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1952-06-14 第13回国会 衆議院 水産委員会 第44号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十七年六月十四日(土曜日) 午前十一時八分
開議
出席委員
委員長
川村
善八郎
君
理事
小高 熹郎君
理事
田口長治郎
君
理事
永田
節君
理事
林 好次君
石原
圓吉
君 久野 忠治君 鈴木 善幸君
二階堂
進君 平井 義一君
松田
鐵藏
君
水野彦治郎
君 木村 榮君
出席政府委員
水産庁長官
塩見 友之助君
委員外
の
出席者
専 門 員 杉浦 保吉君 専 門 員
徳久
三種君 ————————————— 本日の
会議
に付した事件
水産業協同組合法
の一部を改正する
法律案
(参
議院提出
、
参法
第一〇号)
公海漁業
に関する件 —————————————
川村善八郎
1
○
川村委員長
これより
水産委員会
を開き
ます
。本
委員会
といたしましては、先般の
外務委員会
との
連合審査会
の
審査
に基きまして、昨日
理事会
を開会し、同
委員会
において
審議
中の、
北太平洋
の
公海漁業
に関する
国際條
約に対する
意見
として、ただいま各位のお手元に配付してあり
ます
ような一応の
案文
を
決定
したのであり
ます
が、念のため、これを
専門員
に朗読いたさせ
ます
。 〔
徳久専門員朗読
〕
北太平洋
の
公海漁業
に関する国
際條
約に対する
意見
衆議院水産委員会理事会
(一) 対
日平和條
約第九條には、
日本
は
平和條
約発効後速かに二国間及び多数国間の
漁業協定
をするために
交渉
を開始することが明記され、なお、三
国漁業会議開催
当時、当
水産委員会
が屡々
政府当局
に要望したにもかかわらず、
政府
は
占領治下
に於て
交渉
を開始し仮
調印
をしたがために
独立国
としての
日本
の
主張
を充分反映せしめていない。 (二)
日米加漁業條
約の前文において、 (イ)
国際法
の
国際慣習
の原則に基き
公海資源
を開発する各自の権 利に照らして行動すること。 (ロ) 各
締約国
は
公海資源
の
保存措置
を講ずるとともに
公海漁業
の公平なる操業をするという自由平等の
立場
において負うべきこと。 (ハ)
保存措置
の確定に必要な
科学的研究
を推進し調査して
締約国
にその
保存措置
を勧告するため
国際委員会
を設置すること。 以上三点を明示しているにもかかわらず、
附属書
において
日本
に対してのみ一方
的保存描画
として
西経
一七五度
以東
の
さけ
、
ます
漁業
の
自発的抑止
を規定し、然かも、條約第三條第一項(a)
項但書
に於いてこの條約の
効力発生
後五年間は
附属書
に明記された
魚種
については
北太平洋漁業国際委員会
は
自発的抑止
のための
條件
を備えているかどうかの
決定
も勧告もしないことにな
つて
いることは誠に遺憾である。 而して、今後
アジア諸国等
との
漁業條
約を締結する場合に、
日本国
の
立場
を非常に不利に導く虞れがある。 以上のような
事由
により
衆議院水産委員会
は、この條約についてはこれを承認することはできない。
川村善八郎
2
○
川村委員長
ちよつと
速記
をとめてください。 〔
速記中止
〕
川村善八郎
3
○
川村委員長
速記
を始めてください。 以上の
通り
であり
ます
が、この案々について何か御
意見
があればこれを許し
ます
。
石原圓吉
4
○
石原
(圓)
委員
公海漁業
に関する小
委員会
としては、以上各項の
理由
により、
本條
約は今
国会
においては
継続審議
の
手続
をとり、しかる上至急
実地調査
を行い、その上にて採決するを妥当と
認む
。なお
米国国会
は
審議
いまだ半ばにあり、
カナダ
も何どき
審議
するも未定とのことである。はたしてしからば、ひとり
日本
のみ
不利益
を忍びて
決定
するは不可である。こういう
意見
が小
委員
の大部分の
意見
でありまして、このことを参考に供する次第であり
ます
。
二階堂進
5
○
二階堂委員
理事会
においてまとめられましたこの
北太平洋公海漁業條
約に関する
意見
は、最も妥当な
