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1952-06-14 第13回国会 衆議院 水産委員会 第44号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年六月十四日(土曜日)     午前十一時八分開議  出席委員    委員長 川村 善八郎君    理事 小高 熹郎君 理事 田口長治郎君    理事 永田  節君 理事 林  好次君       石原 圓吉君    久野 忠治君       鈴木 善幸君    二階堂 進君       平井 義一君    松田 鐵藏君       水野彦治郎君    木村  榮君  出席政府委員         水産庁長官  塩見 友之助君  委員外出席者         専  門  員 杉浦 保吉君         専  門  員 徳久 三種君     ————————————— 本日の会議に付した事件  水産業協同組合法の一部を改正する法律案(参  議院提出参法第一〇号)  公海漁業に関する件     —————————————
  2. 川村善八郎

    川村委員長 これより水産委員会を開きます。本委員会といたしましては、先般の外務委員会との連合審査会審査に基きまして、昨日理事会を開会し、同委員会において審議中の、北太平洋公海漁業に関する国際條約に対する意見として、ただいま各位のお手元に配付してありますような一応の案文決定したのでありますが、念のため、これを専門員に朗読いたさせます。     〔徳久専門員朗読〕    北太平洋公海漁業に関する国    際條約に対する意見      衆議院水産委員会理事会  (一) 対日平和條約第九條には、日本平和條約発効後速かに二国間及び多数国間の漁業協定をするために交渉を開始することが明記され、なお、三国漁業会議開催当時、当水産委員会が屡々政府当局に要望したにもかかわらず、政府占領治下に於て交渉を開始し仮調印をしたがために独立国としての日本主張を充分反映せしめていない。  (二) 日米加漁業條約の前文において、   (イ) 国際法国際慣習の原則に基き公海資源を開発する各自の権  利に照らして行動すること。   (ロ) 各締約国公海資源保存措置を講ずるとともに公海漁業の公平なる操業をするという自由平等の立場において負うべきこと。   (ハ) 保存措置の確定に必要な科学的研究を推進し調査して締約国にその保存措置を勧告するため国際委員会を設置すること。   以上三点を明示しているにもかかわらず、附属書において日本に対してのみ一方的保存描画として西経一七五度以東さけます漁業自発的抑止を規定し、然かも、條約第三條第一項(a)項但書に於いてこの條約の効力発生後五年間は附属書に明記された魚種については北太平洋漁業国際委員会自発的抑止のための條件を備えているかどうかの決定も勧告もしないことになつていることは誠に遺憾である。   而して、今後アジア諸国等との漁業條約を締結する場合に、日本国立場を非常に不利に導く虞れがある。   以上のような事由により衆議院水産委員会は、この條約についてはこれを承認することはできない。
  3. 川村善八郎

    川村委員長 ちよつと速記をとめてください。     〔速記中止
  4. 川村善八郎

    川村委員長 速記を始めてください。  以上の通りでありますが、この案々について何か御意見があればこれを許します
  5. 石原圓吉

    石原(圓)委員 公海漁業に関する小委員会としては、以上各項の理由により、本條約は今国会においては継続審議手続をとり、しかる上至急実地調査を行い、その上にて採決するを妥当と認む。なお米国国会審議いまだ半ばにあり、カナダも何どき審議するも未定とのことである。はたしてしからば、ひとり日本のみ不利益を忍びて決定するは不可である。こういう意見が小委員の大部分の意見でありまして、このことを参考に供する次第であります
  6. 二階堂進

    二階堂委員 理事会においてまとめられましたこの北太平洋公海漁業條約に関する意見は、最も妥当な意見と私は考える次第でありますが、ただ一部内容修正したいと考えてここに御意見を申し上げたいのでございます。  それは第二項の(ハ)の、「附属書において日本に対してのみ一方的保存措置として西経一七五度以東さけます」云々という中に、「附属書において、実質的に日本に対して一方的保存措置として」こういうふうに「実質的に」という文句を入れたい。これは西経百七十五度以東さけますにつきましては、カナダも同様に自発的に畑止するということが條約の内容となりておる点から考えましてこういうこうに修正したい。  それから最後に、「以上のような事由により衆議院水産委員会は、この條約についてはこれを承認することはできない。」こういうふうに書いてあるところを、「衆議院水産委員会は、右意見外務委員会及び政府当局申入れをする。」こういうふうに修正してもらいたいという修正意見を申し上げますが、お諮り願いたいと思います
  7. 永田節

