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1952-03-01 第13回国会 衆議院 水産委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年三月一日(土曜日)     午前十時三十二分開議  出席委員    委員長 川村 善八郎君    理事 小高 熹郎君 理事 田口長治郎君    理事 永田  節君 理事 林  好次君       石原 圓吉君    鈴木 善幸君       田渕 光一君    冨永格五郎君       松田 鐵藏君    小松 勇次君       木村  榮君    佐々木更三君  出席政府委員         水産庁長官   塩見友之助君  委員外出席者         参  考  人         (日魯漁業株式         会社社長)   小林小一郎君         参  考  人         (日本水産株式         会社社長)   鈴木 九平君         参  考  人         (大洋漁業株         式会社代表取締         役)      山崎喜之助君         專  門  員 徳久 三種君     ————————————— 二月二十九日  昭和二十六年十月の台風による漁業災害の復旧  資金の融通に関する特別措置法案松田鐵藏君  外十一名提出、衆法第三号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  公海漁業に関する件     —————————————
  2. 川村善八郎

    川村委員長 これより水産委員会を開きます。  公海漁業に関する件を議題といたします。昨日の委員会におきまして、北洋漁業許可問題に直接利害関係を有する日水日魯大洋の各関係者参考人に選定し、それぞれその事情を聴取することにきまりましたが、本日参考人として御出席方々を申し上げます日本水産株式会社社長鈴木九平君、日魯漁業株式会社社長小林小一郎君、大洋漁業株式会社代表取締役山崎喜之助君、以上の三名であります。これより本問題について参考人より御意見を承りたいと存じますが、まず石原委員より発言を求められております、これを許します石原委員
  3. 石原圓吉

    石原(圓)委員 公海漁業につきまて、本日日水大洋日魯の各代表者の御出席を求めて、そうして本日審議に入るまでの経過を簡單に申し上げたいと思うのであります。申すまでもなく今回の公海に対する出漁は、日米加漁業協定の成立によるところの第一歩の日本漁業進出であります。この場合におきまして、わが日本漁業の将来にはまだ対外的なたくさんの條約等が残されておるのでありまして、ことに目下調停中の韓国との問題その他、むしろ今日以後の対外的の漁業関係の問題が多いのであります。この場合におきまして、内地業者がいたずらに自我を主張したり、また一月前の利益に走つたり、いろいろ策動があつたりすることは、アメリカは申すに及ばず、諸外国漁業関係者に刺激を與えて、国家の損失はかるべからざるものがあると思うのでありまして、この際はあくまでも業界の人々は自粛自重をして紳士的な態度をもつて漁業に当らなければならぬというのが、われわれ水産常任委員の一定した方針並びに意見であります。この関係から、この問題に対してかなり業者の騒々しい点が目に余るような情勢と見ましたので、水産議員連盟におきましては一定の意見を立てたのでありまして、それを本委員会の小委員会に諮り、また小委員会は本委員会に諮つて、いわゆる水産議員連盟案なるものを承認した次第であります。そうしてこれが実現を希望するものでありまして、水産庁におきましてもそこに多大の苦心があると思うのでありまするが、われわれ常任委員会はあくまで参衆両院とも水産庁に協力し、また業者の円満なる、最も妥当なる方法によつて漁場進出することを熱望するものでありまして、その意味におきましては、あくまで協力を申し上げたいと思うのであります内地において業者が争うておる場合には、知らず知らず諸外国漁業関係者利益——日本適格性及び実績等によつてやり得ることまでも、他の外国の各国に利益を占められるおそれがあるのであります。現に朝鮮におきまして、本日の記事でありまするが、「日本製漁船釜山到着、二十八日夜の釜山放送によれば、韓国が米国の援助日本から購入した最新式漁船二十二隻が二十六日釜山到着、二十八日韓国官民多数出席のもとに盛大な歓迎式が行われた」こういう記事があるのであります。これあつせんをして朝鮮に持つて行つたという記事であります。これらは大いに考えなければならぬ問題でありますアメリカはあくまでも日本漁業に協力し援助を與えると、そう信ずる向きも多数であると私は思うのでありますが、しかしアメリカの軍があつせんをして二十二隻の優秀なる船舶を日本から持つて行つたというこの一事を事実なりとすれば、必ずしも満幅の信頼をアメリカに置くことは私はできないと思うのであります。あくまでも自国自国として、日本日本としての紳士的な、合理的な自粛自制のもとに、円満なる、最も合理的な漁業発展を期すべき重大なる時期と思いまするので、そういう意味合いから本日御出席を求め、かつ愼重なる審議を要望したこの公海漁業に対する小委員会意向を簡単に説明をいたしまして、そうしてその意のあるところを十分お考えの土で、最も有意義なる御審議を希望するものであります
  4. 川村善八郎

  5. 松田鐵藏

    松田委員 ただいま石原委員から、当委員会意向参考人方々お話申し上げたような次第でありますので、私は参考人方々に率直な御意見を承りたいと存ずるものであります。  まず昨日のわれわれの決定は、三社の代表者ということであつたのでありまするが、本日大洋漁業中部社長を御出席願えるものと存じておりましたところが、山崎代表取締役の御出席になつておるようでありまするが、今まで三社と水産庁との間のかに工船に対するいろいろなお話合い会議には、山崎代表取締役が御出席になつておられたのかどうか、その間の事情をよく御承知になつておられたのかどうか、この点をまずお伺いしたいと存ずるものであります
  6. 山崎喜之助

    山崎参考人 大洋漁業山崎でございます。この北洋漁業許可問題につきましての事務的な折衝は主として私が行つております中部首脳の会談に二、三回出たようですが、時間的なことを申し上げますと、私が大部分やつておるような次第であります
  7. 松田鐵藏

    松田委員 そこで私は山崎さんにお尋ねしたいのでありますが、ただいま石原委員お話のように、議員連盟において一つの成案を得て、小委員会においてこれを決定し、また本委員会においてこれを決定して、水産庁長官及び農林大臣に対してこの決定事項を具申いたしましてしかして委員会意向を明らかにしたものであります。それはかに工船に対しては、三国漁業協定精神に基き、その実績適格性を検討して、一企業一社を原則とするという意見であつたのであります。私どもが何ゆえにかような議論をいたしたかということを、まずお話を申し上げたいと存ずるのであります。私どもは、水産庁として業者に呼びかけられた御意見は、当初は三社協同してこの工船出漁すべきであるという意見のようであつたと承つておるのであります。しかして三社が共同してこれに出漁するということになりますと、日本の現在の法律といたしまして事業団体法に抵触するのでありましてこの点三社の共同ということはとうていできないという感覚をわれわれは持つてつたのであります。またかに工船においては母船川崎船を使用するものであり、しかしてその作業は一体なものである。これが日本においてはどうしてお互い緊密なる融和をもつて仕事をせられておるか、お互いの伝統ある会社事業の行き方からいつて、とうてい融和した仕事はでき得るものではない。かような考えもわれわれとしては持つておるのであります。さような点からいつてもなかなか至難な問題ではないか。一社は川崎船をやり、一社は工船をやる、かようなことはでき得るものではない。絶対に一企業でなければならないのである。かような感覚をわれわれは常識として、また実態を把握しておる者として持つておるのであります。また漁業法精神、これこそは実績によつてすべての問題が漁業法第五十七條においても規定せられておるところである。いろいろな点で、漁業法精神からいつてはつきりとここに決定を見なければならないものである。かように考えておるのと、同時に三社の社長方々は、日米加国漁業協定顧問となつてこの協定を結ばれた大きな功績を有される方々でありまして、この方々は三国漁業協定精神をよく把握されておることと存じておるのであります。ゆえにわれわれ水産委員会といたしましても、前委員長冨永委員及び石原委員顧問となつて、あの三国漁業協定に協力され、努力をされたのでありまして、その間の事情は当委員会においても、また皆様方においてもよく把握されておることと存ずるのであります。今日日本法律の上においても、またこれから漁業の憲法としてこの精神に基かなければならない漁業法の建前から言つても、われわれの決定のしたかに工船に対する委員会決議が真に妥当なる結論であると私は信じておるものでありますが、今日においても三社がいまだにその協定の線に達していないというようなことを聞くのであります。しかして水産庁長官は昨日の委員会において、当委員会意向を尊重して三社の協定を待つておるものであつて、一日も早くこの協定が成り立つことを希望するものであり、それに努力しておるものであるという御答弁があつたのであります。さて私どもは、今まで長官から承つておる答弁によりますと、当委員会の議決に基いて、三国漁業協定精神に基き、実績適格性を検討して、一企業一社を原則とするということに対する三社の協定を希望するという御意見のように承つておるのであります。ところがこの三社の協定がどこにあるのかということに対して、私どもは実際に長官の三社の協定という言葉に対して、納得の行かない点があるのであります。これは先ほど石原委員からお話のあつたことく、朝鮮における二十六日のラジオ放送に基くもので、ここにアメリカ朝鮮に対する行為に対しても、ただいまかように申されておる。われわれの日本の国内において北洋漁業進出せんとするときにおいて、三社の方々が真に打解けて、三国漁業協定に基く出漁を三社においてもあらゆる点から御考慮されて、この問題の解決点を持つてつていただかなければならないものであり、さように長官の御意見があるものと私は考えておるものでありますが、いつまでたつてもこの三社の協定がどのような線に進んでおるのか、この点、われわれには納得のでき得ない点がたくさんあるのであります。  さて長官の御答弁とわれわれが巷間聞いておる行動とは、まことにかけ離れた点があるように聞くのであります。この委員会において皆様方から、今まで水産庁においてどのように御指導されて、皆様方お話をされておるか、その点を率直に承りたいと存ずるのでありましてまず山崎参考人からお話を願えればまことにけつこうだと存ずるものであります
  8. 川村善八郎

    川村委員長 この際皆様に御報告申し上げます。  本日の委員会永野水産庁次長出席を求めておつたのでありますが、同次長外務省の方に用件がありましてただいま出席されておりませんが、外務省用件が済み次第にこちらへ出席をするという報告がありましたので、御報告申し上げておきます
  9. 山崎喜之助

