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1952-02-21 第13回国会 衆議院 地方行政委員会 第9号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十七年二月二十一日(木曜日) 午前十一時十一分
開議
出席委員
委員長
金光
義邦君
理事
大泉 寛三君
理事
河原伊三郎
君
理事
野村專太郎
君
理事
門司 亮君 川本 末治君 佐藤 親弘君
前尾繁三郎
君
吉田吉太郎
君 鈴木 幹雄君 藤田 義光君 大矢 省三君
立花
敏男君
大石ヨシエ
君
出席政府委員
内閣官房長官
保利
茂君
総理府事務官
(
全国選挙管理
委員会事務局
長) 吉岡 惠一君
国家地方警察本
部警視長
(
刑事部長
)
中川
董治
君
委員外
の
出席者
参 考 人 (
警視総監
)
田中
榮一君 専 門 員 有松 昇君 専 門 員 長橋 茂男君 ――
―――――――――――
二月十九日
国会議員
の
選挙等
の
執行経費
の
基準
に関する法 律の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第三五 号) の
審査
を本
委員会
に付託された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した
事件
ポツダム宣言
の
受諾
に伴い発する
命令
に関する 件に基く
全国選挙管理委員会関係
諸
命令
の
廃止
に関する
法律案
(
内閣提出
第七号)
ポツダム宣言
の
受諾
に伴い発する
命令
に関する 件に基く
警察関係命令
の
措置
に関する
法律案
(
内閣提出
第八号)
国会議員
の
選挙等
の
執行経費
の
基準
に関する法 律の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第三五 号)
治安状況
に関する件 ――
―――――――――――
金光義邦
1
○
金光委員長
これより
会議
を開きます。 まず去る十九日に本
委員会
に付託されました
国会議員
の
選挙等
の
執行経費
の
基準
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。まず
政府
より
提案理由
の
説明
を聴取いたします。
保利政府委員
。
保利茂
2
○
保利政府委員
ただいま
議題
となりました
国会議員
の
選挙等
の
執行経費
の
基準
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
の
提案理由
並びに
内容
の
概略
を御
説明
申し上げます。
国会議員
の
選挙等
の
執行経費
の
基準
に関する
法律
は、
国会議員
の
選挙
、
最高裁判所裁判官
の
国民審査
及び
日本国憲法
第九十
五條
の
規定
による一の
地方公共団体
のみに適用される
特別法
の制定に関する
住民投票
の適正かつ円滑な
執行
を確保するため、国において負担することにな
つて
おりますこれらの
選挙等
の
執行経費
で都道府県及び市町村に交付する
経費
の
基準
を定める目的をも
つて
、
昭和
二十五年に制定されたものであります。 この
法律
は、
昭和
二十五年六月
執行
の
参議院議員通常選挙
を初めとして、数府県に
執行
されました
国会議員
の
補欠選挙
及び再
選挙並び
に熱海市、松江市等における
日本国憲法
第九十
五條
の
規定
による
住民投票等
約二十件の
選挙
及び
投票
の
経費
について適用されて参りましたが、
本法施行
後の物価及び賃金の騰貴は、とうてい法定の
基準
による
経費
ではまかない切れない
状況
とな
つて参
りましたので、
規定
の整備を要する若干の事項とともに、ここに
改正
することといたしました次第であります。
改正
の
内容
について申し述べますと、第一点は、
本法施行
後、公務員の
給与基準
が、六千三百円ペースであ
つた
ものが七千九百八十一円
ベース
及び一万六十二円
ベース
と二度にわた
つて
改訂されまた昨年暮れには
鉄道旅客運賃
、
郵便料金
、
電信電話料金
及び
電気料金
も改訂され、さらに
用紙
、
燃料等選挙執行
に必要な物資の価格も、相当騰貴いたして参りましたのに伴うものでありますが、
選挙事務
の
執行
に支障のない限り
節約
をいたすとともに、その
事務
の
執行
にもくふうをして、
経費
の
増高
を避ける趣旨をもちまして、
経費
の
基準算出
の
基礎
とな
つて
おります
内容
について検討いたしました結果、
節約
によ
つて
もなお補うことのできない
選挙事務従事者
の
超過勤務手当
、
選挙事務執行
のための旅費、
通信費
、
電燈料
、
薪炭費
、
用紙
、
ガソリン代等
について改訂の必要を認めまして、これら
人件費
、
物件費
の変動を織り込んで
経費
の
基準
を
改正
いたしました。 第二点は、
公職選挙法
の一部
改正
が行われまして、
選挙
に関する届出時間の
改正等選挙事務
の態様にも多少の変更がありました。その結果
経費
の
基準
についても検討をする必要が生じたのであります。 第三点は、
本法施行
後の実績にかんがみまして、特に市及び区において要します
事務費
を増額いたす必要が認められますので、新たに
経費積算
の
基礎
を
規定
いたしました。 なお、
参議院議員
の再
選挙
または
補欠選挙
を
執行
いたします場合の
経費
を算出する方法を明確にする等
現行法
では運用上疑義のある点について若干の
規定
を整備いたしました。 なお、
昭和
二十七
会計年度
において
執行
を予定されております
衆議院議員
総
選挙
の
執行経費
は、この
改正案
に基き算定し、別に
予算案
に計上いたしておりますが、それによりますると、
衆議院議員
総
選挙
に要する
経費
の
総額
は十四億五千二百余万円となり、うち、
地方公共団体
に交付いたします
委託費
の額は、
最高裁判所裁判官国民審査
の
執行
に要します
経費総額
四千二百余万円のうちの
地方委託費
四千十七万一千円を含めて十二億四千五十万六千円とな
つて
おりまして、これを
昭和
二十四年一月
執行
の
衆議院議員
総
選挙
及び
最高裁判所裁判官国民審査
の
執行経費
のうちの
地方委託費
九億一千五百十五万三千円に比べて三億二千四百余万円の
増加
となり、
昭和
二十五年六月
執行
の
参議院議員通常選挙
における
経費
の
地方委託費
九億六千九百八十九万三千円に比べて二億七千余万円の
増加
となります。 以上がこの
法律案
を提出いたしました
理由
及びその
内容
の
概略
であります。何とぞ慎重御審議の上御賛成あらんことをお願い申し上げます。
金光義邦
3
○
金光委員長
本案
に対する
質疑
は
次会
より行うことといたします。 ――
―――――――――――
金光義邦
4
○
金光委員長
次に
ポツダム宣言
の
受諾
に伴い発する
命令
に関する件に基く
全国選挙管理委員会関係
諸
命令
の
廃止
に関する
法律案
を
議題
として
質疑
を続行いたします。
質疑
はございませんか。――なければ
本案
に対する
質従
は、これをも
つて
終局いたすことといたします。 ――
―――――――――――
金光義邦
5
○
金光委員長
次に
ポツダム宣言
の
受諾
に伴い発する
命令
に関する件に基く
警察関係命令
の
措置
に関する
法律案
を
議題
といたします。
質疑
を続行いたします。
質疑
はございませんか。――なければ、
本案
に対する
質疑
はこれをも
つて
終局することといたします。
次会
に
討論採決
を行いたいと思います。 ――
―――――――――――
金光義邦
6
○
金光委員長
これより
警察
に関する件について
調査
を進めることといたしたいと思いますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
金光義邦
7
○