    永田委員 ただいま二階堂委員からお話のありました修正は、その字句もつける必要はないのだ。それはこの文書ができれば、外務委員会どころではない、ひよつとしたら天皇陛下のところへも、あるいはトルーマンのところヘも行くかもしれない。そういうばかなことを言つてみたところでしようがないので、あえてつけるとしたならば「以上のような事由により衆議院水産委員会は、この條約についてはこれを承認することはできない。」ということが結論なんだ。この結論は生かして右の意見外務委員会なりそれぞれに報告するということになるのですから、これはまつたく、いらざることなんです。「日本に対してのみ実質的に」これはまあいいです。そのほかの字句修正ということについては反対します
  8. 松田鐵藏

    松田委員 まず私は石原委員の御意見に対しては、その御趣旨は十分承知するのであります。しかし今仮條約から本條約も締結された。かりに日本の国の独立以前に仮條約が締結されたとしても、われわれが今まで議論していることは、日本外交が最も軟弱である、その軟弱外交をどうして是正するかということである。それは今まで外務省の役人のみで独善的にやつて立た。戰争前、戰争後においてもすべてがそういう状態であつたがゆえに、国民輿論は一つも反映していなかつた。こんなことでは民主主義政治は成り立たぬ。現に岡崎外務大臣などは、正しいこことをわれわれが言うて誘導をて、そのように言うたらいいじやないかということまでも言い得ないような軟弱態度を示している。かようなことでは国民納得できるものではない。われわれは自由党所属代議士であつて與党である。しかし国民の言わんとするところは民主主義議会においてどこまでも主張して行かなければならないのだ。それに対して国民外交というものが必要である。外交ひとり官僚のみにまかせ、外務省のみにおいてやつて行くべきものではないのだ。かような意見から大きくこの問題を取上げ、われわれはこれに対して論議をしているものであります。いまさら本調印ができたものをひつくり返すなどということは、日本の将来の外交信用というものに対して非常に大きな影響を来す。日本の国の講和という大き壕建前から、国民全体の利益のためには、水産における少しぐらいの犠牲はやむを得ないじやないか、しかし将来の外交というものは、国民外交によつて初めて日本のあらゆる外交の面に強力に推進して行かなければならぬ、輿論によつて外交というものができ上つて行かなければならぬという観点を強くついておるのであつて、大体においてあの頑迷な岡崎外務大臣もわかつたことだと思うし、党としてもわれわれの意見を尊重して、外交に対してはわれわれの意思のような国民の要望していることを十分にこれから考案することだろうと考えるのであります。しかして世界に対する信用というものは、われわれは忍びがたきを忍んで行くことによつて初めて政治的にも成り立つものだと考えるのであります。ゆえにこれを継続審議に持つて行くということは、はたして是か非かということもよく考えなければならぬ。われわれは国民全体の利益のために、外交に対しては強力に国民外交を支持して行かなければならないと同時に、国民利益を尊重するということから言つて継続審議ということでなくて、外務委員会に対してわれわれの要望を強く反映させ、そしてこのたびはこの程度で外務委員に申し入れて行きたい、かように考えるのでありますが、それに御了承願えるように、委員長から特に小委員長石原委員申入れを願いたいと思います
  9. 川村善八郎

    川村委員長 ただいま松田委員より石原委員長に対して、継続審議ということについていろいろご意見もありましたが、継続審議というようなことは今後の外交に大きな波紋をかもすような理由がないでもないから、どうかぜひそうしないように、ひとつこの理事会の案なるものを御承認願いたい、こういう申入れがありましたが、どうぞ石原委員におかれては御了承を願います
  10. 永田節