    山崎参考人 ただいま松田先生からお話の点につきまして、私の承知しておりまする点を申し上げます。  石原先生並びに松田先生から敷衍していただきました国際漁業に対する進出について、日本漁業者としてのいろいろの御注意に対しましては、まことにありがたくお受けする次第であります。  過日水産議員連盟の御研究になつたことを、さらに水産小委員会で御決議なつたということにつきましては、新聞等において承つております。その議員連盟構成でございますが、これは私も議員連盟の一員でございまして、先日十数名の議員先生のいろいろおとりきめになりました事項につきましては、何らの予告にも接しておりませんし、また出席する機会を得なかつたのでございまして、私たちも、われわれの考えておりますることを皆様に申し上げることのできなかつたことを非常に残念に存じておる次第であります。そういうわけで議員連盟構成とか、そういうことにつきましては、私たちも何かしら小首を傾けなくてはならないという気がしております。  それから三会社共同して、一つ事業を営むことは、事業者団体法精神に触れるのではないか、こういう御質問のようであります。御存じのように、ただ外一つしか出られないのに、三人の希望者がある。だから仲よくやつて国際信義を傷つけないようにやつたらどうか、こういう水産庁お話もありまして、わが大洋漁業といたしましては、その趣旨に心から賛同しておる次第であります事業者団体法の法の精神といたしましては、公益に反することのないようにということが主幹をなしておるものではないか、かように考えております。私たちはこのかに漁業の特性から、どうしても一諸にならなくてはならないものだと考えております。それによつて公益に反するようなことをする意思は毛頭ございませんし、また実務といたしましても、そういうものはないと確信しております。しかし法令がございますので、むしろこれは監督官庁並びに法律専門家の方にお願いをして、われわれに他意ないことを了承していただいて、できるだけこうした事業が円満に進められることを切望している次第であります。それよります先に、この三人の者の気持が一致することが必要である。実務においてもそうである。そういうふうに考えておる次第であります。  かに工船作業実態について御教示願いまして、ありがとうございます。私たち大洋日本水産さん日魯さんの三社は、業界の古い知合いでもあり、個人的にもそれぞれ親しく交遊を重ねておりまして、友情ということには事欠かさないと思つております。ことに日本水産さんとは、戦後あの苦しい中から捕鯨母船お互いに出し合いまして今日ほんとうに手を握つて仕事をしております。また経済的にも鯨油の販売とか、あるいは鯨肉の処理とか、いろいろ関係もございまして、ほんとうに肝胆相照しておるつもりでございます。  かに工船事業でございますが、事業の中にいわゆる経営作業の二つがあると思うのであります。この経営については、一本の命令が細部まで徹底することが絶対必要である、こう考えておりまして、仰せの通りであります作業の点については、三社が共同でやりまする場合に、できるだけ真実の共同となりまするよう、作業もある程度まじり合うということを私たちは希望しております。またそれは可能であると思うのであります。実際に数の上から申し上げますと、一つ母船が基本になります母船には個有乗組員が乗るのであります。その次に約四百名に及ぶ作業系統がございます。そのうちの三百八十名くらいまではこれからこの事業で新たに雇い入れる入でありますあと二十名くらいがこの事業指揮者の命によつて動くのであります。この二十名は主として経験者、それから相当な教育を受けた技術者であります。でありますから、たとえばこの三社の中から数人が入りまじりましても何ら命令に違反したり、あるいは統制がとれなかつたりというようなことを荒立てて言うほどのことはない、かように考えております。またいろいろの共同企業につきましてそういうふうな運営をしたことは再三ならずございます。またわれわれはそうした共同機関に出るものに対しましては、十分な訓戒も與え、教導するようにしたいと思いますので、こうした点は緩和せねばならない。特にこのたびのような三社共同事業遂行ということであれば、良識にまつて十分にこれを監督し、また自軍させたいと思います。  それから漁業法の第五十七條についての御質問がございましたが、実は私は法律のことは苦手でございまして、なおこの漁業法は諸先生方において御苦心の結果立法されました漁業の憲章とも言うべきりつぱな法律であります。その法の精神を私がとやかく申しますと非常におかしなことになると思うのでございますが、この五十七條はたしか指定遠洋漁業許可並びに企業認可に関する件と思つております。そしてこの中に、どういうものに許可を與えらるべきかということが明記してあります。その精神は、これは私の考えでございますが、主として適格性の問題と思います漁業法労働法を守るに著しくその精神を欠いておる者はないか、またそういつた者が他人の名義でそういうことをするのではないか、特に重点が置かれておりますことは、その船が適格性を持つているか、またその事業主が経済的にも経営の任に当るだけの力があるか、こういうことにあるように思つております。そういう條件に合致する者は、すべて平等の立場で選考せられる、しかもそれは公平になるようにと抽籤の方法まで明記してある、このように記憶しております。なお三会社共同して、あるいは協定してこの事業をやつたらどうかということにつきましては、私たちはぜひそういう方法に沿いたいと思いまして、いろいろ許可條件となるべき事項について、三会社首脳がよりより協議しております。しかし若干の意見の相違もございまして、まだ締結に到達しておりません。できるだけ早く一本の線にまとまりたいと考えておる次第でございます。  それからかに漁業の問題につきまして、一月二十八日われわれかに漁業並びに鮭鱒漁業に関連のある者が、水産庁長官のお呼出しを受けまして、水産庁の御方針を承りました。本年はかに工船は一船団しか出すまいと思うから、三人が出願しているがよくお互い納得して一本にまとまつてはどうかという御意見がございました。私たちはごもつともと考えまして、それではわれわれ三社で協議をいたしましようということになりまして、引続きいろいろ協議しておるのですが、いまだに到達しない点がございます
  10. 松田鐵藏

    松田委員 山崎さんに一番重要な点をお聞きしておるのでありますが、ただ一本にまとまるのにまだ到達していないと軽くお話されてはまことに困るのでありまして、これは当委員会皆様方からお聞きする一番重要な点であるのであります。当初一月二十八日に一本にまとまるようにというお話があつてから、その後水産庁の御指示は一歩もかわつておりませんかどうか。
  11. 山崎喜之助

    山崎参考人 かわつていないのであります
  12. 松田鐵藏

    松田委員 それからもう一つお伺いしたいのでありますが、中部社長が社の社長さん方とのお話合いの中で、社長アメリカに行くのに三社がまとまらないでごたごたしているようなことではまことに困る、水産庁に全部白紙となつておまかせしようじやないかと言うて、三社の方々が手を打つたということを新聞記者から開いておるのでありますが、こういうことがあつたかどうか、この点を承りたいと存じます
  13. 山崎喜之助

    山崎参考人 私は出席しておりませんので、どういう内容であつたかつまびらかにいたしません
  14. 松田鐵藏

    松田委員 目魯社長さんにお尋ねしたいのであります。私ども意見は今まで述べたようなことでありまして、この点に対する大洋さんの御意見はわかつたのでありますが、水産庁からはただいままでのようなことで、当初お話のあつたことと何らかわつていないことで、皆さん方がお話合いを今日されているのであるかどうか。その点についてお聞かせを願いたい。
  15. 小林小一郎

    小林参考人 松田委員の御質問にお答え申し上げます。ただいま大洋山崎代表取締役からお話がございました通り、一月の二十八日に長官日魯大洋日水の三社、そのほかに北海道漁業協同組合連合会——その当時は組合長が参つておりませんので代理の方、それから書いたものを持つておりませんからちよつと記憶が間違うかもしれませんが、もし記憶が間違つておればあとから訂正いたしますが、その当時小田積美君がある団体を持つておりまして、この五人が集まりまして、今度平和條約が効力発生すれば北洋出漁ができるような時期が来ると思う。その場合に日米加漁業協定も遠からず効力が発生するであろう。その場合に北洋出漁はこれらの條約の精神に基いて、忠実にこの協定に従つて出漁すべきである。そして国際の信用を高め、将来他国と漁業協定を結ぶ際にも、悪い影響のないような出漁体形をとるべきであると水産庁考える。それでできれば一つ統制のある出漁をさせたいと考えている。それについて考えられることは、当面北洋におけるさけ、ます漁業、その次にかに漁業であるが、かに漁業漁場は、今考えられるところはアラスカ、ブリストル・ベイの沖合いが考えられるが、ここは資源的な意味から工船一隻を許可する方が妥当であると思う。鮭鱒については、母船経営方式によつて統制をとつて国際紛争を避けた方がよろしいと思う。それで可能ならば、さけ、ますかに一つにした、統制のある出漁体形考えてみたい。業者はこのことについてよく協議をしてわれわれの方針に協力してほしい。但しこれは現在の日本法令下において諸君に強制することはできないのだが、願わくば政府方針にのつとつて業者の間で円満にまた妥当な方法考えてもらいたい。漁場米加に接近し、また問題のソ連にも接近しているので、不統制出漁をするならば、国際紛争がしばしば起つて日本の今後の海洋漁業発展に悪い影響があると思うから、その点を十分に考えてもらいたい。大体かような御指示がありました。それに従いまして私ども一月の三十日から当日集まりました団体を中心にいたしまして、何回も会合を重ねました。一応政府の御方針かにとさけ、ます一体ということでありましたが、われわれ業者意見としては、業態も違いますし、また漁場もかなり遠隔な所に出ておりますので、さけ、ますかにを離して考えた方がよろしい、大体において皆さん意見がそこに一致したわけであります。なおそのときに、北海道漁連の性質としては、さような企業体を法規的にも営むべきものではないと考えられますので、ブリストルかに日魯日水大洋の三社で協議してできるならば政府の御方針に従うような体形をとりたい、かようなことで二月のたしか九日までだと思いましたが、その間数度会議をしたのでありますが、遺憾ながらこの間三社の完全な意見の一致を見ずに今日に至つておるわけであります。この点水産委員の諸先生に御心配をかけておることは、まことに申訳ないと存じております。  なおかようなところで参考人として意見を申し上げるのははなはだ悪いと思いますが、今の独禁法事業者団体法のことにつきましては、考えようによつては、法律に触れるようなことがあるかもしれないと思いますが、この事業許可は、暫定的に水産庁の御方針は本年を限りたつた一回の許可、かような御方針と承つております。この場合継続しないで一回限りの共同経営ということは、危険分担意味で、ジヨイント・アドヴエンチユアということを申しますが、そういう点で可能であると聞いておりますので、この点では可能であるのではないか、現在でもそう考えております。なお独禁法関係に関しましては、これは先ほど山崎氏からお話がありました公共の利益に反しないとなれば、これは法の運用であるいはお許し願えるものではないかと考えているわけであります。なお許可の様式につきましては、母船式漁業取締規則によりまして二人以上共同して許可を受けんとするものは、かような規定がございます。できるならば私ども政府の強要はされませんけれども、御方針従つて共同仕事にして行つたらどうか、かように現在私は考えている次第であります。大体この辺でよろしゆうございますか。
  16. 松田鐵藏

    松田委員 日水鈴木社長にお伺いしたいのでありますが、鈴木さんも今までの一社と御同様だと思いますけれども、一応お話を願いたいと思います
  17. 鈴木九平

    鈴木参考人 ただいま小林参考人から申し上げた通り、これまでの経過はあれに間違いありません。ただそこに三社がまだ一つにならない、これはまことに汗顔の至りで、諸先生に御迷惑をかけていることは、私実につらいのでありますけれども、先ほど来からお話のありましたように、本年日米加漁業協定が締結されまして、北洋への出漁が再開されるこの重大な時期にあたりまして私ども水産庁の御趣旨に沿つて、何とか今年出漁いたしまして、国際的な感情を刺激したくない。すなわち違反その他をなるべく防止したい。この線でわが国北洋漁業永遠の継続を考えたのであります。その結論といたしましては、今申し上げた通り、第三国の感情を刺激することなく、しかも操業能率の向上もはからなければならない、両々相まつてここに完全な、りつぱな日本漁業界の信用を世界の各国に得る、こういう考え方から日本水産といたしましては、これを完全に遂行するために一社一船団案というものを出したのであります。こうして行くならば、必ずや危険あるいは反則その他の防止が完全によりよくできるので、この線で申し上げておつたのであります。先ほど来の水産庁の御意思は私どももよく知つておるのでありまして、それについてはどうしてもりつぱな操業をして信用を得る。この線に重点を置いて、事業船団の構成においては、必ず一社一つのスタッフをもつてこれを貫徹しなければよい結果が得られない。こう私は痛切に考えるがゆえに、一つの船団の統制のとれた体形のがつちりしたものでやるべきだということを主張しておるのでありまして、本日までの私の考え方といたしましては、それが最も完全に事業の遂行ができることである。しかも本年一年の試験的な操業でありますために、今年万々一、一つの違反なり、彼らの感情を刺激をしたならば、少くもある長い期間はまた北洋への進出ができない、これを私は非常に憂慮しておるのであります。それなるがゆえに、どうしても船団は一つ統制で行かなければうまく行かないのではないか。しかしながら水産庁の御趣旨のごとく、これに共同してやるという線はあくまでやつて行かなければなりません。その信念と申しますか、その私の考え方は間違つていないというところに、私のとらわれた感情があるかもしれませんが、あくまでも一つ統制のとれた事業形態で行くべきだと信じて、今三社いかようにしてこれを調整して、協力して行くべきかという点について、いまだ意見の一致をみないことははなはだ残念ではありますが、私は最初からの信念でその点を申し上げておるわけであります。決して非協力的なものではないのでありまして、どうかして日本の水産事業、特に北洋への再開に際しまして、違反その他のないように、しかも国際的な信用を得たい、こう考えている次第でありまして、先ほど松田委員の御発言にあつたように、私も日米加漁業協定に四十日間外務省に詰めかけまして、彼らとの折衝のその雰囲気から察しましても、何とかして今年北洋の、しかも彼らが最も神経過敏に考えているブリストル・ベ一の事業をうまくやつて行きたい。私の念願とするところは、一日本水産企業体でない、日本の水産事業が今後永遠にやり得られる結果をもたらしたい。これが私の偽らざる真情でございます。一言申し述べまして、私の意見を終ります
  18. 松田鐵藏

