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1952-06-21 第13回国会 衆議院 大蔵委員会 第95号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年六月二十一日(土曜日)     午前十一時十二分開議  出席委員    委員長 佐藤 重遠君    理事 奧村又十郎君 理事 小山 長規君    理事 佐久間 徹君 理事 内藤 友明君    理事 松尾トシ子君       島村 一郎君    清水 逸平君       高間 松吉君    苫米地英俊君       夏堀源三郎君    三宅 則義君       宮幡  靖君    武藤 嘉一君       深澤 義守君    久保田鶴松君       中野 四郎君  出席政府委員         大蔵事務官         (理財局長)  石田  正君  委員外出席者         議     員 青木  正君         大蔵事務官         (理財局管理課         長)      横山 正臣君         参  考  人         (元大蔵省外資         局長日新印刷         株式会社社長) 久保 文藏君         参  考  人         (元大蔵省外資         局勤務日本專         売公社総務部庶         務課長)    櫻井 郡二君         専  門  員 椎木 文也君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 六月二十日  未復員者給与法等の一部を改正する法律案(参  議院提出参法第一四号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  接收貴金属等報告に関する法律案内閣提出  第二三一号)     —————————————
  2. 佐藤重遠

    佐藤委員長 これより会議を開きます。  まず接收貴金属等数量等報告に関する法律案を議題といたします。本案に対しましては、去る十六、十七の両日にわたり参考人出席を求め、参考意見を聽取いたしましたが、さらに中野委員の御要求によりまして、参考人二名の出席を求めておりますので、これより参考人参考意見を聽取することといたします。本日の参考人はお手元に配付してあります参考人名簿に記載のお二人でありまして、久保櫻井の両参考人に対しましては、中野委員から質疑の通告がありますので、これを許可いたしたいと存じます。  その前にちよつとお諮りいたしたいことがございます。それは去る六月十七日の本委員会におきまして、議員青木正君から本問題について意見を聽取いたしましたが、その後青木君から、記憶違いの点があるので、訂正のため発言を許可してほしいということの御要求がございましたので、青木君のこの点に関する発言を許可いたしたいと存じますが、この点御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 佐藤重遠

    佐藤委員長 御異議ないようでございますから、それでは青木君の発言を許可いたします。
  4. 青木正

    青木正君 私が前回申し述べましたことにつきまして、自分記憶違いの点を発見いたしましたので、その翌日委員長自分記憶違いの点を直す機会を与えていただきたい、ということを申し述べたのであります。さらに一昨日またお願いいたしまして、本日委員会があるから、そのときに出て希望するようにということでありましたので、許可を得てお願いした次第であります。  私は当時、あの問題がはなはだ世上にいろいろと流布されまして、自分自身としては俯仰天地に恥じない、ほんとうに終戰時混乱にあたりまして、国家のためにやらなければいかぬということでやりましたのに、いろいろのうわさがありましたので、いささか憤慨にもたえず、冷靜を欠いておつた点もあると思うのであります。さらにまた何分七年前のことでもありましたので、自分記憶に若干の不確かな点があつたことを、大蔵省発言等によつて自分で、あるいは自分が思い違いがあつたのじやないかということもそのときに考えつきまして、それから帰りまして、その当時から、また現在も清算人としてもつばら戰時物資活用協会で、金、白金あるいはダイヤ回收の仕事に当つております中田氏に電話いたしました。私は、私が預りましたものは、日本銀行から預かつて来たから、これは当然政府所管のものである、政府所有のものである、かように考えて、そういう記憶のもとにいろいろと申し述べたのであります。ところが中田氏に電話で私の申し上げたことを伝えますと、それはお前とんでもない考え違いだ、あれは日本銀行に預けてあつたけれども、まだ代金の決済も済んでいないので、従つて所有権は完全に協会にあるものであるというようなことが、明らかになつたのであります。そこで私はなお——大分前のことではありますし、自分だけの記憶では記憶違いな点が出てもと存じましたので、中田氏に聞き、さらにまた当時馬力を頼んで運搬いたしましたので、その馬力を何とかして見つけ出して、その馬力記憶等も確かめる必要があるのじやないかということから、いろいろ関係方面連絡をとりまして、私の記憶整理をいたしたのであります。記憶整理をいたしましてわかりましたることは、この前申し上げた通り、当時大蔵省に参りまして、大蔵省の役員の方々——ここにおいでになる櫻井さんあるいは局長もおつたと存じております。それに私ども戰時物資活用協会松原久人氏、また私、中田氏等が集まりまして、そのときに大蔵省の方から、お前の方で集めておいた金、銀、白金ダイヤといつたようなものについて、この終戰混乱にあたり万々一のことがあつてはたいへんだから、安全な場所に完全に保管するようにというお話があつたつのであります。先日申し上げたときは、そういう話があつたので、政府からそういう命令があつたというふうに感違いしたのもありますが、大蔵省側からは、大事ない所に保管するようにという注意と申しますか、干渉と申しますか、話がありまして、そこで協会側といたしましても何とかせぬければいかぬということで、松原氏と私と中田氏寺がいろいろ相談した結果、とにかくお前のところに預かれということで私が預けさせられたのであります。それを引受けさせられたのであります。そこで、あのときはいろいろのうわさも立てられ私も若干冷靜を欠いておつたので、記憶違いもあつたかと思うのでありますが、だんだん自分記憶を思い出し、さらにまた関係者話等も総合し、馬力話等も聞いて思い出しましたることはそういうふうなことで、結局だれかしら国家のためにそれを完全に守り通さなければいかぬということで、私は、これはもうどうしてもやらなければいかぬことだと思い、だれかしらやらぬければいかぬことである以上、私が、極端な言葉で言えば命を的にしても、どうしても守り通すというような決意を持つたのであります。そうしてこれもその後思い出したのでありますが、馬力頼むにしてもうつかりした人には頼めませんので、当時戰時物資活用協会で金の精錬を委託しておりました石福金属興業と申しますか、石福会社の方で——これは精錬関係でその日もたしか大蔵省に来ておつたと思うのでありますが、貴金属をしばしば扱つている。そういう馬力がおる。これは非常に確かな人間だということで、石福馬力を頼みまして、そうしてまず日銀行つて日銀から箱を預かつたのであります。この箱が、私は最初申し上げましたときは政府のものとばかり思つてつたのでありますが、中田氏の話、あるいはその後思い出したところによると、それはまだ政府の方に引渡しが済んだものではないのでありまして、私ども代金をいただいていないのでありますから、これはまつた協会所有のもので、これを引受けまして、それから石福へ参りまして——これは金の地金と申しますか、素地金であつたということをあとで私中田氏から聞いたのでありまして、金塊というか、金あるいは鉛等いろいろのものが一緒に溶け合つたものを、インゴツトにしたものだそうでありますが、これを預かりまして、そうしてその馬力が私の自宅に運んだのであります。そのときに、私ども馬力の話を聞いてわかつたのでありますが、渡すときに、その数量個数等はつきり認めまして、馬力が非常にかたい馬力でありまして、万々一つのことがあつてはいかぬということで馬力の方から進んで求めて、そうした数量個数等を明確にしるした書類を私からとりまして、私も受取つたものをそのまま書きまして、馬力に渡した。これによつて私のうちへ運び、私のところでその書類と対照して品物を確認して預かつたのであります。それが前回申し上げましたように、終戰後アメリカ軍の進駐して来るちよつと前のことであります。日取りが私まだはつきりしない点があるのでありますが、預かりましてから幾日ぐらいたつたか、なおよく調べればわかつて来ると思うのでありますが、若干の時日がたちましたときに、大蔵省の方から連絡があつた。これは大蔵省の方にお尋ねになればおわかりになると思いますが、大蔵省の方に対し、進駐軍からおそらく大蔵省関係外郭団体所有貴金属類についての照会があつたと思うのであります。その照会に対して、私ども協会から、どこに何が幾らあるという書類を出したと思うのでありますが、大蔵省の方から埼玉県の北埼玉郡共和村の青木というところにこれだけのものがあるという書類が、進駐軍の方に提出されまして、そうしてそれによつて進駐軍が私のうちへ参りまして、私が案内いたしまして、私の前回申し上げました預かり書——これは櫻井さんに渡したのではなくて、なるほど言われてみると協会側——私は協会のものを預かつたのでありますから、協会に保管を依頼したのであります。その書類によつて対照して協会に持ち帰り、そうして協会におきましては、アメリカの兵隊が幾日かこれを保管して、それから日本銀行に持ち去つたのであります。そのときにも私の方から、預かりました戰時物資活用協会所有しておりました品物進駐軍に引渡しましたときの書類は、中田氏にいろいろ尋ねましたときの書類が出ておるのであります。これによりまして、そのものは進駐軍側に引渡され、戰時物資活用協会から日本銀行側に持ち去られたのだということが、明らかになつておるのであります。  以上が前回申し上げました点に関連いたしまして、記憶違いの点を私訂正いたしたいと思つた点であります。前回申し上げまして、記憶違いの点をここでこうして訂正するということは、まことに恐縮でございますが、何分大分前のことでありましたので、お許しをいただきたいと思うのであります。私はそのときも申し上げましたが、いずれ行政監察委員会等でお調べがあると思いますので、そのときになお詳しい点は申し上げてみたいと思うのでありますが、私自身といたしましては、どうも選挙を前にしてこうしたいろいろな説が出るということに対しまして、非常に不可解に存じ、そこで非常に冷靜も欠いておつたと思うのであります。しかしながら私個人としてはまつた俯仰天地に恥じず——極端な言葉でそういうことを言うとはなはだ失礼になりますが、でき得るならばそれは国家のあらゆる機関を動員いたしまして、私から白金なりあるいはダイヤなりをもらいあるいは買つた者があるならば、どうぞどこまでも調べて申し出てもらいたいのであります。さらにまた私のうちならうちを全部焼いて、灰にして調べてもらうなり、あるいは土を全部掘り返して調べてもらいたい、こう言いたいのであります。  なお重ねてつけ足らぬ点を申し上げますが、私が預かりました箱及び金庫につきましては、内容は私知りませんので、そのときに何が入つてつたかということを、はつきり申し上げかねるわけでありますが、中田氏の話によりますれば、お前のところに預けたものには、おそらくダイヤは入つていなかつたろう、大体金の地金、これはいろいろなものと焼け集まつたものでありますが、それと白金であつてダイヤは入つていなかつたはずだ。どうして入つてなかつたかと私反問いたしましたところが、ダイヤ中田氏の保管しておりました金庫の中にあつて、まだ未整理のために当時鑑定人を呼んで毎日鑑定をしておつた従つて鑑定の途中で疎開するということはできなかつたので、ダイヤの方は疎開せずに中田氏の保管しておつた金庫の中にあつたはずだ、従つてお前のところへ行つたのは金と白金であつた、かように申しております。私はその点内容調べて持つて帰つたのではありませんので、私としては何ともはつきりいたさないのでありますが、中田氏の話によりますと、さようになつております。  以上が、私本日特にお許しを得て訂正いたしたい点であります。いずれ行政監察委員会でなおお調べがありましたらば、もつと詳しく申し上げたいと思うのでありますが、あまり長く時間をちようだいしても恐縮でありますし、本法案と関係のないことをあまりくだくだしく申し上げるのも恐縮でありますから、以上の点だけを申し上げておきます。なお御質問がありましたらば、お答えをいたしたいと思います。
  5. 中野四郎

