○柳澤
政府委員 ただいま御
質問の東支那海方面の問題は、非常に大きな問題でございまして、
水産庁当局及びわれわれの方といたしましても、常に心を砕いておる問題でございます。現在の状況は、
皆様御
承知の
通りに、海上保安庁の船舶は基地から百マイルの制限を受けておる。この制限のために、現地その他を遊戈することが困難な状態にな
つております。但し難波船その他があつた緊急の場合に、外へ出ることはできるという状態にな
つております。この問題が現在におきまして、一番大きな差障とな
つておるわけであります。従
つて本件に関しましては、現在のところ米海軍及び
水産丘の監視船をも
つてこれに当られるというかつこうでございます。海上保安庁といたしましても、この拿捕船
関係につきまして、無電その他によりまして、緊急事態が起きたときには参加して行くということでございますとともに、常に漁船の位置を刻々無電によ
つて調べて、その状況を聴取しておる次第でございます。今後海上保安庁として、いかなる処置をこれに対してとるかという御
質問でございますが、この点につきましては、まず講和條約が発効いたしまするならば、ただいま申しました百マイルの制限というものがなくなると
考えております。従いまして、海上保安庁の船舶がこれら漁船の保護に当ることが可能ということにな
つておる状態であります。現在海上保安庁といたしましては、この拿捕問題のほか、密出入国その他の問題が主として九州方面にありますから、巡視船の約三〇%はこの
地方にさかれている状態であります。これらの船舶をも
つて、はたして海上保安庁の各般の業務が安全に行われるかという問題につきましては、はなはだ恐縮でございますが、いまだ完全にこれを行う設備ができてございません。しかしながら海上保安庁といたしましても、現在において巡視船が大体百隻を数える
程度に増強されて来ております。従
つて相当の力は出て来たというふうに自信を持
つておるわけでございます。なお二十七
年度におきまして約五、六十ばいの船の増強を
考えております。この増強により船舶が多くなりますれば、この方面に相当にさき得るのではないかというふうに
考えておるわけであります。しからばそれら船舶がどういうふうにこれらの取締りを行うかという点について、われわれとしてまず第一に
考えられますことは、これらの漁船に対して、常にその付近を巡視警戒するということが最も大切なことではないかというふうに
考えるわけでございます。従
つてわれわれといたしましては、できるだけの船舶をさきまして、講和発効後においてはこの付近の巡視警戒を行いたい、かように
考えている次第でございます。