    永田委員 委員長はきのうまで批准をしないということにたいへん賛成されて、最も活発に行動されたのですが、その委員長が本日にわかに軟化されて松田説を支持して石原説を否定するというような態度はまことに奇怪千万である。あなたは一体どういうつもりなんですか、それをまず聞きたいと思います
  11. 川村善八郎

    川村委員長 永田君の御発言に対してお答えいたします。決して私は軟弱にはなつておりません。ただ松田委員より石原委員に対して、ぜひ申入れをしてくれということで、松田君の弱くなつたような点は見受けられますけれども、ただ御両氏の間に了解を得たいと思つて発言をしたわけでありまして、私はこの水産委員会理事会意見については同感であります
  12. 松田鐵藏

    松田委員 私は何も弱くなつておりません。当初から自分の議論はこの議論によつて進んでおります委員長合同委員会において、その他の水産委員の方と同じ意見を述べておりましたが、私はその当時からただいまのような意見を述べておるのであります外交が弱いからいけない、もつともつと国民外交に進んで行かなければいけない。しかしこの問題に対しては大局を見て善処すべきだという議論一本に進んでおります。決して私が弱くなつたなどということはないのでありまして、そういうふうに見られたら損だ。どんなふうに見でいるか私はわかりませんが、そんなものによつてとやかくされる松田ではありません。ただしかし国民全体の利益のためには、水産委員主張もある程度までは大局のためには考えて行かなければならない問題だ、こういう議論は当初からしておるのであります。しかし私は岡崎外交に対してはまつたく不信任を持つておるものであります。また吉田外交に対しても不信任を持つておるものであります。この点ははつきり申し上げておきます。決してあんな弱い外交に対しては、私は敬意を表しておるものではありません。永田君のように何もかにも強い強いばかりではこれはまことにいけないことと思いますので、その点はひとつ各委員においても、当初の私の意見というものを考えてもらつてお互い国民大衆利益のためには善処あらんことを、特に私は要望しておきます
  13. 石原圓吉

    石原委員 私はあくまで私の申し上げた方法が今回に処する最も妥当適切、有利なる條項であるとかたく信ずるものであります。しかしながら小委員会で正式の決定は見ていないのであります。しかるうちに理事会決定があつて委員長がここにそれの採決を求められておるのでありまして、私も外交軟弱、この問題が将来に重大なる影響を及ぼすこと、ことに、岡崎大臣においては、ほとんどその論拠がなつていない。この條約の案が成立するときには、まだ岡崎氏は大臣ではなかつたのでありまして、その以前の大臣は今の総理大臣であります。その問題に対して今回岡崎大臣質疑にお応じなることになつたが、その質疑応答がまことにたよりない、不安であつて、今後に及ぼす影響が非常に大きいと思うのであります。よつて私はこの案を出したわけでありまするが、私はこれを多数で争つて、そうして自己意思を貫徹しようということは、形式上不可能のようであります。但し委員長の提案された理事会決定案なるものは、私の案よりはよほど強いのであります。非常に強いのであります。私の案はやわらかいのでありまするが、これが適切なる順序をふむものであると信じておる点が相違すると思うのであります。この委員会決定は、いかようであろうとも、これはやむを得ないのでありまするからもし理事会決定案にきまつたならば、その案文通りに、あくまでも貫徹するように、これを理事諸君並びに委員長に強く希望を申しておく次第であります
  14. 永田節