    中野(四)委員 国会議員として青木君から、まことに驚くべき発言を求められたものと思うのであります。いやしくも国家最高権威としての国会、しかも国民代表としてその席に列しておられる青木君が、国会を尊重し、みずからの権威を保つために、委員会等発言は、正確を期するのが当然であり、権威を持つのが当然であります。しかしながら何分古いことであるから、記憶違い等のことは了承いたしまするが、本日訂正をされました部分を伺いますると、先日の証言とは根底的にその趣をかえておりますことが一点。  第二点は、今回提案されましたところの接收貴金属等数量等報告に関する法律案のその目的、すなわち返還その他に関するところの所有権に重大なる関係を持つダイヤモンド、あるいは貴金属所有権の問題であります。重大な発言だと思うのであります。しかしながら、私らが今日ここに参考人を求めて調査審議をしておりますることは、必ずしもこのダイヤの行方とか、あるいはその先のことを追究するのではないのでありまして、当時大蔵省提案理由説明の中に入れました、大蔵省がはたして接收当時に関係があるかないかということが重点であるのであります。先日来青木君の御証言によりまして、大よその見当はついておりまするが、今日の御発言に対しては、私は国会権威の上から納得することが断じてできないのであります。しかしながらこれは後日別の機会に論ずる必要があると思いまするから、この機会青木君には二、三の点について伺つておきたいと思うのであります。  ただいまの訂正の中に、大蔵省の方から、青木君のうちにダイヤモンドあるいは金銀があるからとつて来いと言うて、進駐軍の者に指令を渡したように聞いておりまするが、大蔵省のだれからその指令を渡しましたか、この点を伺つておきたいと思います。
  6. 青木正

    青木正君 大蔵省の内部のことでありますので、私は大蔵省から進駐軍指令を出したというふうには存じておりません。またそう申し上げたつもりはありません。私の申し上げましたのは、これはおそらく進駐軍から大蔵省の方に照会があつたと思うのであります。その照会によりまして、大蔵省から私の方に連絡があつて、私の方で協会所有のものは、こういうものはここにある、こういうものはここにあるということを大蔵省の方にお届けをして、それから大蔵省の方から進駐軍の方に届けたものと存じております。
  7. 中野四郎

    中野(四)委員 すると接收前の物件大蔵省報告したのは、大蔵省のどこに報告をいたしましたか。
  8. 青木正

    青木正君 物件報告につきましては、私ども戰時物資活用協会大蔵省軍需省、それから内務省の三省共同外郭団体となつておりましたので、金につきましては大蔵省、それからおそらくダイヤ関係につきましては軍需省の方に、報告しておつたと思うのであります。大蔵省の方は、当時の外資局が金の方の関係にありましたので、外資局にそうした書類は、要求があるごとに報告をいたしておつた、こういうことになつております。
  9. 中野四郎

    中野(四)委員 軍需省はどこに届けをいたしましたか。
  10. 青木正

    青木正君 軍需省の方は、私の方はダイヤ関係は実は軍需省直接ではないのでありまして、すべて交易営団の下請になつておりましたので、直接の折衝は交易営団がやつてつたよう記憶しております。私の方はすべて交易営団に集まりましたものを届けますし、報告交易営団にする、こういうふうにやつてつたのであります。
  11. 中野四郎

