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1952-03-08 第13回国会 衆議院 懲罰委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年三月八日(土曜日)     午前十一時三十八分開議  出席委員    委員長 眞鍋  勝君    理事 鍛冶 良作君 理事 高木 松吉君    理事 田渕 光一君 理事 石田 一松君    理事 石川金次郎君       佐藤 親弘君    古島 義英君       牧野 寛索君    梨木作次郎君  委員外出席者         議     員 柳澤 義男君         議     員 川崎 秀二君     ————————————— 三月六日  委員押谷富三君、小西英雄君、中川俊思君、福  田一君、山本猛夫君及び石田一松辞任につき、  その補欠として高橋英吉君、木村公平君、篠田  弘作君、古島義英君、森幸太郎君及び中村又一  君が議長指名委員に選任された。 同月七日  委員中村又一辞任につき、その補欠として石  田一松君が議長指名委員に選任された。 同月八日  委員木村公平君及び木村榮辞任につき、その  補欠として佐藤親弘君及び梨木作次郎君が議長  の指名委員に選任された。 同日  理事猪俣浩三君の補欠として石川金次郎君が理  事に当選した。 同日  石田一松君が理事補欠当選した。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  議員川崎秀二懲罰事犯の件     —————————————
  2. 眞鍋勝

    眞鍋委員長 これより会議を開きます。  お諮りいたすことがあります。本委員会理事は目下二名の欠員がありますので、その補欠を選任いたしたいと存じますが、これは先例により委員長に御一任を願うことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 眞鍋勝

    眞鍋委員長 御異議がなければ、石田一松君及び石川金次郎君、両君を理事指名いたします。     —————————————
  4. 眞鍋勝

    眞鍋委員長 去る三月四日、院議をもつて付託されました議員川崎秀二懲罰事犯の件を議題に供します。まず動議提出理由について説明を求めます。柳澤義男君。
  5. 柳澤義男

    柳澤義男君 ただいま議題になつております議員川崎秀二君を懲罰委員会に付する動議提出者として、その理由を御説明申し上げます。まず事実関係は、去る一月二十六日の本院の本会議におきまして、時あたかも国務大臣演説に対する質疑が行われようといたしておりましたきわめて重大な際に、改進党に属します川崎秀二君が、何ら議長許可を受けないで、かつて登壇いたしまして、あまつさえ九分間の長きにわたりまして、その演壇を占拠いたしました。そのために議場の紛擾をかもしまして、議事進行が妨害され、議院品位を傷つけ、秩序を紊乱いたしたのでございます。これに対しましては、当時私外一名からそれぞれ成規手続をふんで、懲罰委員会の議に付すべしとの動議を提出しておいたのでありますが、ようやく過日の本会議において、これが本委員会に付託を見たのであります。  まず私は、ただいま申し上げました事実につきまして——憲法は少くとも第五十八条によつて院内秩序を乱した議員を処罰することができる規定を設けております。またそれに基きまして、国会法が第十五章に懲罰規定を設けて、ことに百二十一条に「議員は、二十人以上の賛成で懲罰動議を提出することができる。」という規定がありまして、これに基いて手続をいたした次第であります。さらにこの事犯そのものは、衆議院規則第二百十一条の、「議員は、議院品位を重んじなければならない。」さらに具体的には第二百十七条の「何人も、議長許可がなければ演壇登つてはならない。」これらの規定に該当するものと信ずるものであります。なお本件は本会議場公知の事実でありまして、何らあらためて立証を必要としないものと信じます。  この事実につきまして、これを懲罰していただきたいという理由は、かよう議院秩序を紊乱する行動をこのままに捨てておくということになりますと、議会民主的運営をはばみ、議場神聖を冒涜する結果になりまして、その結果はきわめて重大なるものであります。あるいは本件については、議事進行のためだということも言われておりますけれども、たとい議事進行のためでありましても、それは必ず議長許可がなければならないことは、この議院規則の明らかに定めておるところであります。しかるに川崎君の場合は、特に私どもが按ずるに、むしろ議事進行に名をかりて、そしてかつて登壇したと考えられるのであります。かくのごときは、ことにきわめて老練な川崎君の場合において、そういうよう規定を知らなかつたとか、あるいは許可があつたものと思つたとかいうようなことは考えられるものではない。少くとも国会対策委員長をしておられ、かけひきについては常にきわめて老巧な立ちまわりをしておる同君でありまして、そういうよう弁解は私どもは許さるべきものではない。もしそういう弁解を一々許されるとしたならば、おそらくいかなる場合も本会議場演壇は、各派のそれらの同じよう理由をひつさげた人たちによつて常に占領、騒擾のもとになる。そんなことでは神聖議場秩序を保ち、民主的な発言を保障されるということはできません。でありますから、私どもはさようにこの問題を簡單には考えられないと思うのであります。  また一つ、少くともこういう明文がありまして、これにぴつたり該当する事実があります以上、ひとり改進党の川崎君にだけこの秩序維持の法規の適用を免除するという理由はない。もしそういうことになりましたら、法の公平厳正なる適用というものは望めなくなる。はなはだへんぱな取扱いになります。少くともこの非民主的な行動に対しては、違法性を阻却すべき何らの理由を発見しないのであります。  また情状酌量から申しましても、本件はあるいは相当もう期間が過ぎておるじやないかというようなことも言われますけれども、その間においてさえも、川崎君の態度に何ら改俊の情を現わしたものがない。私どもはその間、もとより重要議案審議いろいろありましたけれども川崎君の行動についていささかでも情状酌量の、いわゆる議場神聖を保持し、まじめに議案審議に当るという態度が現われるかどうかということについて十分監視して参りました。しかるに、かえつてむしろ反撥的に、やるならやつてみろといつたよう態度、はなはだ挑発的な、むしろ暴力的な言動さえもうかがわれた。私どもは、ことに予算審議委員会における行動などから見まして、情状つたく酌量すべき余地はない、少くとも反省の事実を知ることができません。ことに事案内容から情状をくむことができるかどうか。あるいは本人の本会議場における弁明では、黙つてつて許可のあるのを待つてつたのだと言うけれども無言で占拠しておる。しかも一分や二分ではない、約九分間、その間議長は次の登壇者であるところの小川半次君をしきりに呼び上げて、数次にわたつて小川半次君の登壇を促しておる。その間無言でこれを占拠しておるということは、おそらくよほどなれた、老巧な、むしろ悪質なやり方であるということを推認せしむるに十分でございまして、行動そのものから言いましても、情状酌量すべきものを何ら発見することができないのであります。  いやしくも国会国民の縮図である。八千万国民の魂の結集されておる神聖な場所である。これに対して、党の重要な役割に立つところの、いわゆる幹部をもつて任ずる者が、十分承知の上で、明文をもつて定められておるところの秩序を維持すべき規定も蹂躪して何ら顧みないということは、断じて許すべきことではない。議院品位のために、議場秩序を維持し、民主的な国会運営を期するために、私は断固これを懲罰に付していただきたいと思いまして、ここにお願いする次第であります。
  6. 古島義英