金光委員長
御
異議
なければそのようにいたします。
立花敏男
8
○
立花委員
警察関係
で
調査
をやられるのはけつこうだと思いますが、どなたか来ておられますか。私前会から
警視総監
の
出席
を要求してお
つたの
ですが、その点はどうな
つて
いますか。
金光義邦
9
○
金光委員長
ただいま
中川刑事部長
が見えているそうでありますが、
田中警視総監
を
参考人
として
出席
するよう要求中でありますから、この際暫時休憩いたします。 午前十一時二十二分休憩 ――――◇――――― 午前十一時四十四分
開議
金光義邦
10
○
金光委員長
これより再開いたします。
警察
に関する件について
調査
を進めることといたします。この際お諮りいたしますが、最近の
治安状況
について
参考人
として
田中警視総監
より実情を聴取することにいたしたいと思いますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
金光義邦
11
○
金光委員長
御
異議
なしと認めます。さよう決します。
富士銀行千住支店行金強奪事件
につき、
田中参考人
より
説明
を伺います。
田中参考人
。
田中榮一
12
○
田中参考人
御指名によりまして私から去る十八日千住に起りました
富士銀行千住支店行金強奪事件
につきまして、
概略
を御
説明
申し上げたいと存じます。 二月十八日午後三時十五分ごろとおぼしいころ、
富士銀行千住支店東口通用門
に
白人
の
米兵
らしい
服装
をした者でありまして、まだ
米兵
であるか、シヴイリアンであるか、その点が
十分確認
はされていないのでありますが、とにかく
白人
二名と
日本人風
の男、これも日系の
米人
であるか、二世であるか、
日本人
であるか、それも
確認
されていないのでありますが、とにかく
白人
二名と
日本人風
の男、三名を乗せた一台の
ジープ
が立ちどまるとみるや、この
日本人風
の男、これは
ちようど年令
二十五、六才で、レイン・コートを着して
白マスク
をかけてお
つた
と見られておりますが、
南口
から――
ちようど銀行
は午後三時に
表門
を締めまして、一般のお客の入るのを一応とめまして、中で整理をいたしておるのでありますが、
ちようど
三時十五分ごろ、
南口
の
よろい戸
を半分ほどおろしてお
つた
そうであります。そこへ
よろい戸
をくぐりまして四十五ミリ
口径
の
拳銃
を携えて、まず構内に侵入いたしたのであります。そしてただちに五分間ほど静かにしろとどな
つたの
であります。そして手を上げろということで、
行員
は非常に驚愕してうろたえているところへ、さらに他の二名――
白人
二名であります。一名は三十才ぐらいで、背の高さが五尺五寸ぐらい、コールマンひげをはやしてお
つた
そうであります。いま一人は三十才前後で、これは少し背が高うございまして、五尺八寸ぐらい、非常に好男子であ
つた
そうであります。これが、
東口通用門
といいますと、道路から
ちよ
つと入
つた裏口
から入れるようにな
つて
おりますが、それも
口径
四十五ミリの
拳銃
をかまえて侵入いたしました。その中の一名がつかづかと
黒田支店長
のもとに歩いて来て
ホールド・アツプ
をさせまして、うち一名の者が
行員
を脅迫して金庫に案内させて、格納されておりました約二百八十四万円ほどを
強奪
、これを持参しました
ズツク製
の袋に急いで詰めました。またその
日本人風
の男は
出納係
の机上にあ
つた
現金
五万六千円を
強奪
、ポケツトに入れて逃げたのであります。この際に
石橋秀子
という女の
行員
がすぐ机の下にありました
非常ベル
を鳴らしまして――この
非常ペル
は
千住消防署
に通じてお
つたの
であります。これを三回ほど鳴らしたわけであります。
千住消防署
の
水村消防手
ほか一名が火災が起
つた
と直感しまして、急いで
現場
に参りまして、まず
水村消防士
が
よろい戸
をくぐ
つて
中に入
つた
とたんに、今言いまして
日本
へ風の男に
ホールド・アツプ
を命ぜられまして、いかんともすることができなか
つたの
であります。そしてその三人は、金を詰め込むと同時に、急いで
東口
から
ジープ
に乗
つて逃走
をいたしたのであります。当時この
水村消防士
らが火事と思るて飛んで来たために、その
付近
にお
つた人々
が、何事ならんと
思つて銀行
前に集ま
つて
来たのであります。そこで
犯人
らは、その道を明けさせる意味におきまして、威嚇的に
拳銃
を一発発射いたしまして、
ジープ
の窓をぶち抜いておるのであります。そして
銀行
からさらに左折いたしまして、間もなく右折して
西新井橋方面
へ
逃走
いたしたのであります。この
拳銃
を威嚇発砲したために、
民衆
が非常に驚きまして、そのうちの一名が、そこから約一千メートルほど離れておりました
警察
に、かけ足で事の急を通報いたしたのであります。そこで
警察
といたしましては、ただちにその場にありました
ジープ
に数名の
制服警察官
が搭乗いたしまして、その車を運転して
銀行
に
行つたの
でありますが、その際にはもうすでに
逃走
した
あと
であ
つたの
であります。 それからいま一つ、その
銀行
の
表門
の
電車通り
をへだてた前に、現在
パトロール員
の
連絡所
があるのでありますが、この
連絡所
にお
つた
。
パトロール員
が見てお
つた
けれども、手をむなしゆうしたというようなことが言われておるのでありますが、これはそうでなくして、
ちようど
ここは大師道の
駐在所
ということにな
つて
おりまして、常時
巡査
は無配置にな
つて
おります。そして
パトロール員
が
パトロール
から帰
つて
来て、異常があ
つた
とかないとかを
電話
によ
つて本署
に
連絡
する場所にな
つて
お
つたの
であります。
ちようど有阪部長
と
峯巡査
の二人が
パトロール
から帰
つて参
りまして、その
駐在所
に帰りついたところが、
銀行
の前に人だかりがしておるので、どうしたのかと思
つて
いるところに、
民衆
の一人が、こういうことがあ
つた
ということを
知らせ
てくれたのであります。両
巡査
は驚いて、急遽その旨を
本署
にとりあえず
電話
で通報をしたのであります。そして
民衆
に、今
ジープ
が逃げたその方向はどつちかと
言つた
ところが、千住大橋の方に向
つて逃走
したという
知らせ
があ
つたの
で、たまたまそこを通り合せました
トラツク
に頼みまして、その
トラツク
に便乗いたしまして、この有
阪部長
が追跡いたしたのであります。ところが先ほど申し述べましたごとくに、
ジープ
は間もなく右折して
西新井橋
の方に
行つたの
を知らずに、そのまま一直線に行きましたために、全然
ジープ
の姿を発見することができませんので、むなしく手をこまねいてまた
銀行
までもど
つて参
つたよう
な
状況
でございます。従いまして、二人の
警察官
が手をむなしゆうしてお
つた
というのではなくして、時間的にもかような誤差がありましたので、この点を御
説明
申し上げておきたいと思います。 それからさつ
そく現場
を視察いたしまして、同時にまた
米人
が加わ
つて
お
つた
ということによりまして、ただちに
CID
にも
連絡
いたしますし、また
CID
からも
調査
官が参り、
本部
からも
捜査官
が参りまして、現在
千住署
に
捜査本部
を設けて、
CID
と
警視庁
の
捜査本部
とが
共同捜査
をいたしておるような
状況
でございますが、ただちに
管下
全体に
手配
をいたしますと同時にまた車輌によ
つて逃走
いたしておりまするので、
近県方面
にも
手配
をいたしまして、ただちにこうした
自動車
が来た場合には、すぐこれをとめてもらいたいと
手配
いたしたのであります。これより先、昨日のいろいろの
調査
によりますと、
現場
から二キロ半ほど離れておりました
省電
の前に、
ちようど
この一時半ころから三時近くまで、
ジープ
と
高級車
が二台とま
つて
お
つた
という
目撃者
が二、三名出て参
つたの
