○
福田政府委員 前の方の御
質問の趣旨、必ずしも私十分理解できませんでしたので、多少ピントがはずれておるお答えを申し上げるかもしれませんが、
日本銀行の
関係者が
地方銀行等に軍役としておる
程度送られておることは事実であります。しかしながらそれだからとい
つて日本銀行の
業務のやり方なり何なりに特別の差等を設けておるということはないと思います。市中
銀行が
金融を行います場合には、市中
銀行として、あるいは
地方銀行として
金融を行いまするには、
地方銀行としての自分の自主的な立場によ
つて個々の
融資の案件を処理いたしておるわけでございますから、それに対して高い見地から見て、不急不要であるというような
融資をいたしておりますれば、それに対して
銀行検査等の場合に十分注意をするということにはいたしております。ただ個々の
融資について、いわゆる
融資あつせんという
程度のものは
日本銀行においてや
つておりますが、進んで
大蔵省から個別の案件について、
融資についてとやかく申し上げることは一切いたしておりません。
第二の問題でありますが、輸出
銀行が輸出入
銀行に
なつたのは、どうもや
つてみてまずかつたからまた直したのだろうという非常なおしかりを受けたのでありますが、これは申訳になりますので一応お耳を汚す
程度にとどめていただきたいのですが、当初輸出
銀行をつくります場合に、私
どもといたしましては、輸出入
銀行として発足いたしたいということで、相当時間をかけまして、長い間
関係方面と交渉をいたしておつたのであります。しかしながら、どうしてもその問題が
解決しないで輸出だけでスタートしたらどうだというような話になりまして、輸出
銀行としてスタートをいたしたわけであります。今回輸入
業務を入れましたけれ
ども、輸入
業務は私
どもの
考えておるよりも範囲がかなり狭められております。非常に條件がつきまして、狭い範囲の輸入
業務しか行えないことに
なつております。非常に抽象的ではありますが、もつと具体的に申し上げますと、輸出の面におきまして、俗にいうプラント輸出を
対象にいたしております。たとえば機関車だとかあるいは繊維機械、紡績機械とかあるいは船とか、そういつたものを外国へ輸出いたします場合に、
日本の生産者に対してその前提としてそういうプラント輸出をいたします場合には、代金の回収が長引くのであります。分割安拂いを受けますけれ
ども、一年とか二年とか、長い期間かか
つて四分の一ずつとかなんとかいう條件によ
つて回収する、その間の金に詰まります。
日本のそういつたプラントを輸出することは、今後販路を拡張し、また
日本品に親しんでもらうという
意味合いからどうしても必要であるということで、そういつたプラント輸出の輸出代金の回収が遅れる間のつなぎの
金融を担当するのが輸出
銀行の輸出
金融業務であります。他方今度入れました輸入
金融は、そういつたプラント輸出と関連する場合もありますが、関連しない場合もありますので、具体的な事例で申しますと、ゴアの鉄鉱石を
開発する、あの場合には、たまたまこちらのプラント輸出とゴアの鉄鉱石輸入と結びついたのでありまして、こちらから機械を輸出しまして、ゴアにそれを備えつける、そうして鉄鉱石を掘
つてその鉄鉱石を
日本へ輸入してさつきの輸出代金と相殺する、つまり鉄鉱石を入れて機械を出す、時間的に若干ずれますが、そういう構想で、ゴアの鉄鉱石
開発というものに関連してプラント輸出が行われた。ところが、こちらの機械は入れないが、現地において
開発資金としてどうしても金がいる。しかし将来、外で得た鉄鉱石なり銅鉱石なりを
日本に五年なら五年契約で
長期にわた
つて日本から見れば輸入、向うから見れば輸出ですが、輸出をする契約をしてもよろしいという事例が東南アジア
方面にかなりあるわけです。そこでそういつた契約をいたしまして、五年なら五年間にわた
つて、毎年百万トンなら百万トンずつ
日本でそういつた鉱物性資源を輸入するために、増産する
開発資金、輸入代金の前渡しとして向うへ前渡しする金を輸出入
銀行で貸すというのが今度の輸入
業務のねらいでございます。そういつた
意味で非常に限られた範囲の輸入
金融業務しかできないということに相
なつております。従いまして全体を通じまして
一般の、たとえば綿花の輸入だとか、あるいは
水産物の輸出だとか、あるいは綿製品の輸出だとか、そういつたものは輸出入
銀行の
業務の
対象には入
つておりません。それは
一般の
金融によ
つてまか
なつてもらいたいということであります。