    古島委員 柳沢君にちよつと質問しますが……。
  7. 眞鍋勝

    眞鍋委員長 質疑あとで許します。
  8. 古島義英

    古島委員 今の提案理由でわかりませんから……。二十六日に懲罰事犯があつたのですが、いつこれは動議を出しましたか。
  9. 柳澤義男

    柳澤義男君 これは同日であります。
  10. 古島義英

    古島委員 そういたしますと、川崎君に対しては法律適用を免除する理由がないというのであるが、これはもちろんそうです。川崎君に対しても、だれに対しても、法律適用を免除すべきことではない。それと同様に、議長に対しても法律適用を免除する理由はないわけですね。そうでしよう
  11. 柳澤義男

    柳澤義男君 ええ。
  12. 古島義英

    古島委員 そうなると、議院規則の二百三十六条において、最も近い会議議題にしなければならぬということになつておる。そうですね。
  13. 柳澤義男

    柳澤義男君 ええ。
  14. 古島義英

    古島委員 そうすると、一月の二十七日から三月の四日までの間に本会議がありましたね。そのときに、議長にこれを議題にしないということは念を押しましたか。
  15. 柳澤義男

    柳澤義男君 念を押したかどうかですか。
  16. 古島義英

    古島委員 ええ。何がゆえにこれを議題にせぬか。
  17. 柳澤義男

    柳澤義男君 お答えいたします。それはしばしば念を押し、かつこれは議長といいましても、もちろん議院運営委員会取扱いでありましで、しばしば議題というか、交渉いたしております。しかしこの事犯が起りましたときは、ちようど時あたかも国務大臣演説に対する質疑の継続であつて従つてすぐにこれをどうこうするということに対しましては、議院運営上いろいろな理由があるようで、院内交渉が行われたようであります。それで、大体私どもは、その質疑及びそれに関連する予算審議が終了されてからこれが取上げられるということを聞きまして、納得いたしておりました。
  18. 古島義英

    古島委員 おなた方も承諾したのですか。
  19. 柳澤義男

    柳澤義男君 納得しておりました。
  20. 古島義英

    古島委員 そうすると、あなた方自身がこの二百三十六条に違反をいたしておるということになりますが、それはどうですか。
  21. 柳澤義男

    柳澤義男君 それはそうではありません。議長権限に属することを私どもが……。
  22. 古島義英

    古島委員 これは議長の義務ですよ。「最近の会議においてこれを議題としなければならない。」というのです。そのことができるというのじやありません。
  23. 柳澤義男

    柳澤義男君 そのことは、提案者に関することではありません。
  24. 古島義英

    古島委員 議題にしないことを承諾したというのですが、承諾したということになれば、この二百三十六条に違反することを承諾したことになる。
  25. 柳澤義男

    柳澤義男君 院内交渉において…。
  26. 古島義英

    古島委員 院内交渉であろうが、二百三十六条というものは、あなたが言う通り、何人に向つてもこの適用を免除するものじやございません。しかもいかに重要な会議があつても、最も近い会議の議に付さねばならぬ。
  27. 柳澤義男