    中野(四)委員 青木さんのお話はこの程度にいたしまして、本日おいでを願いました参考人久保さんと櫻井さんに伺いたいと思います。  先日のこの大蔵委員会においての青木君の発言と、本日の訂正が根本的に食い違つておりまするので、久保さんや櫻井さんに伺う点について、省略をしなければならぬ点と、間違つておりまする点が、こちらにおいてあるかもしれませんが、一応本日参考人として御苦労を願つたのでありまするから、われわれの意思を了とされてお答え願いたいと思うのです。  終戦直後から占領中にわたりまして、米軍によつて接收されておりました金、白金、銀、ダイヤモンドなどが平和条約の発効と同時に接收を解除されましたので、従つて政府においては、これを元の持主である——言いかえますれば、戰争中勝ち抜くためと強制買上げをされ、あるいは供出をした人々に、返還その他の処置をせんとするために、新しい接收貴金属等数量等報告に関する法律案を、政府側から提案して来たわけであります。提案理由説明を読みますると、何分接收当時においては政府は一切この接收に対して関与していなかつたいうのです。従つてその物品の入手径路とか、あるいは元の持主というものが一切わからない。従つて接收された人々の住所、姓名あるいは品質、種類等報告させるために、今度の法律案が提案されたのであります。われわれがこれを審議するにあたりまして一番かんじんな問題は、接收当時において大蔵省がはたしてこれにタツチをしておつたか、いなかつたかという点に重点が置かれておるのであります。先日青木君の証言によりますれば、久保外資局長から依頼を受けて自分自宅に疎開をしたと、非常に悲壮な言辞を含めてるるとして述べられたのは、幸い当日NHKの録音に全部が載せられておりまして、必ずしも今青木君の訂正されたように、興奮の余り、環境の結果によつて間違つたなどどいうような性格のものとは違うのであります。しかしながらここではそれを議論するところではありませんから……。  本日久保参考人に伺いたい点が約十二、三点にわたつてあるのでありますが、第一番に、久保さんは外資局長をいつごろまでおやりになつていらつしやいまして、その所管役割はどういうような役割を担当しておられましたか、伺いたいのであります。
  12. 佐藤重遠

  13. 久保田鶴松

    久保参考人 ただいまの中野さんの御質問に対しましてお答えいたします。私が外資局長に任ぜられましたのは、正確には記憶いたしませんが、たしか昭和十八年の九月か十月ごろだつた記憶いたします。外資局長をやめましたのは、昭和二十年の十月でございまして、外資局長から金融局長に任ぜられたわけでございます。その間におきまして、外資局といたしまして所管をいたしましたものは、今日の大蔵省の官制で行きますと、大蔵省理財局大蔵省管財局、それから今はございませんが、為替局、この三つが大体一つになりまして、外資局というものに編成がえされまして、私がその局長に任ぜられたわけであります。これでよろしゆうございますか。
  14. 中野四郎

    中野(四)委員 御承知のように、この金は金資金特別会計買上げであつて大蔵省所管であつたと思うのですが、久保さんが外資局長当時にこういう方面関係されたことがあるかどうか、またあるとすれば、日銀に当時、どのくらいの在庫高があつたかを伺いたいと思うのですが……。
  15. 久保田鶴松

    久保参考人 お答えいたします。金資金特別会計外資局所管でございました。金資金特別会計の運用につきましては、当時の普通の状態におきましては——あるいは現在もさようかと想像いたしますけれども、金山から出て参りまする、つまり山から出まする金を造幣局で分析し、定型と申しますか、いわゆる金塊型に鑄ました刻印付のもの、それが日銀金庫に入るわけでございます。そういうような点を、金という現物には一切タツチはいたしませんで、さような径路を経て、オートマテイツクといいますか、自動的に日銀金庫に收納されて参りますものを、結果的に数量調べまして、金資金特別会計資金がその山元の方へ流れて行く、かように帳簿を通じて監督をいたしておつたわけでございます。  なお日本銀行に、その当時政府保有金として何ほどの金があつたかという点でございますが、これは正確には記憶いたしておりません。日々金が減つて行くというので、相当憂うべき状態にあつたということは申し上げてもよいかと思うのでございます。
  16. 中野四郎

    中野(四)委員 当時の資料要求すれば、久保さんの御関係において出ましようか、どうでしようか。金の在庫高について……。
  17. 久保田鶴松

    久保参考人 お答えいたします。私個人は役所をやめますと同時に、さような書類を持つて行つてはおりませんので、今日大蔵省にさような書類が残つておるといたしますれば、正確にわかるものと思います。
  18. 中野四郎

    中野(四)委員 理財局長に伺いますが、その資料は現在ありますか。
  19. 石田正

    石田政府委員 その当時の記録はございます。
  20. 中野四郎

    中野(四)委員 さらに久保さんに伺いますが、ダイヤモンド白金買上げは、たしか昭和十九年七月二十一日の軍需次官通牒に基くものであつて買上げは一切交易営団行つてつたと思いまするが、久保さんは外資局長として交易営団とどういう関係を持つておられたか、どういうような交渉を持つておいでになつたかを伺いたいと思います。
  21. 久保田鶴松

    久保参考人 お答えいたします。ダイヤモンド白金につきましては、中野さんのお話通り軍需省所管でございまして、大蔵省といたしましても、外資局長といたしましても、一切これにタツチをいたしておりません。また大蔵省といたしましてタツチをする必要ありやいなやという点につきましても、タイヤ、白金は、工具——工作機械といいますか、そういうような工業生産的な面から、軍需省タツチされたわけでございまして、大蔵省といたしましては、大蔵省の本来の使命からいたしまして、ダイヤ白金というものには直接の関係はございませんので、関与をいたしてはおらなかつたわけであります。
  22. 中野四郎

    中野(四)委員 交易営団との関係はいかがでしようか。交易営団関係があつたかどうかを伺つておるのであります。
  23. 久保田鶴松

    久保参考人 交易営団とは直接間接関係はなかつた記憶いたします。
  24. 中野四郎

    中野(四)委員 さらに伺いまするが、戰時物資活用協会外資局は、どういう関係を持つておりましたでしようか。
  25. 久保田鶴松

    久保参考人 戰時物資活用協会は、私の記憶では軍需省商工省、それから大蔵省、三大臣の監督のもとに、あるいは認可と申しますか、そのもとにできました団体であつたのではないかと思います。私が外資局長に就任する以前から存在しておつたものだと記憶いたしております。従いまして大蔵省といいますか、外資局との関係におきましては、金もしくは銀を回收する場合に、これを利用いたしましたと記憶いたしております。
  26. 中野四郎