であります。そしてその
ジープ
には
目撃者
が見たような
風てい
の男が、三人乗
つて
お
つた
ということがわか
つて参
つたの
であります。 それから当日の午後三時半ごろ、
西新井橋
から上手に
江北橋
というのがございますが、その
江北橋
の
付近
を
警羅中
に、
最初ジーブ
が走
つて参
りまして、
あと
から
高級車
が参りまして、
江北橋
の手前に来たときに、
高級軍
がサイレンを鳴らしたところが、前の
ジープ
が急停車しましたので、その
高級車
は追い抜いてこれまたとま
つて
、そして
ジープ
の中から二人の者が出て
高級車
に乗りかえて
行つたの
を、
西新井署
の
佐々木巡査部長
が
警羅中
に目撃いたしておるのであります。そしてその後
佐々木部長
は、
ちようど
そこに
ジープ
が乗り捨てられましたので、おかしなことであるというので、一応
ジープ
の
番号
を記録しておきまして、巡視の帰途、
西新井警察署
のある派出所に立寄
つた
ところが、今かような
緊急手配
があ
つた
ということで、ただちに
佐々木部長
は、それではあの
ジープ
に違いないというので、また
現場
に参りまして、その
ジープ
がまだ遺棄されていることを
確認
したのであります。その際に
佐々木部長
が瞬間的に、別にこうした
犯罪
が起るものとは全然予感なくして一応見てお
つた
ために、その
高級車
がどういう
番号
であ
つた
かということは、はつきり記憶いたしていないのでありまするが、同
部長
の目撃した瞬間に受けた
感じ
からいたしまして、あるいは五一年式のダツジまたはプリムスではないかと一応想像できるのでございます。それでこの
犯行
は私どもの見方としましては、相当専門的にこうしたことを前々から計画いたしておりまして、
千住等
は
中小商工業者
の多いところでありまして、三時ごろになると
現金収入
が
銀行
にある。場所的にも
ちようど
手ごろであるということから、
千住銀行
を選んだのではないかと一応想像されるのであります。
従つて
、前前からこうしたことが計画的に敢行されたのではないかと考えております。ことに
犯人
がいずれも手袋を着用いたしまして、指紋を
現場
に残さないようにしておることによ
つて
も、相当専門的に考えておる
犯行
と考えます。 なお
犯行
に使用いたしました
ジープ
は、去る十七日午後十一時ごろ都内の築地の
東劇
前において、
盗難
にかか
つた
ものでありまして、
逃走
の際前面だけのナンバーをとりはずしてお
つたよう
であります。また
高級車
も
盗難品
と一応考えられるのであります。ただ新聞にも発表されました二―二三八八という
番号
でありますが、これも二ダツシユぐらいまでは
確認
されておるようでありますが、
あと
が二三八八であるか二三三八であるか、その辺がまだしつかり
確認
をされてないのであります。またこうした
番号
は、場合によ
つて
はいつでも自由にとりかえられることにな
つて
おりますので、この
高級車
の
番号
のみをたよ
つて捜査
することは、非常に危険を来すことになるのであります。 それからなお
CID
と
警視庁
並びに各県の
自治体警察
、
国警
と緊密なる
連絡
を保持いたしまして、近く
モンタージユ写真
を――この
銀行
内の
目撃者
の
談話
、受けた
感じ等
を詳細に多数の人から聴取いたしまして、それによ
つて
最も正しいと認められる
モンタージユ写真
を、これはもうすぐできると思
つて
おりますが、これを
CID
並びに
警視庁管下
はもちろんのこと、
近県方面
にも配付いたしまして、これによ
つていろいろ捜査
をいたしたいと考えております。
犯人
はこの乗りかえた
高級車
に乗りまして、
西新井
、
埼玉方面
に
逃走
した疑いがございまするので、主としてその
方面
に
相当手配
をして、厳重に
捜査
をいたしております。十九日十一時ごろ栃木県の日光町
小西旅館
に、夜中の三時ごろ
米人
二名が
日本人
一名をつれてセダンの
自動車
で宿泊した事実を探りまして、これを
CID
で
調査
いたしたのでありますが、その後
伊香保方面
に走
つた
という
知らせ
があ
つたの
で、これも
CID
において、また地元の
警察
において
調査
いたしましたところが、くだんの
自動車
とは全然違うことが
確認
をいたされたのであります。 なお
本件
の
調査
といたしましては、あるいはホテル、
旅館
その他
売春婦等
の線からも、いろいろと
調査
をいたしておる次第であります。現在
MP司令官
が
全国
の
MP司令官
に向
つて手配
をして、相当厳重に
調査
をせられておると思いますし、また
警視庁
を中心にいたしまして、
全国
の
国警
、自警に緊密なる
連絡
をとりまして、現在
調査
をいたしておる次第であります。
犯罪
の発生並びにその後の
経過状況
は、大体以上のようなものであります。それからなお
本件捜査
にあたりまして、いろいろ
日本
の
裁判官管轄権
につきまして問題があると思いますので、
本件
につきましては念のために申し上げておきたいと存じます。
昭和
二十五年十月十八日付で総
司令部
より、民事、
刑事裁判権
の
行使
に関する覚書が、
日本政府
に送られておるのであります。 その中に
日本
の当然正当なる職権を持つ
官公吏
、これは
警察官
並びに
警察吏員
でありますが、これが
占領軍要員
は左の
二つ
の事情が同時に存在する場合に
限つて
、
日本
の
法律執行当局
によ
つて
逮捕
されるということにな
つて
おるのであります。その一つは
占領軍警察官
が
現場
に現に居合せない場合、
占領軍警察官
といいますから、これは
MP
であります。
MP
が
現場
に現に居合せなか
つた
場合、それから第二は、
身体
に対する
危害
または
財産
に対する重大なる
損害
を含む
犯行
、
身体
に対する
危害
と申しますのは、何か物をも
つて
傷害を与えるとか、強姦をするとか、あるいは射殺せんとするというような相当重大なる
危害
でございます。こうした
身体
に対する
危害
または
財産
に重大なる
損害
を含む
犯行
あるいは
犯行
のおそれのある場合、これらの
二つ
の
状況
のもとにおきましては、
日本
の
警察官
といえどもつかまえることができろのであります。そのつかまえる対象は第一は、各国の
連合国
の軍隊の
構成員
、第二は、
連合国人
にして
占領軍
に公に付属する者またはこれに付随して
占領軍業務
に服する者、第三は、公務を帯びて
日本
に在住する
連合国人
、第四は、以上の者に随伴する
親近家族
及び被
扶養者
、これらの者が現に今申しました
二つ
の場合におけるような状態において
犯罪
を行いまた行わんとする場合においては、
日本警察官
といえどもこれを
逮捕
することができる、かようにな
つて
おります。
従つて
今度の
富士銀行
の場合を考えてみますと、
軍人
のような
服装
をしてお
つた
ということでありますが、かりにこれが
軍人軍属
であると一応いたしておきまして、その場合におきまして、もし
日本警察官
がその場に
行つた
場合におきましては、
占領軍警察官
が
現場
に現に居合せておりません。それから場合によ
つて
は
身体
に
危害
もあるかもしれない、また
財産
に対する重大なる
損害
を含む
犯行
のおそれある場合ということにも該当いたしますので、当然これは
現行犯
として
日本
の
警察官
が
逮捕
できるのであります。なお今申しました四つのものに該当しない者つまり
軍人軍属
及びその
家族
にあらざる者につきましては、当然
日本
の
警察官
によ
つて犯罪
の
捜査
をし、また
令状
によ
つて
これを
逮捕
することができるという解釈をと
つて
おるのであります。また現に
令状
によ
つて軍人軍属
にあらざる者を
逮捕
した実例も持
つて
おるような次第であります。 そこで
富士銀行支店
におきまする
犯行
は、すでに本人らは逃げておるのでありまして、逃げておりますと、これがいわゆる
現行犯