    柳澤義男君 お答えいたします。私の考えを申し上げます。懲罰動議が出ましても、この規則取扱いについては、もちろん国会慣例がございます。懲罰動議が出ても、その模様によつて、必ずしもその瞬間に取扱わねばならぬとか何とかいうことはないのでありまして、慣例によつて、当然これは議運で上程される日を決定することになつております。結局院内におけるいろいろな議院運営の状況か判断されて、最もすみやかに議院運営委員会においてこれを取扱うという慣行になつております。ことにしばしば議題になりましたけれども野党諸君から、きようは都合が悪い、ぜひ延ばしてもらいたいということで延ばされるという場合も、しばしばあつたのであります。以上のような事実でありますが、いずれにしましても、今申しましたこの法律に違反するかどうかということは、これは提案者そのものには関係のない話であります。議長の問題については、私から弁明する必要はないのであります。
  28. 古島義英

    古島委員 柳澤君が今慣行になつておるというが、何議会の、だれの懲罰のときにそういうことがありましたか。これは私は承知しておりません。
  29. 柳澤義男

    柳澤義男君 議運で諮るという慣行は、常に行われております。いつの懲罰動議もみな議運で諮られております。
  30. 古島義英

    古島委員 少くとも次の本会議があるときにはこれを議題にせなければならぬ。することができるというのじやありません。二百三十六条を読んでごらんなさい。
  31. 柳澤義男

    柳澤義男君 その点お答えいたします。それは私のこの提案理由説明には関係のないことであります。
  32. 古島義英

    古島委員 だから、慣行があるというのなら、いつの議会の、だれの懲罰のときにそういうことがありましたか。
  33. 柳澤義男

    柳澤義男君 その慣行は、いつの懲罰のときでもこれは当然行われております。
  34. 古島義英

    古島委員 そんなことはありません。
  35. 柳澤義男

    柳澤義男君 ですから、その点は議院運営慣行の問題であつて、私のただいまの提案理由説明とは何らの関係はございません。
  36. 古島義英

    古島委員 いかなるものについてもこの法律に違反するというのならば、何ゆえにそういうことをしたかということを、議長弁明をまたねば、この事件を進めることはできぬと思います。提案者は、提案理由とは違うと言うから、しからば議長が何ゆえに出さなかつたか。ほかに重要な法案があつたとか、重要な会議があつたという理由だけでは、この法律を無視することはできぬのです。これは衆議院規則ですから、規則を無視した議長というものは、これこそ不信任せなければならぬ。
  37. 高木松吉

    高木(松)委員 今古島委員の言われるとと、われわれがこの懲罰事犯をこの委員会に付託せられて……。     〔「何の発言か」と呼び、その他発言する者多し〕
  38. 高木松吉

    高木(松)委員 議事進行について発言します。今古島委員の言われることは、われわれ懲罰委員会に付託された本件審議とは別個に取扱われる問題だろうと思いますわれわれは付託されたから、ただちにこれを取上げて、懲罰委員会に付託されたこの案件に対してのみ審議するのであつて議長手落ちとか、それから議長議院法に反するとか何とかいう問題については、われわれは権限がないと思う。従つて本件について審議を進めていただきたいと思います。
  39. 眞鍋勝

    眞鍋委員長 お諮りいたします。この事件は……。     〔「今の問題に関連して議事進行」と呼ぶ者あり〕
  40. 眞鍋勝

    眞鍋委員長 だめだめ、許さぬ。委員長発言しておる……。(「委員長横暴」、「発言中だから黙つて聞け」と呼ぶ者あり)今の高木君の御発言のごとく、委員長は本委員会に付託されまして、そうして諸君を招集してやつておることでありまして、吉島君のことは、この委員会関係がないことでありますから、議長なり委員長会議にお諮りを願いとうございます。
  41. 古島義英

    古島委員 あなたの御宣告で承知いたしましたが、この時効起算点がいつになるかということが問題です。柳澤君は当日出したというのであるが、もし議長が、三日過ぎてからそういうものを拝見いたしたので、本会議に付することができなかつたということの証言でもあるということになれば、もう時効にかかつたということになつてしまう。柳澤君が当日、即時に出したというのでありますが、いやしくも老練なるあの林君がこの二百三十六条を無視するはずがない。そこで二百三十六条を承知しておるにかかわらず、これを本会議議題にしなかつたということは、見なかつたから出さなかつたと私は善意に解するのであります。そうすると時効にかかつておるか、かかつていないかという問題につきまして、時効にかかつておるということになれば——これは別問題だといつても私ども審議いたしたところ、後日これが時効にかかつたものだということになれば、審議したことが全部むだになつてしまう。そこで審議の前提は、この基礎が明確であり、そうしてこれを取上げたことが、なるほど手落ちがなかつたということをきめねば、本題が議題にならぬと私は思う。この点を御注意願います。
  42. 眞鍋勝

