○松田
委員 関連して……。私はま
つたく意外に
思つておるものであります。それは、私
どもがこうしてこの條約についているくと論議しておるのに、何のために
外務大臣は率直な
意見を申し述べないかということであります。私はあなたの
外務大臣としての資格を疑うものであります。まず第一に、吉田書簡を取上げて行かなければならない。これを取上げるにあた
つて、あなたはなぜ率直にお話を願えないか。私は昨日も申し上げておる。
日本の国全体のための講和を結ぶために、
漁業者の幾分の犠牲はやむを得ないではないか、これが
日本の国の重大な講和を結ぶ
一つの重大な元素に
なつたのではないか、これをなぜはつきり言
つてくれないか。私
どもは、自由党でなく、野党が政権を握るなどいうことは無謀な話であ
つて、できることではないし、どうしても自由党内閣において政局の安定をはかり、対外的信用を持
つて行かなければならぬ重大な責任ありと思うから申し上げるのであ
つて、こういうことに対して、あなたはなぜこれを説明しないのか。全部の
委員がそのことを知
つておる。知
つておるのにあなたはなぜそれを言えないのか、私はここに一番疑点を持つのであります。それから
外務大臣として、講和が結ばれて一番重大な外交をこれからやらなければならぬというときに、側近派の白洲次郎が何のために
アメリカ大使を拒畜されたか、この
理由はどこにあるか。こういうこともあなたは率直にわれわれに話すべき筋合いがある。彼こそは側近派である。そうしてこういうことを企てた人間である。しかも電力会社の会長に
なつたり、林兼のバツクにな
つてあらゆる利権をあさ
つておるじやないか。あなたも側近として、なぜこれを率直に総理に申し上げないのか。今自由党の中で、與党がこれほどまでに自己の内閣を批判しておるうちに、そういう案を出さなければならないことは、あなた方側近の者が無能だからだ。何でもいいから言うことさえ聞いておればいいのだ、大臣になれるのだという感覚がここへ行くのだ。なぜわれわれ
水産委員がいきり立
つて、国のためにこうした問題を論議しなければならぬか。率直に
日本全体の幸福のためにやむを得ない事情、これが講和條約の第一ページだということをあなたが言
つたら、だれがこれに対して反対するか。われわれは知
つておる。あなたはなぜこれに対して説明しないか。私はま
つたくそこ信吉田内閣の弱体性があると思う。また先ほどからいろいろ聞いておるが、将来というものがあるのだからということを率直に言
つて、これから自分たちが外交人として、農林省にもよくその
理由を聞き、われわれが今申し上げておることについてあらゆる努力をするということを言
つたなら、一体たれが反対するか。與党なるがゆえに盲目的について来いと言
つたところで、ついて行かれない。ま
つたく今までの外交というものの型
通りに行こうというところに誤解がある。かようなあなた方の誤
つておる点を、
もつと直す御意思がないか。昨日も植原先生からあれほどまでに言われても、誹謗するのではない注意するのだと、子供に教えるような御
意見を言われても、それでもなおかつ言おうとしない。あのときにおいてはつきり今の問題を言
つたならば、だれだ
つてこれに賛成するじやないか。講和條約が国民全体の利益になることならば、
水産問題が幾分犠牲になろうとも、これに対してはわれわれはやむを得ないことだと思う。なぜそれを率直に言えないのか。それでも
水産が犠牲にならないというお
考えであ
つたら大きな間違いだ。あなたはどういうお
考えを持
つておるのか、それでもあなたは今や
つておることが正しいのだというお
考えなのか。または
日本の国命体の利益のためにやむを得ないのだというご
意見なのか。
政府がわれわれに了解を求めるのであ
つたならば、そうしてわれわれもそう信じてお
つたならば、この問題に対して、われわれは国民全体の利益のためにやむを得ずこれに賛成せざるを得ないのです。この点
外務大臣はどういうふうにお
考えにな
つておるか、御見解を承りたい。