    松田委員 鈴木社長の御意思まことにわれわれ感銘するものであります。しかし、話がだんだんと砕けて行かなければならないので、あなた方の口からこれを聞くことはまことに私どもとしてまずいのでありまするが、先ほど私が山崎さんにお尋ねした、中部さんの白紙にもどしてという御動議があつたということは、どのようなことでありましたか、もしおわかりでありましたらお話願いたいと思います
  19. 鈴木九平

    鈴木参考人 白紙にもどす、こういうお話でございますが、それは座談的に話しておつた結果でありますけれども、私どもも先ほど来いろいろ論議されました通り、何とか協調し、妥協し、完全な態勢を整えたいという線は、三者ともさらにかわりはないのであります。その白紙という問題につきましては、水産庁御当局におきましても、いろいろの資料をすでにお調べになり、また各社の事業計画も御検討あられたことでありますから、ここに公正妥当な線で、こういうような行き方をしたらどうだという案が出るかという期待を持ちまして、私は白紙になることけつこう、これ以上これを紛争させることはおもしろくない行き方だ、こう考えた次第でございます。     〔委員長退席、小高委員長代理着席〕
  20. 松田鐵藏

    松田委員 大体三者の方々に対する基本的な問題はよく承つたのでありますが、私、山崎さんにお尋ねいたしたい。先ほどの御答弁の中で、いろいろ漁業法の御説明もあつたのでありまして、まことにけつこうなことであると存ずるのでありますが、今まで大洋漁業がいろいろと違反されている事実はどういうことでありましようか。まず私が一番困つた問題は、私ども北海道において、内地の船の入会をさせるべきである、北海道の漁民を救うべく、当委員会においてこれをやらなければならない。そうして北海道においては、道民の輿論というものは、松田川村、冨永を葬れという輿論にまで行つたのであります。そのはげしい輿論にも、われわれは日本の領海というものは日本漁民が全部操業して可なりである。但し協定、約束というものを完全に守つて行くことによつてのみ秩序というものが保たれるものであるという感覚から、協定をして、北海道に内地からの無制限な密漁を防止するために百五十そうの入会をさせようと考えて、北海道の輿論に反抗してまでこれを決行せんとしたのであります。そのときあなたのところの操漁船二そうが、こともあろうに利尻水道において北海道の取締船によつて拿捕されておるのであります。このときのわれわれの苦しみというものはまことに何にたとえていいかわからなかつた。かような行為をさせたことは、漁業法精神をよくわきまえておる山崎さんであり、漁業法の第何條々々々というようなところまでよく御承知になつておる山崎さんが、一体どういう御指示をされておるのか、この点をまずちよぽつとでもよろしゆうございますから、お知らせを願いたいと存じます
  21. 山崎喜之助

    山崎参考人 松田先生初め北海道御選出の先生方が、北海道及び本土との漁業の調整問題について一方ならず御苦慮願い、御配慮を願つておることを厚くお礼を申し上げます。先ほど利尻において大洋の船が、日にちは私はよくわかりませんけれども、試験船につかまつた。これは漁業違反である。それについて大洋漁業の幹部は、そういうさしずをしたか、こういう御質問でございますが、大洋の幹部といたしましてはさようなさしずは毛頭いたしません。それから実はこの点はつきりと——今急にお話になりましたので、どういうことがあつたかをよく知らないのでございますが、そういうさしずはいたしません
  22. 松田鐵藏

    松田委員 きようこういうことをお話申し上げるのは、私どもとしてまことにまずいのでありますが、機会があまりないので結論に達するためにここに行くのでありまして、どうか悪意に解せずに御了承願いたいと存ずるのでありますが、かつて南方にあなたの船が出漁されておつた。そうしてそのときマッカーサー・ラインを突破してそうして煙突にも船の番号にも網をかけておつて、どこの船だかわけがわからぬようにしていた。ところがアメリカの飛行機によつて写真をとられた。そうして拡大してみたところが大洋の船であつたということで、水産庁においても違反として取扱つて処罰されたはずであります。この点はどういうようにさしずをされておるのであるか承りたいと思います
  23. 山崎喜之助

    山崎参考人 二十六年の七月ごろ東支那海に出漁いたしました大洋漁業のトロール船四隻でしたかが、そういう漁業違反があるということで水産庁の違反処分を受けたことはございます。それにつきましてはまことに申訳ないと考えておりますが、もちろんこういつたことにつきましては、そういうような違反をするようにというさしずは毛頭行つてはおりません
  24. 松田鐵藏

    松田委員 私どもはまだまだありますけれども、傍聽者もたくさんいるところで速記をとつてまでやることは遠慮いたしますが、日魯というものに対しては、戦争の犠牲が一番多かつた会社である。何とかして日魯に対してもわれわれの努力できる範囲内で御後援を申し上げたいと常々考えているものでありますが、ただ残念ながら日魯というものは、社長を前にして言うと、戦争の犠牲を一番こうむつた会社を運営するために、やむを得ず沿岸に手を出していると考える。しかし日ならずして元の日魯精神にお帰りになつて沿岸から手を引く会社であると確信しております。三国漁業協定精神は、われわれ水産委員会おいても、石原委員及び冨永委員顧問となり、皆様方と御協力された藤田前長官の御努力は、日本国民として銘記すべき事柄であつた。さて日本の領海は戦争によつて狭められ、遠洋漁業が沿岸に出漁され、沿岸漁民が今日苦しい立場に立つている。願わくばこの漁業協定によつて資本漁業方々は昔に返つて、沿岸から手を引いていただいて遠洋漁業に出ていただく。そうして沿岸漁民を守るのが三国漁業協定であるとかたく信じて努力したものであり、皆様もさようにお考えになつていることと存じます。これが三国漁業協定の大きな精神であり、日本国民としてかくなければならないことであると信じておるのであります。ゆえに今日の三国漁業協定による北洋進出は、三社ともに日本国民、日本漁民としての考え方を反映していただかなければならないのではなかろうか。また漁業法は、山崎さんにおいてはわれわれよりも利害得失があるので、よく御研究されていると思うのであります。しからばこの漁業法を研究されている山崎さんは、ただいま私が遠い前の話をしたのでありまするが、こうした違反事項などということを将来起さないように十分お考えになつていただきたいと私は考えるものでありまして、あまり会う機会がないのでこの場において希望を申し上げるのであります。しかしわれわれの結論は、沿岸から手を引く会社でなければならない。沿岸をいじめる会社であつてはいけない。漁業法精神に基く会社でなければいけない。先ほど鈴木社長のおつしやつたように、もしそうした経歴を持つておるならば、どうして国際関係に対するまじめな漁業が遂行できるやいなやということを、私ども国民の代表として国会においてこれを憂慮するものであります。単なる一陣笠ではありません。国民の代表として、国会における正しい議論を吐こうとするものであります。この点に対して、どうか皆様方においても、われわれの意のあるところを十分おくみとりくださることを切に希望して、私は、参考人に対する質問は、この程度で終らせていただきたいと思います
  25. 小高熹郎

    ○小高委員長代理 この際永田節君より発言を求められでおります。永田節君。
  26. 永田節

    ○永田委員 本日はお忙しいところを各社の代表の御出席を煩わしましたことは、委員としてはなはだ感謝にたえません。本日御参会くださいましたお三方は、各社をおのおの代表されて、本委員会に責任ある御答弁をいただいておるものと了承いたしまするが、それに間違いはありませんでしようか、各位から一々御返答を承りたいのでございます
  27. 小高熹郎

  28. 鈴木九平

    鈴木参考人 永田先生からのお確かめの御質問でございまするが、一切間違いありません
  29. 小高熹郎

  30. 小林小一郎

    小林参考人 永田先生にお答えいたします。先ほどの答弁で、私中に注釈を入れておきました記憶の間違つておるところは、あとから訂正させていただきまするが、その他は私会社の全責任をもちまして間違いなく答弁したことに相なつております。御了承願いたいと思います
  31. 小高熹郎