    眞鍋委員長 委員長よりお答えしますが……。「(議事進行発言を求めておる」と呼ぶ者あり)委員長発言するからお黙りなさい。(「そんなばかな話があるか」と呼び、その他発言する者あり)発言は計さぬ。委員長言つてからにせよ……。(「それでは不信任だ」と呼ぶ者あり)古島君にお答えします。本件はこの委員会適法として付託され、私が命令を受けてやつておるのでありますから、これが適法であるやいなやということは、決して本委員会の関するところでないが、私承つておるところによりますれば、この事件適法なるがゆえに、この委員会に付託されたものと解します。のみならず柳澤君が発言したごとく、もし本事業案が、あなたのいう二百三十六条に違反しておるならば、議院運営委員会においてすでに論議さるべきことであつて議院運営委員会とすれば、私も傍聴しましたが、延びておるけれども、決して閑却したわけではない。野党の方から、この間もどうか——ここにおる石田一松君も知つておる。どうかひとつ延ばしてくれと言つて延ばしたのでありますけれども、決して委員会において不適法のものを取扱つておるのではありませんことと私は解します。でありますから、どうかこの件は適法のものとして論議していただきたい。それから……。
  43. 田渕光一

    田渕委員 関連して……。
  44. 眞鍋勝

    眞鍋委員長 関連質問を許す。
  45. 田渕光一

    田渕委員 同僚古島議員から……。(「委員長不信任が出ておるのだ」と呼ぶ者あり)関連しているから、これが済んでから……。     〔「不信任が出ておるのだ」と呼ぶ者あり〕
  46. 眞鍋勝

    眞鍋委員長 黙つておすわりなさい。
  47. 田渕光一

    田渕委員 同僚古島議員から、衆議院規則二百三十六条をたてにとられてお話がございましたが本員はしばしば懲罰動議を提出した経験がございます。もちろん古島先輩は、長い議会生活の御経験があるからお話でありましようが、私は少くとも懲罰事犯の起つた瞬間に——懲罰動議を三日以内に出さなければ時効になるということを先輩から教えられ、指導をされたことを記憶しております。三日以内、すなわち即日出しておるのであります。これを事務局に提出し、事務局がこれを議運に諮つております。ところが当時改進党の方から、何とか取下げてもらいたいとかどうとかいう妥協が申し入れられておつたのであります。かような意味で決してこれは時効とかどうとか、議長運営取扱いに関する問題ではありません。本委員会は本委員会として、川崎君の懲罰事犯審議すればいいのでありまして、どうもその点は私には納得できないのであります。委員長から古島同僚議員にこの点をもう一応御明確に願いたいのであります。
  48. 眞鍋勝

    眞鍋委員長 議事進行上、私が便宜徹底するように申し上げますが、本件適法として本委員会に付託されたのでありまして、これを今田淵君が、適法であるから委員長において宣告してくれと言われますから、重ねてここに適法であることを宣告いたします。(「発言一つも許しはしないじやないか」と呼び、その他発言する者あり)順序があるからしかたがない。(「もう不信任が出ておるのだ」と呼び、その他発言する者あり)委員は自分の席に着いて下さい。(発言する者あり)順序があるから……。梨木君、それでは君の発言を今許します。
  49. 梨木作次郎

    梨木委員 大体今古島委員から、議事進行に関しての重要な発言があつたわけです。そこでこの古島委員発言は、本懲罰事犯の審理の進行に関してきわめて重大であります。これは古島委員が指摘されておるように、もしもこの懲罰事犯時効にかかつておるということになりますならば、これはいくら審議してもむだになるわけであります。しかも提案者説明しておるように、これはすでに動議が出されてから当然議長が最も早い機会に本会にかけなければならないのが、そのままずるずるべつたりに延期して来ておつたことは提案者も認めておるのであります。ところでこの提案者は、それは提案者責任ではない、それは議院運営委員会の従来の慣行によつているのだ、こう言われますが、しかし私は議院運営委員の一人でありまして、よくその事情を知つております。大体これが出されたときには、すでに提案者がおらないということで、自由党からきようはこの審議は延期しましよう、こうなつて来ておる。一度こういうことがありました。この事案が出された直後間もない委員会におきましては、当時の民主党の椎熊委員からいろいろこの問題について弁明がありましたが、それがあつた以後は、これは全然議院運営委員会にかかつておりません。提案者からこれを本会にかけてくれという発言が何らなされていないのであります。これは運営委員会議事録を見れば明白であります。これは議院運営委員会に一ぺんかかつたのでありますから、議長はすでにこの懲罰動議が出されておるということを知つておる。それ以後におきましては、提案者からもこれを本会議にかけてくれという申入れもないし、また議院運営委員会では全然これが審議されないで、最近になつて、つまりこの予算通つてから、行政協定の調印がなされてから、われわれから見ますれば、党利党略の具に供するがごとくこれが本会議にかけられたというのが、事実であります。従いまして、これは明白に時効にかかつておるのであります。従つてこれを……。(「三百代言的なことを言うな」と呼ぶ者あり)君たち時効という言葉を知らないのか。一つ懲罰事犯というものが起りましたならば、これは懲罰事犯というものがあつてから三日以内に出さなければならぬ。規則がそうなつております。なぜこういう三日の期間内に出さなければならないかということは——秩序を乱されたというこういう事態が、これが長らくそのまま本会にかけられないままに続いて来ておるということは、すでに少しも事犯として問題にし得ないようなことだからである。従つて諸君自身がそれを証明しておるではないか。こういう観点からいたしまして、この古島委員提案はきわめて重大でありますから、この点を明白にしない限り、この議事運営をすることはきわめて不適切であるということを私は申し上げたいのであります。
  50. 鍛冶良作

