○井上
政府委員 今の
二階堂委員の御
質問の第一は、先ほど
外務省の方からも御
答弁があ
つたのですが、今後
まぐろの対米
輸出の増進、振興について、
政府は一層積極的な方策を講ずるように、あるいは今後こういつた問題について、どういう方策を
政府として
考えておるかという点について、最初に御答えしてみたいと思います。
今般問題の課税に関する
法案の通過防止につきまして、われわれとしまして
外務省あるいは
農林省方面と緊密な連絡をと
つて、今日まで相当努力を続けて参つたという点につきましては、先ほど
外務省の方から申し上げた通りでありますが、今後の問題といたしまして、対米
まぐろの販路の拡大増進という問題につきましては、まず第一には今後の貿易としまして、一般的に対米
輸出、
ドル・ドライブが重要であることは言うまでもないのでございまして、今年度の海外に対しまする見本商品の宣伝紹介の重点も、これを
ドル地域にその重点を集中してや
つて行こう、その一環としまして、海外の見本商品の宣伝紹介の機関である海外の見本市、言いかえれば博覧会への
日本の参加という問題であります。この海外フエアーの実施、参加につきましては、今年度四千万円程度の予算を計上しまして、
米国を中心としましてサンフランシスコ、ニューヨーク、シャトル、カナダのトロントというような地点に見本商品の宣伝、紹介のフエアーを計画中でございますが、そういう機関を通じまして、
まぐろ類についても十分な効果をわれわれとしまして期待しておる次第であります。
第二の問題としまして、
輸出組合の問題でございますが、今国会に近く
輸出取引
法案という名称をも
つて上程御審議を願う予定でございます。不当なる競争を防止し、安定した値段をも
つて、できるだけ可及的に多くの品物をこちらから出そうということについては、貿易
業者相互間の一致
協力というか、そういう
輸出組合のような体制がこの際どうしても必要であるという
観点で、目下その
法案を準備中でございますが、この
法案通過の場合には、この業界におきましても、
関係貿易
業者の協調といいますか、一致
協力によりまして、従来にもまして一層
まぐろの
輸出の増進の効果を期待していいのではないか、かように
考えております。
第三の問題としまして、優先外貨制度の改正でございますが、従来は対米
輸出につきましては、その
輸出しました値段の三%、六%、一〇%というような率をいわばボーナスとしまして、優先外貨として、
関係の
業者に対して外貨の比較的自由なる
使用を認めるというやり方でございます。今年度のダラー・ドライヴを一層推進して参るという
観点から、このパーセンテージに改訂を加えまして五、一〇、一五というようなパーセンテージの
引上げによりまして対米地域に対しまする
輸出のインセンテイヴを一層大きくしたい。かような方法でも
つて現在大蔵省その他
関係の向きと交渉中でございます。そういうようないろいろな方法を通じまして、
輸出の振興に一層の効果的なる方策を採用したいと
考えております。
それから次に第二の問題としまして、先月一日から実施に相なりました対米
輸出まぐろの数量
調整の件ないしは最近の
輸出の現状についての問題であります。これは対米
輸出まぐろ対策協議会等の方でも非常に慎重検討を加えました結果、
関税問題に対しましてのこちらの自主的な方策としましても、この際対米
輸出の
まぐろカン詰、て
冷凍まぐろについて何らかの
輸出調整の方法をこちらの方から自主的に講ずることがむしろ賢明だというわけで、年間
まぐろカン詰百万箱、
冷凍まぐろ一万二千トンというわくと申しますが、限度を設けまして、先月一日から、すでに実施中でございましたが、
冷凍まぐろにつきましては、その半分を過去三箇年に
輸出実績を有するエキスポーターにその
実績によ
つて配分する。そしてその残りの半分をエキスポーターの申請によりまして、これを自由競争といいますか、今後の努力によるところの、いわば弾力性をここに十分加えるという方法でも
つて目下実施中でございます。こういう方法の実施によりまして、対米
輸出の効果的なる増進をわれわれとしては期待して参
つたのでございますが、
上院の歳入
委員会で法の通過という遺憾ながらきわめて残念なる経過と申しますか、そういう事実に今日直面したわけでございますが、今後の
上院本
会議の問題、あるいは
米国政府の善処につきましては、通産省は
農林省と一体とな
つて、
外務省を通じまして今後とも一層善処を続けて参りたいと
考えております。
なお最返の
輸出の状況につきましての計数等については、今年の一月から四月までの四箇月間の
輸出の
実績でございますが、カン詰につきましては二十九万二千三百八十六箱、それから
冷凍まぐろにつきましては七千百十五トンというのが四箇月間の
実績に相な
つております。
調査措置が実施になりましてから後の最近の具体的な計数につきましては、まだいろいろ
調査の不十分な点等もでございますので、なおこういうような機会にこの
水産委員会で詳しく御報告申し上げたいと思います。