ということでなくな
つて
、非
現行犯容疑者
ということにな
つて参
るのであります。現にこれが
軍人
、
軍属
であることがはつきりしておりまするならば、当然これは一応
占領軍
の
警察
によ
つて
逮捕
せねばならぬ。それからまたこれが
軍人
、
軍属
にあらざるものであるとするならば、これは当然
日本
の
警察
によ
つて捜査
、
逮捕
ができて、もし
逮捕
せられた場合におきましては、ただちに身柄をもよりの
占領軍当局
に引渡さなければならぬということに相な
つて
おります。
従つて
現在のところ
目撃者
の
談話
、
証言等
からいたしますると、
軍人
のような
服装
をしてお
つた
というのでありまして、
軍人
であ
つた
かあるいはふつうの
米人
が
軍人
のような
服装
をしてお
つたの
であるか、その辺りが十分に
確認
をいたされてないのであります。
従つて
現在のところあるいは
軍人
であ
つた
ならば、当然これは
占領軍警察官憲
によ
つて
逮捕
されねばなりませんし、またそうでない場合には、
日本
の
警察官
の
令状
によ
つて
逮捕
できるのでございます。まだその辺は十分に
確認
をされておりませんので、万全の
措置
を講じまして、現在
占領軍警察当局
並びに
日本警察当局
が緊密なる
連絡
をとりまして、いわゆる
合同捜査
ともいう態勢を整えて、現在
捜査
に鋭意
努力
をいたしておるような次第でございます。
金光義邦
13
○
金光委員長
これより
田中参考人
に対して
質疑
を許します。
河原伊三郎
君。 〔
立花委員
、「
委員長
、
委員長
」と呼ぶ〕
河原伊三郎
14
○
河原委員
本件
は
全国
民に、はなはだしき衝撃を与えましたところの重要な案件でありまして、
連合軍
が現在の……。 〔
立花委員
、「
委員長
、不公平だ」と呼ぶ〕
金光義邦
15
○
金光委員長
公平にや
つて
おります。御着席を願います。
河原伊三郎
16
○
河原委員
本件
に関しまして、現在の
警察力
が足りないことから、こういうことにな
つたの
か、また
日本人
でないからつかまえなか
つたの
かという点について、大きな疑惑を持
つて
おるわけでありまするが、
田中警視総監
は、
日本人
であ
つて
も捕縛は困難であ
つた
か、
日本人
でなか
つた
から
逮捕
されなか
つたの
か、この点について、いかようにお考えにな
つて
おるか伺いたいと思います。
田中榮一
17
○
田中参考人
お答えいたします。もちろん
犯人逮捕
に対する
警察官
の心構えといたしましては、相手が
日本人
であろうが。また
日本人
にあらざるものであろうが、
犯人
を
逮捕
する気持、またその熱意、
努力
につきましては、何らかわりはないのであります。ただ
日本人
である場合とそうでない場合との区別は、先ほど私が
説明
いたしましたごとくに、
捜査権
の
行使
の上におきまして、
進駐軍要員等
については、その
逮捕
の場合における
條件
が、非常に制限をされておりまする
関係
もありますので、この点
捜査
の上においても若干不便、不利を来す場合があろうと思います。しかしながら現在
占領軍警察当局
も非常な熱意をも
つて
、むしろ
日本
の
警察
と競争的に今双方において
捜査
に最善の
努力
をいたしておりまするので、今の段階におきまして、
犯人
が
日本人
であるからどうだ、
日本人
にあらざる者であるからどうだということはなかろうと、私は考えております、やはり同じような能力において
犯人逮捕
ができるものと確信しております。
河原伊三郎
18
○
河原委員
そういたしますと、
日本人
によ
つて
同じような
事件
が白昼今後もたびたび繰返されるおそれが、現在の
警察力
をも
つて
してはあるのだ、こういうふうに解してよろしいのでしようか。その点を伺いたい。
田中榮一
19
○
田中参考人
とかくこういう
事件
は類は類を呼ぶおそれがあるのでございまして、今までの経験によりますると、ある特殊の
犯罪
が行われますと、それに類似したような
犯罪
がただちに模倣的に行われるというような可能性が非常に多いのであります。実は十六日に京都市内におきまして、やはり
銀行
ギヤングが起
つたの
であります。そしてそのことを聞きましてすぐ次の十七日に
警視庁
幹部と協議いたしましてただちに
銀行
その他の金融業者、その他こうした
犯罪
の行われ得ると想像できるようなところに
連絡
をとりまして、何らか今後の防犯
措置
を講じようじやないかとい
つて
、いろいろ計画中に、たまたま十八日にこういう
事件
が起りまして、私自身としましても、偶然こうしたことが起
つた
ということに対しまして、非常に驚いておる次第でありまして、
警視庁
といたしましては、こうした
事件
が今後起るかもしれぬといういろいろの心配からいたしまして、ただちに都下の
銀行
業者に
連絡
をとりまして、現在防犯的
措置
を講じてないようなところに対しましては、
経費
を惜まずにただちに防犯的
措置
を講ずる、と申しますのは、
非常ベル
を設置するとか、あるいはまた何らかほかの方法によ
つて
銀行
の構内のこうした設備をさらに完備するとい
つたよう
ないろいろな防犯
措置
を講ずるように、ただちに
連絡
をと
つて
おるような次第で、将来ともこうした
事件
の起らないように、われわれとしましては万全の
措置
を講じたい、かように存じております。
河原伊三郎
20
○
河原委員
ただいま日米行政協定が結ばれようとして、その交渉中と聞いておるのでありますが、
本件
の直接な
関係
といたしまして、この行政協定に対しまして、治安確保の第一の責任者である
参考人
は、特に
本件
によ
つて
感じ
得られましたところにより、こういうふうなことはぜひともこの行政協定に織り込む必要があるとい
つた
ふうな特別な
感じ
を持たれた点はありませんか。もしあるとすれば、そういう点を承りたいと思うのです。
田中榮一
21
○
田中参考人
今回の
事件
は、
ちようど
たまたま行政協定が結ばれる直前に起りました
事件
でありまして、この点われわれはあらゆる点におきまして考えさせられることが多々あるのでございます。先ほど私が申し述べました
昭和
二十五年の十月十八日付のメモランダムでございますが、こうしたことはもちろんのこと、さらに具体的に申し上げてここで意見を発表するまでには至
つて
おりませんが、これよりもさらにいま少し広く解釈いたしまして、いま少し一般
民衆
の生命、
身体
、
財産
の保護が確実にできるような
警察
権の
行使
の方法が協定されれば、非常に都合がよいと考えております。ただいま私がここで、しからばどういうふうにするかということにつきましては、今までの経験を生かしまして、十分に研究いたして、
国警
なり、また法務府なり、さような面とも十分に緊密な
連絡
をとりまして、適当なる案を作成いたしました上で、
措置
を講じたい、かように考えております。
河原伊三郎
22
○
河原委員
わかりました。
金光義邦
23
○
金光委員長
ただいま
立花
君より
委員長
不信任の動議が提出されましたので、一身上のことでありますから、本席を
野村專太郎
君に讓ります。 〔
委員長
退席、野村
委員長
代理着席〕
野村專太郎
24
○野村
委員長
代理
委員長
の指名により私が
委員長
の職務を行います。ただいま
委員長
不信任の動議が提出されておりますから、これを
議題
として議事を進めることにいたします。 まず提案者よりその趣旨の
説明
を聴取いたします。
立花敏男
25
○
立花委員
この問題は非常に重大な問題だと考えまして、
事件
が起きました日に私は
警察
にも参りました、消防署にも参りました、
銀行
までも参りまして調べて参りました。で、すぐこの地方行政
委員会
にもその旨を伝えまして、特に
田中参考人
の
出席
を要求いたしました。
理事
会でも発言いたしまして、
理事
会の同意を得まして、その手続をと
つた
わけです。ところが前回の
委員会
には
理由
が不明確のまま、
田中警視総監
の
出席