    鍛冶委員 議事進行に関して……。私はこの委員会でかよう議論の出ることはふかしぎ千万であると思います。提案者が出した、出した以上は議運でかけてくれなかつたら本会議にかからない。そんなことは議運で言うべきことで、この委員会に何ら責任がない。議院運営委員会において、なぜかけなかつたか、不法だというならいざ知らず、われわれ懲罰委員会は、本会議にかかつて、送られなかつたらやりたくてもやれない、来たからかけてやる。提案者としても出した以上は、議運審議してくれなかつたらどうにもならない。それは当然です。そういうことは議運議論することで、この委員会でさよう議論はすべからざるものであります。ただちに進行を願います。
  51. 眞鍋勝

    眞鍋委員長 この際——古島君より質疑があり、柳澤君より答弁がありましたが、今鍛冶君より説明があつた通り、本委員会におきましては、これは適法なものとして了承したのでありまして、すでに柳澤君の説明があつた以上は、この次は川崎君の一身上の弁明を許すことになつております。
  52. 石田一松

    石田(一)委員 私は今まで議事進行だからだまつてつたのですが、質問があるのです。
  53. 眞鍋勝

    眞鍋委員長 それではこれはあとまわりにして、あなたに発言を許します。
  54. 石田一松

    石田(一)委員 私はちよつと提案者質問したいのでありますが、過日本会議場においてなさいました提案趣旨弁明と、本委員会におきまして、ただいま柳澤君がなされた趣旨弁明とは——もつとも私の直接聞いた感じにもよるのかもしれませんが、何か内容において異なつたところ、また時間の点においても相当長短がある、こう思うのでありますが、その点はいかがでありますか。
  55. 柳澤義男

    柳澤義男君 ただいま御質問の本会議趣旨弁明と、この弁明と違うということでありましたが、私、一字一句を読まなかつたというだけでありまして、一字一句朗読しなかつたけれども内容においては少しも違いがありません。よく御検討を願います。
  56. 石田一松

    石田(一)委員 そういたしますと、先般の本会議提案者がなされた提案趣旨弁明というそのときの速記録の写しが、事務当局から資料としてわれわれに渡されたのでありますが、この本会議速記録に基いてこの懲罰動議を進めて行き、あなたにお聞きしても、これはただいまの委員会発言と同じものとしてこれを受けていただけますか。
  57. 柳澤義男

    柳澤義男君 もちろんさようでございます。
  58. 石田一松

    石田(一)委員 そういたしますと、ただいま古島委員からちよつと質疑の形式で、議事進行ような形になりましたけれども、その問題について、先般提案者自身が本会議における提案趣旨弁明の中ごろにおいて言つておる。「あるいは野党諸君は、本件はすでに問題が発生してから一箇月以上も経過しているではないかなぜそれほど重大ならば、もつと早く出さなかつたかと言うかもしれない。しかし、諸君、この問題が起つてから今日まで予算審議が行われており、川崎君のような改進党の鬪将を懲罰によつて審議に加わらせなかつたとあつては、川崎君の暴力的な威力に恐れてからめ手からこれを封じたとも宣伝されたらばかばかしいし、かつあまり数も多くない改進党から、川崎君ほどの代表的人物を、委員会から締め出してしまうということもどうかと思い、さらにまた、われわれもただいたずらに同僚議員懲罰すればよいのではないから、その後の態度が、この事犯に対して強く反省され、まじめに議案審議に当るかどうかをわれわれは注視し、いわゆる情状酌量の余地があるかどうかを監視しておつたのであります。」以下云々とありますが、ただいま古島委員からおつしやつたことについて、先ほど来あなたがおつしやつていることと——会議における提案趣旨弁明の中で、一箇月以上も提案が遅れた説明をあなたはされ、この理由でもつて一箇月も遅れたのだということをおつしやつているのですが、これは決して運営委員会の問題でもなく、提案者自体の趣旨弁明でなされたことなんです。そういたしますと、これはちよつと問題が違うのではないかと思いますが、提案者はこれに対してどう考えておりますか。
  59. 柳澤義男

    柳澤義男君 提案いたしましたのは一月二十六日、事件の当日であります。国会法第百二十一条の「事犯があつた日から三日以内にこれを提出しなければならない。」という成規手続を経たわけであります。この意味におきまして、提案者といたしましては、国会法の定める通りに当日出しております。ただ私の本会議における説明は、その後における自分の気持を申し上げたのであつて、これは提出の日を遅らせたものではありません。三日以内に提出しておりますことには何らかわりはない。提出がなされましたら、どのように取扱うかは、もとより議長及び議院運営委員会の断ずるところでありまして、私が心の中で、情状酌量の余地ができたら取下げようと思つておろうと、なかろうと、それを議長議院運営委員会が待とうか待たないかということとは、関係のないことであります。ここに私が説明してありますのは、私の気持を申し上げたものであります。しかしながら、提案の期日というものは当日であります。その後における取扱いに私の容喙すべき余地は少しもありません。従つて議長及び議院運営委員会取扱いにおまかせする以外にはないのであります。
  60. 石田一松