意見
と私は考える次第であり
ます
が、ただ一部
内容
を
修正
したいと考えてここに御
意見
を申し上げたいのでござい
ます
。 それは第二項の(ハ)の、「
附属書
において
日本
に対してのみ一方
的保存措置
として
西経
一七五度
以東
の
さけ
、
ます
」云々という中に、「
附属書
において、実質的に
日本
に対して一方
的保存措置
として」こういうふうに「実質的に」という文句を入れたい。これは
西経
百七十五度
以東
の
さけ
、
ます
につきましては、
カナダ
も同様に自発的に畑止するということが條約の
内容
となりておる点から考えましてこういうこうに
修正
したい。 それから最後に、「以上のような
事由
により
衆議院水産委員会
は、この條約についてはこれを承認することはできない。」こういうふうに書いてあるところを、「
衆議院水産委員会
は、
右意見
を
外務委員会
及び
政府当局
に
申入れ
をする。」こういうふうに
修正
してもらいたいという
修正意見
を申し上げ
ます
が、お諮り願いたいと思い
ます
。
永田節
6
○
永田委員
ただいま
二階堂委員
からお話のありました
修正
は、その
字句
もつける必要はないのだ。それはこの文書ができれば、
外務委員会
どころではない、ひよつとしたら天皇陛下のところへも、あるいはトルーマンのところヘも行くかもしれない。そういうばかなことを
言つて
みたところでしようがないので、あえてつけるとしたならば「以上のような
事由
により
衆議院水産委員会
は、この條約についてはこれを承認することはできない。」ということが
結論
なんだ。この
結論
は生かして右の
意見
を
外務委員会
なりそれぞれに報告するということになるのですから、これはまつたく、いらざることなんです。「
日本
に対してのみ実質的に」これはまあいいです。そのほかの
字句
の
修正
ということについては反対し
ます
。
松田鐵藏
7
○
松田委員
まず私は
石原委員
の御
意見
に対しては、その御
趣旨
は十分承知するのであり
ます
。しかし今仮條約から
本條
約も締結された。かりに
日本
の国の
独立
以前に仮條約が締結されたとしても、われわれが今まで
議論
していることは、
日本
の
外交
が最も
軟弱
である、その
軟弱外交
をどうして是正するかということである。それは今まで
外務省
の役人のみで独善的にや
つて
立た。戰争前、戰争後においてもすべてがそういう
状態
であつたがゆえに、
国民
の
輿論
は一つも反映していなかつた。こんなことでは
民主主義政治
は成り立たぬ。現に
岡崎外務大臣
などは、正しいこことをわれわれが言うて誘導をて、そのように言うたらいいじやないかということまでも言い得ないような
軟弱
な
態度
を示している。かようなことでは
国民
は
納得
できるものではない。われわれは
自由党所属
の
代議士
であ
つて與党
である。しかし
国民
の言わんとするところは
民主主義議会
においてどこまでも
主張
して行かなければならないのだ。それに対して
国民外交
というものが必要である。
外交
は
ひとり官僚
のみにまかせ、
外務省
のみにおいてや
つて
行くべきものではないのだ。かような
意見
から大きくこの問題を取上げ、われわれはこれに対して論議をしているものであり
ます
。いまさら本
調印
ができたものをひつくり返すなどということは、
日本
の将来の
外交
、
信用
というものに対して非常に大きな
影響
を来す。
日本
の国の講和という大き
壕建前
から、
国民
全体の
利益
のためには、
水産
における少しぐらいの
犠牲
はやむを得ないじやないか、しかし将来の
外交
というものは、
国民外交
によ
つて
初めて
日本
のあらゆる
外交
の面に強力に推進して行かなければならぬ、
輿論
によ
つて外交
というものができ上
つて
行かなければならぬという
観点
を強くついておるのであ
つて
、大体においてあの頑迷な
岡崎外務大臣
もわかつたことだと思うし、党としてもわれわれの
意見
を尊重して、
外交
に対してはわれわれの
意思
のような
国民
の要望していることを十分にこれから考案することだろうと考えるのであり
ます
。しかして
世界
に対する
信用
というものは、われわれは忍びがたきを忍んで行くことによ
つて