がなか
つた
わけです。非常に重大な問題でございますし、まだ
犯人
が
逮捕
されるに至
つて
おりませんので、
委員会
の
調査
を特に必要と考えておりましたところが、今日幸いに開かれましたので、
警視総監
の再出頭をまたお願いいたしまして、
警視総監
が出て参られておりましたので、
警視総監
に承りますと、まだ手続が完了しておらないということでございましたので、あらためて
委員長
にお願いいたしまして、手続をと
つて
いただいた、こういうふうに、私の方といたしましては、最初からこの問題を
調査
し、特に
理事
会に持ち込み、あるいは
委員長
に話しまして、この問題を私の方から質問いたしたいということを了解を得てあ
つた
わけです。しかるにこの
委員会
が開かれますと、私の質問が最初に拒否されまして、
警視総監
の
説明
がまず始まり、それも私、がまんいたしておりました。私が質問のために、その了解のもとに呼んでいただいた
警視総監
に、私の質問がなくて、総監の
説明
から始まり、しかも私に対して何ら事前の了解がない。非常に不満だ
つたの
ですが、私はその点も黙
つて
見てお
つた
わけです。私といたしましても、当然質問に入ります前には、
警視総監
の
説明
を私の方から求めるつもりでお
つたの
ですが、何ら了解なしにそういうやり方をされる、これも非常に不満でした。
従つて
そういう
警視総監
の一般の報告が終りましたなれば、当然呼んでいただいた私の質問を許していただけるものと思
つて
おりましたところが、そういう意味で最初に私が発言を求めましたのに、私より
あと
で発言をお求めにな
つた
河原君に発言が許される、しかもその前に
委員長
は決してこの発言の通告を、文書によ
つて
、あるいは口頭で
委員長
に申し出ろということを言われておりませんし、もし申し出るにいたしましても、先ほどから申し上げておりますように、前回の
委員会
から、私は特に
警視総監
を呼んでいただいて、質問するということを申し入れておるので、当然そういう
措置
はと
つて
いただかなければならないと思うのです。こういうことで発言の制限が
委員長
によ
つて
行われておりますし、また
警視総監
がここにおられることも、
委員長
の言によりますと、十二時過ぎまでということを言われておりまして、もうほとんど時間がないわけなんです。そういたしますと、私が前からそういう形で問題の重要性を訴えまして、せつかく来ていただいた
警視総監
に私が質問する時間がほとんどないわけです。こういうことになりますと、何のために
警視総監
を呼んでいただいておるのかわからぬわけです。こういう議事の運営をなさることに対しましては私は非常に遺憾です。だから
委員長
の席へ行
つて
、
委員長
の反省を求めたのですが、
委員長
の反省がありませんので、やむを得ず
委員長
不信任の動議を出しまして、今までの経過を明白にし、
委員長
の
委員会
運営の不公平をただすという方法をとるのもやむを得ないと考えましたので、私は
委員長
の不信任を出したわけであります。
野村專太郎
26
○野村
委員長
代理 暫時休憩いたします。 午後零時二十八分休憩 ――――◇――――― 午後零時三十二分
開議
野村專太郎
27
○野村
委員長
代理 これより
委員会
を再開いたします。 ただいまの動議に対しまして、討論を省略して、ただちに
立花
君の動議について採決いたします。
立花
君の動議に対しまして、賛成の諸君の起立を願います。 〔賛成者起立〕
野村專太郎
28
○野村
委員長
代理 起立少数。よ
つて
同君の動議は否決されました。
金光委員長
にかわります。 〔野村
委員長
代理退席、
委員長
着席〕
門司亮
29
○門司委員 議事進行について……。きようの問題について、私は議事の進行上ひとつ将来の問題を考えていただきたいことは、きようの
田中
総監に来ていただきまして、事情を聴取するということは、実は公報には載
つて
いないのであります。
従つて
公報に載
つて
おりませんことが、たまたま
警視総監
がおいでにな
つて
、しかもそれは前日来からの要求に基いてきようおいでにな
つた
ということでありますので、
従つて
こういう問題が将来勃発しないとも限らぬわけでありまして、公報に載
つて
いることについての発言は、おのずから前も
つて
予告することもできますし、また通知することも当然できますけれども、こういう公報に載
つて
おらないようなことが行われる場合の発言の順序その他がありますので、この
委員会
の将来の運営の一つの方法として、発言はやはりあらかじめ
委員長
の手元へ通告をして、当日の問題はその通告順によ
つて
一応行うというようなことにでも、ひとつきめておいていただきたいのであります。今の
立花
君のお話もそうだと思う。大体従来の慣例からいいますると、通告したこともあればしないこともあるのであ
つて
、大体順序として、質問を持
つて
おいでになる方に質問が許されて、それでスムースに行
つて
お
つた
わけでありますが、こういう問題が起
つて
来るということになると、一応議事の取扱い方について、ぎこちないようでありますが、一つの区分をきめておいてもらいたいと思います。しかるべく
委員長
においておとりはからいを願いたい。
金光義邦
30
○
金光委員長
ただいまの御発言の御趣旨ごもつともでありますから、
理事
会に諮りまして、適当な処置を講じたいと思います。
立花敏男
31
○
立花委員
別にむずかしい規則をつく
つて
いただかなくても、私はいいと思います。常識的にや
つて
いただいたらいいので、その点は私決して機械的な決定を求めるものではありません。しかし今回の
事件
のように、初めから私がお話をし、私が
警視総監
をどれだけ待
つて
お
つた
かということは、通告以上に
委員長
にわか
つて
お
つた
はずですが、それが許されないで、ああいう形でやるということは、非常にぎごちないものがありますので、そういう形でなしに、だれが見ても常識でわかるような、円満な
委員会
の運営をお願いいたします。
金光義邦
32
○
金光委員長
了承いたしました。
質疑
を続行いたします。
立花敏男
33
○
立花委員
警視総監
にお尋ねするのですが、現在では
米兵
であるか、あるいは
米兵
以外の者であるか、言葉をかえて言いますと、
日本
の
警察
が
逮捕
できるものであるかできないものであるか、不明であるというふうに総監の言葉は聞かれるのですが、そうなんですか。
田中榮一
34
○
田中参考人
お答えいたします。当時
富士銀行支店
内におきまして、目撃した者の
談話
を聴取いたし、それからさらに
ジープ
がとま
つて
お
つた
ときに目撃した者の目撃談を総合して考えてみますると、
軍人
のような
服装
をしてお
つた
という言葉でありまして、
軍人
であるかどうか、その辺が非常に今のところ確信を持
つて
、米
軍人
であるということが、今言えないわけであります。そこでもし
軍人
でないといたしまするならば、これは当然十月十八日付の覚書によりまして、
軍人軍属
でなければ、
日本
官憲によ
つて
いつでもこれは容疑者として
逮捕
できるわけであります。しかるに今のところ、
軍人
らしい点もあるというような点が、非常に
捜査
上混同されまして、万一の場合を考えましてまた
MP
側も、もし
軍人
であ
つた
場合においては、もしそれがために
日本
官憲が
逮捕
の機を失するようなことがあ
つて
はいかぬ、かような趣旨から、今
CID
側においても、もし
軍人
であ
つた
ならば、自分の方で出てやるからというので、
全国
に今
手配
をいたしまして、そして米軍側とそれから
日本
警察
側とが、おそらく各県におきましても、同様に相当緊密な
連絡
をと
つて
、今双方で
捜査
を続行している、かように考えております。
立花敏男
35
○
立花委員
そうなりますと、
警視総監
の言葉は、
千住署
長の言葉と同じように、
逮捕
していいかどうかわからないということにな
つて
来ると思います。たとえばそこに
犯人
がおるとした場合に、