    石田(一)委員 今の説明は何だか私にはわからないのですが、それほど大切な懲罰問題を、なぜ一箇月以上も経過するまでほつておいたのかという野党諸君質問があるかもわからぬ、そういうことを考えるかもしれないが、これについては、これこれしかじかであると、あなたが川崎君を懲罰委員会に付すべしという動議趣旨弁明の中で公式に発言されておる言葉なんで、これがあなたの気持であつて、この懲罰動議が提出されて、後に、これが議題となることが遅れた説明ではなくて、私の提出だけは合法的に三日以内になされたのだ、だから、これは私の気持だから、遅れたのは、これに関係なく、議運でやつたのだというのでは、何だかこの提案趣旨の説明そのものがあなたの個人的意思によつてなされているような、実に不愉快な感じを受けるのですが、その点はそれで一応聞いておきましよう。しかし、あなたはそうおつしやいますが、今問題になつているのは——動議を提出するのは、事犯があつてから三日以内であつて懲罰動議が提出されたときには、衆議院規則の二百三十六条で、議長はすみやかにこれを会議に付さなければならぬ。これは今古島委員から指摘されたのですが、今私があなたに申し上げているのは、何も事犯が起きた当日から三日以内に出したか、出さぬか、それを聞いておるのではない。出されてから後に今日まで一箇月間延引して理由説明を、あなたが本会議でこういうふうになさつておるが、これが事実であるのか、こう聞いておる。だから、あなたがこれを認めるとおつしやるならば、これは私の気持だけで、議運とは全然関係がないという説明では、私には受取れないので、提案趣旨弁明説明の中に、あなたの気持であろうと何であろうと、これがある以上は、これが動議が出されてから今日まで一箇月間も延びた原因であるかどうか。提案趣旨弁明の中にこれがあるので、そうでしようと聞いておるのですから、そうですと、まつ正面からそう御返事があるものと私は思つたのですが、いかがですか。
  61. 柳澤義男

    柳澤義男君 それはあなたの御判断は御随意でありますけれども私は法規の定むる通り提案をし、しかも残念ながら議長ではありませんから、どのように取扱うかは私の権限内ではないのであります。しかしながら、これは提案趣旨弁明でありますから、何も議長の腹を言つているのでもなければ、議院運営委員会の腹を言つているわけでもない。私の気持は、野党諸君がそう言うであろうけれども、一箇月もたつてその間に十分反省しておつたら、私はこれを取下げるような考えも持つておりました。しかし全然そういう反省の事実もない以上、私はがんとしてこれを維持するのだという意味でありまして、私が動議提出者としての考え方を申し述べているのであります。議運議長に何にも関係のない、つまり私がこれを承認したから時効なつたとか、これを承認したから取扱いが遅れているとか——私が取扱うのではありません。私の腹の中は、提案者趣旨弁明でございますので、それとは違いますから、どうぞ……。
  62. 眞鍋勝

    眞鍋委員長 今理事の人に集まつてもらつて相談した結果、きようは午後本会議がないから、食事を済ましてやろうということもあつたが、きようは、この前の約束に従つて川崎君の一身上の弁明を聞いてから、それで散会することになつたのであります。そこで柳澤君に対する質問は、後日また時間がありますから、そのときにお願いしたいと考えますが、いかがでございましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 田渕光一

    田渕委員 議事進行——古島委員動議の提出によつて、いかにも党利党略で出したがごとき御感想を受けたようでありますが、そうではありません。少くとも提出者は、規則の命ずる通り三日以内、すなわち当日出しているのであつて、これが事務当局に提出され、それがまた議院運営委員会にかけられ、議院運営委員会は、さる日、同僚石田委員梨木委員とも御列席の上で、多数決をもつてこれを懲罰委員会に付すべしという採決をいたしまして、本会議の採決を経、適法にまわつているということをこの際明瞭にしておいていただきたい。これに何ら一点の疑義はございません。この点を議事進行で申し上げておきます。
  64. 眞鍋勝

    眞鍋委員長 お諮りいたします。提案者に対しての質疑は、今石田君に言つた通りであります。この際川崎君の一身上の弁明を許すことにしたいと思いますが、いかがでございましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 眞鍋勝

    眞鍋委員長 御異議なしと認めます。
  66. 石田一松

    石田(一)委員 ただいまお聞きのように、本会議における提案者提案趣旨弁明と、この委員会における提案趣旨弁明とは、もちろん同じでなければならぬというのじやありませんが、提案者自身も認めていらつしやるように、一字一句同じじやなかつたけれども、読んでもらえばその意味においては、ほぼ同じなん、だ、こういうことをおつしやつているのであります。事実上私どもも聞いていて、何か違つた点もあり、またつけ加えられた点もある、こういうふうに考えるのです。それでこれはまことに事務当局としては煩瑣なことではあると思うのですが、本会議における柳澤君の提案趣旨弁明をここにいただきましたかのと同じように、本委員会における提案者提案趣旨弁明というものも資料として委員会に提出されれば、私たち審議上まことに好都合だと思いますので、これをひとつお願いいたします。
  67. 眞鍋勝

