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宮幡委員 時間も大分過ぎましたので、結論にいたしますが、大体この程度
はつきりいたして来ますれば、今回のこの妥協
法律案に対します問題は九分
通り終えたと思う。要はくどいようでありますが、
郵政大臣にお願いいたしておきますが、こういう変態的分離
運用をしましたときに起ります弊害の除去ということにつきまして、私
どもは重点的に
考えます。せつかく閣議でも決定いたしたことでもありますから、私
どもはこれを尊重いたしたい。それからしばしば話題に上ります院議尊重の問題につきましても、これは人からしいられるまでもなく、みずから尊重すべきことである。しかしもし不純な
意味をも
つて院議を尊重せよと追究せられることがあるならば、私
どもはこれを尊重し得ざるの理由を述べる用意のあることを、知
つていただきたいのであります。院議はみずから尊重いたします。従いましてこの
法案の取扱いの線というものは、おおむね御理解ができると思う。しかしながらまだ将来の問題としては相当あるのであります。郵政
事務当局のお
考えと、
参考人として述べられました全逓
従業員の中央執行
委員の方とはまつたく違
つておる。法律ははんぱでありながら、変態的な
運用法律でありながら、完全分離
運用を許されたものとして
考えておる。そうしてそういう宣伝をし、そういうパンフレツトも実際においてまいておる。ちようど
郵便局の
窓口でちよつと金が借りられるとまで
考えさせるような線において——これは
参考人の供述によ
つてなかなか
参考人としては意気軒昂な姿におきまして参考
意見を述べられましたので、一層
はつきりして来た。こういう矛盾は
郵政省内部に起ることでありますから、われわれの畏敬する
佐藤大臣がしかるべく処理せられるので、私
どもは不安を感じません。しかしながら根本的な法律が変態的のものであることと、まつたく完全分離のものであるとの誤解等はすみやかに拂拭せられなかつたならば、迷惑いたしますのは
国民大衆であります。この迷いによりまして、右せんか左せんか。聞くところによれば、
佐藤郵政大臣の御出身地である山口県の
町村長さんは、八ブロツクか九ブロツクにわかれて、
町村大会の
決議の中においてこれだけが反対した。あとはみんな
大蔵省の
考えに今は
賛成だというような事態が、もし真実であつたといたしますならば、これはなかなか容易ならない世論を生むことでありましよう。そこで私
どもは長い間予算
委員を兼ねさしていただいておりますので、いろいろな点におきまして、まだ注意しな ければならない数字等がたくさんあります。と申しますのは、分離
運用をいたしますならば、
従業員の志気が上るのだ、こういうような御
説明だが、しかしその予算の裏づけがない。不幸にして私も予算
委員として
賛成いたし、あるいは
賛成討論をしておるかもしれません。その内容を見ますと、
募集手当なんかが総額におきまして九億六千九百万円、約九億七千万円というのが昭和二十六年度の予算で、今度は幾らに
なつているかというと、十九億四千百六十三万五千円と出ている。こういう予算を組んで志気を高揚しようというのである。しかも
三宅委員からも、あるいはわれわれからも指摘したかもしれませんけれ
ども、資料において
募集手当が三万七千円から一挙に二万八千円にかわつた。源泉徴收もあり、すべての給與所得に関し処理した過去の記録からとりました資料としては、これは
白根局長がそれはあやまちであると言えば、私は率直にあやまちだと認めますが、残念ながらそれらの内容におきまして、信憑力を疑わざるを得ないような事態も
残つております。でありますから、志気高揚などということは前提條件ではない。よい法律が生れて、その法律のもとに、全逓の中央執行
委員が言いましたように、
国民の公僕として忠実に
国家業務に従事するという精神を持
つてそこに自然志気が高揚せられ、
従つてそれに対して増額された給與がもし足りなかつたら、補正予算等でまかなわるべきものである。あらかじめ分離
運用によ
つて募集範囲が広くなるから、
手当もこれだけふやさなければならないというような感じで、もし予算が組まれておつたとするならば、これもまた
郵政大臣として独自の
考えでひとつ御処理を願いたい。これは希望でありまして、別に返答はいただかないのであります。かような
意味におきまして、まだ他の
委員の御
質問もあるかもしれませんが、長長と審議を繰返して参りましたので、私もそのような枝葉末節の問題には触れたくありません。基本的には、世の中が
簡保積立金等を完全に独立
運用をさせたいという時代、また
国家事情として、あるいは国際
経済の中に入りまして、あるいは民主主義
国家の一員とし、アジアの安定勢力として、先進工業国としての実際的な指導的立場を確立することを待望しているこの過程におきまして、かような争いが生じたことは遺憾千万である。この趣旨にのつとりまして、私
どもはこの法律の審議終了に際しまして、十分な検討を加えたい、というのであ
つて、いささかもそこに私心もなし、大蔵
委員なるがために
大蔵省に
賛成し、
郵政省に反対するなどというような、ささたる心持でないことを御了解願いましてわれわれの今後の法律審議の方向に対しまして、こいねがわくは
郵政省はあげてこれに御賛同を得まして、
国民の批判に十分備える用意とともに、いかなる形におきましても、この
法案が成立いたしますよう私は念願すると同時に、これに沿いますような
郵政省の心構えを、ひとつ確立されていただきたいことをこの際
大臣にお願いいたしまして
質問を終ることにいたします。