  32. 山崎喜之助

    山崎参考人 良心に基きまして誠意をもつてお答えしておるつもりでございます
  33. 小高熹郎

    ○小高委員長代理 永田委員にちよつと申し上げます。本日は参考人としての御出席でありますので、その点しかるべく御考慮願いたいと思います
  34. 永田節

    ○永田委員 委員長から御注意をいただくまでもなく、参考人といたしまして、私は遠慮なく許される範囲内において率直に伺いまするので、要領を得るような御答弁をいただきたいと思うのであります。各社の代表の、社長さんはこれはごあいさつの通りだと思うのでありまするが、大洋漁業におきまするところの副社長中部謙吉という名前を消しまして、山崎喜之助代表一取締役、かように訂正してございまするが、承るところによりますると、大洋漁業というものは社長がどなたか存じませんが、たいへんな独裁家のように承つております。その独裁家の社長をもつて任じておられるところの人が、山崎さんにほんとうに責任のある答弁をおまかせになつたかどうかということについて、まず私は一点の疑念を持つものであります。各社の社長が責任のある参考人としての御意見を述べられるについて、大洋漁業のみが本日欠席になつておられる。もはやこの北洋かに漁業の問題についての各社の御意見というものは、この一事によつて現われておる。なかんずく大洋漁業が国会についてかくのごとく誠意を欠いておる。御協力がない。かように私はまず断ぜざるを得ないと思うのであります。国会の方もなかなか大洋に対する空気が荒いということをあらかじめ御了承になりまして御欠席になつたのかもしれませんが、はたしてしかりとするならば、これ三舎を避けたまことに御賢明な策略であるどは考えられまするが、一応私は、かような場合には、社長ともあるべき人は堂々とかような席に御出席になりまして、質問にも十分にお答えくださる、それくらいな熱意と誠意があつてしかるべきではないかと考える。私は長年水産委員の生活をいたしておりまして、大洋漁業につきましてはこの機会においていろいろと完膚なきまで聞きたいことが山ほどもある。しかし私も一個の紳士であつて、良心がある。この良心によつて私はその質問ができない。そのくらい醜態、醜聞の山積しておるのがすなわち大洋であると私は断ずる。しかもはばからない。特に白洲次郎をめぐつて大洋の最近政界に、特に吉田内閣に対する干渉、この行為は実に目に余るものがある。われわれ天人ともに許しがたいものがある。しかし今日はさような質問は私は遠慮させていただきます。  先ほど山崎さんから、漁業法のことにつきましてたいへん専門的な御意見を承つて意外に思つたのでありますが、この北洋の問題は、まさに御指摘のように国内の漁業法には抵触しないのでございます。すなわち母船漁業というものは、漁業法第五十七條からは一応除外をされておる。これを奇貨として山崎さんが、大洋漁業としてさようなお考えを持つておられるということは、あたかも深夜キーを施してない部屋にどろぼうとして堂々と入る権利を主張なさるようなものである。しかも先ほどから松田委員質問にお答えになりまして、さまざまの漁業違反がありますけれども、それは一切大洋としては知らないことである——もちろん犯罪を奨励なさつたのではなかろうと思うが、私の聞かんとするところは、さような違反を起さないような命令、指揮がどうして徹底しないのか。その責任を私は追究する。一社の営業について命令、指揮が徹底しないというふうな団体が、他の会社と協力してはたして仕事ができるかどうか。のみならず、日米加国漁業協定精神を真に遵奉するに足りる資格を持つておるかどうかということについて、疑いを抱かざるを得ないのであります。また水産長官から一月の二十八日以来今日まで三社の談合を強要されて、今日何ら変更がない、かように承りまして、実に奇怪千万な一言であると思う。もちろんこれには水産庁の手落ちも重々ありますが、まず大洋自身が何ゆえに冷静に反省なさらないか。そもそもこの北洋漁業の問題は、国内法を前提といたしましてさらに一歩飛躍いたしまして日米加実績に基くところの漁業協定である。その漁業協定に基いて日本政府企業体に認可を與えようというのでございます。従つてあくまでもこれには漁業法実績、すなわち日本業者実績というものが前提にならなければならないと私は考えるのであります。吉田、ダレス書簡にいうように、昭和十五年すなわち一九四〇年から過去十箇年にさかのぼりました日本実績というものが、この條約の基本であると私は考える。しからば大洋漁業においては、戦争の寸前、昭和十五年前後において、どこでどれだけの実績があつたのか、御説明を求める次第でございます
  35. 山崎喜之助

    山崎参考人 永田先生にお答えをいたします大洋漁業社長中部兼市と申しましてただいま渡米しております。お呼出しにあずかりました中部謙吉は副社長でございます。突然のお呼出しでありまして、かねがね約束した期日もございまして本日こちらに伺い得ないことを非常に残念に思つております。実は私事にわたることですが、本人のために弁明させていただきたいと思います。本人は気の毒に十二年間独身生活でありまして、ただいまたつた一人のお嬢さんが家庭に残つております。最近このお嬢さんにおめでたの話がございまして、前々からの約束でどうしても出られない。そこで私が代表取締役であり、この許可の問題については私が取扱つておるから一応お話を申し上げてはどうか、こういうことでありまして、決してただいまおつしやるようなわけではございませんので、あしからず御了承を願います中部謙吉かあるいは中部謙市が独裁者であるかどうかということについては、私たちはさように考えておりませんので、この点も御了承をお願いいたします。白洲次郎さんのお話が出ましたが、実は私は新聞等で見ておるだけで、それほどえらくないので私は知らないのであります。それから漁業の違反があるではないか、そういうものに指揮、命令等が徹底していないのではないかというおしかり、ありがとうございます。実は終戦後満州、支那、南方方面その他あらゆる方面から飢餓状態で引揚げた従業員を収容いたしますために、また一人の失業者も出すまいと思つていろいろと事業を計画いたしましたが、今日漁業生産その他に従事する従業員を合せると一万人を収容しておるわけでございます。そういうわけでわれわれ遵法においても、また国家に対する私たちの生産義務におきましても、懸命にこれらを指導し、督励しておりまして、漁業成績においてはわれわれいささか御奉公申し上げたと思う次第でございます。一、二ほんとうに間違いを起したものもございまして、こういうものがいろいろと御心配の種になつておることについては非常に恐縮しておるわけであります。特に東支那海におけるいろいろの問題につきましては、機会がございますればまたあらためてそういつた事情もあわせて御報告申し上げたいと思つておりますが、今日は略させていただきたいと思います。  それから工船漁業は国内法から除いて云々というお話がございましたが、私は詳しいことはよく存じません。ただ大洋実績ありやという点でございますが、当時私は今日の地位におりませんのでよく知りませんが、私の同僚である伊東猪六という専務がおりまして、一昨日久々に会つてこういつた話を聞きました。北洋におけるおもな事業かに鮭鱒で、このかに事業の主力を昭和三年当時は下関に置いておりましたわが大洋漁業の前身林兼商店が北洋漁業に出動して、昭和三年から昭和六年までかに工船漁業関係をいたしました。鮭鱒事業にもいろいろ関係いたしましたが、たしか昭和八年ごろから流し網漁業関係したわけでございます。それは沖取漁業というような名前でございました。そういうわけで、それぞれの仕事はいずれも、経済的にもまた事業としても成功いたしまして、完全にこれを遂行する意欲を十分に持つてつたのであります昭和十一年か昭和十二年ごろにこの北洋漁業は、大きく見るとかに工船約二十数そうが一会社に統合されました。鮭鱒漁業昭和十年ごろから昭和十三年ごろまでにかけて十数隻のものが一本の系統にまとまつた、こういうように記憶しております昭和四年にわが林兼商店の試験船がブリストル湾に調査をいたしました。これはこの漁場調査の最初の一人であります昭和五年、六年の二箇年間操業の実績を有しております鮭鱒漁業は、昭和八、九年から三、四年間これを継続して行いました。北洋における実績、これは工船漁業でございます。大体こういうような実情であります
  36. 永田節

    ○永田委員 ただいまの御答弁の中にはいろいろ反駁してなおかつ御答弁のできない問題がでありますので、これ以上は追究いたしませんが、問題はあなたの方の会社実績があるか、漁業適格性に満ちておるかどうかということが議論の焦点となつて、本日御足労を願つたような次第でございますので、徹底的に質問を申し上げるかわりに、またどうぞ御遠慮なくお答え願いたいと思います。ついてはただいまの大洋漁業参考人山崎さんの答えられました実績というものについて、水産庁の調査はどういうふうに相なつておりますか、長官から御答弁を願います
  37. 塩見友之助

    ○塩見政府委員 ただいま資料を持つて来ておりませんので記憶でお答えするしかございませんが、私の大体記憶しておる範囲では、山崎さんからのお答えの通りだと思います。  それから先ほど吉田総理からダレス大使あての書簡ということがありましたが、あれで問題になりますところの実績というのは一九四一年その年だけでございます
  38. 永田節

    ○永田委員 大洋漁業山崎さんのお話で行きますと、かに並びに鮭鱒実績というものがここにはつきりと相なつて来たわけでありますが、この各社の実績の比重というものがはたしてどの程度になるものかということについて、われわれは後日研究しなければならないと思いますが、まずその比重の研究に入ります前に、この日米加漁業精神というものは、過去数年間にわたる日本漁業が、すなわち侵略漁業であるということを銘打つておるのであります。これはなかなか問題でありまして、われわれ日本人として考えてみますならば、決して侵略じやないのです。日本の地先、沿岸において、魚の数よりも船の数が多いというふうな状態において、漁をしなければ食えない必死の状態において、危険を冒して漁をするのでありますから、決して侵略漁業じやない、最も勇敢なる漁業であると私たちは解釈するのでありますが、一応外国に対しては資源の保持ということについて常識に乏しい、濫獲をするということで、日本漁業が今日不幸にして侵略漁業として唱えられておるのであります。従つてこの日米加協定にいたしましても、日本が将来かような道徳的罪を犯さないことを前提として結ばれておると私は考えるのであります。その証拠といたしまして、かつおまぐろの漁は、日本の漁の方法よりも米式きんちやくの方がはるかに——むしろ底びきに匹敵する。資源保持の面においては、道徳的にもすこぶるわれわれの賛成しない方法である。しかるにわが国の大洋漁業アメリカにまぐろを持つて行けば、これをきつかけにまぐろの関税を四五%にも上げなければならないというふうなことになつたということは、とりもなおさずアメリカの水産に関する日本観というものは、われわれが考えているより以上に峻辣なものであることがうなずかれるのであります。その証拠には、先月の十八日にウィリアム・ネヴイル氏がアメリカ国務省から日本漁業官として着任しておる。このネヴイル氏の責任というものは、一にかかつて将来北洋におけるところの日本漁業が、はたして日米加に約束した通り、資源の保持に努力し、濫獲をしないというこのことを遵守するであろうかどうかということを厳重に監視することであろうと私は考える。この場合におきまして、政府がすでにある方面においては十二分に信用されているところの一つの権力に押されて、三社の談合を強要しておる。ここに許可をめぐつてわれわれ国会と政府がまつたく意見が対立して参つたのであります。  これ以上参考人に御意見を聞く必要はない。問題は、真に日本の水産が将来ますます世界の公海に飛躍することができるかどうかということは、一にこのたびの北洋の問題について、日本水産業者がこの條約を遵守して、資源の保持とにらみ合せて、まじめな漁をするかどうかということにあると考えるのであります。さような重大な時期にありまして何ら心配のない、国際的にも信用のできる業者をこれに参加させるということならば、われわれは少しも意見はないのでありますが、違反を繰返して、国際的にも今日札つきとなつておる大洋漁業を何ゆえに一枚加えなければならないか、さような問題に貴重な時間を費さなければならない、農林省の態度に対してわれわれは納得が行かない。過去の実績においても、製品においても——今日たくさんのかに工船技術者を持つており、さらにまた国際的にも十二分に信用がある、水産業界の泰斗としてすこぶる紳士的である日本水産にすみやかにこれを許可することが、最も妥当な意見であると私は考える。これがすなわち日米加漁業協定精神であり、また水産委員会決議した事項一つである。何ゆえに長官はさようなことについて右顧左眄、躊躇されるのであるか、私は長官の御意見を承りたいのでありますが、それに加えて私は長官に対して、ただ一つまことに長官の態度として遺憾に思う点は、山崎喜之助代表取締役から、一月二十八日から今日まで三社が談合しろという水産庁の指導においては、何ら今日まで変化はないということをあなたの前で証言されておるのであります。あなたは当初において今は名前を申し上げるわけに行きませんが、水産庁の方の幹部の漏らした言によりますと、かに工船許可日本水産許可するように内定した、当初私はこのように聞いております実績といい、その順位といい、往年の製品の品質からいつても、また他にかわるもののない技術者を持つておるというふうな点からいつても、またそれらの問題は一応論外といたしましても、漁業の実際に対する態度の紳士的であるという点、国際的に信用の厚い点とかいうことを述べられたのであります。また農林省の一幹部が——特にこの名前も申し上げることをはばかりますが、新会社案であるとか共願案というものは無理であるということを、農林省の幹部が述べられておる。長官はかような無理なことをどうしておやりになるのか。きのうも私はこの委員会で申し上げたのでありまするが、二月の十八日に松田委員質問に答えられたあなたの答弁というものは、実に微に入り細にわたつてわれわれの言う通りに、われわれの希望の通りにお答えになつておる。すこぶる名答弁である。また私の質問に答えても、同じくさようなことを繰返しておられるのであります。しかも漁期がだんだんに切迫する今日において、何ら進捗しておらない。かようなことでは、いたずらに識者の笑いを買う。のみならず輿論の指弾を受けること大なりと私は思う。かようなことでは、日本の水産の発展ということは、とうてい現内閣には求めることができない。この問題が、われわれ水産常任委員会で決議して政府に勧告いたしました通りにできればよろしい。できなければ、長官はこの機会においてすみやかに辞職せられんことを、私は日本水産界のために希望申し上げる次第であります。私の質問に対して、お答えがあるならば承ります
  39. 小高熹郎