    永田委員 先ほどから意見書を中心にしてまちまちのご意見があるように承りましたが、結局は各委員ともにこの意見書に対しては全面的に用意をされて、毛頭ゆるぎのないということが御発言の中に認められるのでありますが、そもそもかような條約に取り扱うにあたりましで、水産外務連合審査会におきまして、政府側答弁をしさいに検討してみますと常にわれわれ委員質問にはピントのはずれた答弁のみであります。このことは速記によつて明らかであります。すなわち重要なポイントとなつておるところの吉田ダレス書簡は、何人の手によつて考案されいかなる動機によつてそれがダレス氏に送られたかというようなことも、一向はつ場きりしないのであります。かように日本国外交軟弱、むしろ無能としたならば、われわれはともかくとして、将来われわれの子孫の運命やいかん、かような問題が考えられなければならないと思われるのであります。その意味におきまして、われわれは常に與党であろうと野党であろうと、政府にあやまちなからしめる、政府をして反省せしめる、かような意味におきまして、最も正しく、公平に国会は批判しなければならないと思われるのであります。このときにあたりまして委員会は、まつたく自主独立建前から、最も真劍に議論の結果、かような意見が出て参つた次第であろうと私は考えるのであります。しかしてこれを批准をしないという結果になりますと、なるほど将来アメリカとの外交において一頓挫を来すようなことがあろうかとも思われます。しかしまた逆にこれが太いに役立ちまして、日本外交方針が進歩して来るということも同時に考えられるのでございます。要するに問題は、輿論の上に立つて出るかいなかということが問題になつて来るのであります。わが党自由党においては、常に側近政治官僚政治というふうに非難を受けております。このたびの改進党のスローガンにおきましも、このことを攻撃しているように見受けれらます。かようなことではわれわれがいかにして自由党政府を支持し、信任することができるかという問題が起つて来るのであります。なをかつ答弁にあたりましても、政府側態度は非常に不遜であります。横暴をきわめております。すなわち絶対多数にあぐらをかいて、ほおかむりをして、見ざる言わざる聞かざる、かような実に東條政権にも余るところの横暴な政府であると、私は断言してはばからない。そこで批准をするということになれば、この條約はいよいよ効力を生じて参ります。この條約が効力を生じた方が、日本国のために利益だということになれば、これは何をか言わんや、政府に多少の手落ちがあつても、われわれはこれを認めるにやぶさかではない。この條約がなければ日本国がどのくらい不利益かというと、議論はまつたく逆でありまして、この條約のないことが日本漁民を救うゆえんであると私は考えるのであります。かような不利益な屈辱的な條約に調印をしなければならないということは、われわれ水産専門に担当しておりますところの国会議員としては、政府態度について了解に苦しむ点が多々あるのあります。従いまして私は石原委員のお説のごとく、これを継続審議に持つて行くということに賛成であります。またかような日本国国民輿論、すなわち国会輿論というものがすみやかに米加に伝わりまして、米加輿論もまたこの機会に大いなる反省を求めることができますならば、われわれのこのたびの行動は決してむだに終ることではないと考えますし、これがまた世界民族のためになることとわれわれは自負しておる次第であります。従いまして外務委員会はこれを所要の手続を経て難なく批准を承諾するでありましようが、われわれ水産常任委員会といたしましては、独自の立場におきましてこれには絶対に反対せざるを得ないのであります。しかしながら現在の政府において、われわれの言わんとするところを納得されて、一応責任をとつて吉田総理なり岡崎外務大臣なりが、今日ただいま辞職をして、天下に謝罪するということになれば、また考え直す余裕もあります。それもできないということならば、絶対にこの批准をわれわれは国会議員立場として認めるわけには参りません。どうぞこの委員会におきましても、かようなことをよく御検討願いまし、今後の態度を御決定願いたいと思うのであります
  15. 林好次

    ○林(好)委員 大体私も石原委員あるいは永田委員と同様な意見でございますが、先般からの與野党委員諸君質問焦点は、要するに吉田側近外交によります吉田ダレス書簡に基きまして、日本水産というものを犠牲にして、対米諸問題を有利に解決しようというきわめて腰抜け外交と申しますか、軟弱外交と申しますか、その最たる現われであるということであります。それが輿論焦点になつておるのでおりますし、また先般からの各委員質問に対しましても、政府委員答弁はまつたく納得の行かない答弁をいたしておられるわけであります。すなわち今後の日本外交方針は、やはり親米を基礎としてとられなけれげならないことは当然のことではありまするけれども、し与しひとり水産のみを犠牲にしてそうしてすべてのものを有利に導こうということは、われわれ水産人としては納得の行かないところでありまして、どうしてもこの重要な問題は、ほんとうに日本漁民納得をする解決をしなければならぬと考えるのでありまして、やはりこの重要な問題でありますから、要するに継続審議をするということに私どもは同意をいたしたい、このように考えるものであります
  16. 松田鐵藏

