○立花
委員 行政機関は決して大学の
研究機関ではありませんので、單に理論的な問題から出発して、机上の
研究をやらしておるものじやないと思う。だから地方
制度調査会で扱われる府県の
合併の問題、あるいは道州制の問題は、もつと具体的に、行政上のいろいろな具体的な問題から出発して行かなければならないのじやなかろうか。そういうものを持
つておられるのかどうか。私はどうもそれがないのではないかと思う。吉田総理の何か思いつきの
ような一言によ
つて、こういうものが調査される。そういうために地方
制度調査会がつくられるというのでは、これは国民が納得できませんし、
政府自身が言
つております行政簡素化とは、おそらく縁が遠いものじやないか。しかも
政府では、大体今までの調査の
結論が出て、
地方自治法の
改正案を出しておるのだからということを聞きますと、なおさら私は地方
制度調査会が必要ないのじやないかと思いますので、その点をもつと具体的に明白にしていただきたいと思います。社会情勢の変化、交通機関の変化とか言われますが、交通機関はあまりかわ
つておりません。飛行機もほとんど使えないのですから。社会情勢の変化によ
つて、なぜ道州制が必要なのか。どういう社会情勢の変化が出ておるから、道州制が必要であり、府県の廃合が必要であるということが、具体的に出て参りませんと、何か漠然たる見通しで、個人の思いつきで、こういう
制度がどんどんつくられましては、
政府機関の私物化と言わざるを得ないと思いますので、この点は十分御考慮願いたいと思います。
それから、時間の
関係上、他の
質問は明日に譲りまして、重要な点だけをひとつ聞いておきたいと思います。
行政協定の問題ですが、
地方自治法にもあります、また私
どもが審議しております公営企業の問題ですが、行政協定にあります地方の公営事業を占領軍が優先的に使用するということについては、
政府内部にも異論が出て参つた。一体向うが優先的に使用するというのはどういうことなのか、そういうことを許していいのかどうか、しかも行政協定の
規定では、非常の場合でもありませんし、また特に問題が起つた場合でもありませんので、彼らは日本におります以上は、繕えず彼らがいついかなるときでも、優先的に利用するという
規定なのか。こういうことは非常に困るんじやないか。日本の
政府あるいは日本の地方公共団体の利用を越えて、さらにそれよりも優先的に向うが利用できるということは、これはおかしいと思いますし、地方の
住民も、これには納得できないと思う。しかもその費用が地方
住民から主としてまかなわれて行くという形にな
つておる。独立採算制がとられまして、その費用はほとんど
住民の負担によ
つてまかなわれておる。しかもそれを外国軍隊が優先的に利用することができるとな
つて参りますと、これは問題だと思う。しかも聞くところによりますと、東京のバスなんかは、最初に投下いたします固定資産、設備資金、こういうものも実はバスの料金でまかな
つて行こうという
ようなことがとられておりまして、おそらく独立採算制になり、そういう基本的な固定資産に対する投資が、料金でまかな
つて行かれますと、バスの料金あるいは市電の料金、水道の料金は莫大に値上りせざるを得ない。しかもそういう市民の負担において経営しております自分たちの企業が、外国軍隊に優先的に使われることにな
つて参りましては、これはだれのために金を出しておるのかわけがわからぬと思いますが、この問題は
政府で問題にな
つておるのかどうか、あるいは
自治庁としては、こういう
規定に対してどうお
考えにな
つておるか、その点を明白に承
つておきたい。