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1952-07-26 第13回国会 衆議院 水産委員会 第50号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十七年七月二十六日(土曜日) 午前十一時二十二分
開議
出席委員
委員長代理理事
小高
熹郎君
理事
田口長治郎
君
理事
永田 節君
石原
圓吉
君 川端 佳夫君 久野 忠治君 鈴木 善幸君
冨永格五郎
君 二階堂 進君 平井 義一君 松田
鐵藏
君 小松 勇次君
水野彦治郎
君
委員外
の
出席者
外務事務官
(
国際協力局次
長)
甲斐文比古君
外務事務官
高橋正太郎
君
農林事務官
(
水産庁漁政部
長)
伊東
正義
君 専 門 員 徳久 三種君 七月八日
委員今村長太郎
君辞任につき、その補欠として
佐藤親弘
君が議長の指名で
委員
に選任された。 ――
―――――――――――
七月二十五日
漁船
の
無電周波数切替
による
改造費補償
に関す る
陳情書
(第二八二九号) 瀬戸内海の
水産開発
に関する
陳情書
(第二八三〇号) 第二次
漁港整備計画
に関する
陳情書
(第二八三一号) を本
委員会
に送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した事件
漁業損害補償
に関する件 ――
―――――――――――
小高熹郎
1
○
小高委員長代理
これより
水産委員会
を開きます。 本日は
委員長
に御都合がありまして、私が
委員長
の職務を行います。 これより
漁業損害補償
に関する件について調査を進めます。
日本
と
アメリカ合衆国
との
行政協定
に基き、
駐留軍
の
演習
による
水面提供
につきましては、
わが国漁業
に多大の
影響
を有するものであります。そこで本日は、この
提供区域等
について
外務当局
より御
説明
を願いたいと思います。 先般
日本
と
アメリカ合衆国
との間の
安全保障條
約第三條に基く
行政協定
第
二條
により、
在日合衆国軍
に提供する
施設
及び
区域
、この件が論議されたのでございまするが、
外務省当局
よりこの
区域
がどの
程度
に定められておるか、まずお伺いしたいのであります。 この際
ちよ
つと
委員各位
に申し上げます。本日御
出席
の
説明員
は、
外務省国際協力局次長甲斐文比古君
、同局第三課
高橋正太郎
君、
水産庁漁政部長伊東正義
君、この三氏が
説明員
として
出席
されております。まず
甲斐外務省国際協力局次長
より、御
説明
を求めたいと思います。
甲斐文比古
2
○
甲斐説明員
日米合同委員会
におきましては、先ほど来
行政協定
第
二條
に基き
合衆国軍
の用に供すべき
施設
及び
区域
の
決定
につきまして種々折衝して参りましたが、このほどようやく成案を得ましたので、一昨日の
次官会議
、昨日
閣議決定
を終えまして、本日午前九時半に
外務省
において
施設
及び
区域
に関する
協定
を締結いたしました。この
協定
は、本文と覚書が二つ、それから
附表
が四つございます。このうちただいま御
質問
のありましたいわゆる
海上演習場
というものは、
附表
の第二に網羅されておるわけでございます。この
附表
の第二をごらんいただきますとわかりますように、このたびきめました
演習区域
は、
海軍関係
が十四箇所、それから
空軍関係
が十二箇所に
なつ
ております。このほかに
陸軍
の使用いたします
水上演習場
がございますが、現在
交渉継続
中でございまして、まだ合意に達しないので、今回の
協定
には含まれておりません。
陸軍
の使います
演習場
は約十五箇所と予想されております。 この
交渉
にあたりましては、特に
漁業
、
水産業
に非常な
影響
がありますので、
農林省水産庁
の
漁政部長
に
日本側
の
委員長
をや
つて
いただきして、
アメリカ側
との間に毎日熱心な討議をや
つて
いただきました。その結果全然
影響
がないとは言えませんが、
漁業
に及ぼす
影響
を
最小限度
に食いとめるように非常な
努力
を拂
つて
いただきまして、今回の
協定
に
なつ
たわけでございます。
地域
につきましては、お
手元
に差上げましたプリントでおわかりになると思いますが、ただその
区域
の
名前
が、エープルとかベーカーとか
チヤーリー
とかすこぶるなじみの薄い
名前
に
なつ
ておりますが、これは一番
うしろ
に図面がついておりますので、これでごらんくださいますと、その
場所
がどこであるかということが一目瞭然おわかりになると思います。
小高熹郎
3
○
小高委員長代理
ただいま
甲斐外務省国際協力局次長
の御
説明
によりますと、
説明書
の
うしろ
についておるというようなことでありまするが、
本件
に関しては、
伊東水産岸漁政部長
が
分科会
の
委員長
として鋭意衝に当られたそうでありまするが、これは図も付してありまするが、さらに言葉においてその
環境等
の御
説明
を願いたいのであります。
伊東正義
4
○
伊東説明員
私から若干今までの
事情