警視総監
はそれを
逮捕
してもいいかどうかわからぬのですか。
田中榮一
36
○
田中参考人
これが
軍人
、
軍属
にあらざる者であることが
確認
をされておりましたならば、
日本
警察
がただちにこれは
逮捕
できるだろうと思います。ところが現在のところ、いまだ
犯人
が
確認
されていないのであります。そこでかりに
軍人
、
軍属
でありましても、何のなにがしであるということがはつきりわか
つて
おりますれば、そしてこういう者を
逮捕
しろというようなことがはつきりしてお
つた
ならば、米
占領軍
の
警察
当局から、これこれの者を指名
手配
しているから、この者ならばただちに
逮捕
すべしという
命令
または指示がありました際には、これは
日本
警察
といえども、その者を見たならば、すぐ
逮捕
できるであろうと思います。ただそれも今のところ、何のなにがしであるということがわかりませんし、またそれが
軍人
であるかシビリアンであるかということが、米軍当局にもまた
日本
警察
にもわか
つて
いないのであります。そのために
捜査
の機を失してはならぬというので、現在のところ双方が出てや
つて
おります。これがもしシビリアンであるということがはつきりおか
つて
お
つた
ならば、
占領軍当局
は手を引いて全部
日本
の
警察
にまかせるだろうと思います。ところがそれがはつきりわか
つて
いないために、
占領軍警察当局
も出て、現在一緒にや
つて
おります。もし
犯人
とおぼしき者がお
つた
ならば、ただちに
占領軍警察当局
も一緒に出て
逮捕
しよう、こういうことにな
つて
おります。
立花敏男
37
○
立花委員
あなたはきのうの参議院の地方行政
委員会
で、現在
犯人
を
逮捕
できるのは、
佐々木部長
一人だけであるとおつしや
つた
という記事がきようの朝日新聞に出ておりますが、
犯人
は
自動車
で逃亡いたしましたので、
全国
どこへ行
つて
おるかおそらくわからないと思うのですが、
全国
十数万の
警察官
がおりましても、現在
逮捕
できるのは一人しかないのだということになると、これはま
つた
く困ると思うのです。しかもその
犯人
がいつピストルを持
つて
目の前に出て来るかわかりませんが、それを
日本警察官
が
逮捕
できないということでは、何のために莫大な国費を使
つて捜査
をや
つて
いるのか。あなたの話を聞きますと、
モンタージユ写真
までつく
つて
、
国警
、自警が全部動員されてや
つて
おるということになると、非常に重大な問題ですし、莫大な費用もいると思いますが、その十数万の
警察官
の中で
佐々木部長
一人だけしか
逮捕
できないで、ほかの
日本
の
警察官
は
逮捕
できない、こういうことになりますと、とんでもないことだと思いますが、総監の言葉を聞いておりますと、そう解せざるを得ないと思う。きようの新聞にも、総
司令部
のスポークスマンが発表いたしておりますように、東京管区だけで三百人の脱走兵がある。この連中が
犯行
の大部分をや
つて
おるというような記事が出ておりますが、その連中が
犯行
をやり、しかもそれをつかまえることができないということになると、これは非常に重大な治安上の問題なんで、こういう点をどうお考えにな
つて
おるか。それから
CID
の方にも、この
富士銀行支店
のギヤングをやりました
米兵
の所属も氏名もわか
つて
いないのか。あるいはわか
つて
お
つて
、
警視総監
の方に知らされていないのか。合同
捜査本部
をお持ちだとおつしやいますが、合同
捜査本部
で、
日本
の警官はそういう本質的なことも何も知らされないで、
犯人
の所属、氏名も何も知らされないで、ただ
MP
の下働きをや
つて
いるのか。この点をひとつ明確にしていただきたいと思います。それから脱走兵の三百人と申しますのは、これは脱走自体でも一つの
犯罪
でしようし、こういう者がしかも
犯罪
を行
つて
おるということをスポークスマン自身が認めているのだから、三百人の脱走兵の氏名なりあるいは写真なりを、
警視総監
としてお受取りにな
つて
いるのかどうか、これを聞かせていただきたい。それから総監も言われておりますように、向うの
CID
あるいは
MP
の方の指示があれば
日本
の
警察官
も
逮捕
できるとおつしや
つて
おります。また
法律
の上でもそうな
つて
おると思いますが、今度の
富士銀行支店
のギヤング
事件
について、特に
MP
の方から、
日本
の官憲で
逮捕
しろ、これは
軍人
、
軍属
あるいは親近者であるとそれ以外の
白人
であるとを問わず、今度のギヤング
事件
は重大だから、
日本
に重大な被害を与えているのだから、これは
日本
の官憲で、発見次第
逮捕
しろという指示があるのかないのか。また
警視総監
の方から、それを要請される意思はないのかどうか。そこに
犯人
がおりましても、
逮捕
できないというような状態でほお
つて
おくつもりなのかどうか。これもひとつ明白にしていただきたいと思うのです。まだ伺いたいことが多少ありますが、そういう重大な点で総監の御意見を承りたい。 〔
委員長
退席、野村
委員長
代理着席〕
野村專太郎
38
○野村
委員長
代理
ちよ
つと御
質疑
される方にお願いいたしたいと思いますが、
田中警視総監
は都議会の
関係
で、数回にわた
つて
出席
方を求められております。ただすべきところは十分ただしていただかなければならぬと思いますが、時間の
関係
もありますので、御了承の上で御
質疑
を願いたいと思います。
田中榮一
39
○
田中参考人
第一の、現在では
米兵
かしからざるか不明だから
逮捕
ができない、これは先ほど何回も私が申し上げましたごとく、
米兵
であるということがわかれば、当然
日本
には
捜査権
はないと思うのでありますが、
米兵
か何かわからないので、やはり
日本
の
警察
が
捜査
できることにな
つて
おるのであります。
立花敏男
40
○
立花委員
米兵
だ
つた
ら、
捜査権
もないのですか。
田中榮一
41
○
田中参考人
米兵
でありましたら、先ほど申しましたメモランダムによ
つて
、
逮捕
ができないのです。
立花敏男
42
○
立花委員
捜査権
はあるのですか。
田中榮一
43
○
田中参考人
捜査権
も、今のところはないわけです。向うから何か特別に、
捜査
に対して協力してもらいたいということになれば、こちらとしては当然
捜査
することができるだろうと思いますが、
軍人
、
軍属
に対しては、
捜査権
も
逮捕
権もないわけであります。 それから脱走兵のお話が出たのでありますが、これは
CID
の方から、
犯人
の名前なんかは全然私の方に通知を受けておりません。もし通知を受けてお
つた
ら、
逮捕
はきわめて容易だろうと思いますが、
CID
の方にも、だれがや
つた
かということがわか
つて
おりませんので、
従つて
私の方に氏名を
連絡
する方法がないわけであります。 それから本質的に知らされないのかどうかという問題でありますが、従来は非常に緊密に
連絡
をとりまして、もしそういうようなことがありましたならば、ただちにこういう者が、こういうところで、こういう
犯罪
を犯したから、参考のために
連絡
するということは、私どもの方にもときどき必要があれば
連絡
をつけている場合があるのでありまして、
従つて
CID
の方で、まだ今度の
犯人
については、全然だれがや
つた
かという手がかりがありませんし、また脱走兵がや
つた
かどうかということも、全然まだわか
つて
おりません。 それから脱走兵が何人おるか、私は全然知りません。それからその脱走兵が
犯罪
を犯すのではないかという心配がありますが、私どももその脱走兵の今後のことにつきましては、非常に心配いたしておりますが、ただその脱走兵の氏名を、いろいろ軍の機密もございましようから、私の方には全然知らされておりません。 それから、先ほども申しましたごとく、
軍人
、
軍属
であ
つて
も、特に何か
占領軍当局
で、こういう者が今
犯罪
を犯しているから、
日本警察官
