような意味であなたが申されましたようにわかつているわかつていないの問題ではないのであつて、すでに従事しているのでしよう。従事しているというこの事実を認めているのでしたら基準なんかも相当わかつているのではないでしようか。わかつているのでしたら知らせてほしいし、ほんとうにわかつていないのならば、現在極東米国空軍においては航空機関係部門を若干急速になにした、こういうことに関する詳しい資料を、今答弁できなかつたならば、資料として明日までにいただきたい。
  66. 本間俊一

    ○本間政府委員 横田委員の質問に対しまして、私は率直にただいま進行いたしておりますその段階に応じてお答えを申し上げておるわけでございますが、どういうものが現に発注されておりますか、これには見解の相違であろうかと思いますが、日本は御承知のように三月八日から兵器の生産が許されておりまするので、憲法の解釈はそれぞれあろうかと思います。が日本で兵器を製造いたしましても一向さしつかえないという建前になつておるわけであります。御要求の資料が明日までにそろいますかどうかわかりませんが、できるだけ御趣旨に沿うように努力いたしたいと思います。
  67. 横田甚太郎

    ○横田委員 これはちよつと横道にそれてまたもつれて来ましたが、あなたからもつらしたのですから、私もちよつとごねますが、三月八日から兵器生産は許されているというような横着なことを今言われましたが、アメリカ占領軍は日本銀行に預けておいた金でもごまかしてしまうのであります。からこれは何でもできます。そういう意味であなたに申しますが、三月八日までにも日本憲法があつた。三月八日以後においても日本憲法があるんです。これははつきりさせていただきたい。だからわれわれは三月八日から許されましたところの、憲法に優先しない許可命令ごときもので殺人兵器をこしらえるというようなばかなことをやるから、これはいつでも言うのですが、朝日ニュースが笑うのです。議会においては軍隊があるかないかといつているのに、この論争をあざ笑うように、大臣はないといつているが、草をかぶつて人殺しの練習をしている。またそういうことは自由党の人たちも選挙が近いのですからそのときゆつくり恥をかかすといたしまして、ここで極東空軍日本航空機関係の部分品を若干国内業者に発注している。その業者とは一体どんな人であつて、金額にしてどのくらいのものかということを明日資料としてくれるようですが、今質疑を進めて行くのに必要なんですが、はつきりした形で明日もらうまでに何か一つでもいいですから答えてもらえるような資料がないでしようか。
  68. 島村武久

    ○島村説明員 航空機関係の特需として出ておりますものは、ただいままと託つた資料を手持ちいたしておりませんけれども、一例でもあげろということでございますので、一つ申し上げます。たとえば航空機用のプラグというようなものか若干出ております。また航空機用のタイヤであるとか、あるいは、パラシュートであるというようなものも若干すでに出ております。ただいまそのこまかいことは資料を持ち合わせておりませんが、大体そんなものかあるという程度に御了承願いたいと思います。
  69. 横田甚太郎

    ○横田委員 パラシュートの問題、タイヤの問題、こういうような問題は、これは後ほどまとめて聞きたいのですが、大体アメリカからこういうような注文を受けて仕事をいたしまして、相当もうかつているものでございましようか。もしもうかつているものならば、  アメリカには軍需用品をこしらえてもうけてはいけないというような一応の法律建前があるのですから、その場合には会計検査をもう一回やりに来ますね。会計検査に来て、吐き出さされているような例があるか。そういう検査が済んだか済まないか、もし検査が済んだならば、この利潤で吐き出さされたところがあるかないか、もしないとするならば一体どのくらいの利潤だつたら許しておつたか、こういう点を今資料があつたら答えてほしいし、答えられないのだつたらこれの審議の終るまでに資料をいただきたい。その点どうですか。
  70. 本間俊一

    ○本間政府委員 注文を受けまして生産をいたしております工場で、会計検査のような形があるということは私聞いておりません。おそらくないと思つております。それぞれ品物によつて違うかと思いますが、会社によりましてどれだけの利潤が上つておりますか、それは役所でも一々原価計算をいたし出ておるわけでございませんのでわかりませんが、やはり引受ける方から申しますれば、会社の利潤も当然考えまして製造に当つておることと考えております。
  71. 横田甚太郎