を御
説明
いたします。 ここに
附表
と
海軍
及び
空軍
の
練習区域新旧対照表
という両方をお配りしたのでありますが、その
説明
に入ります前に、今も御
説明
がありましたように、
海軍
と
空軍
のほかに残
つて
おります問題といたしましては、
陸軍関係
、それから
海軍
でございましても、
東京湾
の
防潜網
でありますとか、あるいは佐世保の
防潜網
の問題、
横須賀
の軍港の問題、こういう
大分難物
がまだ残
つて
おりまして、いろいろな
方面
から見まして相当
漁業
に
影響
がありそうな
地域
が残
つて
おります。たとえば
陸軍
で申し上げますと、一番問題になるのは、
九十九里浜
の
片貝
の問題でありますとか、あるいは
九州方面
の築城とか
芦屋
でありますとか、あるいは北海道の
門別
とかいうような
地域
が、まだ双方の
話合い
がつきませんで残
つて
おります。これにつきましては今後も
交渉
を
継続
いたしまして、できるだけ早い
機会
に解決いたしたい、かようなぐあいに考えております。 お
手元
に
新旧対照表
を差上げてありますので、今までどんな時間に
演習
をや
つて
お
つた
とか、あるいはそれがどう
なつ
たかということを、ごらん願えばおわかりと思いますが、従来の
補償
を出しておりました
地域
は、
海軍関係
、
空軍関係
の中でもわずかでございます。実際に
爆撃
をやるとか、あるいは
上陸演習
をやるというようなところについては、もちろん
補償
を出していたのでありますが、
補償
を出しておりました大
部分
の
地域
は、まだ問題として残
つて
おりますところの
陸軍関係
がおもであります。
陸軍関係
といいますのは、御
承知
のように、陸上から
高射砲等
を撃ちますので、非常に接岸しました
漁場等
に入れぬというようなことで、
補償
を出しましたのは大
部分
は
陸軍関係
でございます。
海軍
、
空軍関係
だけで行きますと、先ほど
甲斐次長
の御
説明
がありましたように、もちろん
被害
はあるのでありますが、
補償
を出しますものの中のごくわずかのものになろうか患います。われわれが
交渉
いたしました場合も、
補償
をもらいますよりも、できるだけやめてもらうということがけつこうなのでありまして、態度といたしましてはそうもうことで
交渉
いたしました。また場合によりましては、
区域
を縮小してもらいますとか、
区域
の
統合
をはか
つて
もらう。あるいはどうしてもできぬ場合は別の
地域
に移転してもらいますとか、あるいは時間を短縮してもらうというような、いろいろな
話合い
をしました結果が、ここに載せておりますような時間やなんかに
なつ
たわけなのでございます。 それで、従来とかわりましたといいますか、
廃止
になりましたり、
場所
がかわりましたのは、この
海軍関係
に書いておりますところでは、
九州
の相ノ浦は
廃止
に
なつ
ております。それから
潜水艦
の
碇泊区域
である
相模湾
、
土佐湾
あるいは
訓練機雷敷設区域
というのが最後に出ておりますが、これらは
漁業
の
制限
は全然ございません。たとえば
相模湾
、
土佐湾
には
向う
の
潜水艦
がよく碇泊するというので、
日本
の
漁業者
の人々その他一般の航行の
関係者
が驚かぬようにという意味で
向う
が
言つて
来たのでありまして、われわれとしましては、こういう
地域
につきましては全然
漁業
を
制限
するというようなことは考えておりません。ここに常時
危険区域
と書いてあります
チヤーリー
とかフオツクス、ジヨージというような所につきましては、従来も
補償
をいたしておりましたので、こういう
地域
につきましては、やはり今後もある
程度
の
制限
をしまして、
補償
を出して行くということに相なろうかと思います。それから次の
鳥島
のハウもそういう
地域
だろうかと思います。またずつとあとの方に書いてありますオーボー、茅ケ崎の
上陸演習場
、この辺の所は従来も
漁業
の
制限
をいたしておりましたので、今後もやはり
漁業
の
制限
があるかもしれぬというように考えられます。ただ
エーブル
、べーカーその他ドツグというような
地区
につきましては、
漁業
の
制限
というような事態はあまりないのではなかろうかという予想を持
つて
おります。たとえば
エーブル
というような所は、大きな
戦艦等
で
艦砲射撃
をするという
話合い
に
なつ
ておるのでありますが、従来はまだ一回もこの
地域
につきましては
漁業
の
制限
はいたしておりません。今後もこういう所はそう大した
制限
はないのではなかろうかという気がいたしております。 それから
空軍関係
について見ますと、
空軍関係
につきましては、
中部本州
、
米子
、
北部本州
というような所につきましては、
区域
の
統合
をはかりましたり、あるいは
区域
を一応沖合いの方へ移動してもらうというようなことをや
つて
もら
つて
おります。それから表の二番目に
大野原
島というのがあります。これは三宅島のそばなのでありまして、毎日ものすごい
爆撃
をするそうでありますが、これは非常によい
漁場
でありますから、ずつと南方の
