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宮幡委員 ただいま
議題とな
つております
関税定率法等の一部を
改正する
法律案につきまして、修正案を
提出いたします。修正案の要領は別にお手元に配付いたしてございますので、それをごらん願いまして、かつ速記録へ載せていただきまして、この際朗読を省略させていただきます。
そこで修正案の概要を申し上げますると、第一点は
印刷紙に対します減税期間が、原案におきましては三月三十一日で期間が切れますので、さらに四月一日から明年三月三十一日まで延長しようというのでありまして、この考え方を持ちました当時におきましては、いまだ
新聞用紙の
輸入ということが必要な事態も若干推定されたのみならず、一般の物資と同様IMC物資以外の通常物資としての
輸入が、期待されておつたのでありますが、ただいまでは国際
割当物資、いわゆる工MC物資となりまして、一般市場から灰色値段等によりまして購入するというような事態もなくなりました。従いまして
価格の点におきましても、あえて
国内市場のものより高額であるというような
状況も、解消されて来るであろうという事態であります。特に本年三月三十一日までかりに一〇%の
課税を免除いたしました有力なる
理由は、
国内の
需給が不安定である、ことには
電力の問題から来ますところの減産の危機、かようなことを配慮いたしまして、この充足をはかるため、三月三十一日までこの
措置を講じたわけであります。しかるところ、その後
輸入の実績というものは、いろいろな
事情によりまして十分ではないのみならず、成立いたしました
輸入契約の九千五百トン、そのうちでわずかに
国内に現に
輸入されましたものは、五百トンにしかすぎないということが明らかにな
つております。従いまして今後、これは既
契約の分でありますので、順次
輸入されて来るであろうということも、また考えなければならない、こういう事態を見合
つて参りますと、用紙
不足に対しまする一つの緊急
措置としていたしました
輸入計画の分が
国内に入るまでの間は、やはり
免税をいたしてやるべきだ。しからざる部分、いわゆる新規の
需要に対しまする
輸入というものには、もはや
免税を継続する必要はないという事態に
なつたように考えます。そこで原案の一箇年はやや長きに失するのきらいがありますので、これを六箇月に修正いたしまして、すでに
免税の條件において
輸入を計画いたしましたものの残部についての
輸入には、ひとしく
免税の恩典に浴せしめる。おおむねその他の新しい用紙はあえて
輸入にまたずとも、
国内充足ができる。のみならず進んでは保護
関税の
目的のもとに、
国内産業の保護育成にもつと力を注ぐべきである。かような観点から原案の一箇年の
免税の期間を、六箇月に短縮いたしたいというのが、第一点の修正の要旨であります。
次には、これはおもに輸出振興の資源で、これも輸出製品の大宗とも申すべきところの繊維品の染色の問題に、重大な関係のあるものでございまして、もちろん
日本の染料工業の現状から見ますると、
消費者であります染色
業者、あるいは織物
業者という面とは、必ずしも利害が一致しておるわけではありません。この見方についてはあるいは異論があるかもしれませんが、現状の
段階におきましては
特定の染料、ことに特許の
関係等によりまして、その自主権がいまだ
日本の
国内に及んでおらないような、たとえて申しますと、ピグメント・レジン・カラー・ベース、及びエキステンダーというような染料につきましては、もちろん
日本の
国内産業において、これにかわるべきものの
生産が勃興いたしますことを、われわれは期待いたしおる存でありますけれ
ども、現状の
段階におきましては、輸出綿布の堅牢度を向上させ、われわれが海外市場におきまして、か
つて先輩のや
つて参りました繊維品の市場獲得等に、十分な競争のカをたくわえる
意味におきましても、ぜひともこれらにつきましては
輸入を容易ならしめまして、輸出振興の一助となすべきであろうと信ずるのであります。従いまして、これを長期にわた
つて行いますことについては、もちろん異論がございますので、暫定
措置といたしまして、新たに一箇年間だけ
免税の
措置を講じたいというのが、修正の要旨であります。これに伴いまして同様建染染料のうちスレン染料につきましては、一箇年間の暫定計画の税率を二〇%と先
国会において定めたのでありまするが、諸般の実情を勘案いたしますると、当初暫定税率を定めます場合の衆議院の意見の
通り、一五%程度というのが妥当のように考えられますので、この際去る
関税定率を制定いたしました当時の
国会の
状況と見合いまして、この一五%に引きもどしまして
免税の
措置を講じて参りたい。これはあくまでも繊維製品の加工原価をできるだけ低くいたしまして、もしありとするならば、他国との競争に優位な地位を占められるという観念から出ました修正案であります。以上の二点が大体の修正の要旨でありますから、何とぞ
提案者の
趣旨を十分御了解の上、もちろん
物品につきます
生産と
消費の両面から参ります異論等もあることと存じまするが、現下の実情においてはかかる処置を講ずることが、最も適切妥当であると信じまして、皆さんの御賛成を仰ぐ次第であります。