    松田委員 永田委員も、石原委員も同様な意見を持つておると思うのでありまするが、私ども自由党なるがために、自由党の政策がそのままよいとは考えていない。要するにわれわれが自由党そのもの自己批判をして行つて、初めて政党が正しい道に生きるものである。またわれわれの意見が対立するかどうか、党の方針と対立する場合に、ややもすれば党を離脱するということを口にする者もありまするが、これらは昔の侍が殿様に申訳ないから切腹をするという行き方であつて、そんな行き方というものは最も安価な行き方である。さようなことではいけなります。ゆえに外交においては軟弱外交だとわれわれは考えておる。これをどこまでも是正していくことが国民輿論に応ずることであり、党を正しい道に導くものだと考えておるがゆえに、石原委員永田委員も私どもも同様な意見を持つて政府を鞭撻し、政府を激励しておることと私は信じておるものであります。しかしここにおいてわれわれはただ自己満足のみしてはいけない。あらゆる党員の意見をも尊重して行かなければならない。但しわれわれの意見も、党の役員なりまたは代議士諸君においても十分しんしやくして、党を正しい道に導いて行くという方向に持つて行かなければならないと信じておるものであります。ゆえにわれわれは、いかなる場合においても正しい議論に向つて今までやつて来たつもりでおります。この問題に対しては、今まで外務委員会連合審査をやり、また水産委員会において外務大臣といろいろ議論をして来た。しかしその議論の結果ば私どもまことにふに落ちないものが多にあつたのであります。しかし今までは日本の国は受身状態であつた。しかもこれからも十分受身状態でなければならない。しかしそれは、お互い国民が真に外国に信用を與えて、自己を反省して、どこまでも恭順の意味をもつて、われわれの犯した戦争の罪をぬぐい去つて行かなければならない。そこに誠実みがあつてこそ世界がわれわれを信用し、日本の国の繁栄というものが高揚されて来ると思うのであります。われわれは水産の問題において、自己犠牲とは言いますけれども、それならば、これははたしてどこまでが犠牲であるか。但しこの点は今私はこういう議論をしているときに皆さんの前に言うわけには参りません。しかし私は、ある程度まで犠牲ではないという考え方を持つておる。しかしそういうことを言うたならば業界を混乱に導くものである。ただこれからの日本外交というものは輿論外交でなければならない、国民外交でなければならぬという観点から、われわれはここに考え言つている。世界信用を来している意味合い日本国民に対して一番大きな幸福ではないかと私は信じているものであります。ゆえに現在の政府外交に当つている人々の弱い外交が、われわれの意見によつて是正されることがあつたならば、われわれはこれを非常に幸福とし、これがりつぱな行為だと信じておるものであります永田委員の言われるように吉田総理なりまたは岡崎外務大臣なりが辞職して国民にわびるということは、私は最も正しい道とは考えておりません。しかしこの問題を、国際場裡において日本信用を来すという意味合いから、継続審議などということは、もちろん日本国民全体の利益のためにこれを非とするものでありまして、われわれの強い意見として、ただちに外交を是正するために、外務委員会なり政府なりに強く要望することは、私は最も好むものでありますけれども、これをもつて批准を阻止するなどということはとうていでき得ない、またやるべき行為でないと私は信じておるものであります。この点に対して各委員の賛同を求めたいと思うものであります
  17. 川村善八郎

    川村委員長 ただいま各委員から本意見書に対して相当の御意見もあり、また修正の御意見もありましたが、大体皆さんの御意見を総合して考えますと「附属書において実質的に日本に対して」というふうにしてその下にある「のみ」を削つて理事会案の原案を当委員会意見決定いたしまして、外務委員会並びに政府に対して申入れをするという御意見が強いようでありますが、その通り決してさしつかえありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 川村善八郎

