○平田
政府委員 御指摘の事項につきましては、実は大分苦心をいたしたところでありまして、私
どもの見解といたしましては、こういう行為といえ
ども日本においては行われ得るのであるし、この所得は
日本において発生すると見るべきであるから、原則として
日本の税法の適用を受くべきであるが、しかしこういう特別な
理由に基きまして、一定の非課税にしよう、こういう考え方に立
つておりますことをまず申し上げておきます。
それからその際におきまして、問題はいろいろあるのでございますが、要するにアメリカが予算を支出して一定の事をやらせる。そういう事業から所得なり利益なりが発生をした。これは率直に申し上げまして、
日本側といたしますれば普通の商取引、経済取引以外の
理由でそれだけよけいに所得が出て来るわけでありまして、これで相当
日本の税收入もふえて来る。そういう
関係が一体税の負担の
関係等に関連しましてどうなるか。そういう点はいろいろ問題にいたした点でございますが、結局におきまして私
どもやはり原則としまして、アメリカの側におきまして
日本でいろいろな
契約をいたして工事を請負わせるような場合は、やはり課税すべきであるということ、これはかたく貫くことにいたしまして、ただここに書いてありますように、よほど特殊の場合に限
つてこれは考えたらいいのではないか。と申しますのは、
日本におきましては、ちよつと競争になり得ないような特別な工事、そういう工事につきましては、これはちよつと
日本側にあまり注文を引受けるだけの能力がない場合が大
部分、そういう場合におきましては、これはアメリカの
軍隊におきまして本国で直接
契約を結んで、向うからその
契約者を連れて来、そうしてその実行に必要な
範囲の少数の人々を連れて来て、
日本でできないことをやらせる。こういう場合におきましては、いくら課税すると申しましても、若干例外を設けてもいいのではないか、こういう趣旨でこの
規定を入れることにいたした次第であります。しかもその
範囲は
合衆国軍隊の
使用する施設、及びその区域の建設維持または運営、これに限
つてあります。軍人用販売
機関等の建設維持または運営、こういう付随的なものは除き、ほんとうに重要な施設につきまして、アメリカの人でなければ、どうも注文がとうてい引受けることができないような場合に、それを向うで
契約を結んで
日本に実行者を連れて来る。こういう人につきましては、これはやはり最小限考えてもいいのではないかという趣旨で、この
規定を入れることにいたした次第でありまして、その点を御了承願いたいと思います。従いまして
日本におきましていろいろな工事をやる場合におきまして、
日本人の請負業者と、それからアメリカ人で本来いろいろな他の業務を
日本でや
つておる場合もあると思いますが、そういう人々が落札いたしまして事業をやつた場合、こういう場合には免税いたさないのでございます。よほど特別な事情で本国から特に連れて来る必要がある場合におきまして、その人々の所得に対しましてだけ特別の考慮をしよう、こういう趣旨でありまして、これは私
どもといたしましては、相当話合いいたしまして、この
範囲にとどめたということを御了承願いたいと思います。しかしこの点は将来といえ
ども、あるいは問題になる一條文じやないかと思
つておりまするが、今の段階におきましては、まずこういう特例を受けるのが、妥当ではないかというふうに考えておる次第でございます。