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松田委員 先ほど私の
報告の中に落しておりましたが、実は
水産関係の
漁村の
調査において、私は意外なことを見て
参つたのであります。それは床潭であろうと、また
霧多布であろうと、非常なりつぱな
こんぶが相当ぬれておる。そうしてここではどれだけ
流失したというような
報告も受けております。
漁村は今日疲弊のどん底に陷
つておる。金がなくて困
つておる。こう
考えてお
つたところが、あれだけの滞貨があるということは、どういうわけかということを非常に意外に思
つた。それからいろいろとその
調査を進めた。なかなか最初は言わなか
つた。言わないのが道理であ
つた。それはその
部落なり町なり村なりで相当裕福な方々が、やはり一生懸命
努力をした結果があの生産されたものであ
つたのだ。裕福な方々が
努力をされた結果と
つたその品物が、
漁業協同組合に集荷されて全部
漁業協同組合の倉庫に入
つてお
つたから、
被害がなか
つた。ところがぬれ損、流れ損をしたというものは、極端に言うならば、
漁業協同組合品に少しく協力の薄か
つた人であ
つた。われわれは
漁業協同組合の育成強化を叫んでおり、
漁村に対する経済の確立こそは、
漁業協同組合の育成強化以外にない、かように信じておるのでありますが、さような現象が現われたことはま
つたく意外であ
つたのであります。ゆえに、今
鈴木委員からも論議されておるように、今日の
漁業協同組合の
共同施設というものに対しては、
政府はこれほどまでにや
つて行くのであるということも強く
漁民に認識させて、協同組合の育成強化をはか
つて行かなければならないものだと私は
考えておるのであります。しかも
北海道のあの
地方は、米一粒もとれない所であります。ゆえに魚肥に対しては、リンク米との
関係で、魚肥がなか
つたならば米を買うことができ得ない、米と交換することができ得ないということで、やむを得ず各
家庭において魚肥の五俵や十俵は保管してお
つたのでありまするからこの点は別でありますけれ
ども、
こんぶなどというものに対しては、各自がてんたんばらばらに売
つて行くよりも、
漁業協同組合と眞にタイアップしてや
つて行かなければ、
漁村の繁栄などはないものと私は
考えておるのであります。こうした点からも協同組合の
共同施設というものは、ぜひともこうした法律の中に入れて行かなければならないものと私は痛感したのであります。
次に、先ほど長官から
お話のあ
つたように、あの
地方は
北海道における木炭の最も主要産地でありまして、炭がまがほとんど
破壊された。二尺も三尺も
地割れするようなものでありますから、ほとんど
破壊されたとい
つても過言でない。九割九分まで
破壊されてしま
つたのであります。この炭がまというものがほとんど
破壊して、炭をや
つておる業者であ
つても、資本をあまりゆたかに持
つておるものじやないが、焼き子というものは、その日その日の焼いた炭によ
つて初めて生計を保
つておるのであ
つて、このたびの
被害で一番失業したものは炭焼きの焼き子であるのであります。かような点、またサイロは、先ほど申したようなこと、れんが、倉庫、それから集合煙突、人の死傷したのはほとんど集合煙突の倒れたことによ
つて死傷しておるのであります。集合煙突、れんがや土蔵、こうしたものがほとんど壊れておるのでありまして、サイロにおいても、ほとんどひびが入
つて壌われておるというような
状態であります。サイロを持
つておる有畜農家は比較的ゆたかな人々でありますけれ
ども、
北海道の農民に対しては、どうしても有畜農家に仕上げて行かなか
つたならば、
北海道の農業経営というものが成り立たぬのであります。しかもあの
地方はことさらに寒冷地でありまして、有畜農業の必要な点があるのでありまして、こうした点、
さきに官房長をされておる長官は、どうか特別なる
方法によ
つて炭かま、サイロに対しても、この法案の中に入れ得るような
方法ができ得るならば、
考えていただきたいと思うのであります。もはや雪解けにな
つて来て、漁を急速にや
つて行かなければならないときであります。恒久法はわれわれとしても一日も早く恒久法にして行きたいのでありまするが、そうしておるときにおいては、なかなか早急の間に合わぬことを私は心配するものであります。まずこのたびの十勝沖
震災に対しては、
さきの
災害復旧の資金の融通に対するあの法案になら
つて、一日も早く、ただちにこれが臨時の
措置として法案の提出を願い、審議を願
つて、しかる後に石原
委員の御提案のような恒久法をや
つていただきたい。さもなか
つたならば、あしたの日に困るような
状態でありまするので、どうかこの点
委員長においてお諮りを願いたい。また長官においても、十分御考慮をしていただくようにお願い申し上げる次第であります。