    ○横田委員 その点妙なことを聞いたのですが、大体アメリカ人は一番法律を守らない。特にこの航空機の場合においては法律を守らない天才なんですね。ところがあなた方は法律を守る国民のように言つているのですから、見解の相違と思いますが、これはたしか東洋経済新報でも、アメリカでは軍需産業は表面上はもうけてはならないことになつているのだから、その方針を日本に持つて来るであろう、契約を結んで仕事をして、半年もたつて会計検査にやつて来て、伝票を調べて、これは原価でないといつて利益を吐き出させるようなおそれはないだろうかということをはつきり言つておる。結局アメリカ式原価計算を押しつけられて、利益は五分ないし二厘しかない、こういうことになつて来たら、今後の日本航空機生産というものに対して熱が非常にさめて行くのではなかろうか、こう言つておるのです。だからここで私が聞きたいのは何も全部を答えてもらわなくつたつていい、まだこれから長く質問するんだから……。アメリカではこういうような規定があるということをあなたは御存じですか御存じないですか。もし私の言うことがうそだつたら、それはうそだという、あなた方に何か反論する資料があるかないかということを聞きたいのです。
  72. 本間俊一

    ○本間政府委員 アメリカの方におきましては、日本と原価計算のやり方その他でずいぶん違いましようが、そういう意味合いの法律があるように私ども承知いたしております。
  73. 横田甚太郎

    ○横田委員 これがあるとずいぶん問題になつて来ると思われませんでしようか。というのは、先ほどの自動車の生産のときにも出たように、日本はたしか二千台か三千台、よくて四千台くらいの乗用車しかこしらえておらないにかかわらず、アメリカは八百万台からつくつておる。これは私の数字はあなたには不利に使つているのです。アメリカの八百万台というのは、これは大体トラックもみな入つておる数字ですが、日本の二千台、三千台については乗用車を単位にして言つておる。だから数字においてそういう違いはあるにしても、こういう生産に開きがある場合にアメリカの原価計算を適用されたときには、日本設備の悪い條件のもとにおいては一体だれが犠牲になつてこれはやられるのでしようか、その点に対するあなたの見込みはどうでしようか。
  74. 本間俊一

    ○本間政府委員 御指摘の中にもありましたように、原価計算の仕方ももちろんいろいろ違いましようし、それから経営規模、あるいは会社で使つております金の利子などもいろいろ違つておるわけでございますから、これは相当日本実情を尊重してやらなければならぬと思いますが、今すぐにアメリカの方でそういう厳格なことを日本工場に入れてやろうというような考えはないのじやないかしらんと私は思つておりますが、いずれ将来になりましてそういうこともまつたく予想されないわけではないので、日本の国情及び日本の商習慣というようなものを尊重いたしまして、やはりこれには適切な指導というようなものが必要であろうかと考えております。
  75. 横田甚太郎

    ○横田委員 ここであなたがおつしやいましたようなアメリカ的な原価計算、これを適用されたならばたいへんだというのです。その場合にあなたは、そんな心配はない、日本実情とか商習慣の適用を向うに望む、こう言われるが、これはあなたたちの希望でありましても、アメリカは非常に薄情な国ですから、あなたたちは一生懸命やつているが、守られない。関税問題で、まぐろでも、ミシンでもあんなにする。しかもこの関税問題の起つて来たのは今日始まつたのではないのでありまして、前の欧州大戦後の一九二九年に非常な関税戦が始まつて、社会主義の国であるソビエトは、関税戦のまつただ中にあつて、逆に社会主義建設のために欧州諸国に対していろいろな物の発注をやつております。アメリカに対しても発注をやつております。資本主義の危機は、一時これによつて緩和されたというほどの大きな額の発注があつた。だから日本実情とか商習慣をもつてアメリカ人に訴え、また頼んで何とかなるというふうに考えておられますが、それは非常に甘い無責任な言い方でありまして、元来アメリカ日本に売つて日本という国は小さいのだ、人間はよけいいるのだ、資源は少いのだ、そこで安く働かせてもうければいいのだというのがドツジ・ラインですから、そういう意味合いでこれはあかぬ。商習慣とか日本実情なんか聞いておつてアメリカが損になるというような場合には、どんどん引揚げて行くと思うのです。だからそういうような場合の調節とかあるいはこういうふうな不安に対してこれから日本において業界に立つて行こうとする利にさとい人たちがあるのですから、そういう人たちは十分杞憂していると思うのです。そういう相愛に対しては政府側としてどういう手を打つたり、あるいはそういうような人から、何らかの心配をするような相談事があなたたちにあつたか、なかつたかということを私は承りたいのです。
  76. 本間俊一