    ○小高委員長代理 ちよつと永田君に申し上げます。先ほどの御発言中、当委員会において要望事項として政府へ提出いたしましたうち、一社という言葉がございましたが、日本水産とか特定の会社をさした字句がございませんので、御参考に申し上げておきます
  40. 永田節

    ○永田委員 そう、それはわかつております
  41. 塩見友之助

    ○塩見政府委員 昨日申し上げました通りに、一月二十六日に私の談話として、北洋出漁許可についての方針というふうなものを発表いたしましたが、この方針に関する限り、一月二十六日以降現在まで、何ら変化はございません。これにつきましては、この談話中にもありますように、国際的な漁場進出するために国際的な関係も十分考慮しなければならないし、また一部の企業利益に偏することがないようにやつて行かなければならないというふうな、いろいろな点を考慮しまして、関係漁業者全体の結集と協力によつてその目的を達成したいというふうな方針はかわつておらないわけでありまして、ただそれを具体化する方法につきましては、もちろん企業の創意とか、能率とかいうことを阻害することはできるだけ避けなければならないわけでありまするので、そういうふうな点についてしろうとであるところの行政官庁の人間が、こまかい点にわたつてまでかれこれと意見を言う必要はなくて、むしろこれは専門家である各社の相談というふうなことによつて、十分採算的になし得るように持つてつてもらいたい。それからそういうような範囲においては相当幅を広く考えて、それが妥当な意見ならば、それでもつて政府の方としてはやつて行くのがいいのではないかというふうな形で慫慂を続けて来ておるわけでございます。そういう形で、先ほどの山崎参考人の言われたこととは何ら食い違いはございません
  42. 永田節

    ○永田委員 長官の今の答えは、山崎さんとの意見の食い違いはないでしよう。それは山崎さんとどういうふうなお話があつたかしりません、またないかもしれませんが、山崎さんとあなたの御意見の食い違いがないということは、それはわかる。しかしわれわれの意見とは食い違つておる。われわれの意見と食い違つておるということは、あなたの答弁と異なつておるということです。だからあなたは、三つをまとめて一社にするということは、三つをまとめる一社か、一社をもつて一社とするのかまだわからない、かようにおつしやる。そうではない。実際問題として、北洋出漁する場合、適格性に満ちているかどうかという責任のある考え方はどうだ、これなんです。これについてあなたの方は、きのう私が朗読いたしました通り、輿論にまつたくマッチするようにお答えになつて、さような方針で行くのだということを数回あなたはお述べになつておられる。そのことと、無理やりに三社に対して談合を強要しておるというその事実は、食い違つておるのではないかということなんです。それについてひとつ——まあ答えはできないでしようね。いいです。
  43. 松田鐵藏

    松田委員 永田委員のように極端な言葉は使いませんが、よく翫味して聞いて、答えていただきたいと思うのであります。まず水産長官は、一月二十八日に私の質問に対して答えておる。長官の御意見というものは、委員会の意思を最も尊重した、漁業法精神を把握した、みずから漁業法を立案された長宿の態度として、私は敬意を表しておるものであります。こうなければならないものであるということを私は強く感じておるものであつて、さすがにわれわれが信頼する塩見長官であるとわれわれは喜んでおつた次第であります。さてその後における三社の談合というものが、思うように進まない。きようは三月の一日であります。いずれ協定もでき、また準備をするのにも幾多の日数がかかり、本協定が成り立つと同時に出漁されることと存ずるのであります。ただ紙に書いて、言葉で言うて、きようだだちに諸般の準備ができ得るものではありません。こうしたことで一日も早くこの根本方針、すなわち許可が内定しなければならないものと考えておるのであります。われわれは水産委員会として決議をして、委員長の手元から長官及び大臣に委員会意向というものをはつきり提出してあるわけであります。昨日はそれを確認すべくお話を申し上げた。かに工船に対して三国漁業協定精神に基き、実績適格性を検討して、一企業一社を原則とするということは委員会の強い意見であります。さて許可は行政であるとお考えになるかは存じませんが、もしここに荏苒として日を送つているならば、日本として最も期待し、漁民の待望してやまざる出漁というものがどのようになるか。これがわれわれの憂うるところであります。ただちに問題を解決して、準備をしなければならないものである。しかし三月一日になつてもいまだに決定されずに、われわれはまこと失礼な語でありますが、忙しい中を三社の代表者をここへお呼び申し上げなければならないような事態を惹起しておるのであります。しかも水産庁長官は、一月の二十八日に漁業の将来の行き方に対してはつきりと大方針を発表されておる。しかして今日三月一日である。行政には干渉するものではないけれども、子供が濁流の中におぼれんとするときにおいて、われわれは裸になつて濁流に飛び込んで、その幼い子供を救うのである、永田委員はかく言われた。日本の富を増すべく漁民の待望する北洋進出せんとするときにあたつて今月三月一日になつてもいまだにその許可が内定されないということは、まさしく長官は濁流におぼれんとする子供と同様な立場にある。われわれはあなたの立場をよく考えるがゆえに、そういうように見るのであります。また信頼する長官なるがためにおもんばかるのであります。ゆえにこうした議論が出るのであります。われわれ委員会意向というものは決定しておるのであります。国民の代表たる国会の意思は、あらゆる観点から論議されて決定しておるのであります議員連盟意見がいいとか悪いとかいうことではありません議員連盟において大体の骨子をつくつて、さて小委員会においてわれわれはそれを論議し、委員会においてこれを決定した。山崎さんが、われわれは議員連盟の一員であるが、それに意見を述べる機会もなかつたと言われた。正しい意見はこれからも聞きましよう。いつでもお聞きします。しかしわれわれ小委員会おいて、委員会において決定したのは、国民の代表としてなのだ。国会において意見をまとめたのである。おぼれんとする長官の今日の苦しい立場を救うべく、行政に干渉するのではなくて、行政を導くのであります。国会においてすべての政策を論議して決定されたことを、行政官は忠実に履行すればいいのである。この問題は、昨日もわれわれは論議したが、長官は大体において一企業一社という原則であるというわれわれの原案に対して、上手に、それと合致することであるという御意見は述べておるけれども、必ずしもこの通りにやるのでないような言辞を弄されておつた。それは妥協である。われわれは日魯一社でやれというのではない。また日水一社でやれというのでもない。そこには何らかの妥協点はあつてもいいと思う。しかし一企業一社というのは、おぼれんとする長官を救うべくわれわれが出しておる国会の意思だと考えたならば、この問題に対する議論はもはや盡きてしまつておると私は思う。この点十分お考えになり、国民の代表たるわれわれの意見を尊重されて、早くこの線に到達するよう努力されんことを御注意申し上げたい。もし国会軽視の状態があつたならば、われわれは敢然立つてこれを糾弾することになると思います。前の三人の長官は首になつたのでありまして、今塩見長官を首にすると四人になるのである。これはわれわれ與党の議員とし何とも言いようのないはずかしさがあるのであります。どうかわれわれに伝家のなまくら刀を拔かせないようこの点よく御認識されて、一日も早く御決定の線をわれわれに御発表願いたいと存じます
  44. 木村榮

    ○木村(榮)委員 参考人の方に二、三お伺いしたいと思います。まず第一点は、水産庁と御相談の過程で、漁業法五十七條が討論の題目に出たか出ないか、こういうことなのです。どなたでもけつこうであります——答弁がないようならば、その御相談の過程においては、漁業法五十七條のような問題はあまり問題になつていない、かように私は認識してさしつかえないと思います。御承知のように漁業法五十七條によれば、指定漁業権の許可の場合には、漁業権に関する法令の悪質な違反者や、あるいは労働に関する法令の悪質な違反者といつたふうな者には、許可の場合にこれが大きな問題になるということが書いてある。私は今度の問題は、この漁業法五十七條にも相当関連があると思います。だから当然三社なら三社、一社なら一社、だれにこれを指定して許可するかという場合には、水産庁としてはこういつた問題は、各業者のそういつた実績、あるいは何と申しますか、そういつた罪業というものが、ある程度問題になるのが当然だと思うのですが、そういつたことが問題になつていないとすれば、全然別個な角度からこの問題の許可、不許可ということを討論された、かように解釈してもよいと思います。そこでお尋ねしたい点は、大洋さんにお聞き」したいのですが、大洋漁業の方では、固定給と歩合制度はどのような関連において取扱つておられるか、その点を伺つておきたいと思います。簡單でけつこうであります
  45. 山崎喜之助

    山崎参考人 その前に漁業法の問題で、水産庁と三社が五十七條について打合せをしたかどうかということでございますが、これは私は別に打合せをしたことはございません。この趣旨はわれわれが常識として咀嚼し、消化しておくべきものだとこう考えております。  それから給餌問題はどうかということでございますが、いろいろ漁業の種ね別がありまして、一概には申し上げられませんが、たとえば以西底びき漁業といつたものを例に引いて申し上げましようか、いかがでありますか、それでよければそれを申し上げます
  46. 木村榮

    ○木村(榮)委員 こまかいことを聞いてもしようがないから省きます。と申しますのは、私たちがいろいろ調査し、またその他の情報で見ますと、三社の中では大洋漁業の方が一番労使間の紛争が大体多い。そこには何か歩合制、あるいはまた固定給の中において労働條件、そういつたものに対して他社と違つたふうな契約があつて、そういつたものが原因して他社と比べて——もつとも大きいから労使間の紛争も多いことになる可能性もございますが、ただそういう見方だけではなく、大きければ大きいだけ、かえつてこういつた漁業の場合の特殊性を考えますと、紛争が少いのが望ましい状態だと考えますが、あなたの方はどうも一番多い。この点に相当問題があるのではないか。最近の事情を調べてみますと、今まで固定給であつたものさえどんどん歩合制度に御変更になつておるようでありますが、その方がよほど利益になりますか。
  47. 山崎喜之助

    山崎参考人 紛争が最も多いとおつしやるのか、率が多いとおつしやるのか、そこのところは大きさにもよりましようから明確ではありませんが、しかし私ども感覚では、最も家族的に、最も紛争が少い、こういうのが大洋漁業であります。  それからもう一つ、この漁業で戦後最も要求されておるのは生活給になつておりまして、この生活給は大洋日本水産が一番高いようです。それから歩合給はまだずつと低い率で、生活給の三、四十パーセントというところのようです。但し一箇所長崎方面は、古い習慣から長崎全体が同じ方向で進んでおるようであります
  48. 木村榮

    ○木村(榮)委員 そこで、これも関連してお尋ねいたしますが、あなたの方は拿捕船もまた他と比べて多い。そこでその拿捕船の船員は原則として解雇なさる、こういうことになつているらしいのですが、いかなる理由によつて大体解雇されますか。
  49. 山崎喜之助

