○
河野(通)
政府委員 御指摘のように、新しい
銀行ができました場合口には、この
銀行の
資金源を
拡充いたしますために、
政府といたしましてもできるだけこれをバツクして行くように
努力はいたします。なおこの
法律の
附則にもございますように、
政府は場合によりましては、この新しい
銀行に対して出資をする道も開いて参ります。このことも
規定を設けております。なお次に
金利の問題でございますが、これはきのう
大蔵委員会でも御
質問があ
つたのでありますけれ
ども、できるだけ
長期産業資金の
疏通をはか
つて参りますために、
金利は許す限り低い方がいいと思います。しかしながら
何分にも
債券発行ということによ
つて、
資本を調達するわけでありますから、
債券は、御
承知のように
資金コストが、普通の
預金より非常に高いという点もございます。従いまして、貸出し
金利をできるだけ下げたいことは、やまやまでありますけれ
ども、おのずからそこにどうしても
コストの
関係上、
金利については下げられる限界もございます。少くとも現在
一般の
銀行が出しております
長期資金の
金利水準、これは大体御
承知のように現在三銭一厘から二厘くらいだと、思いますが、これよりも上まわるというようなことは、少くともないようにして参りたい。なお許す限り
金利は低いことを望んでおります。それから次に、お
示しのように
オーバー・
ローン問題、これによ
つて来た原因及びこれの
対策というものは、きわめて大きな問題であります。軍に
銀行政策あるいは
金融政策だけの問題ではございません。この点はお
示しの
通りであります。しかし私の担当いたしまする部門につきましても、極力この点については
努力をいたして参らなければならぬと
考えております。なお
資本蓄積を大いに進めて行くということが、何とい
つても根本問題でありまして、
インフレーシヨン政策をやるなら別でありますが、そうでない健全なる
財政金融の
基礎に立
つて、今後の
資金をまかな
つて行くということにいたしますならば、どうしても
資本の
蓄積を促進することが必要であります。
資本の
蓄積ということは必ずしも
金融機関の預貯金あるいは
資本だけではございません。
企業等の
自己の
蓄積を増加するということが、どうしても必要にな
つて参るのであります。このために
税制上いろいろな
配慮はいたして参
つております。この点は
小金さんも十分御
承知いただいておると思います。また
議員提案によ
つて出て参りました
法律等におきましても、この点について十分な
配慮が加えられるようにな
つておると
承知いたしております。もちろん
程度といたしましては、まだ不十分という非難は免れないと思いますが、今後においても
資本の
蓄積を促進いたしますために、障害となるような
税制上の
措置はできるだけ排除して行くというふうに
努力をいたして参りたい、かように
考えておる次第であります。次にこの新しい
銀行は、今
興業銀行という例が出たのでありますが、もし
興業銀行がこの新しい
銀行にそのまま転換いたしました場合に、
一体、旧
特別銀行たる
日本興業銀行法自体の
興業銀行と、どこが違うかということでありますが、この点は、私
どもはこの新しい
法案は、決して
特殊銀行法とは
考えておらないのであります。
一般の
民間銀行のうち、
一つのカテゴリーとしての
法案であ
つて、ただ
一つの
銀行を
目的とした
特別銀行法ではない、というふうな
考え方に立
つておる次第であります。しかしながら、
先ほども申し上げましたように、この
長期金融というものは、いろいろな点でなかなか困難がありますので、
政府としては
資金的にもあるいは行政上の
措置といたしましても、できるだけこれにバツクをして行く、援助は加えて参りたいというふうに
考えております。それから経過的な問題でありますが、この点はいかなる
銀行が新しい
長期信用銀行に転換されるのであるか、あるいはどういう態様で転換されるのであるか、これはまだ少くとも公式には私は話を伺
つておりません。この
法案が通過いたしますれば、その上で各当事者がいろいろな観点から御研究をされることと思います。その場合におきまして、新しい
銀行に古い
銀行が、どういうふうにして
債権債務を引継ぐかというような問題でありますが、いかなる態様によりましても、この点の円滑な切りかえができるように、
附則の
規定を設けてございます。態様はいろいろな形があります。私たちが
考えましてもやはり六つ、七つくらいの態様が実はあるわけであります。どのような態様をとりましても、一応この
附則によ
つてカバーができるというふうなことにな
つております。なお
附則につきまして、もし必要がございますれば、詳しく
銀行課長の方から御
説明を申し上げます。