がこれを
逮捕
しろという、特別の指示があるならば、
逮捕
できるということは、先ほど申し上げた通りでありますが、今のところまだ氏名も具体的にわか
つて
おりませんから、私どもにはまだそういう指示はございません。 それから、私の方からそれを要請する意思があるかどうかということでありますが、もし氏名等がわか
つて
、必要があるならば、当然私の方からも
連絡
をしてみたいと考えておりますが、まだかんじんの
犯人
が何のなにがしであるということがわからないために、非常に
捜査
上双方とも不便を来しておるようなわけであります。
立花敏男
44
○
立花委員
委員長
も時間がないとおつしや
つて
おるのですが、だから私は発言順序の問題を言いましたので、できるだけきようは
警視総監
にゆつくりお
つて
いただくように、
委員長
から頼んでおいていただきたいと思います。それで、氏名がわからないから、結局向うからの依頼もないし、あなたの方から要請もできない。そういうことにな
つて
おるから
逮捕
もできない。
逮捕
できないのだから、いつまでもつかまらない。
従つて
日本
の
警察
は何をしておるかわからないということになるのですが、氏名がわからなければ何もできないというのではなしに、
犯人
を
日本
の
警察官
が目撃しており、明白なんだから、また合同
捜査本部
まで設けておるのだから、その合同
捜査本部
の両方の官憲が
逮捕
するようにすべきが私は当然だと思います。なぜそれが氏名がわからないという簡単な
理由
でできないのか、なぜあなたの方から要請されないのか、あなたの方では佐々木
巡査
が少くとも目撃しているのだから、それに基いてやはり
逮捕
権、
捜査権
を主張すべきだと思います。そうしないと、さつき言いましたように十二万の
警察官
がおりましても、佐々木
巡査
がただ一人しか
逮捕
できない。結局この
犯人
を目の前に見ても、
逮捕
できないということになりますので、この点はひとつ明白にしていただきたいと思うのです。
白人
であることがわか
つて
おるし、
軍人軍属
あるいはその親近者あるいはそれ以外の者かということ、この
二つ
しかないので、どつちでもいいからつかまえたらいいのじやないか。だから名前がわか
つて
おらないから、とつつかまらないというのではなしに、重大な
犯罪
を犯しているのですから、どつちであろうと、合同
捜査本部
で
逮捕
できるようにするのが当然だと思うのです。その点
警視総監
はどうお考えですか。
田中榮一
45
○
田中参考人
よくわかりました。氏名が不明だと申しますのは、
占領軍警察当局
で氏名を隠しているのではないのでありまして、向うでもどういう者であるか
モンタージユ写真
が手に入りましたならば、全部一々該当者を
調査
するだろうと思います。どういう者がや
つたの
ではないか、あるいは当時東京にいなか
つた
者とか、そういうものを
CID
の方でも、目下鋭意
調査
中であります。もしそれがわかれば、当然
日本
の
警察
の方にこういう者だということを知らしてくれるだろうと考えております。
従つて
もしそれが参りましたら、
CID
の方もこちらの方も、
捜査
が非常に容易にできるのではないかというふうに考えております。いま一つ佐々木
巡査
の件についてお話がありましたが、私は参議院では佐々木
巡査
のことにつきましては、申し述べておりません。これは私の方の
事務
当局があるいは新聞社に発表したことであるかどうか、この点は私自身もまだこういうことであるかどうかということは考えておりませんので、この点だけは御了承願います。
立花敏男
46
○
立花委員
そうなりますと、
日本
には
軍人軍属
関係
の
白人
がたくさんおるわけです。これはアメリカ人とは
限つて
おりません。それが何か
犯罪
を犯しました場合に、名前がわからない以上は、
日本
の
警察
はちつとも手が出せないということになるのですが、これは重大な問題だと思います。いつ
白人
がどんな
犯罪
を犯すかわからないのです。
日本
の
財産
あるいは
身体
に対しまして、重大な
犯罪
を犯しました場合に、氏名がわからない以上は、これが
軍人
であろうとなかろうと、氏名がわからないというだけで、外人の
犯罪
は一切
日本
で
捜査
もできなければ、
逮捕
もできない、こういうことになりますが、こういうことであ
つて
もいいのかどうか。こういうことになりますと、
日本
の治安というものはま
つた
く保てない。これ以上不安なことはないと思う。
白人
の中にもいいやつばかりはおりませんので、悪い
白人
もたくさんおる。それが何をや
つて
も、その氏名がわからなければ一切
捜査
できない。そういうことになりましたら、とんでもないことだと思うのですが、一体どうなのですか。
田中榮一
47
○
田中参考人
それは
立花
さんの非常な誤解でありまして、
軍人軍属
でない者は、
日本人
と同等になるわけです。
日本人
と同様にできるわけです。(
立花委員
「わからないじやないか」)いや、氏名がわからなくとも、一応容疑者として
逮捕
令状
をと
つて
、
犯罪
の
捜査
並びに
逮捕
ができるわけです。ただ
軍人軍属
については、さようには参
つて
おりませんが、そうでない場合には、
日本
の
法律執行当局
によ
つて
逮捕
できることにな
つて
おります。
立花敏男
48
○
立花委員
今度の場合でも、つかまえてみなければ
軍人
か
軍属
かわからないでしよう。そうでしよう。
軍人軍属
以外の者かもわからぬでしよう。だから町で
犯罪
を犯した
白人
が
軍人
か
軍属
かはわからないでしよう。その場合はとつつかまえることはできないじやありませんか。その場合にとつつかまえることができるならば、今度だ
つて
とつつかまえることができるじやありませんか。
軍人
、
軍属
ということが明白にな
つて
いないのだから、これはとつつかまえることができない。その場合にその
白人
の身分なり氏名なりがわからなか
つた
らつかまえられない。そうなりますと、
日本
に講和後たくさん
白人
が来て
犯罪
をやりました場合に、片一方に進駐軍がおる、こうなりますと、すべての
白人
の
犯罪
が、その身分氏名が明確になるまで、どんな
犯罪
を犯しても
捜査
できないということになるのじやありませんか。
田中榮一
49
○
田中参考人
よくわかりました。現在そういうような
白人
であ
つて
、
軍人軍属
であるかどうかわからぬというときには、やはり
占領軍警察当局
と
日本
警察
とが
合同捜査
というようなことにあるいはなるのではないかと思うのであります。しかしこれは私どもが言う限りではないのでありますが、将来協定さるべき行政協定に、いかようにこれを取入れるかということが、今後問題になるわけであります。占領下における現段階におきましては、こうしたことが起
つた
ときに、その
犯人
が
軍人軍属
であるかどうかわからぬというときには、やむを得ず今
言つた
メモランダムの趣旨によりまして、
占領軍警察当局
並びに
日本警察当局
が
合同捜査
せざるを得ないのであります。しかし従来
警視庁
におきましても、
軍人軍属
にあらざる
白人
が
犯罪
を犯したという場合におきましては、
警視庁
独自の立場におきまして、
令状
をと
つて
逮捕
しておるような実例があるのであります。将来條約が発効したあかつきにおきましては、
日本
の裁判管轄権につきましては、何らかそういう点について、はつきりしたとりきめをされることが必要であろう、こういうふうに私は考えております。
佐藤親弘
50
○佐藤(親)委員 関連して簡単にお伺いいたします。
逮捕
状の発行要件が、
法律
に
規定
されておるのですから、
犯人
が現に
犯行
を
行つた
場合においては、
逮捕
状なくして
逮捕
できるが、もうその場から逃げてしま
つた
以上は、
軍人
の場合は別ですけれども、
軍人
以外の者であ
つて
も、また
日本
の一般人といえども、
犯罪
を犯した場合においては、
逮捕
状の発行を要するのはきま
つて
いる。だから
逮捕