    山崎参考人 拿捕船が多いというお話もございましたが、よくお調べを願いたいと思います。それから解雇はしておりません
  50. 木村榮

    ○木村(榮)委員 解雇していないとおつしやるのですが、私たちから見ればずいぶん解雇なさつておる。しかしそれは水かけ論になりますから省略いたしまして、昨年の七月三十日に東支那海の拿捕船の問題で、あなたの方の関係の方が証言なさつていらつしやるうちに、ラインの内側で拿捕されたということを証言なさつておるわけであります。ところがそのときの関係者日本海員組合が座談会でいろいろ調査した結果を見ますと、拿捕されたのはラインの外であつた、しかし大洋の漁夫を勤めると、歩合制度でうんと稼がぬとやつて行けないから、やむを得ずライン外に行く、こういうことを証言しておるわけです。そういつた関係でそういうことがばれては困るから——いろいろな関係がございましようが、とにかく拿捕船の船員を解雇するというのは、あなたがいくら解雇しないと言つても、解雇された生証人がたくさんおるわけで、その点は御調査になりますればわかるわけです。  そこでもう一つの問題は、これはあなたの方の従業員関係でなしに、一般の中小業者といいますか、いわゆるあなたの方の母船にくつついて行かないと商売にならないような連中、特に一昨年から始まつた南方におけるあなたの方の母船のもとに働く中小漁民と申しますか、こういつた連中の全般的な意見は、大洋漁業の買いたたきには参つておるというのが輿論のようでございますが、大体どのような御方針で買いたたきをなさるのですか、その点を伺つておきたいと思います
  51. 山崎喜之助

    山崎参考人 どうも政府答弁のようになるのですが、このマッカーサー・ラインの問題は、海に線が引いてございませんので実際むずかしいのです。天測でやつておるのですが、これは公式にいろいろ表明された調書等に示された通りであると思います。実際海に何らの線がないので、非常にむずかしい問題であるということを御報告申し上げたいと思います。  まぐろ母船経営状態、それから独航船に対する計算はどうかという質問がありましたが、この漁業昭和二十四年わが大洋漁業が画期的な考え方で、大いなる犠牲を抑いまして興したものでありまして昨年中までに第八回の業界出漁船を見たのであります。昨年中大洋漁業母船隊を二回編成して出漁いたしました。これは共通の理念といたしましては、独航船を持つ者、母船を持つ者、これが損益を共通にし、事業をともにするという考え方であります。しかしそれでは計算が非常にむずかしいので、一応買取り計算をするのであります。買取り計算は、国内における魚価を標準として、そうしていろいろの線を基準にして逆算して価格をきめるようにしているわけでありますが、それよりは若干よくしてやるわけであります。そうして買い取りまして清算して昨年中に六千万円ほど損をいたしましたが、それは漁船には求めておりません
  52. 木村榮

    ○木村(榮)委員 だんだんこまかくなつてますが、私は島根県の田舎の方でありますが、あなたの方は日本海沿岸の方にもさらに御進出になつて、小さな会社をどんどん買収なさるのでしようが、将来もああいう方針で業務を拡張されるのですか。また沿岸の方もずいぶん荒されているようでありますが、私の海岸の方はまつたく大洋の圧力の前に屈服状態で、隠岐島ではあなたの方の大洋丸という運搬船がおつて、この大洋丸という運搬船のごきげんをそこねると、漁民はせつかくとつたあじ、さばを腐らしてしまわなければならない。それで幾らに買い取られましても、運搬していただかなければ困るので、あなたの方にお願いして助けてもらうのか、懇願してやつてもらうのか、よくわかりませんが、何としても沿岸の方へ進出なされる、また南方へ行かれる、今度は北洋まで行かれる。とにかく縦横無盡に暴れまわつて日本漁業界といいましようか、水産界といいましようか、これを一手に収めようという方針のように見受けられるわけです。大資本の会社ですから、そういういうことが目的でしようが、どの程度までこれをおやりになるのか、承つておきたい。
  53. 山崎喜之助

    山崎参考人 不幸にして私はあなたと同じ島根県人でありまして、日本海の漁業も相当知つております。私の方の会社は、他の会社を合併しようという意図を持つておりません。  それから穏岐島に大洋丸が出て運搬したというのですが、私の会社には大洋丸という運搬船はありません。  それからこれは運送業者のために弁じておきたいと思いますけれども、漁師が魚をとつて、離れ島から都会まで輸送するということを漁師が一貫してやることが理想であります。今日は協同組合とかそういうものでやつていただくのはたいへんけつこうですが、もしそういうものがやれないような場合には、やはりそうした機関が相亙協力という線で行われるのがほんとうではないかと思います。どうかさばやあじは腐らないように、氷をうんと使つて、有利に売るように漁師諸君はお考え願つた方がいいと思います。それから七つの海というのですが、まだ七つの海に発展できないであります。今後どうか七つの海に発展できるように、御援助願いたいのであります。それから沿岸漁業云々と言いますが、われわれはそういう意図は持つておらないのでございます
  54. 木村榮

    ○木村(榮)委員 なかなか上手な御答弁をなさつたので、これでやめますが、結局こういうことになると思うのです。あなたの方は大資本だから、資本力と、これにつながる政治力の両方をもつて沿岸の弱いものを——表面には大洋は頭を出さぬが、ひもつきの方で、どんどん圧迫して行く。ひもつき小会社と言いますか、代行するような会社と言いますか、そういつたものを巧みにこしらえて、沿岸に進出して行く。これはいかに御抗弁なさつて——あなたも島根県の生れかもわからぬが、私も現に漁業関係関係しておりますので、そのバツク、やり方は相当よく知つております。ここで抗弁してもしようがありませんが、一言にして言いますと、結局さつきも申し上げましたように、資本力とそれを背景とする政治力を巧みに駆使して網の目のように根を張つて、大いに日本漁業を独占するという御方針のように、解釈します。御答弁はいらぬわけであります、大体そのように私は考えますから、参考までに申し上げておきます
  55. 永田節

    ○永田委員 先ほどの私の質問の、つまり一九四〇年の実績の問題でありますが、その実績に関連いたしまして山崎さんのお答えは、山崎さん自身はよくわかるかもしれぬが、昔の爺さん、婆さんのおとぎ話のように、お話になりまして、少くとも私が考えてみますと、一社の事業並びにこの事業実績というものは、かような伝説的な一つの架空な話をもつてはわれわれは認めるわけには行かない。あぐまでも科学的に、明瞭に裏づけしたものがないと、われわれ国会においては実績としてこれを信頼して案を立てるわけには参らないのであります。  私はこの辺で結論に入りたいと思いまするが、最近の委員会を通じまして、すでに天下の輿論というものはおもむくところへおもむいておる、かように考えられるのでございます長官はすでに事実として各方面に信ぜられておる某々氏らの暗躍を現在否定はなさつておられるが、当初の穏当案を一徹されまして、三社に対する談合を強要なさいましたのみならず、その談合は今日不幸にしてまとまらない。それが不能に陷つた今日、なおその談合を押しつけておる。かようなことはしばしば委員会において長官が最も賢明な答弁をなさつておられるその答弁を、長官みずからが裏切るものである、私はかように考えるのであります。今日までの日本の水産というものは、單に魚をつり、船を船だまりに引揚げるという旧式な漁業から一歩飛躍いたしまして、潮流であるとか、暖流であるとか、無電であるとか、船も鉄船になつて来て、それを漁業に取入れなければならないという科学的な海洋漁業発展して行きます、その日本の水産業務を担当する長官としては、この大転換期において水産庁の指導の目標というものをはつきりなさらないと、いかにりつぱな民主的な漁業法ができ、国際的にも厳然として條約が成立いたしましても、単なる一片の條文に終り、ひいては日本の水産が海洋から沖合いを圧迫し、沖合いから漸次沿岸を圧迫して、最後には日本の水産が混乱に陷るというふうなことになるであろうということを心痛する次第でございます。賢明なる長官はよく農林大臣とお打合せに相なりまして、きわめて近い将来において最後の断を下されんことを希望いたします
  56. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 三人の参考人の方に鮭鱒母船漁業につきまして二、三参考意見をお伺いしたいと思うのであります。  二月二十三日に、今日お見えになつております三社と北海道北洋出漁組合並びに北洋漁業組合の代表者諸君との間に覚書を作成されまして、これを政府に提出なさつておると私ども察しておるわけでありますが、これはまつたく三社並びに二団体代表者が、今年の試験操業としての北洋さけ、ます出漁はかくあるべきであるという自主的な総意によつて確認され、作成された覚書でありまするか、また政府かにに対すると同じように、業界にはそれぞれ異なつ意見もあるけれども、さけ、ますについても一体になつてやれという政府の強要なり強い示唆があつて、このような結論に達したのでありまするか、この点をこの際どなたからでもよろしいのでありますが、お含みおきなく御説明を願いたいと思うのであります
  57. 小林小一郎

    小林参考人 私が適当な答弁者ではないかもしれませんが、私も昨日その覚書を拝見いたしました。しかし会議には列席しませんでしたが、承りますと、これは名称ははつきりしませんが、北海道の団体と、それから内地団体でおつくりになつた覚書と考えております。これを私どもちようだいしまして——どもと申しますとまことに語弊がありますが、日魯日水大洋、これがこの方式でよろしいかどうかということを検討中でありましてまだその覚書を政府に提出してはいないように考えております。なおこの覚書の草案は、両団体政府の希望方針に沿わんがためにおつくりになつたものであると私は考えております。これを三社で検討し、三社としての意見をこれに加えよう、そしてさらに団体お話をしよう、こういう段階に現在あると私は考えております
  58. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 ただいまの小林さんの御意見でよくわかりました。この覚書は北海道北洋出漁組合及び北洋漁業組合の代表者諸君によつて起草され、これを三社側に提示されて検討中のものであつて、まだ三社並びに二団体の五社間において確認されたところの一致した結論ではない、まだその段階に達していないということがはつきりいたしたわけであります。そこで政府方針によつてこの二団体の代表の方々が作成された覚書のように思うという今の小林さんの御発言の中に、やや片鱗がうかがわれるのでありますが、政府北洋さけ、ます母船漁業につきましても、かにと同様に一体となつて共同申請をしろという方針業界指示し、あるいは要請されておりますかどうか。これは時間的な関連もございますが、当初から現在に至つても当局の方針はかわつていないか。また最近国会その他の意見に聞いて、政府方針が徐々に変化を示しつつあるかどうか。この辺業界側として政府の指導上どのような変化を見受けられるか。それらの点についてお伺いしたいと思います
  59. 小林小一郎

    小林参考人 鈴木先生にお答え申し上げます。ただいまの御質問政府方針ということにつきましては、先ほど第一番に申し上げました通り政府は強制はしないがこうあつてほしい、こういう方針は授けられております鮭鱒漁業につきましては、この五社が連名で共同出願をして許可を一本にする方がよろしいと考えるから、その線に沿うように業者協議をして、円満に事業が送行できるようにすることを希望する、こういう政府の御方針は現在もかわらないかと存ずるのであります
  60. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 政府業界に対して指導している態度が明確になりまして、委員会としての今後の審議の上に非常な示唆を受けたわけであります。そこで今度は御出席の三人の方から御意見として承りたいのでありますが、かにの場合においては、本年は一船団しか出さないという政府方針は、国会側の意見と若干ずれがあるように感ぜられます。     〔小高委員長代理退席、委員長着席〕  かにの場合におきましては、かりに一船団といたしましても、そこに共同出願、共同許可ということも一応の案として考えられるわけでありますけれども母船式、さけ、ます流し網漁業につきましては三船団、独航船は五十隻、調査船十二隻以内、こういうぐあいに出漁の船団と隻数が固まつて来ております今日の段階におきまして、なおかつ五団体共同申請、共同許可という形でやらなければ、本年のさけ、ますの操業ができないというように業界方々も腹の中から考えておられますかどうか。さけ、ますは三船団、独航船五十隻という形でありますから、何も共同申請、共同許可の形をとらぬでもよろしいのではないかという意見も当然生れて来ると思いますが、この件につきまして業界方々はどのような考えを持つておられますか、腹蔵なく御意見を承りたいと思います
  61. 山崎喜之助