    眞鍋委員長 さつそく事務当局にこしらえさせます。  速記をとめてください。     〔速記中止〕
  68. 眞鍋勝

    眞鍋委員長 速記を始めてください。本人の一身上の弁明を許すことにいたしました。川崎秀二君。
  69. 川崎秀二

    川崎秀二君 懲罰委員会が開かれまして、私の懲罰案件に対する御審議が行われておるようでありますが、事の善悪、合理、非合理は別にいたしまして、懲罰委員各位にたいへんお手数をかけておることは、はなはだ不徳のいたすところであります。   本日は主として一月二十六日、施政方針演説の第二日目におきまする私の議事進行に関する発言の経緯を中心にして申し上げて、正当なる御判断にお訴えをいたしたいと思います。  この議事進行発言内容は、先般も本会議の壇上におきまして一身上の弁明をいたしました際に申し上げましたるごとく、施政方針演説質問が開始されまして二日目に、当日われわれ所属をいたしておりまする改進党並びに野党各派の間におきまして、現在提出中の昭和二十七年度一般会計予算案は、財政法に違反をしておるという問題が提起をせられました。よくこの問題を分析をいたしてみますると、今回提出をされました予算書なるものは、去る二十六年の十一月二十七日に衆議院を通過いたしましたる財政法の改正案が、参議院で成立することを見越して、その新しい財政法によつてあらゆる款項目を整備をいたしまして出して来たところの予算書であつたのであります。御存じのごとく予算書にいたしましても、あるいはその他の議案にいたしましても、出て来る議案予算書なるものは、新法によつて出すべきものではなくして、成立以前においては当然旧法によつて出して来て、そうしてその後において新法が成立をいたしましたときには、新法によつて修正案を出すというのが従来の国会慣例であります。従いまして、野党連合といたしましては、衆議院は通過をいたしましたものの、目下衆議院において——目下とは一月二十六日であります。参議院において審議中の財政法に基いて出して来たところの予算書は明らかに旧財政法に背反をしておるし、また同時にこの改正なるもの、憲法違反の疑義の問題を引起しておりましたほど政治的に重要な問題でありますから、私は議事進行についての発言を求めたのであります。  いま少し深く当時のいきさつを申し上げますと、野党連合では、当日午前十時三十分から会議を開いておりまして、議院運営委員会にこれをかけて、そうして正式の手続として、運営委員会の御了承をも得て議事進行発言をなす手はずをきめておつたのであります。しかるところ当日の議院運営委員会は、いつもよりは非常に早く開かれておつたような状態でありまして、すでに野党連合のきめました議事進行発言に関する正式の要求を議院運営委員会にかけるいとまなく、午後一時の会議は開会をせられたのであります。その際、私は議場内交渉係をしております同僚椎熊君に頼みまして、でき得れば事前に自由党の賛成を得ておきたいということを申しました。椎熊君は議場内に入るに先だつて、自由党の責任者と交渉せられたようであります。椎熊君のお話を聞いておりますと、自由党の議事に関する係の方も、これはきわめて重大な問題であるから、当然議事進行発言を許すべきではあるが、本日は議事日程がすべてきまつておるのであるから、ただちにこれを許すというわけにはいかぬから待つてくれというような話合いで、野党側と自由党側の話合いがつかぬまま会議は開会せられたのであります。少数党といたしまして、話合いがつかぬこの状態においては、やはり正式の手続をふんで議長のもとに議事進行発言を求める以外には方法がない、こういうふうに考えましたので、私ほか改進党並びに野党各派の連名をもちまして、議事進行発言代表者川崎秀二の正式の手続議長の手元に差出しました。会議が開会されまして、正式の手続でありますから、従つて当然私の発言は許さるべきものと解釈をいたしておりました。議長は開会をせられますと同時に、議事進行に関する発言川崎秀二君から出ておる、こういうことでありました。私は議事進行を叫び、また同時に議場内交渉係の数名の諸君並びに改進党の多くの諸君は、議事進行に関する発言が出ておるということを叫んでおりまして、やや騒然となりましたが、議事進行に関する発言が出ておりますと言われたものでありますから、従つてこれは許されたものと思いまして、登壇をいたしたのであります。登壇をした後に、議長の申されておることを聞いておると、議事進行に関する発言が出ておるけれども、これは適当な時期に許しますということであつて、そうして議長指名しておる発言者は小川半次君、つまり施政方針演説第二日目の先頭の発言者を招請せられておるようであります。しかし私としましては、正式の手続をふんで、そうして衆議院規則第百二十九条に、「議事進行に関する発育は、議題に直接関係があるもの又は直ちに処理する必要があると認めたものの外は、これを許可する時機は、議長がこれを定める。」と書いてありますように、われわれの考え方といたしましては、当日の議題は施政方針演説に対する質問であり、施政方針演説というものは総予算の提出と同時に行われたものでありますし、また総理大臣の演説に次いで行われたところの大蔵大臣の演説は、予算案の説明であつたことはまぎれもない事実であります。従いましてこれは直接に議題関係があると判断せられるものでありますし、またその根拠によつて私は議事進行を求めたのでありますから、従つて議長のおとりさばきの方が、実際上は間違つて、おるというふうに考えましたので、登壇をしたまま議長がこれを御撤回なさることを私は待つてつたのであります。