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佐藤(一)
政府委員 御
説明申し上げます。御承知のように臨時軍事費特別会計は、
昭和二十一年の二月末においてこれを打切
つたわけでございます。その打切りの
方法でございますが、御承知のように軍の支出官が、資金前渡官吏と申します末端の会計官吏に金を出したのでございますが、その末端の会計官吏が実際にどの程度出したかという点が、不明なものが非常にございました。その金額がおよそ三百八十億ございまして、この判明しない分をただちに歳入と歳出として締切るということは適当でございません。それで臨時軍事費特別会計を締切ります
法律におきまして、一応当時判明しなか
つた金額は、歳出からこれを除いて締切
つたのでございます。そのためにこの締切りを行いましたときは、逆に百七十九億の剰余金を生ずるというかわ
つた形の決算にな
つたわけであります。そうして一応この百七十九億の剰余金を出発点に置いておきまして、その後逐次どれだけのものが正確に支出されたかということが判明いたし、また一方において当時なおわからなか
つた収入が、どのくらいあるかということをがんだんと調査を進める、こういう方針を立てたわけでございます。その結果百七十九億の剰余金以外に、
昭和二十一年から二十五年の間に調査費いたしまして、きわめてわずかでございますが、三億円がその後にわか
つたわけでございます。従いまして百八十二億というものが一応歳入ということにな
つたわけでございます。そうして一方における当初の三百八十一億円というものは、当時のいろいろな
事情等もございまして、その後遂に十分支出の判明しないままにな
つております。これをそのままに放置できませんので、一応決算上、
昭和二十一年と二十二年に正式の歳出に立てまして、結局歳出において三百八十一億、歳入において百八十二億、その差の百九十八億円というものが、二十五年度の決算までに判明いたしました
赤字でございます。