イナンバ
という所に
爆撃
の移動をしてもら
つて
おります。それから
大村湾
の
爆撃
とか
米子湾
の美保の
爆撃
は
廃止
してもらうということに
なつ
ておりますから、
空軍関係
で
爆撃
をや
つて
おりますのは、
大野原
のかわりました
イナンバ
であります。それから
対地射撃
といいまして、これも
漁業
の
制限
になりますが、
芦屋
、
鳥島——
これは
海軍
の方と同じでありますが、それから
日本
海の竹島、
三沢
、水戸というような所が
爆撃
なり
対地射撃
をや
つて
おります。こういう所につきましては従来も
補償
を出しておりましたが、やはり相当
漁業
の
制限
になると考えられます。その他は大体
空中戦争
が
訓練
の
内容
に
なつ
ておりますので、その他の
地区
につきましては、
漁業
の
制限
というようなことをしないでもや
つて
行けるのではなかろうかと考えております。簡単でありますが、
海軍関係
、
空軍関係
の大体の御
説明
を終ります。残
つて
おりますのは
陸軍
、
海軍
の
立入制限
、
禁止
とか、あるいは
防潜網
の
関係
と申しましたが、瀬戸内の姫島は
国連軍
が使用しておりますので、その
関係
はまだ将来の問題として残
つて
おります。 〔
小高委員長代理退席
、
石原委員長代理着席
〕
小高熹郎
5
○
小高委員
ただいま
甲斐外務省国際局次長
並びに
伊東漁政部長
から、
日本国
と
アメリカ合衆国
との間の
安全保障條
約第三條に基く
行政協定
第
二條
に依り
在日合衆国軍
に提供する
施設
及び
区域
その他について御
説明
がございましたが、少しく私
ども水産委員
としてふに落ちない点がございますので、お尋ねいたしたいと思います。 一例をと
つて
お尋ねしまするならば、
千葉
県の
九十九里地帶
は、ここ数年来この種の
演習
の対象と
なつ
てお
つたの
でありまするが、今回
閣議
で
決定
されましたこの
指定区域
に入
つて
おるか入
つて
おらないか、これをまず第一点にお尋ねいたしたいと思います。
甲斐文比古
6
○
甲斐説明員
ただいま御
質問
のありました
片貝
でございますが、
九十九里浜
でも
片貝
はこの
協定
には含まれておりません。実はこの問題につきましては、第一にこれは
陸軍
の使います
演習場
でありますので、このあたりは含まれておらないわけであります。第二にはまだ現在
交渉
が
継続
中でございまして、双方妥結するに至らないために
協定
を結ぶ
段階
に至
つて
おらないのであります。
小高熹郎
7
○
小高委員
海軍関係
でなく
陸軍関係
であるからこの協約には入
つて
おらないということはわか
つたの
でありますが、そういたしますと、現在使用はされているが、まだ基礎的に
決定
しておらない。ところで
九十九里一帯
の
漁民
が、ただいま非常にこの
演習
のために災害を受けまして、窮乏その極に達してどん底の
生活
をしている。昨年も一昨年もこれに対しまして
補償金
は交付されましたが、それはほんとうにすずめの涙ほどのもので、ただお
見舞金
を出したにすぎないというような
状態
でありまして、最近は、願わくは
場所
がえをしてもらいたいというので、この点について強硬な
意見
が開陳されているのであります。まだ
決定
しておらないとするならば、私の仄聞するところによりますと、青森県等に
場所
がえの適当な箇所もあるやに聞いておりまするが、それができるかできないか。その
見通し
と、あるいはそれらに対して折衝でなさ
つた
ことがあるかどうか。その点をお尋ねいたしたいのであります。
甲斐文比古
8
○
甲斐説明員
片貝
につきましては、
水産庁
はもとより
外務省
におきましても、たびたび地元からその他
関係者
の方から強烈なる
陳情
を受けておりまして、現地のお困りの
事情
は
重々承知
をいたしております。それで私
ども
といたしましても、できれば他の
地域
にかえてもらいたいということを
軍側
にも
申入れ
をしてございます。ただ御
承知
のように、軍の立場から申しますと、あそこが最も
演習場
としては適当であるということ、それから
関東地区
に他にかわるものがない。ただいま
お話
がありました
三沢
の問題でありますが、
ちよ
つと
関東東海
に所在している部隊では遠過ぎるというようないろいろな難点はあるようでありますが、私
ども
としては、強く何とかこれは
実現
をはかりたいと必要な
努力
を続けております。ただ今申し上げましたように、
見通し
を申し上げる
段階
には至
つて
おらない、非常に困難が予想される、
交渉
の前途は非常に困難であるということを申し上げたいと思います。
小高熹郎
9
○
小高委員
交渉
が困難だ
つた
ということは一応わかるのでありまするが、四年も五年も同一箇所でも
つて
やらなくともいいではないかというような声も、民間の声として相当ありますので、この点につきましては、願わくは
場所
がえができ得るように、ひとつ
外務省当局
においても最善の御
努力
を願いたいことを特に強く
希望
いたしておきます。 次に、きようは長崎県及び
大村湾等