    中野(四)委員 ここでたいへん困つた問題が起るのです。先ほど青木君が訂正されたいわゆる所管の問題なんです。おそらく後日大蔵省においても、これは大問題になろうと思うのですけれども、少くとも交易営団で買い上げた当時の金、白金ダイヤモンド数量がわからないのであります。そしてその予算あるいは決算等も一切不明なのであります。交易営団予算決算書類は一切焼失してしまつたために、不明だということを言うておるのであります。今後この日本銀行地下室にありまするところのダイヤモンド、金、銀、白金等返還にあたりましては、その元の接收前の所有者について、非常な国家的な問題が起つて来ようと思うのです。特に重大な問題は、交易営団政府との関係であります。非常にこれはデリケートな問題が起るおそれがあるのであります。ただこの委員会はそこまで追究すべきものでないので、深くは掘り下げませんけれども、相当に憂慮にたえない事態が、先ほどの青木君の証言によつて生ずる可能性が生れて来たわけなのであります。  そこで私はさらに久保さんに伺つて行きたいのですが、先日の委員会におきまして、青木正君は、戰時物資活用協会の業務部長当時、すわなち終戰の前後と言うておりまするから、日にちは後ほど青木君からつまびらかにされることと思いますが、十七、八日のころだろうと思うけれども進駐軍が上陸をするので、貴重品が非常な危險にさらされるおそれありとして、大蔵省久保外資局長に依頼を受けて、埼玉県北埼玉郡共和村の自宅に運んだということを言うておるのです。当日の証言によりますれば、嚴として預かり証をば櫻井事務官に預けたと言つております。当時所管局長として久保さんは、こういうような事実にタツチをされたことがありまするか、あるいはそのようなことを報告等においてお聞きになつたことがあるかどうか、この点を明確に伺いたいと思うのであります。
  27. 久保田鶴松

    久保参考人  終戰前後と申しますか、八月十七、十八日ころというお話でございますが、私といたしましては、青木さんをお呼びいたしまして、さような具体的な問題につきましてお話合いをしたという記憶を、正確には持つておりません。
  28. 中野四郎

    中野(四)委員 さらに伺いまするが、それでは当時日本銀行地下室におつた金、銀等につきまして、外資局長の命令があればこれを移動させることができたのでありましようか、いかがでしよう。
  29. 久保田鶴松

    久保参考人 お答えいたします。外資局長といたしましては、先ほども申し上げましたように、戰時物資活用協会というものを活用いたしまして、金並びに銀につきましてはお手伝いをしていただきましたのでありますが、ダイヤモンド白金につきましては、全然関与をいたしておりませんので、その点ははつきりとひとつ御認識おき願いたいと思うのであります。  なおまた外資局監督所管をいたしておりました金、銀の回收でございますが、これにつきましては、外資局といたしましても、外資局長といたしましても、はたまた大蔵省といたしましても、現物に手を触れるということは一切ございません。ただ終戰後のごたごたに際しまして、私は外資局長といたしまして、おそらく金や銀が全国で相当集まつておるのじやないか、それが津々浦々が戰災で焼け、鉄道その他の交通が遮断されて、そして終戰を迎えましたわけで、概括的な監督者といたしまして、まことに憂慮にたえなかつたという記憶は正確に持つております。ただ全体的にそれを考えたわけでございまして、戰時物資活用協会が、あるいは東京の一部分で集めましたものかどうか、そういう場所につつきまして一つの具体的なことまで指令をするというような、精神的な余裕も、またさようなひまな仕事では実はございませんで、もつと大きな問題がいろいろ山積いたしておるわけでございますので、さようなことをいたした記憶は持つておりません。なおまた日本銀行に対しまして、一つなり二つなりの箱を指定いたしまして、これを預かつてくれとか、これを出してくれとか、さようなことを依頼した記憶は全然私ございません。また日本銀行に対しまして、外資局長といたしましてさような非常識なことは、お願いできる筋合いではないということは、常識上御判断願いたいと思うわけでございます。
  30. 中野四郎

    中野(四)委員 私の伺いました、すなわち外資局長の命令権限の範囲で、日本銀行地下室にある金、銀、白金等——白金は別といたしましても、移動させることができ得るのですか、どうですか、これを伺いたい。
  31. 久保田鶴松

    久保参考人 さような必要は認めません。移動を命ずるような必要は認めなかつたと思います。従いましてお願いをしたことはございません。
  32. 中野四郎

    中野(四)委員 そうでなく、命令をなさればあなたの権限内において移動させることが可能なのでありますか。
  33. 久保田鶴松

    久保参考人 それはたとえば、私が外資局長をしておりまするときに、たとえて申し上げますと、タイあるいは仏印等で使いまする軍費、この軍費調達の協定を何箇月かごとにやりましたわけでございますが、さような場合におきましては、タイあるいは仏印におきましては、向うから提供していただきまするピアストルなりあるいはバートなり、かようなものに対しまして、それに対応いたしまする金を向うに譲らなければ、向うの通貨を渡してもらえなかつたわけでございます。さような場合におきましては、金資金特別会計所有金を移動するよう、タイあるいは仏印との通貨協定によりまして、大蔵大臣から命令が行くわけでございまして、外資局長からさような金を移動するような命令を、外資局長名で出すことは絶対ございません。それからまた金を移動するような場合におきましても、いわゆる金塊、これくらいの定型になつて、そうして品位その他が造幣局で刻印されておるのでございますけれども、さようなものにつきましては、大きな国の政策上動かすことはございますけれども、精製途上、しかも戰時物資活用協会のまだ所有になつておりまするようなもの、それにつきまして移動を命ずるというようなことはございません。
  34. 中野四郎

    中野(四)委員 それではいま一点伺いまするが、先ほど青木君から話がありまして、その前にも青木君は、一旦預けてから二週間ほどしてから大蔵省から呼出しがあつて米軍のハーゲマン中尉と一緒にジープに乘つて自分の家のダイヤ、金、銀を渡したと言つているのです。その際大蔵省の方で、この接收をするというときに青木君の方へこれを返してやつてくれと、あなたの方でおつしやつたことがあるのですか、いかがですか。
  35. 久保田鶴松

    久保参考人 私はさような事実につきましては、全然関与いたしていないと思つております。
  36. 中野四郎

    中野(四)委員 この際櫻井さんに伺いたいと思いまするが、あなたは、青木君の説によりますれば、まつたくあなたが当時の担当官、特に担当された人のように伺つております。従つて先ほど来久保参考人に伺つておりまするような、まず第一に日本銀行地下室に当時ありましたるところの金、銀、ダイヤモンド等をば青木君の自宅へ疎開を依頼したことがありましようか、いかがでしようか。
  37. 櫻井郡二

    櫻井参考人 今のことにつきましては、私大蔵省外資局勤務当時の関係で、中央物資活用協会に金、銀の回收をしてもらつておりましたが、その後、戰時物資活用協会の名において十分管理しろということは言つておりますが、青木さんの宅の方へ運べということは申しておりません。
  38. 中野四郎

    中野(四)委員 従つて青木君から預かり証をとつて、そうして疎開を依頼したことは断じてないのでありますね。
  39. 櫻井郡二

    櫻井参考人 ありませんでございます。
  40. 中野四郎

    中野(四)委員 もう一点伺つておきます。すなわち、この法律案を審議する上において、大蔵省接收当時に全然関与していなかつたということが、明らかになればよろしいのでありますが、さらに青木君の自宅に金、銀、ダイヤ等があるということを大蔵省によつて司令部に示唆をされて、そうして司令部がこれを持ち運び去つたというのですが、当時戰時物資活用協会に深く関係をお持ちになつていらつしやつた櫻井さんは、当時交易営団なりあるいは日銀地下室に保管してあつた品物なりに対して、現在は青木君の地下室にあるから、これを持つて来てもよろしいというような許可を与えた覚えがありますかどうか。この点を伺つておきたいと思うのであります。
  41. 櫻井郡二

    櫻井参考人 そういうことはありませんでございます。
  42. 中野四郎

    中野(四)委員 こう話を聞いて参りますると——何かありますか。
  43. 櫻井郡二

    櫻井参考人 ちよつと今の……。終戰後、進駐軍の方から国が持つておる貴金属数量報告を出せという命令はありました。その次に外郭団体、いわば中央物資活用協会の持つておる金、銀についても報告を出せということがありましたので、中央物資活用協会から金、銀の数量、場所というものを報告をとつた覚えはあります。
  44. 中野四郎