    山崎参考人 実はわれわれ三社でいろいろ討議いたしました際は、責任を明確にするために各一船団、一つの責任で行くということにお願いしてはどうであろうか。一船団と申しますのは母船を持つものと独航船で出る団体と、二社ないし三社の三つのかたまりでございますが、そうした分散的に責任をはつきりした方がいいのではないか、こういうことも考えたのであります。その後全体が連帶となつて国際漁業を守る。こういうふうに行くべきではなかろうかという議論も出まして、これは政府方針とどちらにしても大差がない。だから小異を捨てて大同につこうじやないかというようなことから、大体五社の連帯でもいいというような気持を持つているわけであります。  それから先ほど永田先生から、大洋実績について昔話のようではないかというお話がございましたが、これは現在私と同様に専務をしております伊藤という人が実在で会社に勤めております。その実績水産庁にございましようからお調べを願いたいと思います。  なお三会社協議につきまして、水産庁から強要を受けたことはございません
  62. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 かにの場合とさけ、ますの場合は本質的に違つておりまして、しかも三船団本年は出漁するということに大体政府の腹も固まつて参り、業界側もそのように了承をいたしているわけでありますが、いずれにいたしましても船団一つ一つが責任を持ち、今年の北洋出漁国際的な重大な意義にかんがみまして、責任を持たなければならぬわけであります。このように三船団も出ます際に、しかも船団を異にする三つのものが何ゆえに共同出願、共同申請をしなければならないかということにつきまして、私どもは非常に疑問を持つているのであります。これはやはり漁業法精神に基いて、実績適格性によつてそれぞれの船団を政府の責任においてガラス張りの中に国民の納得する形で選考し、これに許可を與うべききであると考える。そこにこそ初めて明確なる責任の所在があつて国際漁業ほんとうに間違いなく遂行する態勢であるとわれわれは考えているものでありますが、ただいまの山崎さんの御意見ほんとう業者としてそのようにお考えになつておりますか。それともここに政府を代表して長官が御出席になり、今後いろいろ水産庁のごめんどうにもならなければいかぬという立場から、水産庁がそう考えているのだから、まあまあそれに同調しようじやないかという立場での御発言でありますか。その点ここは国会でございますから、私どもに対して今後の水産政策、特に重大な北洋に対する国策の策定にあたりまして、明確なる業界の御意思を御発表願いたいと思うのであります
  63. 山崎喜之助

    山崎参考人 私は責任制をはつきりするということが、今後のいろいろな違反等の問題を起さなくなる前提だと考えておりますので、分散していただけることを希望いたします
  64. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 それからお三人のどなたでもけつこうでございますが、お聞きいたしたい点は、この独航船側と母船側と一体になつたものに許可がおりると思うのでありますが、その際その経営の内容は、母船側と独航船側の経済的な共同経営という形でなされるのがよろしいか、それともキャツチャー側と団体交渉によりまして、魚の値段その他をとりきめ、操業の條件等をとりきめてやるのがよろしいのでありますか。それをどういうぐあいにお考えになつておりますか。その点を参考までに伺いたいと思います
  65. 山崎喜之助

    山崎参考人 鮭鱒事業、もともと母船と独航船との二つが一緒になつ事業になつておるのであります。従来も大体共同経営精神で行われました。今日におきましも、私たち共同経営精神で進みたいと思います。ではその形をどうして行くかということにつきましてこの実情から製品が相当あとに長引いてからでなければ処分ができないなど、また大きな資本がいるなどいろいろむずかし問題ありますので、共同経営精神を含めて、そして計算方法は漁師の気分に合うように簡単に行くということがいいと考えております。結局あらゆる効果はとつた魚に逆算されて行くということであります。そこで従来は会社と独航船の代表者とで値立てをいたしまして、場合によりましては、行政官庁が入つて値段のとりきめをされまして沖取り漁業は割合に円満であつたそうであります。今後もそうした従来の不文律をわれわれは両者の協約、協定によりまして成文化して、工船を持つ者、漁船を持つ者、それと行政官庁あるいは有識者が入つて利益分配はどういうふうにしたらいいか、またはどういう価格にするかというように進められることが、非常に共同経営精神を生かし、その方法として簡便な方法ではないかと実は考えておるわけであります。まだ協同組合関係その他と十分に具体的な話合いが進んでおりません
  66. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 それからもう一点、これは沿岸漁業者側にとりまして一番重大な関心事であるわけでありますが、それは独航船の選抜方法であります。この独航船の選抜に当りましては、先に塩見長官の本委員会における発言によりまして、適格基準というものが大体固まつて来ておるようであります。ただ問題は、その基準に基いていかようにして独航船を選抜するかという方法でございますが、この覚書によりますと、独航船は特別のものを除き会社と組合との協議のものに、組合側の適格船を選定する、こうあるわけであります。この適格船の選抜にあたつて会社側はあくまでこの選考に参加し、あくまで会社側の意思を加えな叩ければならないと、仕事の性質からお考えになつておりますか。それとも一応の適格基準があり、そして船長、漁撈長等に操業の実績のあるものということが確認されますれば、政府の責任による選考にまかしても、業界としてはさしつかえないと考えておりますか、もつと簡単に言えば、独航般の選抜についても、あくまで皆さんが関與しなければならないと考えておるかどうか、この点をお尋ねしたいと思う。
  67. 山崎喜之助

    山崎参考人 業者間にこういう面についてまで十分な協議ができておりませんが、私の感じといたしまして、独航船が漁獲のために先行するわけであります。そこでこういう船が一番問題を起しやすいのでありますので、どういう方法かで定められた独航船、それをわれわれは自分の母船に所属せしめる場合は、機能といい、人といい、十分安心できることが必要だということを最後まで念頭におき、またそれを主張したいと思つております。それから、独航船の選定につきまして相当多くの出願者があり、五十という、ごく少い数が選ばれるようでありますが、私たちは独航船というものは大体こういつた機能を持つてほしいということは、水産庁へお願いをいたしました。さらにそれに乗る人間はりつぱな人を乗せてほしいということもお願いをいたしました。そういうわけでございまして個々の独航船あるいは人が選ばれることにつきまして、私たち政府や組合についてあまりせんさくがましいことは言うべきではないのではないだろうか。でき上つたものについては、われわれが連れて行かなければならぬと義務づけられることは、適当でないものは困るが、その線だけは守つてよい人を選んで行きたい。こう思つております
  68. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 適格船の選抜の問題につきましては、ただいま山崎さんからもお話がございましたように、北洋出漁に対する希望者が非常に多いのであります。おそらく数百隻の漁業者が、この独航船としての参加を希望いたしまして、いろいろな団体にわかれて、いろいろな運動に参加をし、多大の経費と時間を浪費して、お気の毒でありますが、ほんとうに右往左往なさつて、その線に入らんと狂奔しておるような実情にあることは御承知であろうかと思うのであります。この選考がひとたび誤つて情実に流れたり、あるいは一部の人たちの恣意によつて、かつてに選考されるというようなことがもしありといたしますならば、沿岸漁業者から見ました場合に、北洋漁業出漁に対する第一年度としての出発にあたつて、永久に拂拭し得ないところの非常な悪感情をここにかもし出すのであります。私どもはこの独航船の選考が真に全漁業者納得し得まするように、ガラス張りの中に、ほんとうにそれが一定の基準と実績とによつて、何人もうなずけるような形において、しかもその選考の責任は、昨日も委員会長官が言明されましたように、あくまでも行政官庁の責任においてこれが行われるということでなければならぬと考えるものであります。そういう観点に立ちましてこの独航船の選考は、会社側やあるいは一部の団体側だけの意思によつて選考さるべきものでない、もつと大きな重大な影響力が業界に波及するということを考えられまして選考が行われなければならぬと私は考えるものであります。  もう一点お伺いいたしたい点は、母船の選定であります母船の選定については、北海道北洋出漁組合及び北洋漁業組合並びに当該会社協議により決定をする、こう書いてございます。これはよく覚書の起草の方にお伺いしなければ意味がわからないのでございますが、母船の選定について、実績適格性を持つ母船を所有している業者と、実績適格性によつて選ばれる独航船側とが、操業條件その他について団体交渉をして意見が一致いたしました場合に、そこに初めて母船と独航船が一体になつたものについて出漁許可が與えられる、こういうぐあいに私ども了解いたしておるのでありますが、この覚書によりますと、あらかじめ母艦の経営者側をきめておいて、船はあとから選考するというぐあいに見受けられる、この点が私どもにはよく理解できないのであります。この母船の選考、母船経営者の選考についての御意見は、さきに本委員会できめられましたように、母船につきましてもやはり実績適格性によつて選ばるべきものだと考えるのでありますが、これについての業界側の御意見はいかようでありますか、お漏らしを願いたいと思います
  69. 山崎喜之助

    山崎参考人 この点は私がお答えすべきであるかどうかわかりませんが、実績、適格といろいろございましようが、このような国際漁業に対しましては、まず優先すべきものは適格性であると思います実績の問題もございますが、大体三社なりその他も相当に実績経験がありますので、その点は大体よかろうと思つております母船は実は従来貨物船を改造して、カン詰工場をつくる、こういつたようなことが母船の様式であつたようでありますけれども、今年は漁業それから加工方法、あるいは販売等にいろいろの疑念がありまするので、今年の業界考え方としては、冷凍装置が必要だというところに大体意見が一致しておるようであります。こういう冷凍装置、冷凍機能ということから、上の方から見ますと、限られた船が、日本に大体十四、五あると思うのであります。そういつた限られた線になるのではないかというように思つております
  70. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 母船の選考につきまして、今の山崎さんの御意見で、実績よりも適格性という御意見がございました。いずれも適格性を有する場合におきましては、そこに実績が今度は第二要素としてかみ合つて来るわけであります。また実績にウエイトを置きますれば、いずれも実績がありました場合は、適格性の優劣ということがまた優先順位の基準になろうかと思うのでありまして、その点はいずれでもこの二つの要素が、許可一つの重大な要件であることにはかわりはないと私は思いますから、議論にわたらずに、私は次のお尋ねをしたいと思うのでありますが、この母船側の選考につきましては、そのほかに母艦所有者と申しますか、経営者と申しますか、その経営者の経済能力と申しますか、そういうものをここに勘案をして母船の選定を前段の適格性実績のほかに、その経済能力というものを考えてやらなければならないという意見が一部から出ておるようであります。この点につきましては、また反対に、一億以上二億近い大きな資金を要する漁業であり、国家的事業であるから、資金については当然国家が世話すべき問題であるし、またその受入れ態勢についても十分用意があのであるから、実績と所有する母船の適格基準があるならば、経済的な面、融資については、政府のあつせん、自分らの受入れ態勢によつてそれを解決できるのでございますから、そういう実績母船の適格條件があるならば、選考の公平なる機会を與うべきであるという業界からの強い意見が出ておるのでありますが、これらについて三社の方々は、この際襟度を示し、大きな観点から、広くそういう業者にも、公平に選考の機会を與えるようになさる御意思がありますかどうか、この点をお伺いしたいと思います
  71. 山崎喜之助

