○大矢
委員 このポ政令が出て後、ここ数箇月において、各地方で自治体
警察並びに
国警、特に渉外
関係の人たち——昔の特高でありますが、そういう人々の間に、強制送還、国籍の問題で相当脅迫的な事実がたくさんあるのです。これは私時間がありませんから後日総裁その他の
関係に文書をも
つて出したいと思いますが、この国籍の強制の問題、送還を強制するようないろいろなできごとに対して、その実情をもしお知りならばお聞きしたいと思うのです。と申しますのは、このポ政令を出した直後、私
どもは非常にこれは
日本について重要であるし、また朝鮮、台湾の人々にと
つても重要な問題であり、非常な動揺をしておりますために、
関係当局に対して、一体これは二十年、三十年、多くは六十年近く
日本に居住されておるところの朝鮮の方方、また台湾の方々に対して、これは領土も
日本であつたし、
日本人民として扱
つて来て、徴用その他軍までも進んで応じた人たちに対して、ただちに外国人として取扱うことはどうか、これは多少区別をするべきではないかということについて、私
どもがいろいろ事実をただしに行つたところが、これは附則の十二條にあります通りに、終戦前にいた人たちにはこれを適用しないのだということを明らかにしておる。ところが出先の方では、君たちはすぐ返すのだ、特に共産党に属しておる人たちは、ただちに送還するのだとか、いろいろ口実をも
つて、これは実例をあげれば限りがないのでありますが、特に病院に入
つておる人あるいは生活保護を受けておる人たちに対して、これを送還するという條項が二十四條にある。そのために特にそういう療養中の者、あるいは生活の保護を受けている人、この人たちを送還の
対象としていろいろな流言飛語を飛ばしてある。ここではこの人たちは適用しないと言
つておる。ことに私の手元に約三十名ばかりの癩病患者の人たちの陳情がありまして、こういう入院しておる人たちも送還するのかどうか、これは絶対にしないと病院の院長あるいは事務長まで通告してある。そういう人に安心して療養するようにということを言
つておつたが、せんだ
つての香川県の癩病の療養所においては、君たちはすぐ送還するのだから入院する必要はない、こう言つたというので、非常な不安を持
つておるそうであります。これは実例をあげれば限りがないのでありますが、
関係当局では前におつた人は適用しないのだということを言い、さらに現在おる人も六箇月以内にこれを登録すればいいのだ、こういうことを言
つておるにかかわらず、出先ではそういうふうないろいろなことをや
つている。こういうことについて、これは事実間違いでありますから、
国警はもちろんのこと、あるいは自治体
警察関係の
治安の責任者である大臣から、特別に前におつた人には適用しないのであるということの通達を出す必要があるのではないか、今申しましたように六十万、あるいは華僑、台湾人を入れると相当になりますが、その中には
日本人の女を奥さんに持
つておる人が約十二万からある。子供もおるし孫もある、こういう人たちに対して、お前たちは強制送還をやるのだということを強制することは、
日本の
治安についても、またその人たちの気持も想像できるのでありまして、これは大問題だと思う。そういう通告を新たに出す御
意思があるかどうか、それからそういう事実があるかどうかということを
調査される御
意思があるかどうか、必要ならば今私が申しましたように、いくらでも事実を文書をも
つて出しますから、この点は至急通達してもらうことをお願いしたいのでありますが、やる御
意思があるかどうか。