の問題について、同僚の田淵君からも
意見
があるのでございますが、きようは所用のためにここに見えられませんので、それはあとまわしといたしまして、当面手近な問題の
東京湾
に関する
漁業制限
に関する事柄でお尋ねいたしたいと思
つて
おります。昨年度におきましては、
富津
の
防潜網
による
被害
の
補償
がほんのわずかばかり、問題にならぬ
程度
でありますが来るのは来たのでありますが、これが先般
決定
されました
日本国
と
アメリカ合衆国
との間の
安全保障條
約に基き駐留する
合衆国軍隊
に
水面
を使用させるための
漁船
の
操業制限等
に関する
法律
、この
法律
に当てはまるかどうかの問題でございますが、先般の
委員会
におきましても、
間接被害
というような当初
漁政部長
からの御
説明
でありましたが、これは
間接被害
でなくて、あくまでも直接
被害
なんだ、直接
被害
として本法に抵触するのが妥当であるということを強く主張しておいたのでありますが、その後
水産庁
の
漁政部長
は、
本件
に対してどういうふうに
解釈
を進められているか、お尋ねいたしたいのであります。
伊東正義
10
○
伊東説明員
防潜網
の問題につきましては、この前の、今お述べになりました
法律
を御審議願いますときにいろいろ問題になりまして、その
法律
で面接ということはこれはかなり問題になるのではなかろうかというので、これは
大蔵省主計局長
も
——
私が聞きましたのは
政調会
での
お話
でございますが、何とか、あの
法律
でまつすぐは行けなくても別途の
方法
で、そういう
被害
が出た場合には
見舞金
あるいは
補償金
と申しますか、何とかこういう形で
損害
を償
つて
行くということをやりたいということを
言つて
おられましたので、われわれとしましても
防潜網
の場合につきましては、
漁船
の
操業制限
に関しますところの
法律
では直接は行きがたいという
解釈
はと
つて
おりますが、それにいたしましても、何とか別途同じような
考え方
でその
損失
の
補償
をや
つて
行きたい。これは
大蔵当局
ともそういうような
話合い
をいたしました。
小高熹郎
11
○
小高委員
ただいまの
説明
によりますと、
漁業
の
操業制限等
に関する
法律
には当てはまらないと思うが、別途の
方法
でこれを研究しているというような意向に承
つたの
でありますが、しからばわれわれの主張するところは、
国内法
でも
つて
厳然とこれらの
補償
をしなければならぬ、かように考えているのでありますが、
国内法
を制定するごとに対して研究した事実があるかどうか、その点をお尋ねいたしたいのであります。
伊東正義
12
○
伊東説明員
そのときに今の
国内法
の問題が出たのでありまして、これにつきましては
法務
府も
出席
いたしておりまして、何とか早い
機会
に
法律
をつくろうじやないか。それでこれは御
承知
の
行政協定
の二
五條
で、全部
日本側
が見るという
考え方
でやりましたのがこの前御審議願いました
漁業
の
操業制限
の
法律
なんでございます。それで
防潜網
の問題あるいは
区域
を提供いたしましたことによ
つて区域外
に
被害
が生じたというような
問題等
につきましては、単に二十
五條
で全部
日本側
が
補償
するということでなくて、これはかなり
駐留軍
の方にも負担をしてもら
つて
いいじやないかという問題がございまして、全般的な
関係
があるので、そういう
間接被害
につきましては
法務
府、
大蔵省等
でも検討して、
国内立法
をしようじやないかという話に
なつ
たわけであります。まだ
具体案
はつく
つて
おりませんが、われわれとしましても、そういう
被害
につきましては何とか早い
機会
に
立法処置
を講じたいと考えます。
小高熹郎
13
○
小高委員
ただいま
伊東政部長
の御
説明
で、
国内立法
をしてこの種のものを必ず
補償
するという方針に進んでいるということが明確にわかりまして、その点私
ども
大いに同感の意を表するのであります。ところで
東京湾
の
防潜網
その他の
海底施設
に対しまして、最近
漁業
の一部
操業
を停止するというような空気がさるやに伝えられまして、これに対して
千葉
県及び
神奈川
県の
漁業者
が非常に狼狽いたしますとともに、もしこうやられたならば、われわれは何で生きて行くのだと
言つて
、悲痛な
叫び
が起
つて
参りますとともに、先般来数回にわたりまして、この問題に対する解決をどうしたらいいかという協議をしたのでございますが、私の
手元
へ
請願書
が出て参りましたので、一応この
請願書
を朗読いたしますから、これによ
つて
適当な御
解釈
を
願つて
、御答弁を願いたいのであります。
請願要旨
一、
東京湾南部
に
施設
したる
軍事施設
を速かに撤去して頂きたい。 一、
被害
を受けたる
漁民
の
最低生活
を
完全補償
をして頂きたい。
請願書
吾々
東京湾南部海
区を主たる
漁場
とする零細なる
漁業者
は、
終戰後米軍
による
特種施設
即ち
富津
岬第一、第二
海堡間
の封鎖及び
浦賀水道地区
の
聴音器敷設等
により極端なる