    ○本間政府委員 このアメリカに対する見方につきましては、いろいろ人によりまして違うであろうと思います。従つてその点は、横田君がどう見られようと私の関係するところでないわけでありますが、御指摘のような問題が将来考えられまするので、先ほど申し上げましたように日本実情と申しますか、日本の商習慣と申しますか、そういうようなものを織り込んでもらいまするような話合いをどうしてもしなければならぬのでございます。しかしそういう問題が具体的に起りました場合に、話合いできまらぬというふうには私ども考えないわけでありまして、話合いはついて行くものだと考えております。
  77. 横田甚太郎

    ○横田委員 この前、戦前の航空機会社のうちでどんなものがあるかということをいろいろ聞いたのです。そのとき資料を要求したのです。資料をもらつたのですが、そのときに三菱重工業、それから中島飛行機、川西航空機、川崎航空機、それから昭和航空機、大体これだけのお答えがあつたのですね。このうちには、私はこれらの会社が今度航空機生産を再開するにあたつて、資本的にはどこが有利か、設備はどこが有利か、こういうようなことを聞いておいたのですが、この資料ではそれが非常にわかりにくいのです。それで私は伺いたいのですが、これらの航空機工業のうちで資本的にはどこが一番有利であつて、もし有利であればどういうわけで有利か、そしてどういう態勢にあるのかという点を伺いたい。
  78. 佐枝新一

    佐枝政府委員 お答え申し上げます。この前の御要求によりまして、お手元に三菱重工業、中島飛行機、川西航空機、川崎、昭和等の各会社の現状について資料を差上げたのであります。さらにその際確かに資本的にはどうなつておるか、技術的にはどうなつておるかという御質問がございましたが、ただいま三菱重工業につきましても、現在三社にわかれております。終戦後七年間の間の変動というものは非常なものであります。戦前どういうような生産実績があつたかということは、これははつきりいたしておるのでありますが、飛行機生産会社ないしは生産工場として、一体どこが資本的に技術的にすぐれておるかということは、ちよつとこれを結論いたす資料を持つておりませんので、はなはだ遺憾ながら差上げることができなかつたのであります。御了承願います。
  79. 横田甚太郎

    ○横田委員 それではなんですか、簡単に申しますと、非常にうらぶれてしまつて日本の自動車生産アメリカの占領期間中に二十年間立ち遅れを強要されたと言われておるように飛行機技術的にどこが有利であるか、設備ではどこが有利であるか、資本的にはどこが有利であるか、こういうことを聞いても五十歩百歩だ、根本的にやりかえなければいかぬのだ、こういうお答えですか。
  80. 佐枝新一

    佐枝政府委員 お答え申し上げます。これを詳細に検討いたしますれば御了承願えると思うのでありますが、その間に、お話のような比較をすることもできるかと思いますが、何分にも終戦までつくつておりました航空機と、今後つくられる航空機、これはその間非常な変化もございますし、現状から推して、それについてはつきりした優劣をつけ得るという段階ではない、こう考えておるわけであります。
  81. 横田甚太郎