状なくしては
逮捕
できないはずであるから、まあ御無理なことを言
つて
いるわけじやないと思う。要するに先ほど来の御
説明
で、もうだれでも行きあたりば
つた
りつかまえるということができないのは、もつともだと思う。だが特に御注意願いたいことは、要するに
逮捕
状は、どんな容疑者であろうと、なるべく
逮捕
状の要件を備えて、早く、一通の
逮捕
状でなくして、なるべく例外のあの
規定
によ
つて
、数通発行できるように
逮捕
状を要求されて御
捜査
願いたい。それ以外にはないのです。いくら繰返しても、
逮捕
状の発行要件が
法律
できま
つて
いるので、その点できるだけ
手配
をしてや
つて
いただきたいということを申し上げるよりほかないと思います。
田中榮一
51
○
田中参考人
逮捕
状につきましては、十分に万全の
措置
を講じて、
捜査
に
努力
いたしたいと思います。
野村專太郎
52
○野村
委員長
代理 門司亮君。
門司亮
53
○門司委員 この機会にごく簡単に
田中
さんにお聞きしておきますが、今の議論を聞いておりますと、われわれ
ちよ
つおかしなところがあります。その点だけを聞きただしておきたいと思いますが、
軍人
と
軍人
にあらざる者とのことは、先ほどのあなたからの御
説明
の通りだと思います。同時に
捜査権
、
逮捕
権の問題も同じだと思いますが、万一
日本
の
警察官
が、あるいは
軍人
でありましても、これが
犯人
に間違いないという断定ができたときに、これを
逮捕
した場合に、一体
日本
の
警察官
に対してどういう処罰があるということが明示せられておるかどうか、一応お聞きしておきたい。
田中榮一
54
○
田中参考人
軍人軍属
でありまして、
日本
の
警察官
がこれを
逮捕
したという場合は、メモランダムの趣旨と違
つた
手続によ
つて
や
つた
ということでありますから、
逮捕
したことは決して悪いことじやありませんので、
逮捕
することは事実上できるかもしれませんが、ただ
法律
上の将来の問題が発生するおそれがありますから、この際につきましては、十分に正しい手続によ
つて
逮捕
するような
措置
を講ずる必要があるのじやないかと思います。きわめて抽象的でありまして、御了解になるのは非常に困難だと思いますが、たとえばある温泉に進駐軍の
現行犯
がお
つた
。そこでまさにこれが逃げようとするというときに、ただちに
警察官
が行
つて
やるのも一つの手であるかもしれませんが、それではこのメモランダムの趣旨に反しますので、ただちに沿道の
MP
に
連絡
をと
つて
、途中において扼して
逮捕
する、あるいはただちに
関係
署に
連絡
をと
つて
、その
自動車
の
番号
とか特徴その他を全部言
つて
、
あと
から追尾して行き、それによ
つて
適当なところでチエツクして
逮捕
するというようなことで、できるだけメモランダムの趣旨に沿うよう
警察
において可能な範囲内において、最善の処置をと
つて
行くというよりほかないのではないか。しかし何としてもそれでなか
つた
らだめだというときには、またそれはそれとしての何らかほかの方法をとるほかなかろうと思いますが、まあや
つた
ら、ただちに
警察
が処罰されるとか何とかいうものではなかろうと思います。ただ現在占領下でありまするから、いろいろむずかしい問題が発生するおそれがありますので、なるべくそうしたトラブルを起さぬような方法でつかまえることが、
警察
としては最善の
措置
ではないかと、かように考えております。
門司亮
55
○門司委員 私のさつきお聞きいたしましたのは、覚書にそういうことが書いてないから、ただその書いてある範囲内で行わなければならぬということにな
つて参
りますと、さつきの総監のお話のように、目の前に確実にそれだと思う者がお
つて
も、逃亡する危険性が相当あります。おそらく
逮捕
は困難だと思う。
パトロール
その他が十分あるところならよろしゆうございますが、
MP
が必ずしもその場所にいるわけでもありませんし、また
連絡
がとれるわけでもない。
従つて
日本
の
警察官
は、みすみす
犯人
だということがはつきりしてお
つて
も、
逮捕
することができないということは非常に困ると思う。私は、もし覚書にそういうことが書いてないとするならば、当然
日本
の
警察
の立場にある人は、
連合軍
との了解事項の上において、その手続をとられることは至当だと考える。私はそれくらいのことはやれると思う。それはどういう
事件
でも一切そういうことができるというのでなくて、
事件
がすでに起
つて
おりますので、この
事件
に対してこういう行動をとるという了解事項のもとにおいて行えば、アメリカその他もそうやかましいことは言わぬと私は思う。こうい
つた
処置を総監としてとられるお考えがあるかどうか。これは総監にお聞きしても無理であ
つて
、木村さんにでも来てもら
つて
聞いた方がいいと思いますが、しかし一応総監のお考えがありまするならば、この機会にお聞かせを願いたいと思います。
田中榮一
56
○
田中参考人
この点につきましては、メモランダムというのがありまするので、現在の段階におきましては、この範囲内において
警察
としてできるだけの可能な範囲において、適切なる
措置
によ
つて
、
犯人
を早急に的確に
逮捕
するということに
努力
するよりほかなかろうと思
つて
おりますが、ただ今後の問題といたしまして、條約発効の場合における行政協定等においては、われわれも今度の
事件
については大いに考えさせられるところがありますので、こうい
つた
点につきましては、ひとつそれぞれ意見を立て、適当な手続によ
つて
、それぞれ上司等に上申してみたいと考えておる次第であります。
門司亮
57
○門司委員 どうも私はそれがわからぬのです。行政協定の場合は行政協定の場合でありまして、これはあるいは少し言い過ぎるかもしれませんが、もしそういうものが考えられるとするならば、こういう
事件
のあ
つた
ときに、既成の事実として、この
事件
に
限つて
、そういうことを了解事項のもとに既成事実としてつくり上げていいと思う。これはもし総監にそういう御熱意がなければ別でありますが、総監としてはそれくらいの御熱意があ
つて
も、
ちよ
つともさしつかえないのじやないかということを考えます。今の総監の態度では、おそらく私は
逮捕
は困難じやないかと考える。目の前にいても、それが
軍人軍属
である限りは、おそらく
逮捕
することはできないと考える。そうな
つて参
りますると、ますます
捜査
は困難になり、
国民
の不安は解消されないと思う。
従つて
公の治安を担当いたしておりまする
警察
としては、罰則があ
つて
、あるいは死刑にでもなるというのなら別でありますが、そういう罰則もなく、ただこういう場合にこうするという具体的の指示も受けておりません場合においては、私は当然目の前にいればや
つて
もいいと思いますし、
あと
からでも了解ができると思います。
従つて
私が総監にお願いするのは、ぜひひとつそういう
努力
をしていただきたいと考えております。 なおこの機会に申し上げておきますが、この問題について、この次の機会に法務総裁に来ていただきまして、そういう法的根拠あるいは向うとの関連について、もう少し私は聞きたいと思いますので、ぜひひとつ法務総裁を呼んでいただくよう
委員長
にお願い申し上げます。
田中榮一
58
○
田中参考人
ただいまの御意見まことに私はごもつともと考えております。なお私どもといたしましても十分研究いたしまして、さつそくこういう点につきまして、進駐軍当局の方にも
連絡
をと
つて
みたいと考えております。
野村專太郎
59
○野村
委員長
代理 今門司委員からも御要望がありましたごとく、最近治安
関係
において、その重要性は各位が非常に関心を持
つて
おるところだと思います。
関係
大臣なり
参考人
もまた
出席
を求めて、
質疑
の通告が他にもございますので、さらにその機会に残余の
質疑
を行いたいと思います。 本日はこれをも
つて
散会いたします。 午後一時七分散会