ただいま提案理由説明に立たれました自由党の柳澤さんの御説明に従うと、その間九分間だつたそうであります。そのうちに議場内交渉係の改進党の代表者と、自由党の議場内交渉係の間にいろいろ紛糾もあつたようであります。話合いがつかなかつたようであります。しかし九分間経過した後におきましては、当時議長の横に登壇しておりましたわが党の椎熊君の発言によりますと、話合いがついた、後刻発言を許すということでありますので、私はこれは衆議院規則百二十九条によつて許されておる国会議員の発言、つまり議事進行発言がすべてのものに優先しなければならぬという、このこととは違つてはおりますけれども、しかし院内において妥協がついたということでありますならば、これ以上議事が遷延をされることは不適当であると思いましたので、降壇をいたしたわけであります。その後小川半次君の質問が終つて、これに対し各大臣の答弁があり、そのあとで私は発言を許されると思つておりましたところ、議長は、すべての質問者の終つた後にこれを許すという御宣言がありまして、一月二十六日すべての質問者の質問が終り、総理大臣並びに国務大臣の答弁が終つたあとで、私は議事進行発言を許されて、財政法背反のこの問題について大蔵大臣との間に質疑応答をかわしたわけであります。  経緯はさようの経過をたどつてつたのでありましてこれを簡単に要約いたしますと、私の議事進行発言議題と直接に関係あり、かつ予算案の審議に重大な関連を持つ発言であります。もしこれを一月二十六日にしなかつたならば、予算案は委員会に付託をせられておりまして、委員会における論議しかできかねるという状態であります。私はこの予算書が財政法の違反を犯しておるという事柄から、従つてこれを受理したところの議長の見解を求めたのでありますから、この時期以外に適当なる時期はなかつたのであります。従いまして適時かつ適法発言であることは間違いがないものと今日もなお信じておる次第であります。当時自由党の議場内交渉係も、重大なる発言であり、議事進行発言として適法であるということを認められた結果、ただちにはお許しになりませんでしたが、野党各派の交渉係と妥結をせられた結果、当日最後に議事進行としてこれを妥協せられたわけであります。従いまして私といたしましては、これは懲罰事犯にかかるべきものでないという考え方を今日も持つておるわけであります。  なおこの発言が、結局問題としてはどういうふうに発展したかといいますと、御存じのように、この発言に関連して起りました今回の予算書の違法問題は、いろいろの角度から衆議院でも論及をせられました。しかし結着としていかなることになつたかといえばこれは憲法違反の疑義はあつたけれども、財政法の改正は憲法違反ではないということで、この点は明確に両院の審議が一致をしたのであります。しかしながら、私が提起をいたしました予算書の内容は財政法の背反を犯しておるという方の問題は、大蔵大臣が一月二十八日社会党の川島金次君の質問に対しまして、予算書は元来旧法に基いて提案すべきが正当であつて、新法に基いて提案することは好ましくないことである、しかし前例もあることであるからお許しを願いたいということで、野党と與党との了解がつき、その後参議院におきましては、継続費の問題は憲法違反の疑義はないけれども、しかし原案のごとく永年度にわたつて支出することができるということはきわめて不適当である、少くとも年限を切るべき必要があるというので、継続費は五箇年間に限つてこれを支出することができると規定をされ、なお次の国会で修正することがあれば、これを修正することができるという規定まで設けられて、当時私が発言しましたことの内容は、輿論ともなり、また参議院の議ともなつて、遂に修正を見たのであります。その修正は衆議院に送付をされて参りまして、さきに衆議院としては——今日から申しますれば、はつきりと申し得ることは、昨年の十一月二十七日大蔵委員会通り、本会議を通つた際においては、確かに衆議院として、うかつな、また見のがした欠点を二月二十一日訂正をされまして、継続費の問題は遂に片がついたのであります。従いましてこれらの経緯から見ましても、また議事進行発言そのものから見ましても、適時かつ適法、かつまた該予算書の違法に関する問題も、われわれの主張の、ごとく国論が定まつたというふうに考えをいたしておる次第であります。  以上が私の一身上の弁明であります。先般本会議議場におきましては、提案者から、その他の事項、たとえば私の挑発的行為などというものに対して御発言があつて、私もまた本会議場におきましては、これに対して政治的な弁駁をいたしましたけれども、本日はこれに触れるべきでないと思いますから、事案そのものについて私の一身上の弁明をいたした次第であります。
  70. 眞鍋勝

    眞鍋委員長 本日の会議はこの程度にとどめまして、明後十日は午後一時より委員会を開会して審査を継続することといたします。  なお、本人及び関係議員の出席説明を求める必要がありますが、その手続委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  71. 眞鍋勝

    眞鍋委員長 御異議がなければその通り決します。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時五十四分散会