    ○横田委員 終戦後の航空機戦争中の航空機と非常に違う。これはよくわかるのですけれども航空機というものは、戦争のときに一番よく使われ、発展するのです。そういたしますと、戦争に参加した国が戦後の航空界の王者になつておる。日本では警察予備隊は追い追い海外に出て行くのでしようけれども、今の段階では政府は出さないと言つておる。私たちの見解においても、海外に出たら警察予備隊は暴動を起すだろう、そういう予備隊の内部勢情にある、こうにらんでおる。海外に出て行かないとすると、日本の国内における間接侵略の場合に、警察予備隊を使われても、飛行機の性能をかえたりするほどの需要日本にないだろうと思います。そうしますと、日本航空機というものは、今あなたが答弁されましたように、戦争中の航空機と戦後の航空機上は非常に違つておる。その根本は、日本戦争に参加した。今度は戦争に参加しない。もし日本が参加したら、損粍が多い地上軍、それからこれまでのように、人がたくさんいるところだけをねらつて爆弾を落して、家を焼いて、そして空からながめて喜ぶ方はアメリカがやる。だから日本航空機生産というものは、よそをうらやましめるような意味での独自的に発展する要素がないと思う。そういう点に対するお考えは一体どうなんですか。
  82. 佐枝新一

    佐枝政府委員 お答え申し上げます。われわれはこの航空機製造法案におきまして、もちろん国内の民間航空機をつくるというだけではありませんが、しかし現在の日本として、軍事的な飛行機をつくるということを考えて立案したのではなく、国内の民間航空機だけではないが、非軍事的な航空機でほかへ輸出するというようなもの、あるいはそういつたものの部品、こういつたことを主として頭に入れて考えて立案しておる。これを御了承願いたい。
  83. 横田甚太郎

    ○横田委員 非軍事的な飛行機日本でこしらえる場合においては、外国資本が入つて来まして、これに対しては日本の政治上は監督されないところのいろいろな困難が出て来るだろうと私は思う。それ以外に入つて来るところのアリメカの注文は、アメリカの人殺し兵器のための部品の下請け、こうなるだろうと思うのです。そうなりますと、民間航空は非軍事的なものにおいて発展させる。これに対して日本がいろいろ注文をつけるようなことをいたしましても、国内需要がないのですね。外国に売る場合においても非常に見劣りのする悪いものができて、今日の新聞に出ておりますように、機械の例は違いますが、ミシンの例を再び繰返すものだ、私はこう思うのです。だから私が承りたいのは、日本航空機生産する場合においては、やはり日本独特の航空機発達ということを考えなければならない。金がないなら金がないままにおいて、ドイツのヒトラー政権がアメリカの大型戦艦に対して小型で非常に優秀な戦艦をこしらえたように——これは軍事問題で、われわれ共産党としてはこういうヒトラーを例に出してはいけないのですが、航空機においてもわれわれはそういうふうに解釈するのです。だから日本の民間航空機のねらいとするものがあるのでしよう。それの特殊的なものがあるかないか、もしあるのならばそれの具体的なものを承りたい。それがないのならば、日本における航空機生産はかえつてつてもらつたら困るような生産になつて行くのではないか。この点を憂えるのですが、その点はどうですか。
  84. 佐枝新一

    佐枝政府委員 お答え申し上げます。ただいまのところこういう機種をつくるのだ、こういう目標で民間の航空機工業というものをひつぱつて行くのだという目標は具体的に立つておりません。ただしかし先ほど申し上げましたように、日本の国内需要ということだけを考えてやる必要はないのでありまして、海外の航空機部品をつくるという場合においても、これは具体的な会社の名前を申し上げることは差控えたいと思いますが、たとえばヘリコプターというようなもの、これは純粋の非軍事的なものだと存じますが、それの部品注文を受けてつくろうという具体的な例などもあるわけであります。
  85. 横田甚太郎