    川村委員長 御異議なしと諦めまして、そのように決定いたします。     —————————————
  19. 川村善八郎

    川村委員長 次に水産業協同組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案の取扱いについては、昨日の理事会において種々協議しました結果、ただいまお手許に配付してありますような修正案がとりまとめられた次第であります。その修正案文専門員から御説明いたさせます。     —————————————
  20. 徳久三種

    徳久専門員 参議院から提案されました水産業協同組合法の一部を改正する法律案の要旨は、第八十九條を削除するというのであります。八十九條は御案内の通り連合会は、左の各号のうちいずれかに該当しなければならない。一、地区が都道府県の区域をこえないこと。二、所属員たる組合の数が三百をこえないこと。」というのでありまして、この八十九條を削除するという案であります。それに対しまして理事会審議いたしました結果は、八十七條の「漁業協同組合連合会は、左の事業の全部又は一部を行うことができる」というこの條のうち、第三号の「連合会を直接又は間接に構成する者(以下本章において「所属負」と総称する。)の事業に必要な物資の供給」第四号の「所属員事業に必要な共同利用に関する施設」第五号の「所属員漁獲物その他の生産物の運搬、加工、保管又は販売」それから第六号は抜かしまして、第七号の「船だまり、船揚場漁礁その他所属員漁業に必要な設備に関する施設」この四つを許可制にして、農林大臣許可を得てさせる。つまり経済行為主務大臣許可によつてさせるという趣旨であります字句はいろいろありますけれども、根本の御説明を申し上げます
  21. 川村善八郎

    川村委員長 ただいま専門員より参議院回付案に対する本委員会理事会修正案が御説明されたのでありますが、これに対して御意見がありますれば承りたいと思います
  22. 田口長治郎

    ○田口委員 水産長官にちよつとお伺いしておきますが、この定款の認可とただいまの事業許可の関係は、定款の認可を受けても、事業を面接やる場合におきましては、事業そのものの許可を要することになると思うのですが、その辺どういう関係になりますか、一応詳細に御説明願います
  23. 塩見友之助

    ○塩見政府委員 この修正案は私今舞見したばかりであつて、法律的に詳しく調べたのではありませんが、ただいま田口委員から御質問もありました通りに、定款の認可のほかに、この許可がなければならないように読まれます。そうなりますと、定款の認可と許可というものが別々になつて、それが齟齬していてはまずいわけですから、それは齟齬しないように、定款の認可と許可と双方関連をつけながら、総合的に行政行為をやらなければならないかと存じます。但し一方定款の認可につきましては、先日お答えいたしましたように、法の建前として自由裁量という性質のものではなくして、法規的に見て支障がなければ、農林大臣としては当然認可をしなければならないような法の建前になつておりますので、その関連から、許可との関係は、法の建前全般から見た場合、問題が残るように感ぜられます
  24. 石原圓吉

    石原(圓)委員 本案に賛成します。但し、これは全漁連、全国を打つて一丸として結成された連合会に限るということをはつきりしておきたいのであります。それと同時に、全国の合会ができましても、経済行為をやらない場合には経営が非常に困難で、実質が伴わない結果を来して、かえつて漁民の迷惑を来すおそれがあるのでありまして、農林大臣許可権を持つた以上は、慎重に検討をして、これならば確実に財源になるという見通し、並びにまた財源として効果あらしめるべき方策を與えるというような点につきましては、十分の考慮を拂つて行くべきでると思うのでありまして、この点を関係官庁に強く要望をし、本案に対し賛成をするものであります
  25. 川村善八郎

    川村委員長 ただいま議題としました水産業協同組合法の一部を改正する法律案に対し他に御意見もないようでありますので、理事会修正しました案文を、さらに法網上の案文として整備することにつきましては、専門員及び法制局において検討中でありますので、それが完全に修正できますれば、本委員会の案としてそれぞれ手続を進めたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 川村善八郎

    川村委員長 御異議なしと認めてさようとりはからいます。  本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもつてお知らせいたします。散会いたします。     午後零時二十分散会