漁業制約
をうけ、
生産面資材面
において著しい
損害
を被り、ために
漁業経営
は破綻の寸前に追込まれて居るのであります。 然しながら吾々
漁民
は
国家再建
のため、忍び難きを忍んでひたすら
講和発効
の日に
希望
を掛け、日夜を問わず
生産
に邁進し来
つたの
であります。幸い去る四月二十七日待望の
講和発効
の日を迎へましたので、吾々は
関係官庁及政府
に対し従来被
つた損害
に対する賠償を要求すると共に、速かに
施設
の撤回を要請したのであります。 其の後
行政協定
の
進捗状態
を洩れ聞けば
協定
は、吾々に何等利する処なくかえ
つて
浦賀水道地区
の
操業禁止命令
が近く発せられるやに聞き及んだのであります。 同
地区
は
別図
に示すとおり
内湾南部海
区の
最良漁場
であ
つて
その面積約一七
平方浬
に及ぶ
漁場
であ
つて此処
を主たる
漁場
として生計を営む
関係業者
は
千葉
県四、二九○人(一、四三○隻)
神奈川
県一、二四○人(六二○隻)計五、五三○人(二、○五○隻)に達しその家族を合すれば実に一二、五○○人に及ぶものがこの
漁場
よりの
生産
により
生活
を営んで居るのであります。 かかる膨大なる
漁民
を擁する
漁場
を今後
操業禁止地区
に指定されたときは、
漁民
の
生活
は何によ
つて
営まれるのであろうか、
国家補償等
の方策を考慮されているやに聞くが、吾々は決して微々たる
補償金
を欲するものではないのである。すみやかに
施設
を撤去して本来の姿の
漁場
を吾々に返して戴きたいと要求するものである。
民主国家
の建設は一にかか
つて
国内産業
の進展にあるということは
大臣諸公
の常に口にする処であるが吾々は北は
防潜網施設
、又南は
聽音器施設
により生業を奪われんとしているのである、言い換えれば
内湾南部海
区の
漁業
は潰滅せんとしているのである。 上述の如く最悪の
状態
におかれている、この
地区漁民
のため
政府
におかれては吾々の要望する
左記事項
を速やかに
実現
されんことを強く
請願
する。 記 (一)
防潜網施設
並びに
漁撈禁止区域撤去
(二)
漁撈禁止区域
が万一己むを得ない
措置
であるとすれば 一、本
区域
は
可能最少限
に縮小してもらいたい 二、本
施設
を妨害しない
程度
の
操業
を許可せられたい即ち (1)
打瀬網漁業たこ壺漁業
は
施設個所
の附近まで
操業
させて貰いたい (2) 一本
釣漁業
は
操業
させて貰いたい但し錨を用いるものは(1)と同様に
措置
せられたい (3) 延縄、流網(小晒)其の他の
網漁業
は本
施設
を妨害しない
程度
で
操業
させて貰いたい 三、
防潜網施設
並びに
漁撈禁止区域設定
によ
つて
被る
漁業者
の
損失
は全額
完全補償
されたい 四、
右施設
並びに
区域設定
により
他業
への転換を余儀なくせられた
漁業者
に対して
長期低利融資
の途を講ぜられたい
昭和
二十七年七月二十四日
神奈川
県
田浦漁業協同組合
横須賀漁業協同組合
安浦漁業協同組合
走水大津漁業協同組合
鴨居漁業協同組合
浦賀久比浜漁業協同組合
久里浜漁業協同組合
野比漁業協同組合
長沢津久井漁業協同組合
千葉
県
青堀漁業協同組合
青堀南部漁業協同組合
新井漁業協同組合
富津漁業協同組合
下洲漁業協同組合
大貫漁業協同組合
佐貫漁業協同組合
湊漁業協同組合
竹岡漁業協同組合
萩生漁業協同組合
金谷漁業協同組合
内房総海区
漁業調整委員
会会長
笹生林之助
右代表者
千葉
県君津郡
大貫
町若瀬八七一
東京湾南部軍事施設被害対策
委員会
々長
山口卯之松
以上の連署をも
つて
、これに対する
請願
を提出して来たのでございます。この
内容
をつぶさに私も調査いたしたのでありますが、
漁民
の
申分
は、実に忍びがたきを忍んで今日まで来たが、とうていやりきれないのだ、何とか撤回してもらいたいというのが、
胸一ぱい
の
希望
でありまして、もしそれができない場合は、当然
補償
さるべきものであるから、
見舞金
や天井から
目薬程度
のものではなく、われわれが転業する場合、あるいは転業しないで縮小された海面において
生活
をするならば、生きて行ける
措置
を講じてもらいたいという、実に血の
叫び
であると私は了承しておるのであります。かような
請願
を見るにつけましても、ようやく完全独立した今日の
日本
において、
完全補償
をするか、さもなければ
転業資金
を出すか、それができなければやめてくれということは、これは当然の要求であろうと思うのでございます。これに対して
外務省当局
並びに
水産庁当局
の
代表
の御両氏から、それぞれ御
意見
を伺いたいのであります。
甲斐文比古
14
○
甲斐説明員
東京湾
の入口の
防潜網
のことにつきましては、ただいま
請願書
にございました
操業停止
ということについては、いまだ正式に
向う
からの
申入れ
があ
つた
わけではございません。さつ
そく海上演習場
の
分科委員会
におきまして、
伊東委員長
からこの問題を取上げていただきたいと思
つて
おります。なおやむを得ない場合の
補償
という問題につきましては、
水産庁
はもとより、