    ○横田委員 会社の名前を言うことは差控えたい、こう言われましたが、今軍機保護法はないのでしよう。だから航空法の審議にあたつてはすべてのことを私は言つていただきたいと思います。私たちがそういう気持を持つておるにもかかわらず、これも予算委員会で警察予備隊論争のときに出たのですが、ああいうふうな集団をこしらえますと、集団自体を守るための法律が必要になつて来る。それが前の軍隊の場合においては陸軍刑法であり海軍刑法である。これが軍事に対する祕密を守るところの軍機保護法であつた、こう思うのです。今言われました言葉は軽い言葉でございますけれども会社の名前を言うことを差控えたい、そう言つておりながら、ヘリコプターの例が出ましたね。その点で私ははつきり聞きたい。飛行機生産が盛んになつて来ますと、こういう形で議会では論議できないような飛行機がたくさん生産されるかということが一つ。それからそういうふうに議会で論議できないような飛行機生産あるいは部分品を外国から持つて来てそれを組み立てる、あるいは傷ついた飛行機を修繕する、そういう工場に働いておるところの従業員は、議会においてわれわれは論議できないのだから、もし外においてそういうことをとやかく言うならば、これは刑事特別法にひつかかる、こういう点はあなたに聞くのではないのでありまして、次官に承るのでありますが、この三点について御質問したいと思うのです。
  86. 本間俊一

    ○本間政府委員 今申し上げたのはそういう深い意味ではないのでありまして、各会社におきましてそういう計画を立でておりますので、具体的になつてくればよいのでありますが、いろいろ各社間で商売上の計画を持つておるわけで勘りますから、そういうことがあまり具体的にならないうちに申し上げることは、同じ計画をいたしております業者との間で不利なことになりはしないかという点を考慮いたしまして、どこの会社がどういう計画をということは申し上げられない、」いう意味で申したのでありまして、決して祕密を保護するというような考えはまつたくないわけであります。従つてこれはいずれ遠からず具体的になつて参ると思いますが、そういう意味合いで会社の利害を考えまして申し上げたわけでありますから、ほかには他意はないわけであります。
  87. 横田甚太郎

    ○横田委員 そこはもう一回確かめておきますが、深い意味で言うたのではない、これは次官の御答弁としては非常に穏当な答弁だと思いますが、しかし穏当ということは、現在日本飛行機が飛んでおらないからそういう穏当なことが言えるのでありまして、ほんとうにそうでなくなつて参りますならば、おそらくそういうことは言えないだろうと思います。私がこういうことを根掘り葉掘り聞いておかなくちやならぬ立場に置かれますのは、この前にも質問のときに、皮肉る言葉として使つた言葉なんですが、それは立川飛行場の例なんです。立川飛行場は確かに日本の土地なんです。行政協定によりましても、立川飛行場の区域はアメリカ人がかつてに使うても、日本の共産党が実力を持つまでは追い払うことができない残念な土地なんです。ところが飛行場の外は、アメリカ人がかつてなことをして使つておる、行政協定のどこを見てもそんなことを規定してあるはずはない。それであるにもかかわらずガソリンをアメリカ人がむちやくちやに使いますために、立川の井戸水にはガソリンが入つておる。これを私が前に申しましたときには新聞で騒いでおらなかつたが、たしかきのうの日本経済新聞によりますと、井戸水がガソリンになつておるのです。しかもそれをガソリンとして飛行機に入れて飛行機が飛ぶのだつたらよいけれども、意地の悪いことには市民の飲料水を困らす程度のガソリンになつておるのです。これをここで飛行機生産の場合に当てはめてみますと、そこにおられる政府委員は法文の文句さえ合えば暮して行ける方々なんですが、私たちは生活と直結しておるのです。日本人民の生活ということが一番大事なんです。しかもその生活のために死力を尽しておる人たちに結びついて来ておるのですから聞くのですよ。飛行機の場合で申しますと、さきに申しましたように日本飛行機工場を提供し、日本の人材を出す、そして日本飛行機をこしらえる、それがために議会で長い間かかつて自由党の方からとやかく言われるまで審議して、その結果としてここにも出ておりますように、この法案には書かれないところの飛行機日本の空をたくさん飛びます。ここで審議しておるものに全然関係のないような飛行機のことを言われるのだつたら、立川のガソリン臭い井戸水の問題と同じことになつて来るのです。だから聞くのです。深い理由で言われたのではないということは最後まで言えることですか。もう自由党政権もわずかのことでありますが、そのわずかのあなたのおられる期間だけに言われることですか。飛行機生産が盛んになつて来るその過程においては、その飛行機生産を守るための秘密は作業上の他社とのかけ引があるから言うことはできないとあなたは言われるが、これは単なる祕密ごとではないのでありまして、刑務所をせたらういやな武装警官が背後におつて、その刑務所に案内するような威圧を加えたところの秘密をむしろ強要するような性格のものになつて来るのじやないですか。その点をはつきり承つておきたいと思います。
  88. 本間俊一