    中野(四)委員 その報告の中に、青木君の自宅に一定の数量のものがあるということを報告なすつたのですか、いかがですか。
  45. 櫻井郡二

    櫻井参考人 報告は金、銀につきましてはありました。白金ダイヤについては、私の方では命令しておりませんでございます。
  46. 中野四郎

    中野(四)委員 してみると接收当時、大蔵省は御関係になつたのですね。接收当時において、少くとも外郭団体に対する報告を求め、そうしてそれに対してそれぞれの処置をなすつたのですから、大蔵省接收当時関与を少くともしておつたということは言い得るわけですか。
  47. 櫻井郡二

    櫻井参考人 それは進駐軍の方から報告を出せということによつて、私の方で中央物資活用協会が持つておるものを報告をとりまして、それで向うに出した、こういうことでございます。
  48. 中野四郎

    中野(四)委員 従つて大蔵省はそのことに関与したという結論になるでしよう、いかがです。
  49. 櫻井郡二

    櫻井参考人 それは取次をしたということでございます。関与したということに関連的にはなると思います。
  50. 中野四郎

    中野(四)委員 取次であろうと何であろうと、関与したことさえはつきりすればよろしい。この法律案——今あなたは専売公社においでになりますから、直接担当ではないのでありますけれども、当時の状況をこの提案理由説明の中にうたつておるのです。すなわち、日銀地下室にある品物はどこから来たか、入手径路がまつたくわからぬという、それから、もとよりこの旧所有者もわからないわけであります。そのことはなぜかといえば、接收当時は大蔵省が全然関与をしていなかつたから、わからないというておるのであります。私の方の疑惑はこの一点に集中しておるのであります。今あなたの御説明を聞くと、当時外郭団体から相当なる資料を集められて、その資料に基いて、それぞれ当時の進駐軍報告をされておるとあるなれば、大蔵省は明らかに接收当時において、関与をしておるということが言い得るのであります。先ほど来、久保外資局長お話を聞いても、大蔵省のそれぞれの現担当官の話を聞きましても、どうも関係をしていないというような感を私らに与えておつた。ところが青木君の先ほどの訂正は、これは先ほども申し上げ、さらに繰返して申し上げるように、今後この法律が通つた後において、旧所有者返還をするというときに、私の所有物であつたという重大な示唆をしたものと言わざるを得ない重大な関係があるのです。だから私は大蔵省が関与しておつたか、関与しておらぬかということが重点で聞いておるのですが、桜井さんのお話を聞けば、当時大蔵省に相当な資料を集めたとおつしやるのですが、その報告をすべき資料は現在でも大蔵省に残存しておりまするかどうか。むろん残存しておるものと思いまするが、だれがこれを引継いで、だれが所管をしておりまするか、これを伺いたいのであります。
  51. 櫻井郡二

    櫻井参考人 大蔵省金資金特別会計というものは、全然机上だけで仕事をやつておりまして、だれからどういうものが入つて来たということは全然関係ありませんでございます。中央物資活用協会が民間のものを集めたのでございまして、そういうこまかい資料大蔵省はとつておりませんでございます。ただ接收の当時、外郭団体たる中央物資活用協会にどういう数量があるかというときに、報告を徴しまして、どことどことどこにこれだけあるという資料だけをとつたのでありまして、各人の回收しました内訳というものは、全然大蔵省タツチしておりませんでございます。わかりませんでございます。
  52. 中野四郎

    中野(四)委員 どことどこにあつたというなら、そこを調べればさらにわかるわけなんです。そうでしよう。つまり各方面に分散してあつたものを、あなたがその資料をお集めになつたのですから、その集めたあなたに聞けば、集めた場所はわかる。たとえば松屋で取扱つたもの、松坂屋で取扱つたもの、あるいは市中銀行で取扱つたものは、当時銀行においてはことごとく仮領收書というものを発して、ダイヤモンドでも金でも、そうして台帳に載つておるはずなんです。この事例はたくさんあります。現在でも相当銀行には、当時の供出提供によるところの書類は残つておるはずなんです。だからこれを調べれば相当わかると思いますが、櫻井さんはどういうふうに考えられますか。
  53. 櫻井郡二

    櫻井参考人 中央物資活用協会が、各人から供出されたものについては、一々こまかい計算をしてやつてつた記憶しておりますから、もしそれが現存しておりますればわかりますが、こまかい点については、中央物資活用協会の方でどういうふうにそれが保管されておるかという問題に、私は帰結すると思います。大蔵省におきましては、そういうこまかいものの保管その他につきましては、存じておりませんでございます。
  54. 中野四郎

    中野(四)委員 当時の書類は、あなた一人で関係なすつたかどうか知りませんが、当時の関係書類というものは、現在どこに引継がれておるのでありましようか。
  55. 櫻井郡二

    櫻井参考人 その当時の関係書類は、外資局——今の理財局でございます。金資金特別会計の方をやつておる金の方の係に、そのままそつくり私のやつた仕事の書類は残つておると思います。
  56. 中野四郎

    中野(四)委員 この際石田理財局長に伺いたいのですが、とにかく相当大きな数量のものが接收解除をされたわけなんです。千億以上のものであります。従つてこれがもとの各持主のところに返るということになれば、相当大きな関心を払われるであろうと思います。そこであなたの方では、今一方的にこの法律で当時の供出をした数量を求めようとしておられまするが、先日来の説明とは食い違つて、あなたの方の関係しておるところの大蔵省の中に、そういう詳細を知ることができる書類があるというのですが、これを調べたことはあるのですか。
  57. 石田正

    石田政府委員 この機会におきまして、御質問の点以外に若干補足して答えさせていただきたいと思います。これは何と申しまするか、本法律案を提出いたしましたところの説明書の中に、大蔵省接收については関与しておらなかつたので要するにそれらの貴金属なりダイヤモンド等の所有者の氏名とかあるいは所在とか、それからまた一切の、数量とかいうような点が不明でありますので、云々ということが書いてあるわけです。これは私たちの文章の書き方が悪かつたかもしれませんが、意図しておりますところは、接收自体には関与しておらなかつた接收自体をみずからやりまするならば、この接收に関連するすべての事項について、相当詳細なものを持つておらなければならぬということになるわけでございます。ところが接收にみずから当つたのございませんので、従つて資料というものについて万全を期しがたい、それからまた明確に断定しがたいいうのがわれわれの実情でございます。それならば何も知らないかという問題に相なりますと、これは別問題でございます。今お話がございましたたとえば中央物資活用協会の問題につきましては、これは先ほど来もお話がありましたように、接收が行われまする場合は、政府に対しましてその外郭団体が持つておるところのものの数量は、一体どのくらいあるのかという質問が来たと思います。その場合に大蔵省といたしましては、先ほども久保外資局長からお話たしましたようなぐあいに、現物にはタツチしておりませんので、大蔵省といたしましては、この所管事項でありまするところの金にいたしましても、あるいは銀にいたしましても、所管する範囲内におきましても、中央物資活用協会がこれだけ、持つておりますという数字を、その当時としては信用せざるを得ない。実物につきまして一々その数量と実物とを検査しておつたわけではないのでございます。それでそういう外郭団体があ  の当時において、一体どういう金及び銀を持つてつたかというような資料を出せということになりますると、大蔵省として責任をもつて、これだけの数量が中央物資活用協会において持たれておるということを、確定的に言うことはできない立場にあるわけであります。従いまして中央物資活用協会がこれだけ持つておると言つておりますという数字を出すよりほか、しかたがなかつたわけであります。取次ぎましたところのその資料というものは——その当時の資料というものはわれわれといたしましては、ある部分残つております。でありますから、大体今のようなお話の問題につきまして、中央物資活用協会が言うところによりますれば、このくらいのものがあつたであろう、あつたはずであるという数字はある程度あります。しかしそれが間違いのないものかどうかということにつきましては、われわれとして確認することができない。明確にこの通りであると言うことができないということが、実際問題であろうかと思うのであります。今申されました御質問の要点は、その当時におきまして、その接收という事実、これに関連しまして、そういうふうな中央物資活用協会が、これだけあるといつたようなその数字なり、それについての記録がないか——記録はございます。私どもつております。しかしこれによつて、この通りであると断定することがいいか悪いかということは、相当問題があるのであろう。これは今申し上げましたようなぐあいに、そういう終戰まぎわにおきまして、終戰前後におきまして出しました数字というものは、これは何も法律的なあれに基いて出したものではな  いのでありまして、私どもは、その数字がかりに正しいといたしましても、本法律案通りました後には、この法律案によつて出しました数字であるならば、これは根拠のある数字として、それからさらに追究いたして行く、こういうふうに相なるのではないかと思つておる次第であります。
  58. 中野四郎