外務省
といたしましても、
完全補償
をやりたいというのが
政府
の、少くとも
外務省
、
水産庁
の一致した見解でございます。ただこの
実現
につきましては、
予算措置
その他の問題がございますので、この席で確約申し上げることはできませんが、そういう方針で将来とも
努力
して行きたいと思
つて
おります。
伊東正義
15
○
伊東説明員
今の
防潜網
と
操業
禁止
区域
の問題でございますが、
防潜網
は従来ずつとや
つて
おるのでありますが、
禁止
区域
につきましては、こういうことを伺うから
言つて
来ております。これはまだ
防潜網
と一緒に
話合い
をいたしておりますので、きま
つて
おらぬのでありますが、
富津
の南、観音崎の南の
地域
に今も投錨
制限
の水路部の告示がいつでしたか出ております。これは今までそう大した問題がなか
つたの
でありますが、今度
向う
から
言つて
来ております。あの
地域
に投錨してもらうことは困る。航行してもらうことはさしつかえないが、投錨は困る。浚渫することも困る。それで浚渫の中には打瀬網が入るかということを聞いたのでありますが、これは水中聴音機等を入れてお
つた
りする
関係
から、あそこで打瀬網や底びき網をや
つて
もらうことは困るという返事なのであります。われわれといたしましては、そうなりますと相当広い
区域
でありまして、
関係業者
も非常で多いことでありますから、その辺のところを何とかもつと緩和してもらえぬかという
交渉
を今いたしております。これは先ほど私が申し述べましたように、
陸軍関係
と
海軍関係
の
防潜網
とか
東京湾
の投錨
制限
とか、佐世保の問題でありますとか、こういう問題は
交渉
中で今残
つて
おります。今や
つて
おる次第であります。われわれの態度としましては、なるべくそういう
制限
は緩和してもらいたいという態度で今
話合い
をいたしております。ほかの点につきましては今甲斐さんから
お話
がありました点と同じ態度でわれわれ
努力
したいと思います。
小高熹郎
16
○
小高委員
外務省
の甲斐
国際協力局次
長及び
伊東
水産庁漁政部
長の答弁によりまして、
政府
におきましても、この種のものに対して最善の
努力
を拂うという意思がよくわか
つて
来たのであります。ことに
甲斐次長
からの
お話
によりまして、
完全補償
をするという意思であるというようなことを聞きまして、実は安堵いたしたのでありますが、願わくは先ほ
ども
申し上げました通り、第一はあくまでも撤去してもらいたいという方針で進んでもらいたい。それがいろいろ国土防衛上、国際法上やむを得ない問題が生じて参
つた
場合には、
完全補償
をすべしというこの二項をあくまでも強く主張いたしまして、時間の
関係
等もありますので、私の
質問
を打切
つて
おきます。 〔
石原
委員長
代理退席、
小高委員長代理
着席〕
水野彦治郎
17
○水野
委員
ちよ
つと伺います。
演習
に際しまして十五日前に予告すると
言つて
おりますが、この予告の
方法
は県庁へ予告するのか、当該
関係
の
漁業
協同組合へ通知いたすのであるか、これをはつきり御
説明
願いたい。
伊東正義
18
○
伊東説明員
今のところはここに十五日とありますのは、
駐留軍
から
日本側
へ
言つて
来ますのは十五日前、こういうことなんであります。それの流し方は当然
外務省
の方へ参りますので、
外務省
の方からもちろん農林省の方へもございますが、県なり警察の方へ御連絡願う、これは従来通りでございます。その先は地方によ
つて
大分違いまして、末端の市役所なり村役場から
漁民
に行く場合もありますし、協同組合へまつすぐに行きます場合もございますし、ところによ
つて
具体的な適当の
方法
で予告をするというような
方法
でや
つて
おります。
石原圓吉
19
○
石原
(圓)
委員
先刻来の
質問
の問題はこれは非常に重大でありまして、か
つて
私は、この
損害
の賠償なるものは、そのとき限りでや
つて
はいけない。
漁場
を荒らし魚族を散乱せしめ、
演習
があると当分は漁獲ができない。また爆発物の沈下等の
被害
、種々の悪
影響
があるから、これが
補償
される賠償
方法
でなければいけないということを強く要求をしたのでありますが、その点に対しては、大体どういう方向に御
協定
ができておるでありましようか。また今後の方針等も承
つて
おきたいのであります。
甲斐文比古
20
○
甲斐説明員
補償
の問題につきましては、利に
アメリカ側
との
協定
はいたしません。これは純然たる国内問題でございまして、
水産庁
が中心になりまして、
関係
各庁と
予算措置
、立法
措置
その他について準備を進めて参
つて
おるわけでございます。
伊東正義
21
○
伊東説明員
その
損害
補償
の問題でございますが、特に問題になりますのは、
間接被害
と申しては何でありますが、今
石原
委員
のおつしやいましたような問題を、私
ども
間接被害
と
言つて
おるのでありますが、そういうものの
補償
につきましては、御
承知
の通り
行政協定
の十八條で、
駐留軍
側もある
程度