    ○本間政府委員 将来そういう必要が起りますかどうか、私はそういう思想が全然起らないということは明確にお答えはできないかと思いますが、今ただちに日本アメリカ飛行機を何台つくるという計画はございませんので、先ほども御答弁申し上げたように、その会社の利害を保護する意味合いで申し上げているわけでありまして、ただいまのところその必要はないものと考えております。
  89. 横田甚太郎

    ○横田委員 それから飛行機生産の場合に、昔は日本には下請工場がたくさんありました。現在この下請工場は一体どんな環境にあるか。飛行機生産が再開されましたならば、今中小企業の危機打開のためにいろいろ手を打たなければならぬときが来ておりますが、それとどういうような関係になつているかこの点を伺います。
  90. 本間俊一

    ○本間政府委員 御承知でもあろうかと思いますが、飛行機にはたくさん部分品が必要になりますから、日本航空機工業が本格的に始まつて来ることになりますれば、おのずからその部品をつくります会社でありますとか、あるいは下請というようなものは相当数必要になつて来ると思います。戦争中下請をいたしておりました工場が今どうなつておりますか、その一々につきましては承知いたしませんが、それぞれ自動車の下請工場になつているものもございましようし、あるいはその他の機械工業に転換いたしているものもあろうかと思いますが、航空機工業が本格的に伸びて参りますれば、日本の中小の下請工場も相当必要になつて来るだろうと思いますから、それがはたして日本の中小企業の危機打開のためにどの程度寄与いたしますか、それは見方によりましてはいろいろ導かと思いますが、下請工場が必要になつて参りますことは当然だろうと考えております。
  91. 横田甚太郎

    ○横田委員 これは資料としてもらいたいのですが、日本では航空機生産をやつたところで練習機くらいをこしらえるのだろうといわれておりますが、それに対して、どういうようなお考えを持つておられるか。それから練習機程度のものであるならば、一体練習機は日本でどのくらい必要なのかということも後日の資料としていただきたい。またアメリカの軍隊が日本においてどの程度まで飛行機生産させるか、全部させるのか、部分的に組立てをさせるのか。もし全部させるのであれば一体どのくらい注文を出すのか。その出すうちには、いろいろな機種がアメリカにあるのですが、その機種の中においてどの程度の性能を持つたものを日本に出すのか。そして日本はそれに対して一体どのくらいたえられるか。その生産をやつて行く場合に、設備とか建物はどうなつているか。また航空機生産に対して技術者を集めたら非常にいいのですが、技術者は集まりにくい。戦争で人々は疎開しておりますし、その後の経済的な諸條件で散らばつている。その人たちのために寄宿舎を建てなければならないだろうと思いますが、その個人の住宅などはどういうふうに考えておりますか。それから航空機生産をやる場合に、ここで資料としていただきましたところの三菱その他の航空機生産工場飛行場を持つているのか、持つていないのか、持つていないとするならば、飛行機をこしらえる場合に農地接収との関係はどうなつておりますか。また終戦前に航空機生産に従事しておつたところの工員はどのくらいあるのか。それから航空機工業を再開して行つたならばそのもうけはどのくらいになるか。こういう点はおそらく今日簡単に言いにくいでしようから資料としていただきたいと思います。次官はお急ぎのようですからきようはこの程度にしておきます。
  92. 中村純一

    中村委員長 この際お諮りいたします。本案に対する質疑はこの程度にして一応終了したことといたします。  本日はこの程度にいたし、明日午前十時より委員会を開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時五十一分散会