○尾崎末吉君 たいへんよい
機会でございますので、十分に
参考人の方々の御
意見を拝聴したいと思
つておるのでありますが、ただいまの御注意のように、あとにまだ本
委員会の継続
審議があるそうでありますから、ごく要点二、三につきまして率直な御質問を申し上げてみたいと思うのであります。
ただいま
委員長のおつしやいましたように、私は本
委員会の
委員ではなくして予算と運輸の常任
委員をいたしておりますので、いわゆる
委員外発言であります。先ほど
参考人の各位からお述べになりました航空法との
関係がありますので、御
意見を拝聴さしていただいて、そうして二、三御質問を申し上げたいと思うのであります。
法律ができ上
つてしまいますと、御
承知の
通りでき上つた
法律を
皆さんが御希望になるように運用することはなかなか困難なことでございますので、御質問申し上げますことについて、率直な、ざつくばらんな御
意見を拝聴させていただきたいという希望を申し上げておきます。
そこで第一に御質問を申し上げてみたいと
思いますことは、先ほどお述べになりましたように、
航空機行政というものは、
生産から運航に至るまですべて一元化した方がよろしいのではないか、こういうことを私
どもずつと主張して参
つたのであります。
通産委員会と運輸
委員会の運命審査会も七回にわた
つて開かれたのでありますが、今申し上げたように一元化しなければいけない、その一元化するには、
航空事業についての先進国である米英、カナダ、イタリア、フランスその他の国々がすべてや
つておるように——ただ例外といたしましては英国がいわゆる供給省に発注をして、
製造する際にはやはり一元的の
検査をや
つておる。こういうのが例外であるだけでありまして、おもな先進国はことごとく
生産から運航に至るまで一元行政をいたしておる。これになら
つて、というよりも
航空事業そのものが、一元的でなければ最終の
責任をだれが負
つてよいかという
責任の所在点が明らかにならなくなる。であるからこの
責任が一元化するために
生産から運航まで一元化しなければいけないのじやないか、こういうことを私
ども申し上げて参
つたのであります。どころがここにご質問にお答えくださいますところの御
参考になりますことは、平手條約の第十三條のC項に、
日本は国際民間航空條約に加盟をしない前といえ
ども、国際民間航空條約の各
規定を厳重に遵守しなければならない、こういう
規定があることは御
承知の
通りであります。ところがその国際民間航空條約の
規定の中で、第三十一條には、
航空機はその国が定めた耐空性の
検査に合格したものでなければならない、いわゆる耐空証明がなければ飛ばしてはいけない、こういう
規定があることも御
承知の
通りであります。この
規定をさらにこまかくつくり上げてありますのが附属書でありまして、その第八の項目の中に、こういう
規定があります。これはしばしば引用いたしておるのでありますが、国際民間航空條約第八附属書の中の第三章三・一・二に「
航空機がすべての重要な点で承認済の設計に合致しており、またその
製造及び組立が良好であることを決定するためには、その国が承認した
検査制度に
従つて製造工程中に
航空機を
検査しなければならない。」これは厳重な
規定がございまして、この
検査規定は耐空証明をつくるための前提条件として定められておる。
安全性の
検査をするために、
航空機の
製造工程中においても
検査しなければならないという
規定があるわけであります。だから、この三つを組み合せて
考えますと、
航空機行政は一元化しなければならないが、その一元化は最終の
責任を持つところの航空庁がこれを持たなければいけない、こういうことを私
ども主張して参
つておるのであります。こういうことなのでありますから、
製造工程中における
検査は
安全性の
建前からやらなければならない。問題はさきお述べになりました点がここにかか
つて来るようであります。いわゆる二重行政は困る。もとより二重行政をや
つてお
つたのでは、これはお述べになりましたように、日進月歩発展して行く
航空機の
修理に関してまでも一々
製造の方の
通産省でや
つてお
つたのでは、なかなかめんどうにな
つて来る、こういうことでありますので、そういう
建前から見ますると、
航空機製造法について私
どもの希望するのは、やはりお述べになりましたように、いわゆる助長育成のやり方を
法律の中に多く
規定しなければいけないのじやないか。それがお述べになりましたように、
規定がない第一に、こういう点についての御
意見を承
つてみたいのでありますが、この
法律は、
航空機を
製造しようという企業家は届出をすればよろしいという自由企業の
建前をと
つておるようであります。ところが自由企業の
建前をと
つておるが、その次の第六條以降におきまして、
製造設備等の
検査、これは六條、七條であります。
製造の確認八條、
修理設備等の
検査九條、
修理の確認十條、
航空機用機器、
製造設備等の
検査十一條、
航空機用機器
製造証明十二條、
使用の制限十三條、
修理設備等の
検査十四條、航空
工場検査官十五條、航空
工場検査員十六條、報告徴収及び立入
検査十七條、こういうふうに、届出制の自由企業の
建前をと
つておりながら、統制時代よりもつと強い、いわゆる
検査であるとか、証明であるとか、確認であるとか、こういうことに重きを置いておるようであるから、これではたして
製造をなさる企業家の
皆さんの側でうまくや
つて行けるという御自信があるかどうか。先ほどの
加藤委員の御質問に対しまして、大体断片的の
お話をお述べ願
つたのでありますが、こういうようなやり方でありますから、私
どもは、
安全性の
検査の
建前からの
検査をすれば、
製造の方向においては、二重行政になるような
検査は必要はないのではないか、こういう
建前のことを
考えておるのであります。今申し上げましたようなこと等について、
航空機製造法にあるような、こういうやり方でうまくや
つて行けるかどうか、端的に
お話を伺
つてみたいと
思います。これはでき上
つてしまいましたあとのことをお
考えにな
つて、ひとつ御
意見を伺わせていただきたい。どなたからでも
けつこうです。