    中野(四)委員 そうすると、石田局長お話は、資料はあるという説なんですね。資料はあるんですね。
  59. 石田正

    石田政府委員 まるつきりないというわけではございませんので、一応の資料というものはあるわけであります。
  60. 中野四郎

    中野(四)委員 資料があるなら初めから出せばいいのじやないか。そうすれば、こんなに騒がなくたつて済む。だからすみやかに委員長大蔵省に命じて、その資料を本委員会に提出をしていただきたいと思うのであります。  それからさらにもう一点石田局長に伺つておきまするが、かりに——仮定論です。仮定論を申し上げては悪いが、現在接收解除を受けた物品の所管の問題です。もし旧所有者が名乘り出る場合に、交易営団等が実質上においては政府の許可を得て、自分のうちの債券を発行するとか、あるいは銀行借入金等によつて買い入れておるのです。これは政府がいつ何時でも買い入れるという示唆のもとに、一般国民から買い上げるというよりも、むしろ強制的に供出せしめたものなんです。そういう性格のものでありまするが、そういうものでも法律上の手続はどういう結果になりまするかは知りませんけれども、一応これは交易営団のものなりとして、大蔵省に請求された場合においては、大蔵省はどういう処置をとるつもりでありましようか。
  61. 石田正

    石田政府委員 この請求がありました場合に、その請求がありました根拠等をいろいろ示しまして、そうして請求があるとすれば、あるはずだと思います。しかしこの問題の処理というものは、先ほど来もお話がありましたようなぐあいに、まだ明確でない点が残つてつたのであります。そこらの点はまず明確にしなければならぬかと思います。それから明確になりました場合に、交易営団というのは今お話がございましたようなぐあいに、普通の私人が單純にそれを持つてつたのとは違うわけでございます。そこでそれをそのまま——かりにそういう請求の数字その他につきましては正確であるといたしましても、ただちにそのまま返すのがいいか悪いかという問題については、相当考えなければならない。その問題につきましては、あらためて法案をつくりまして、国会の議決を経てから処置するのが適当ではないか、かように考えておる次第でございます。
  62. 中野四郎

    中野(四)委員 もう一点伺つておきたい。そうすると結論的に、大蔵省はこの接收当時について、直接の関与はしなかつたけれども、間接的に関与をした。そうしてそれに対するところの資料は現在大蔵省に幾分かはある、こういう結論に了承してよろしゆうございますか。
  63. 石田正

    石田政府委員 これは誤解のないように申し上げておきたいと思うのでありますが、われわれが対象といたしておりまするのは、今度返還されましたものを全体として一括して持つておるのであります。その全体のものにつきまして、ある特定の、今問題になつておりまするところのものだけの数字が、ある程度までかりに推定できるにいたしましても、それによつてほかの方にもあるいはあるかもしれないのでありまして、そういうふうなものがなければ全般的には知つておらぬ、こういうことをいわざるを得ないということになるのであります。その点が誤解のもとになつたかと私は想像いたすのでございます。ある程度の資料はある。しかしそれは全般の資料ではないから、こういう大きな問題を取扱うにつきまして、ある一部分だけの資料によつて判断するということは間違いのもとではないか、かように考えまして、われわれといたしましては、政府としてできるだけの手を盡して報告をいただきまして、その上で判断を下すべきものと考えまして、本法案を提出いたしたような次第でございます。
  64. 中野四郎

    中野(四)委員 もう一点特に櫻井さんにちよつと忘れましたが、あなたは青木君のうちに、金銀あるいはダイヤモンドというようなものを疎開されておることを聞いたことがあるのですか。
  65. 櫻井郡二

    櫻井参考人 終戰外郭団体の持つておる金の報告を出してもらいたいということを、中央物資活用協会に依頼しまして、中央物資活用協会のこことこことここにあるという報告を見まして、初めて知つたわけであります。
  66. 中野四郎

    中野(四)委員 すなわちその品物青木さんのうちにあるということを知つたわけでありますか。
  67. 櫻井郡二

    櫻井参考人 その書類報告を見たというだけで、現物は見ておりません。
  68. 中野四郎

    中野(四)委員 従つてその報告を見て進駐軍の方へそれをそのまま報告したのでありましようか。青木君のうちにこういうものがあるということを報告したのでありましようか。
  69. 櫻井郡二

    櫻井参考人 それは表といたしまして所在、数量というものを報告したのでございまするから、自然青木さんのところにもあるという表が出たわけでございます。
  70. 中野四郎

    中野(四)委員 そのときの数量それから物品ですれ、金、銀、だとか白金だとかダイヤモンドといつたような種別は、明らかになつておりましようかどうか。
  71. 櫻井郡二

    櫻井参考人  それはこちらの方で金、銀というふうに区わけをしてやりましたから、その報告を見れば、内容はある程度どういうものがあるということはわかると私は思います。
  72. 中野四郎

    中野(四)委員 その書類はやはり大蔵省に現存しておるわけでありますね。
  73. 櫻井郡二

    櫻井参考人 その当時私がやつておりましたから、大蔵省にあると私は思います。
  74. 中野四郎

    中野(四)委員 了承しました。
  75. 佐藤重遠

    佐藤委員長 どなたか発言はございませんか。
  76. 宮幡靖

    宮幡委員 私は直接参考人にお尋ねする必要を感じておらないのでありますが、今参考人の御意見とあわせまして中野委員からの質問に関連いたしまして、石田局長に念のためにひとつ伺つておくのでありますが、ただいまのような経過でありますと、おおむね提案されております法律というものによりまして、報告を早急に聞くということは、必要欠くべからざる措置であろうと思うのであります。そこで法案を見ますと、二十七年の九月三十日までに報告せしめるというような事務的な規定でありますが、この九月三十日というのは考え方によつては少し短か過ぎるような感じがいたします。また事実におきまして九月三十日になつたならば、断然とその他のものを切り捨ててしまうという措置をとるのか。あるいは好意的に再催告というか、もう少し期間を延ばしてまた申出をしてもよいというような保護的な措置を講ずるのか。これらの点につきまして現在理財局として考えておるその構想を、簡單でよろしゆうございますから、この際表明していただきたいのであります。
  77. 石田正