初めて政治的にも成り立つものだと考えるのであり
ます
。ゆえにこれを
継続審議
に持
つて
行くということは、はたして是か非かということもよく考えなければならぬ。われわれは
国民
全体の
利益
のために、
外交
に対しては強力に
国民外交
を支持して行かなければならないと同時に、
国民
の
利益
を尊重するということから
言つて
、
継続審議
ということでなくて、
外務委員会
に対してわれわれの要望を強く反映させ、そしてこのたびはこの程度で
外務委員
に申し入れて行きたい、かように考えるのであり
ます
が、それに御了承願えるように、
委員長
から特に小
委員長
の
石原委員
に
申入れ
を願いたいと思い
ます
。
川村善八郎
8
○
川村委員長
ただいま
松田委員
より
石原
小
委員長
に対して、
継続審議
ということについていろいろご
意見
もありましたが、
継続審議
というようなことは今後の
外交
に大きな波紋をかもすような
理由
がないでもないから、どうかぜひそうしないように、ひとつこの
理事会
の案なるものを御承認願いたい、こういう
申入れ
がありましたが、どうぞ
石原委員
におかれては御了承を願い
ます
。
永田節
9
○
永田委員
委員長
はきのうまで
批准
をしないということにたいへん賛成されて、最も活発に行動されたのですが、その
委員長
が本日にわかに軟化されて
松田説
を支持して
石原説
を否定するというような
態度
はまことに奇怪千万である。あなたは一体どういうつもりなんですか、それをまず聞きたいと思い
ます
。
川村善八郎
10
○
川村委員長
永田
君の御
発言
に対してお答えいたし
ます
。決して私は
軟弱
にはな
つて
おりません。ただ
松田委員
より
石原委員
に対して、ぜひ
申入れ
をしてくれということで、
松田
君の弱く
なつ
たような点は見受けられ
ます
けれ
ども
、ただ御両氏の間に
了解
を得たいと
思つて発言
をしたわけでありまして、私はこの
水産委員会理事会
の
意見
については同感であり
ます
。
松田鐵藏
11
○
松田委員
私は何も弱くな
つて
おりません。当初から自分の
議論
はこの
議論
によ
つて
進んでおり
ます
。
委員長
は
合同委員会
において、その他の
水産委員
の方と同じ
意見
を述べておりましたが、私はその当時からただいまのような
意見
を述べておるのであり
ます
。
外交
が弱いからいけない、もつともつと
国民外交
に進んで行かなければいけない。しかしこの問題に対しては
大局
を見て善処すべきだという
議論
一本に進んでおり
ます
。決して私が弱く
なつ
たなどということはないのでありまして、そういうふうに見られたら損だ。どんなふうに見でいるか私はわかりませんが、そんなものによ
つて
とやかくされる
松田
ではありません。ただしかし
国民
全体の
利益
のためには、
水産委員
の
主張
もある程度までは
大局
のためには考えて行かなければならない問題だ、こういう
議論
は当初からしておるのであり
ます
。しかし私は
岡崎外交
に対してはまつたく
不信任
を持
つて
おるものであり
ます
。また
吉田外交
に対しても
不信任
を持
つて
おるものであり
ます
。この点は
はつ
きり申し上げておき
ます
。決してあんな弱い
外交
に対しては、私は敬意を表しておるものではありません。
永田
君のように何もかにも強い強いばかりではこれはまことにいけないことと思い
ます
ので、その点はひとつ各
委員
においても、当初の私の
意見
というものを考えてもら
つて
、
お互い
に
国民大衆
の
利益
のためには善処あらんことを、特に私は要望しておき
ます
。
石原圓吉
12
○
石原委員
私はあくまで私の申し上げた方法が今回に処する最も妥当適切、有利なる
條項
であるとかたく信ずるものであり
ます
。しかしながら小
委員会
で正式の
決定
は見ていないのであり
ます
。しかるうちに
理事会
の
決定
があ
つて
、
委員長
がここにそれの採決を求められておるのでありまして、私も
外交
の
軟弱
、この問題が将来に重大なる
影響
を及ぼすこと、ことに、
岡崎大臣
においては、ほとんどその論拠がな
つて
いない。この條約の案が成立するときには、まだ
岡崎
氏は
大臣
ではなかつたのでありまして、その以前の