の負担をするということが私考えられると思います。その点は先ほ
ども
答弁しましたが、主計局長も自由党の
政調会
に参りまして、私
ども
この前の
法律
を御審議願
つた
とき
説明
したのでありますが、いろいろ
質問
がありまして、主計局長からそのとき答弁したのでありますが、そういうようないろいろな
被害
について、
日本側
が幾ら持ち、
向う
側に幾ら持
つて
もらうというような
話合い
がまだついておらぬ。それでそれにつきましては、また
日本
の
国内法
としての立法も必要なものがあるので、また別途の問題として考えたい。これは大蔵省としても考えるという
説明
をされたのであります。われわれはその御
説明
の趣旨で、そういうような
被害
について、どういうふうにするかということは、大蔵省と相談してや
つて
行きたい、こう思
つて
おります。
石原圓吉
22
○
石原
(圓)
委員
その
間接被害
につきましては、重大であると思うのであります。これをわが国のみが負担する場合には、米軍は都合のいい
場所
はほとんど永久的に、無期限に使うというようなか
つて
な行動をとるおそれがあると思う。あくまでも米軍にも相当の負担をせしめるようにという方向へ、ぜひとも強く運んでもらいたいと思うのであります。なおこの
海軍
の方は大体
協定
がついたが、
陸軍
側が遅れておるということは、これは原則としては海陸両方とも同時にとりきめをすべきものでないのか、遅れておるという
方面
ほど、
協定
が困難であるから遅れるもの、遅れる所ほど、わが国の
漁民
が不利益であるということに考えられるのでありますが、その点はどうお考えに
なつ
ておりますか。
甲斐文比古
23
○
甲斐説明員
お話
の
陸軍
が使用いたします
演習場
の
協定
が遅れておるという理由は、
陸軍
の
演習
は主として射撃でございますが、その射程を広く遠くされますと、それだけ
漁業
の
被害
が大きい、何とかしてその射程を狭くさせようという
交渉
のために、主としてそういう理由のために遅れておるわけでございます。
石原圓吉
24
○
石原
(圓)
委員
この問題の
質問
はこの
程度
に私はとめたいと思うのでありますが、他にこれ以外の
質問
をすることはさしつかえありませんか。
小高熹郎
25
○
小高委員長代理
よろしゆうございます。
石原圓吉
26
○
石原
(圓)
委員
大体
国際協力局次
長の御
出席
の場合でありますから、私のお尋ねすることも多少の関連を持つと思うのであります。むしろより以上に国際協力局においても、関心を持
つて
もらいたい、そう考えるのであります。それは本月の末にワシントンにおきまして、
日本
、イギリス、フランス、アメリカ、カナダ、この五箇国の中共貿易緩和に関する極東貿易
会議
があるので、
日本
の
代表
はすでに出発したそうだが、新聞の伝うるところによりますと、亜鉛鉄板、羊毛製品、紙、紡績機、染料の五品目の
制限
緩和が問題と
なつ
ておるようであります。しかるにわが国の最も重要な水産物、ことに北海道の重要産物のするめ、こんぶ、その他ほしあわび、海参等の重要な従来の支那貿易の対象物に対しては、この新聞によれば、今回の
交渉
の対象に
なつ
ていないようでありますが、おそらくこんな非常識なことはなかろうと私は思うのであ
つて
、新聞が落したと心得るのでありまするが、水産物の支那貿易なるものは、最近においては中共と直接の取引ができないから広東、シンガポール等イギリス領までわざわざ全部
日本
の水産物を持
つて
行
つて
、あそこから支那全体に配給をするというような非常な迂遠なことをや
つて
、莫大の荷づくり費、運賃等を支拂い、またその中間商人なるものは、大方イギリス人及び広東やシンガポールにおる華僑であります。こういうことをや
つて
お
つて
、
生産
者たる
日本
の水産物加工業者等が採算上そろばんが持てるはずはないのであります。これはもし今回のこの
協定
に脱落するということになれば、
外務省
も
水産庁
も大きな手落ちであると私はいわなければならぬと思うのであります。現在どういうことに
なつ
ておりましようか、一応御
説明
をお願いいたします。
冨永格五郎
27
○冨永
委員
関連です。ただいま
石原
委員
から中共貿易に関する北海道
関係
の水産物についての
質問
がございましたが、北海道におけるこの問題に対する関心は、きわめて大きなものがあるのであります。幸いにただいま
石原
君からの
質問
があ
つたの
で、私もこれに関連してお尋ねを申し上げておきたいと思うのでありますが、ただいま
石原
君のお述べになりました通り、水産物を無視していられるがごとき感じを與えますことは、国民にと
つて
非常に大きなマイナスであり、しかも北海道の業漁大宗について、ま
つた
く無関心であるかのごとき感さえいたすわけであります。しかも
石原
委員
がお述べになりました広東、香港、シンガポール貿易は、それによ
つて
あるいは費用を
損失
すれば、ある
程度
出し得るという道さえ現在非常に困難なように承
つて
おりまして、加えて香港貿易のごときも、御
承知
の通りほとんど英領であるにかかわらず、英国
関係