    石田政府委員 本問題は非常に重要な問題を含んでおります。政府といたしましては自分の手でわかりますようなものにつきましては、できるだけ調べるつもりでおりますが、どうしてもこれは報告をとるべく考えて、この法案を提出したのであります。そうしてこの問題は相当複雑な問題とは思いますが、なるべく早く処置がきまることが望ましいと思つておるのであります。従いまして報告は実はなるべく早くお出しを願う、こういう意味で九月三十日ということを法案には指定してあるわけであります。しかしながら実際にやりました結果におきまして、この複雑性等のために報告が足りないとか、あるいは報告について補足の必要があるというような、いろいろな問題が起きました場合におきましては、まあそういう不明なままに処理すべき性質のものではありませんから、当然延長の措置を考えなければならぬのではないか、かように考えておる次第であります。
  78. 宮幡靖

    宮幡委員 次にもう一点伺いますが、報告が徴せられまして一応検討という時期となりますと、これはなかなか複雑な問題が生じて来るということを想像しなければなりません。そこでこれらについては仮称でありますが、接收金属の返還措置に関する審議会とでも申しましようか、さような審議機関を設けまして愼重に検討すべきであろうと思いますが、こういうことについては行政措置で私はいいと思いますが、何か御構想を持つておられるか。しかも審議の一つの尺度といいますか、ものさしといいますか、その標準としましては書証に重点を置くのか。これに関連いたしまして人証その他の資料とあわせ考えまして検討を続けるのかどうか。これらの方針の概要なりがきまつておりましたならば、この際明確にしていただきたい。
  79. 石田正

    石田政府委員 大体今の質問につきましては、まず審議会のようなものを設けることになるかどうかということが、第一点と思います。これは私といたしましては、そういうものを設けた方がいいのではないかと考えております。それから審議会の内容をどう重点を置くかということは、これは報告をいただきました上でなければ確定的なことは申せませんが、一応想像いたしますに、一体この資料その他につきまして数量、品位等につきまして、いろいろと認定をしなければならないという問題が起つて来ると思います。この点は相当専門的なことになりますと、専門的な方がこの審議会に加わる必要が起るを思う。他面におきまして先ほど以来中野先生もいろいろお話がございましたように、非常に複雑でございまして、それに関連いたしまして法律問題も起つて来ると思います。この法律的関係における専門の方も、これは御参加願わなければならぬのではないか、かように考えている次第でございます。
  80. 宮幡靖

    宮幡委員 大体それでわかるのでありますが、かんじんのところを一点確かめておきます。領收証等の証拠書類をつけて提出すれば、割合問題はないのでありましようけれども、たとえば先日来中野委員参考人にお尋ねしているような言いまわし方をしてみますると、どこのどこにはたれの手によつてこれだけのダイヤモンドが移された、それがどこへ行つて、ここへ行つてというような説明からいたしまして、人証といいますか、人の証言等によりまして構成されて参りまする事実、こういうものに重点を置くのか。さようなものは全部排除いたしまして、ひたすら証拠書類だけの審議を続けようとするのか。これはもちろんその場合によつて立法措置を講ずる段階、しかも報告書が集まつて来た状況、並びに大蔵省の不完全ながら一部の資料を持つているというものによつて、調査等をいたします事情はかわるでありましようけれども、根本の方針は何に重点を置くか。これは肝要なことであります。何でも証明があるならば、たまたま青木代議士が出ている、青木代議士のうちにあつたから、どこへ行つてこう行つたから、基本はたれのものであるというような援用的解釈によつて事実を裏づけるというならば、これは相当考慮を払わなければならない。何に基本を置いているか、これだけをひとつ今の段階でけつこうでありますから、方針を示しておいていただきたい。また事情によつて変化のあることもやむを得ないと思います。
  81. 石田正

    石田政府委員 これは非常に問題が複雑でございますので、相当慎重に取扱わなければならない問題だと思います。しかし証拠がございますと、まあ常識から申しましても証拠に重点を置くつというのが当然だろうと思います。問題はむしろ証拠の信憑性の問題というのが、相当に大きな問題になるのではないかと思うのであります。なおさらに複雑な問題といたしましては、その申立てがあつても証拠がないというような、そういう異例なものも相当おるのではないかという心配をいたすのでありまして、この事実の確認につきましては、相当愼重に取運ばなければならない。そこで基準をどうするかというお話でございますが、これは報告をとつてみてからどう判断すべきかという問題でありまして、われわれも先ほど来申し上げましたように、役所だけの資料によつてある程度の推測はいたしておるのでありますけれども、その資料も絶対的なものと見るわけにも行きません。また報告をしていただきましても、報告にどれだけ信憑性を置くかという問題は、その報告を見ないとわからないというのが実態ではないかと思いますので、今の段階といたしましても、確定的に基準はここへ置くんだということを申し上げる段階には至らないことを、御了承願いたいと思うのであります。
  82. 宮幡靖

    宮幡委員 それではただいまのところではやむを得ないと思いますが、しからば次の立法の機会におきましては、ただいま申されましたような一つの標準というか、基準等も法律案の中に盛り込みまして、国会の審議に備える用意があるかどうか、この点をひとつはつきりしておいていただきたい。
  83. 石田正

    石田政府委員 まだ報告をとつておりませんので、実体関係はつきりしない上において、次の法案のことを申し上げることはどうであろうか。今回の法案を出しました趣旨も、これはある程度までわかつておるところでやつてしまつたらどうか、なかなか調べてもむずかしいから大体のところでというような意見も、ないではないように聞いておるのでありますが、そういうことはよろしくない。よく調べるべきものだということで、こういう法案を出したわけであります。従いまして報告がまだとれませんうちに、こういう法案を出すのだということを申し上げることは、非常に困難だと思います。但しこの次の法案で措置をきめるということに相なりますれば、その措置の中にはこういうものはこうするんだ、  これはこうであるからこうなるんだということで、どういう考え方に基いたか、どういう基準に基いて処理するのかということは、明確になるべきものと考えております。
  84. 宮幡靖

    宮幡委員 くどいようでありますが、これははつきり確かめておくのです。まだ報告をとらないうちはという理由もわかりますけれども、しかしながら提案理由説明に附加いたしまし  て、報告集まつた上には、次に返還その他の措置について必要なる立法の措置をとる用意があるということを言明されておる。従つてその出す場合においては、ただいまのようになかなか真偽を判断するに困る状況であります  ので、どういう基準によつてやるかということを法律にはつきり明示できるだろう、それをする用意があるかどうかということなんです。もしそうでない御返答なら、石田局長の御説明は私は信頼いたしません。と同時に、かような法律案につきましては、審議の方針に重大な関係がありますので、もし次の立法のときには、かような基準になつて、かような方法によつてやるということを、状況に照しまして事実問題として編成して入れてくれるというならば、われわれのこの法案に対しますただいまの考え方は、あるいはきわめて單純になるかと思いますが、この標準を示した立法であるのかどうか、こういうことを尋ねたい。言葉は簡單であります。むずかしい附加的な遠まわしな説明は私は要求しておらない。率直にそういうことはする、こういう答えができるかどうかということであります。
  85. 石田正