大臣
は今の
総理大臣
であり
ます
。その問題に対して今回
岡崎大臣
が
質疑
にお応じなることに
なつ
たが、その
質疑応答
がまことにたよりない、不安であ
つて
、今後に及ぼす
影響
が非常に大きいと思うのであり
ます
。よ
つて
私はこの案を出したわけであり
ます
るが、私はこれを多数で
争つて
、そうして
自己
の
意思
を貫徹しようということは、形式上不可能のようであり
ます
。但し
委員長
の提案された
理事会
の
決定案
なるものは、私の案よりはよほど強いのであり
ます
。非常に強いのであり
ます
。私の案はやわらかいのであり
ます
るが、これが適切なる順序をふむものであると信じておる点が相違すると思うのであり
ます
。この
委員会
の
決定
は、
いかよう
であろうとも、これはやむを得ないのであり
ます
るからもし
理事会
の
決定案
にきまつたならば、その
案文
の
通り
に、あくまでも貫徹するように、これを
理事諸君
並びに
委員長
に強く希望を申しておく次第であり
ます
。
永田節
13
○
永田委員
先ほどから
意見書
を中心にしてまちまちのご
意見
があるように承りましたが、結局は各
委員
ともにこの
意見書
に対しては全面的に用意をされて、毛頭ゆるぎのないということが御
発言
の中に認められるのであり
ます
が、そもそもかような條約に取り扱うにあたりましで、
水産
、
外務連合審査会
におきまして、
政府側
の
答弁
をしさいに検討してみ
ます
と常にわれわれ
委員
の
質問
にはピントのはずれた
答弁
のみであり
ます
。このことは
速記
によ
つて
明らかであり
ます
。すなわち重要なポイントとな
つて
おるところの
吉田
、
ダレス書簡
は、何人の手によ
つて
考案されいかなる動機によ
つて
それが
ダレス
氏に送られたかというようなことも、一向
はつ場
きりしないのであり
ます
。かように
日本国
の
外交
が
軟弱
、むしろ無能としたならば、われわれはともかくとして、将来われわれの子孫の運命やいかん、かような問題が考えられなければならないと思われるのであり
ます
。その
意味
におきまして、われわれは常に
與党
であろうと
野党
であろうと、
政府
にあやまちなからしめる、
政府
をして反省せしめる、かような
意味
におきまして、最も正しく、公平に
国会
は批判しなければならないと思われるのであり
ます
。このときにあたりまして
委員会
は、まつたく
自主独立
の
建前
から、最も真劍に
議論
の結果、かような
意見
が出て参つた次第であろうと私は考えるのであり
ます
。しかしてこれを
批准
をしないという結果になり
ます
と、なるほど将来アメリカとの
外交
において一頓挫を来すようなことがあろうかとも思われ
ます
。しかしまた逆にこれが太いに役立ちまして、
日本
の
外交方針
が進歩して来るということも同時に考えられるのでござい
ます
。要するに問題は、
輿論
の上に立
つて
出るかいなかということが問題にな
つて
来るのであり
ます
。わが
党自由党
においては、常に
側近政治
、
官僚政治
というふうに非難を受けており
ます
。このたびの改進党のスローガンにおきましも、このことを攻撃しているように見受けれら
ます
。かようなことではわれわれがいかにして
自由党政府
を支持し、信任することができるかという問題が起
つて
来るのであり
ます
。なをかつ
答弁
にあたりましても、
政府側
の
態度
は非常に不遜であり
ます
。横暴をきわめており
ます
。すなわち絶対多数にあぐらをかいて、ほおかむりをして、見ざる言わざる聞かざる、かような実に
東條政権
にも余るところの横暴な
政府
であると、私は断言してはばからない。そこで
批准
をするということになれば、この條約はいよいよ
効力
を生じて参り
ます
。この條約が
効力
を生じた方が、
日本国
のために
利益
だということになれば、これは何をか言わんや、
政府
に多少の手落ちがあ
つて
も、われわれはこれを認めるにやぶさかではない。この條約がなければ
日本国
がどのくらい
不利益
かというと、
議論
はまつたく逆でありまして、この條約のないことが
日本
の
漁民
を救うゆえんであると私は考えるのであり
ます
。かような
不利益
な屈辱的な條約に
調印
