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宮幡委員 その点は割合はつきりしておるのでありますが、私はこの拿捕というものの定義について疑問を持
つておるのです。
夏堀委員質問もしばしばそこに触れておるのでありますが、これはこれから国際的な
漁業協定等につきまして、一体拿捕という線をどこに引いておくか。近くは
簡單に申しまして
東支那海にいたしましても、マツカーサー・ライン、日韓の條約の中に現われております李承晩ライン、日本は公海自由の原則と言
つておりますが、韓国ではこれと違つた意味の定義をしておる。とういう場合に一体拿捕というものは、どこで見わけをつけるか。これが今まで再
保険の仕事としましてまあ一つの行政でありますが、それをその担当官や係の
考え方によ
つて判断されては、かなり迷惑をする
事態が起るのではないか。当初にも申し上げましたように、われわれは深くこの問題をまだ研究をいたしておりません。従
つて深く掘り下げた
質問はできませんが、
特殊保険のいわゆる拿捕というものの区別ということについては、将来かなり紛糾が起ることが予想されるのであります。しかしさしあた
つての本
法案に対しまする替否などとは別にいたしまして、この問題を各種の
漁業協定と見合いまして、十分検討をいただかなければならない。そうしませんと、いわゆる再
保険、しかもその再
保険勘定に
特殊保険というものを設けました精神というものは没却されるのであります。すでに従来の
漁船保険の制度の中におきましても、あらゆる意味におきまして、常識的には救済さるべき
保険の対象でありながら、その給付を受けることができなくて、
船主はもとよりこれにまつわります
船員及びその家族等がかなり困難な事情に陥
つておることは、これは実例として存在いたしております。ただ単に
拿捕船だからとい
つて、そのあとの、過去の実績による合計船価でも
つて割合を見ました
保険料だけを判定いたしますという方式では、私は真の
漁船保険の目的を達成しないのではなかろうか、こういう感じがいたすのであります。特にこの拿捕という定義につきましては、相当むずかしいだろう。従
つてこの場合に私は適切なる御答弁やあるいは資料をいただこうとはいたしません。本
法律案も急速に通過成立させなければならぬ性質のものでありますから、ただいまはとやかく申し上げませんが、この点について十分御研究をいただきまして、私の方で要求しなくても、適当の時期においてこの
委員会に御出席願
つて、それらの方針等を御明示願いたいことを私は
希望する次第であります。