    石田政府委員 これは何と申しますか、処理をいたしますのについて、どういう考え方をするかという問題になるだろうと思うのであります。その考え方の基準というならば、その考え方なり基準なりをはつきりすべきだ、かように考えております。
  86. 小山長規

    ○小山委員 中野さんの御質問その他宮幡さんの今までの質問から見まして、どうも私わからなくなつてしまつた点があるのであります、報告を聽取して、それからそれをさらにどうするかということを考えるといたしましても、金や銀については大蔵省所管でありますから、大よそ自分の方で資料は持つておる、こう言われるのであります。金や銀については、あるいは経理が正しいかどうかという判断はつくのでありましようが、ダイヤモンドについてはその判断がつかぬのじやないか。それからもう一つ、それが全体としの判断がつかぬのみならず、一つ一つダイヤモンドのアイデンテイフアイをどうするか。それがないならばダイヤモンドの場合は、報告をとつてみ  ても何ら措置はできないんじやないか。この点はいかがですか。
  87. 石田正

    石田政府委員 お示しの点は、非常にむずかしい点があるのではないかとわれわれも推測しておるのであります。しかしながらこの報告をとりますのは、民間の方々からちようだいするわけであります。それに対して政府といたしまして、どうせはつきりしたものは出ないんだ、こういう断定を今下すのはいかがかという点からいたしまして、この法律案を提出いたした次第でございます。
  88. 小山長規

    ○小山委員 それではさらに伺いますが、この法律の目的は、接收を受けた人たちの報告をとる、こういうことになつておるのでありますが、ダイヤモンドの場合には、接收を受けた人、たとえば中央物資活用協会あるいは交易営団からとるのでありましようが、買上げを受けた人から、買上げを受けた人が交易営団なりあるいは中央物資活用協会に出したという報告をさらにもう一つとらないと、全然無意味になつてしまいませんか、その点はいかがですか。
  89. 石田正

    石田政府委員 交易営団なり中央物資活用協会から報告を受ける、これによつて接收されたという報告を出してもらう、それからさらにそれらにつきまして今お話のような点は調べてみなければならぬと思います。これは調べてみて、さらに一人々交易営団や中央物資活用協会に売られたりなんかしました人から、報告をとつた方がいいか悪いかという問題が反対にあると思いますが、これは報告をとるなり調べてみた上において判断したらどうだろうか、そういうふうに今一応考えておる次第であります。
  90. 小山長規

    ○小山委員 それを私は同時にとるべきものじやないかと思います。同時にとれば総合していろいろ判断ができるだろうが、交易営団なり中央物資活用協会からの報告をとつてみても、それは裏づけがないから資料として一向価値のないものになりはしませんか。それがどこから来たかさつぱりわからぬし、第一残つておる現物が、一体活用物資協会から来たものの中のものなのか、それ以外のものなのかという判断がつかぬのではありませんか。ダイヤモンドの場合は……。
  91. 石田正

    石田政府委員 今のお話のようなむずかしい点はあるだろうと思います。しかしながら今お話のありますよう報告をとりましても、大がかりにとられたという事態につきましては、どういう結果に相なりますか、私としてはつきりしたことが言えないような段階にあるのでございます。いわんや今度はその前の段階を調べました場合に、率直に申しましてそれがはつきり出るようになるのかどうか、相当の疑問を持つておるわけであります。まず元の方を調べてみまして、そのほかわれわれの方といたしましては、対外関係におきましても相当調べなければならぬと思つておりますが、それらを見ました上において、さらに判断を下したらどうであろうかというふうに今考えておる次第でございます。
  92. 小山長規

    ○小山委員 その点は政府でも迷つておられるようでありますし、われわれもさらに党なら党として研究して行きたいと思つております。一応これで今日の質問は打切ります。
  93. 深澤義守

    ○深澤委員 議事進行について。非常に重要な法案があり、かつまた本日は非常に重要な問題であつたのでありますが、そういう重要な委員会が開かれる際におきまして、委員長としては、昨晩からの衆議院の議決並びに参議院の関係等を十分考慮せられて、この委員会が有効であるという見解にお立ちになつて委員会を招集せられたと思われるのであります。ところが国会法第十二條によりますと、国会の会期の延長は、両院一致の議決が必要である。それができなかつた場合には、十三條において「両議院一致の議決に至らないときは、衆議院の議決したところによる。」こういう解釈になつておるのであります。ところが参議院においては、この会期の問題については議決に至らないのであります。従つて、この十三條に基きまして、衆議院が一方的に会期延長を議決したということは、国会法第十三條に照して適法でない、従つて今後開かれるところの委員会並びに本会議は無効である、こういう見解をわれわれは持つております。委員長は、本日この委員会を開くにあたりまして、有効であるという確信を持つて開いておるに違いないのでありますが、その有効であるというところの根拠をひとつ明確に承りたいのであります。
  94. 佐藤重遠

    佐藤委員長 にわか勉強ではなはだ申訳ありませんが、しかし第十三條によりまして、有効なりというふうな確信から議事を進めたのであります。
  95. 深澤義守

    ○深澤委員 十三條の見解は、両議院一致の議決に至らないときは、つまり参議院が七日にするという議決をした、衆議院は十日にするという議決をしたということで意見が食い違つた場合においては、衆議院の議決に従うということになるのでありますが、参議院は七日にも十日にもまだ議決に至つていないのであります。従つて十三條の見解から申しまして、両議院の一致の議決に至つていないのであります。すなわち参議院は議決をしていないのであります。従つてそういう場合においては、十三條の適用はできないという見解を私は持つておるのであります。従つて今後開かれるところの委員会は無効であるということが言えるのであります。つまり参議院においては議決が行われていないという事実があるのでありますから、従つて今後開くところの委員会は無効であるという見解をわれわれは持つのであります。この点についてもう一回委員長の御意見を承りたいと思います。
  96. 佐藤重遠

    佐藤委員長 御見解を拝承いたしましたが、その問題は議院運営委員会で取上ぐべき問題であると考えまして、私は適法にやつておると考えておる次第でございます。
  97. 深澤義守

    ○深澤委員 国会法第十三條によつて、両院の議決が一致しない場合において、衆議院が一方的に議決をするというその議決の仕方は、衆議院規則第二十條によりまして、議長が各常任委員長意見を徴し、参議院議長と協議した後、議院がこれを議決するということになつているのであります。そこで委員長は、議長がこの会期の延長の問題について各常任委員長会議を開かれて、その意見を徴され、そしてこういうやり方が国会法に基いて適法であるということの結論として、この会期の延長を決定されたのか。つまり衆議院規則第二十條に基いて、はつきり各常任委員長会議を開いて、議長が各常任委員長意見を聞きまして、これなら適法であるという結論の上に昨夜の衆議院の議決が行われたのかどうか。その間のいきさつを承りたいと思います。
  98. 佐藤重遠

    佐藤委員長 昨夜のいきさつの詳細は、私はまだ一向存じてないのでありますが、衆議院の議決に従つて適法に進行しておるものと考えまして、やつておるわけでございます。  以上をもちまして、接收貴金属等数量等報告に関する法律案に関しての参考意見の聴取は終了いたします。参考人の方々におかれましては、本案に関し忌憚のない御意見を開陳してくださいまして、本案審査の上に多大の参考と相なりましたことを、深くお礼申し上げます。  次回は明後二十三日午後一時から開会することにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。     午後零時三十六分散会