をしなければならないということは、われわれ
水産
を
専門
に担当しており
ます
ところの
国会議員
としては、
政府
の
態度
について
了解
に苦しむ点が多々あるのあり
ます
。従いまして私は
石原委員
のお説のごとく、これを
継続審議
に持
つて
行くということに賛成であり
ます
。またかような
日本国
の
国民輿論
、すなわち
国会
の
輿論
というものがすみやかに
米加
に伝わりまして、
米加
の
輿論
もまたこの機会に大いなる反省を求めることができ
ます
ならば、われわれのこのたびの行動は決してむだに終ることではないと考え
ます
し、これがまた
世界民族
のためになることとわれわれは自負しておる次第であり
ます
。従いまして
外務委員会
はこれを所要の
手続
を経て難なく
批准
を承諾するでありましようが、われわれ
水産常任委員会
といたしましては、独自の
立場
におきましてこれには絶対に反対せざるを得ないのであり
ます
。しかしながら現在の
政府
において、われわれの言わんとするところを
納得
されて、一応責任をと
つて
、
吉田総理
なり
岡崎外務大臣
なりが、今日ただいま辞職をして、天下に謝罪するということになれば、また考え直す余裕もあり
ます
。それもできないということならば、絶対にこの
批准
をわれわれは
国会議員
の
立場
として認めるわけには参りません。どうぞこの
委員会
におきましても、かようなことをよく御検討願いまし、今後の
態度
を御
決定
願いたいと思うのであり
ます
。
林好次
14
○林(好)
委員
大体私も
石原委員
あるいは
永田委員
と同様な
意見
でござい
ます
が、先般からの
與野党
の
委員諸君
の
質問
の
焦点
は、要するに
吉田側近外交
により
ます
る
吉田
、
ダレス
の
書簡
に基きまして、
日本
の
水産
というものを
犠牲
にして、対米諸問題を有利に解決しようというきわめて
腰抜け外交
と申し
ます
か、
軟弱外交
と申し
ます
か、その最たる現われであるということであり
ます
。それが
輿論
の
焦点
にな
つて
おるのでおり
ます
し、また先般からの各
委員
の
質問
に対しましても、
政府委員
の
答弁
はまつたく
納得
の行かない
答弁
をいたしておられるわけであり
ます
。すなわち今後の
日本
の
外交
の
方針
は、やはり親米を基礎としてとられなけれげならないことは当然のことではあり
ます
るけれ
ども
、し与しひとり
水産
のみを
犠牲
にしてそうしてすべてのものを有利に導こうということは、われわれ
水産人
としては
納得
の行かないところでありまして、どうしてもこの重要な問題は、ほんとうに
日本漁民
が
納得
をする解決をしなければならぬと考えるのでありまして、やはりこの重要な問題であり
ます
から、要するに
継続審議
をするということに私
ども
は同意をいたしたい、このように考えるものであり
ます
。
松田鐵藏
15
○
松田委員
永田委員
も、
石原委員
も同様な
意見
を持
つて
おると思うのであり
ます
るが、私
ども
は
自由党
なるがために、
自由党
の政策がそのままよいとは考えていない。要するにわれわれが
自由党そのもの
の
自己批判
をして
行つて
、初めて政党が正しい道に生きるものである。またわれわれの
意見
が対立するかどうか、党の
方針
と対立する場合に、ややもすれば党を離脱するということを口にする者もあり
ます
るが、これらは昔の侍が殿様に申訳ないから切腹をするという
行き方
であ
つて
、そんな
行き方
というものは最も安価な
行き方
である。さようなことではいけなり
ます
。ゆえに
外交
においては
軟弱外交
だとわれわれは考えておる。これをどこまでも是正していくことが
国民
の
輿論
に応ずることであり、党を正しい道に導くものだと考えておるがゆえに、
石原委員
も
永田委員
も私
ども
も同様な
意見
を持
つて
政府
を鞭撻し、
政府
を激励しておることと私は信じておるものであり
ます
。しかしここにおいてわれわれはただ
自己満足
のみしてはいけない。あらゆる党員の
意見
をも尊重して行かなければならない。但しわれわれの
意見
も、党の役員なりまたは
代議士諸君
においても十分しんしやくして、党を正しい道に導いて行くという方向に持
つて
