○松田
委員 大体、ここで説明したしないは別として、説明したとしても、一体
水産庁は何を
考えておるか。
漁船課長が、われわれが
漁船の金融というものに対して資料を求めているのに、出したその資料の中には八年たてば老朽船として木造船というものが使用に耐えないということにな
つておる。これはわれわれ
水産業者としても同感である、最も正しい見方である。しかして八年間たつた船を対象として
漁船の新造をしようとか、デイーゼル化をしようとか、こういう
考え方をも
つて大きな
日本の
漁民全体の利益のためにこの
漁船の金融、デイーゼル化をせんとしている。しかるに特融の年限は何年であるか、一年すえ置きの十五箇年じやないか。十五箇年たつたならば、一体あなたは今
漁船の金融をするというが、
漁船はどのようになるか、はたしてその十五箇年の——十年以上に
なつたならばどれだけの機能ができるか。特融によ
つて出した金がどこから入るか、償還金がどこから入るか。大体
水産庁がわれわれに資料を與えた最も正しい科学的な、今までの体験等を生かして、八年というものを
一つの目標にしておる。特融は十五年、しからばその食い違いはどこにあるか。しかも三百七億というものを目標として、われわれは
漁船の金融をやらんとしておる。それに今幾ばくの金を出して——二億か三億出すことだろうと思うが、一体それがどういう矛盾が起るか。それならばこうした問題が、
漁船の金融をやらんとする問題が起きたときにおいては、是か否かということは、あなた方が省議にかけてよく
研究されたらいい。そうして
研究されて、国会からこういう提案があるのだからというのであるならば、あなた方の
漁船金融というものはひつこめるのが理の当然じやないか。しかもはなはだしいことには、冷蔵庫などというものは飽和
状態であるから、冷蔵庫の特融などというものはあまり重点的に見なくてもいいなどということを、
水産庁の高官連中のあなた方がときどき話しておるということも聞いておる。とんでもない間違いだ。われわれの冷蔵庫というものは、魚価維持対策だ。現にたいやえびなら幾ら高くてもいいが、大衆魚が今日どういうことにな
つているか、一尾三円よりしないいかが、市中においては二十円に売られているじやないか。そういうことでは、
漁民はとうてい引合わない。せめて五円か七円にまでなることによ
つて、
漁民の経済が成り立つ。それを凍結することによ
つて、初めて市販が十円くらいに売られることになり、消費者が安いものを食い、カロリーの多いものを食えるのだ、こういうことにな
つて三千人の東京の小売商が、たとい失業しようとも、東京都民七百万の幸福を願うというには、どうしても
漁業根拠地に冷蔵庫をつくり、そうしてカロリーの多い、鮮度の高い魚を安く供給する。
漁民は倍以上の魚価になり、市民は半値以下のものを買い得る。こういうことにな
つて初めて魚価維持対策が成り立つので、冷蔵庫によ
つて利益をしようなどという
考え方は、もはや時代から遠ざか
つている
考え方だ。それをどういうふうに
考えているのか。冷蔵庫が必要ないとか、製氷工場が必要ないとか、しかも中金なんというものはとんでもないやり方、
水産庁にそういう
意見がぼつぼつあるものだから、中金も同じようなことを言
つておる。かようなことで、われわれが三年半かか
つて、魚価維持対策によ
つてこれまで政策を練
つて努力したことを等閑に付してしま
つて、三百何十億を出そうという、
漁船の金融にも支障を来すような
考え方をあなた方はや
つておるじやないか。もし私
どもの法案が正しいものであつたならば、もつともつと早く、先ほど永田
委員から言われたように、もつともつど積極的にあなた方はやるべきだ、それをやらずして、特融の乏しい予算の中から
漁船の金融に金を出すなんてとんでもない話。しかもそれには中金に巣食
つているボス
どもが、あなたの方へみな周旋しているじやないか、こんなことで一体正しい
水産行政ができるかどうか。
漁船の金融ということと、同じ金融でも特融で十五年でも
つて金融をしようということとは雲泥の差だ。ただくれてやるような金にな
つてしまう。あとからとれなく
なつたらどうずる。特融というものは、八割というものを国が補助している金だ。とれなかつたらどうする。新しいうちに活用のできるうちに金を返すような
方法をとることによ
つて、
漁民というものは自力更生ができる。ただか
つてほうだいにさようなことをやるなんて、とんでもない。次の
委員会に正しい資料をすつかり出してもらいたい。ぼくはどんなことをしても反対する。