等からと推測いたしますが、今日杜絶しておるような状況であります。従
つて
これら数億の
生産
をあげられておる北海道の海産物、特にするめのごときは非常な暴落を来しております。しかも生いか等におきましても大体昨年の半値、たとえば一貫目三十七、八円のものが、今二十円から十七、八円、ときによ
つて
は、私がこの間視察いたしましたときには、わずかなものさえ買手がないとい
つた
ような、ほとんど悲惨とい
つて
もいいくらいな状況下にあ
つたの
であります。だからとい
つて
これを国内消費にし得る
見通し
は今日のところ全然ないのであります。ただ一にかか
つて
中共貿易促進にのみ依存しておる実情でございますから、当然当局は、
外務省
においても農林省においても、十分御
承知
の上の現在の
交渉
状況と思いますが、その点に関する
交渉
の経過並びに所見を伺いたいと思います。
甲斐文比古
28
○
甲斐説明員
お尋ねの件でございますが、はなはだ遺憾ながら私
ども
の方はこの問題を扱
つて
おりません。この問題は実は
外務省
の国際経済局が主管いたしておりまして、全然私
ども
あずか
つて
おりませんので、はなはだ遺憾ながら何とも御答弁いたしかねますから御了承願います。
伊東正義
29
○
伊東説明員
私も
ちよ
つと今知らないのですが、調べて次の
機会
にしていただきたいと思います。
石原圓吉
30
○
石原
(圓)
委員
ただいまのところ国際経済局の主管であるそうであります。また
水産庁
においても私の
質問
にお答えができないようであります。
国際協力局次
長は私は追究はいたしません。しかし協力局という名目のもとからも、外国との貿易を協力してよくするということは、一つの担当事務ではなかろうけれ
ども
、今後御関心を持
つて
大いに御協力を願いたいと思うのであります。北海道のこんぶ、するめは、少くも今日までは神戸を中心として取引をされておるようであります。ところが北海道から神戸へ運ぶだけの運送費、梱包費等が莫大でありまして、このことが要するに重要物産のこんぶとするめの
生産
者の大なる
損失
に
なつ
ております。このものが北海道の函館等から直接香港もしくはあの
方面
へ
——
中共との現状において、たとえば南京や上海やその
方面
へ面接輸送することができぬとしても、香港、シンガポール、いわゆる南方の
方面
へ運ぶといたしましても、神戸へ持
つて
来て、神戸からまた持
つて
行くというのを、この
協定
によりまして、直接函館
方面
から持
つて
行
つた
ならば、約半額の運送費、梱包費が助かると思うのであります。このために助かるところの
漁業者
、
生産
者は莫大であります。ひとり、こんぶ、するめのみならず、その他の六十の製品の海参、あわび、それから寒天、そういうようなものを考えましたならば、今日世界のどの国との水産貿易が一番大きいかと申すならば、道さえ確立すれば中共ほど大きい得意はないのであります。この大きな中共の得意を閑却されておるように私らに見えることは非常に遺憾であります。少くも亜鉛その他の五品目のうちへこのものを加えて、今から、
協定
するための専門家の派遣をして、そうして同時に、これが
協定
をやることを急速に
実現
を期していただきたいと思うのであります。もしそれがお係が違うとかということになれば、また明日にもこの
委員会
を開いて、経済局長の
出席
を求めるとか、または水産長官等も御
出席
を求めて、そうしてこの
実現
を期さなければならぬところの緊急な重大な問題であると私は考えるのであります。これを逸して、水産物だけの中共との
協定
をやろうと申しましても、これには御
承知
のように以西底びきのような
意見
の反するような問題がありまして、単独には絶対できないと私は思う。よ
つて
この
機会
に参加して解決をすることが最も必要である、こう考えまするから、十分お考えを
願つて
、そうしてもし
実現
しないということになれば、外務
委員会
、
水産委員会
等をさらに開いて、この問題の促進を期さなければならぬと私は考えるのであります。一応御
意見
のあるところを承
つて
おきます。
甲斐文比古
31
○
甲斐説明員
先ほど申し上げましたように、私はこの問題に関しては全然あずかり知
つて
おりませんので、あるいは水産物もこの五品目以外に加わ
つて
おるのじやないか、これは想像でございまして、全然
関係
しておりません者の言葉としてお聞き願いたいのでありますが、もしそうでなければ、これを加えるかどうかというような問題につきましては、私からも国際経済局長に個人的に、きようこういう御要望があ
つた
ということは申し伝えることにいたします。
石原圓吉
32
○
石原
(圓)
委員
この問題はま
つた
く重大であります。一ときも捨てておけぬ問題であると思いますから、われわれ議員側も別個に緊急なる処置をとるべく
努力
をしたいと思いまするが、どうか
外務当局
、水産当局においても、即時これが打開
実現
について
努力
せられんことを、切に要望をいたします。
小高熹郎
33
○
小高委員長代理
本日の
委員会
はこの
程度
にとどめ、次会は公報をも
つて
御通知いたします。 これにて散会いたします。 午後零時二十八分散会