行かなければならないと信じておるものであり
ます
。ゆえにわれわれは、いかなる場合においても正しい
議論
に向
つて
今までや
つて
来たつもりでおり
ます
。この問題に対しては、今まで
外務委員会
と
連合審査
をやり、また
水産委員会
において
外務大臣
といろいろ
議論
をして来た。しかしその
議論
の結果ば私
ども
まことにふに落ちないものが多にあつたのであり
ます
。しかし今までは
日本
の国は
受身
の
状態
であつた。しかもこれからも
十分受身
の
状態
でなければならない。しかしそれは、
お互い国民
が真に外国に
信用
を與えて、
自己
を反省して、どこまでも恭順の
意味
をも
つて
、われわれの犯した戦争の罪をぬぐい去
つて
行かなければならない。そこに誠実みがあ
つて
こそ
世界
がわれわれを
信用
し、
日本
の国の繁栄というものが高揚されて来ると思うのであり
ます
。われわれは
水産
の問題において、
自己
の
犠牲
とは言い
ます
けれ
ども
、それならば、これははたしてどこまでが
犠牲
であるか。但しこの点は今私はこういう
議論
をしているときに
皆さん
の前に言うわけには参りません。しかし私は、ある程度まで
犠牲
ではないという考え方を持
つて
おる。しかしそういうことを言うたならば業界を混乱に導くものである。ただこれからの
日本
の
外交
というものは
輿論
の
外交
でなければならない、
国民
の
外交
でなければならぬという
観点
から、われわれはここに考え
言つて
いる。
世界
の
信用
を来している
意味合い
が
日本国民
に対して一番大きな幸福ではないかと私は信じているものであり
ます
。ゆえに現在の
政府
の
外交
に当
つて
いる人々の弱い
外交
が、われわれの
意見
によ
つて
是正されることがあつたならば、われわれはこれを非常に幸福とし、これが
りつぱな行為
だと信じておるものであり
ます
。
永田委員
の言われるように
吉田総理
なりまたは
岡崎外務大臣
なりが辞職して
国民
にわびるということは、私は最も正しい道とは考えておりません。しかしこの問題を、
国際場裡
において
日本
の
信用
を来すという
意味合い
から、
継続審議
などということは、もちろん
日本国民
全体の
利益
のためにこれを非とするものでありまして、われわれの強い
意見
として、ただちに
外交
を是正するために、
外務委員会
なり
政府
なりに強く要望することは、私は最も好むものであり
ます
けれ
ども
、これをも
つて
批准
を阻止するなどということはとうていでき得ない、またやるべき
行為
でないと私は信じておるものであり
ます
。この点に対して各
委員
の賛同を求めたいと思うものであり
ます
。
川村善八郎
16
○
川村委員長
ただいま各
委員
から本
意見書
に対して相当の御
意見
もあり、また
修正
の御
意見
もありましたが、大体
皆さん
の御
意見
を総合して考え
ます
と「
附属書
において実質的に
日本
に対して」というふうにしてその下にある「のみ」を削
つて
、
理事会案
の原案を当
委員会
の
意見
と
決定
いたしまして、
外務委員会
並びに
政府
に対して
申入れ
をするという御
意見
が強いようであり
ます
が、その
通り
決してさしつかえありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
川村善八郎
17
○
川村委員長
御
異議
なしと諦めまして、そのように
決定
いたし
ます
。 —————————————
川村善八郎
18
○
川村委員長
次に
水産業協同組合法
の一部を改正する
法律案
を議題といたし
ます
。本案の取扱いについては、昨日の
理事会
において種々協議しました結果、ただいまお手許に配付してあり
ます
ような
修正案
がとりまとめられた次第であり
ます
。その
修正案文
を
専門員
から御説明いたさせ
ます
。 —————————————
徳久三種
19
○
徳久
専門員
参議院
から提案されました
水産業協同組合法
の一部を改正する
法律案
の要旨は、第八十九條を削除するというのであり
ます
。八十九條は御案内の
通り
「
連合会
は、左の各号のうちいずれかに該当しなければならない。一、地区が都道府県の区域をこえないこと。二、
所属員
たる
組合
の数が三百をこえないこと。」というのでありまして、この八十九條を削除するという案であり
ます
。それに対しまして
理事会
で
審議
いたしました結果は、八十七條の「
漁業協同組合連合会
は、左の
事業
の全部又は一部を行うことができる」というこの條のうち、第三号の「
連合会
を直接又は間接に構成する者(以下本章において「
所属負
」と総称する。)の
事業
に必要な物資の供給」第四号の「
所属員
の
事業
に必要な
共同利用
に関する
施設
」第五号の「
所属員
の
漁獲物
その他の
生産物
の運搬、加工、保管又は販売」それから第六号は抜かしまして、第七号の「船だまり、
船揚場漁礁
その他
所属員
の
漁業
に必要な設備に関する
施設
」この四つを
許可制
にして、
農林大臣
の
許可
を得てさせる。つまり
経済行為
は
主務大臣
の
許可
によ
つて
させるという
趣旨
であり
ます
。
字句
はいろいろあり
ます
けれ
ども
、根本の御説明を申し上げ
ます
。
川村善八郎
20
○
川村委員長
ただいま
専門員
より
参議院
の
回付案
に対する本
委員会
の
理事会
の
修正案
が御説明されたのであり
ます
が、これに対して御
意見
があり
ます
れば承りたいと思い
ます
。
田口長治郎
21
○田口
委員
水産
長官にちよつとお伺いしておき
ます
が、この定款の認可とただいまの
事業
の
許可
の関係は、定款の認可を受けても、
事業
を面接やる場合におきましては、
事業
そのものの
許可
を要することになると思うのですが、その辺どういう関係になり
ます
か、一応詳細に御説明願い
ます
。
塩見友之助
22
○塩見
政府委員
この
修正案
は私今舞見したばかりであ
つて
、法律的に詳しく調べたのではありませんが、ただいま田口
委員
から御
質問
もありました
通り
に、定款の認可のほかに、この
許可
がなければならないように読まれ
ます
。そうなり
ます
と、定款の認可と
許可
というものが別々にな
つて
、それが齟齬していてはまずいわけですから、それは齟齬しないように、定款の認可と
許可
と双方関連をつけながら、総合的に行政
行為
をやらなければならないかと存じ
ます
。但し一方定款の認可につきましては、先日お答えいたしましたように、法の
建前
として自由裁量という性質のものではなくして、法規的に見て支障がなければ、
農林大臣
としては当然認可をしなければならないような法の
建前
にな
つて
おり
ます
ので、その関連から、
許可
との関係は、法の
建前
全般から見た場合、問題が残るように感ぜられ
ます
。
石原圓吉
23
○
石原
(圓)
委員
本案に賛成し
ます
。但し、これは全漁連、全国を打
つて
一丸として結成された
連合会
に限るということを
はつ
きりしておきたいのであり
ます
。それと同時に、全国の合会ができましても、
経済行為
をやらない場合には経営が非常に困難で、実質が伴わない結果を来して、かえ
つて
漁民
の迷惑を来すおそれがあるのでありまして、
農林大臣
が
許可
権を持つた以上は、慎重に検討をして、これならば確実に財源になるという見通し、並びにまた財源として効果あらしめるべき方策を與えるというような点につきましては、十分の考慮を拂
つて
行くべきでると思うのでありまして、この点を関係官庁に強く要望をし、本案に対し賛成をするものであり
ます
。
川村善八郎
24
○
川村委員長
ただいま議題としました
水産業協同組合法
の一部を改正する
法律案
に対し他に御
意見
もないようであり
ます
ので、
理事会
で
修正
しました
案文
を、さらに法網上の
案文
として整備することにつきましては、
専門員
及び法制局において検討中であり
ます
ので、それが完全に
修正
でき
ます
れば、本
委員会
の案としてそれぞれ
手続
を進めたいと思い
ます
が、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
川村善八郎
25
○
川村委員長
御
異議
なしと認めてさようとりはからい
ます
。 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をも
つて
お知らせいたし
ます
。散会いたし
ます
。 午後零時二十分散会