    山崎参考人 漁業法の必須條件の中に、こうした母船事業等は経済能力の問題があげてあります。それは今先生がおつしやる通りでございます。特に今年の仕事として考えしまして、アリユーシヤン付近の鮭鱒漁業は実は不安定な漁業でございます。着漁してはたしてその結果どうなるかということは、割合いに悲観的なのでありまして赤字が出るということを考えておるのであります。そういう用意のもとに私たちは進めたいと思つておりますので、この経済能力という点は、出漁すればいいというのではなく、帰つてからのその跡始末をするということを十分に考慮したいと思つております。  それから母艦の適格性ということにつきましては、もちろん一母船を持つておるものの私の事業ではございませんので、いろいろと御意見を拝聴し、改善改良を当然行わなくてはならぬと思いますが、何分にも現実に限られた舶ということになつておりますので、現在はその船よりもあまり多くのものが出ないのではないか、明年のことはわかりませんが、本年はそういうことではないかと思います
  72. 石原圓吉

    石原(圓)委員 この問題もやがてきまつて出漁することになると思いますが、ある説では、水産庁が円滑なる出漁方法をきめるために、ある特定の人にそのあつせんの労を依頼したというお話もあるのでありますが、そのあつせんの労を依頼したかしないかは別問題として、その人はむしろ今年はやめておいたらどうかという意見も出たという話もあるのであります。これは私どもが聞いている範囲で、事実はわかぢぬ。しかし水産庁がぐずぐずしていて、実際はそういうように本年出漁不能に陥るようなところへ追い込まれるのではないかという心配があるのでります。ぜひとも今年は出さなければならぬのであります。それに対して長官のなお一段の英断がいると思うのであります。また三社初め漁業団体も、互譲の精神ですみやかに問題を解決してきめて行くべきであると思うのであります。もし水産議員連盟へおまかせになるならば、一挙にきめてやりたいと私ども考えております。そういう御意思があるかないか。  それから今年は暫定に出漁する。暫定の場合であるから適格性のあるものもあり、実績のあるものもあり、ないものもある。そういうようなことも想像できるのであります。そうして今年行つて来て、その今年行つて来た暫定的なものを基礎にして、それを実績なりと見たならば、そこにたいへん今後の恒久的な出漁に対する支障が起ると思うのであります。であるから本年はあくまでも暫定的であつて、明年以後の実積の基礎にはならないということが前提でなくちやならぬと思うのでありますが、これに対して業者方々はどういうお考えを持つておるか。  それからもう一つは、これは直接関係はありませんが、山崎さんがさつき木村君に対して、沿岸漁業には手を出す方針はないということを申されたが、それは大洋漁業方針として承つておいてよろしいのか、この三つの点を承つておきたいのであります
  73. 山崎喜之助

    山崎参考人 では大洋漁業に関する問題をお答えをいたします。沿岸漁業——あの質問は、速記を見ていただけばわかると思いますが、沿岸漁業を圧迫するという言葉でありましたので、私たちはそういう意思を持つておるのではございません、こういうふうにお答えしたつもりでございます。  それから水産議員連盟にまかすかどうかということにつきましては、これは水産議員連盟の性格ということもございましようから、われわれが協議いたしまして、まだ可能性は十分にある。皆様の御意見を聞いて一大進展をしなければならぬ、このように私は心に期しておる次第でございます。  それから今年の繰業を次年度の業績として主張するかどうかということでございました。これはかに工船の問題と思いますが、かに工船は、船にもよりますが、あの船の改造等を行いますと一億に近い大きい金がいるのでございます。それで本年一年だけでこれを打切られるということは、実は非常に困るのでございますけれども、いろいろの事情から、本年は試験漁業であるから一年にせいと言われれば、それはやむを得ないと思います。希望といたしましては、三年ぐらいそのものにやらせるようにしていただくのが事業の安定性を得るのではないか、このように実は考えております
  74. 石原圓吉

    石原(圓)委員 沿岸漁業に圧迫を加えるとか、進出するとかいうことは、われわれ常任委員会が一番関心を持つておる問題であります進出すれば圧迫になるということは論のないことであります進出して圧迫しないということはないと思うのであります。であるから、われわれはあくまでも大洋漁業方針は圧迫を加えない——圧迫を加えないということは進出も、今日まで進出をしておるが今後はしないか、今までもしていないが今後もしないというのか、その点の内容を突き詰める必要はないのでありまして今後に対しては圧迫を加えないという御方針として承つておきます。なおまた特に庄迫を加えないようにその事実を示すようにということを強く希望をいたしておきます。  それからただいま山崎さんは三年くらいと申されましたが、次年度の実績にしないということを前提として私は申しておるのでありますが、これを次年度の実績にし、また二年も三年もというような希望があるとするならば、この際議員連盟及びこの委員会決定によるところの方針、すなわち適格性実績とを極端に選考してそれを実行する必要があると思うのであります。これは水産長官に強い意味で警告を申し上げておきます。  次にもう一つの問題でありますが、この問題は、先刻山崎さんは、意見を述べたかつたが議員連盟から通知がなかつた、こういうことでありました。議員連盟にあつては、利害関係者を全部避けて、所属議員のみの会議を開くということに理事会できまつたので、そのためにそのとりはからいをしたのであります。であるから大洋漁業のみならず、日水からも日魯からも、また他の団体からも、絶対にその代表的な関係者を招致して会議に列席させたとか意見を、聞いたとかいうことはないのでありますから、それを誤解をせないように願つておきます。またそういう意味合いで議員連盟が偏頗の処置をとるというような考え方から今回の裁定をおまかせができないというようなことになれば、非常に議員連盟の威信、信用に関することであると思いまする点、一言この機会に申し述べておきます
  75. 松田鐵藏

    松田委員 山崎さんからただいまの御意見を承りまして、まことに私意を強うするものであります。それは、今までの北洋の問題なんかが、独航船の経済によつて損したならば損しつぱなしであつた。ところが本年のお考え方は、共同経営または協力してやるというようなことで、すべての点が逆算ということを論議する。しかも赤字になるという見通しから、帰つて来た後のことも考えなければならないというような御発言があつたので、大洋もここまで進化されたかということに対しては敬意を表するものであります。また沿岸に進出するしないという問題に対しても、圧迫を加える加えないという問題に対しても、今まで小樽にまた釧路に一万トンの船を持つてつて、当時の相場は百四十円しているものを六十円で旋網業者から取上げて、しかも一銭も協同組合に対して協力をしなかつた大洋がこれまでに進化されたというお話を承つてまことに私ども大洋の進化されておる御意見に対しては敬意を表するものであります。きようの委員会であなたが責任をもつて御発言になつていることが、全国の業者に対して、大洋がこれまでに沿岸を擁護して行くのだということであれば、それは大きな海の大洋でなくして、ほんとうの天にある太陽のようになることだろうと私は思うのであつて日本の水産会社のうちのお天とう様と同じような立場になつていただくことを私は心から希望し、また祝福するものであります。  それから参考人に、船の準備ということはよく調査ができておるのでありますが、きようは聞かないことにいたします
  76. 川村善八郎

    川村委員長 これにて北洋漁業許可問題について、参考人よりの実情聽取の件は終了いたします参考人各位には御多用中のところ長時間にわたつてお引きとめし、それぞれの立場より、本問題の経緯を明らかにされ、本委員会として本件調査の上によき参考となりました。たいへん御苦労さまでございました。これにてお引取りを願います。  次に水産庁長官に対して御質疑があればこれを許します
  77. 松田鐵藏

    松田委員 長官にお尋ねいたしたいのでありまするが、私どもはかように考えておるのであります。今回北洋漁業というものが再開された。北洋漁業というものは、要するに今の日本でマッカーサー・ラインから初めて出て、北洋進出して行く漁業であります。戦争前においては、北千島に独航船があつたのであります。北千島は、今まで論議されておる北洋漁業の独航船の対象になつておるかどうか。要するに北洋漁業への進出は、今北千島はソビエト領になつておるが、そこへ出漁せんとするものは、陸地に一つも寄港することはでき得ない。われわれは北千島もカムチャツカも北洋考えておる。しかも今アリユーシャンに出るとしても、北千島の実績北洋実績であるとわれわれは承知しておる。この点どのようにお考えになつておるか。北千島は北洋考えていないかどうか。ソビエト領であるから北洋でないというのであつたならば、これはわれわれの見解と大分違うのでありまして、今日失つておる日本北洋漁業実績は、将来もいろいろ勘考されることであろうが、北洋漁業への進出に対してはごの実績を認めざればとうてい北千島の漁民は承服でき得ないことと存ずるのであります。これを明らかにしていただきたいと存ずるものであります
  78. 塩見友之助

    ○塩見政府委員 北千島の漁業北洋漁業実績だと思います。しかしながら今般独航船を五十ぱい以内というふうに私の方は一応意見言つておるわけでありまするけれども、その五十ぱい以内というのは全部母艦式漁業で行くということになつております母船漁業実績というものをとる場合には、北千島の独航船で陸から行つたものは、実績の中には入らないわけではありますけれども、今般の母船鮭鱒漁業実績をきめて、適格船をきめて、それで出漁する場合に、その問題をどういうふうに解決して行くかということは、業者間の意見を十分取入れてきめることになつておりまして今のところまだ確定していないと存じております
  79. 松田鐵藏

    松田委員 一昨日の新聞でありましたか、千島、歯舞をソビエトが返還するような記事が出ておつたのでありますが、これは相手がソビエトだから、まじめにそれを期待することはとうていでき得ないものと思う。しかしかりにこれが返還される一歩前として、十三海里沖であつたならば北洋漁業を営むことが許されると考えた場合においても、千島に寄港することはでき得ないでありましよう。やはり母船式になると私は考えるのであります。その意味合いにおいても、当然また千島は今日の独航船の実績に入るべきものである、私はかように考えるのでありまするが、水産庁業者意見を聞いてきめるなどいうことは、みずから行政の面を放棄するものである。われわれに対しては行政には口出ししてはいかぬという、それがまたわれわれのとるべき手段である。但し気の毒なきにおいてはわれわれはそれを援助してやろうというのが先ほどの私の意見であります。しかしながら今日北千島の問題は、独航船であるかないかということを業者によくその実績の点を協議するということは、みずからの行政の面を放棄するものでありまして水産長官としての御議論としては私は納得が行かないのであります。水産長官は行政の面からいつて、これは実績に入れるべきであるという言明を私は要望するものであります。この点お答えを願いたいと存じます
  80. 塩見友之助

    ○塩見政府委員 北千島の独航船の許可は、これは北海道庁限りの許可でありまして、現在は北海道庁限りの許可にはなつておりませんけれども、今般のアリューシャン方面の出漁を見る場合に、それを実績として見るという建前を初めから貫いて行くことは、行政官庁としては内地関係から見て不適当ではないかと私は考えております。これはまだ農林大臣と相談をはつきりしたことではございません
  81. 松田鐵藏

    松田委員 従来は北海道庁の許可である、これはその通りであります。しかし今後北千島がもしかりに日本に返還されるような場合があつたとしたならば、これは北海道庁にまかせ得るものであるかどうか、この点であります。もし北海道庁にまかせるとしたならば、業界のボスどもが右往左往でもつて、北千島はほとんど支那浪人の手と同じような立場になることであろう。私は小さな歯舞の島であつても、あの漁場なり、居住なり、農林省は一定の方針を立てて行かなければならないものであると考えておるものであります、ゆえに農林省において方針を立てて行かなかつたならば、北千島及び千島はどんな状態になるかを私はおもんばかるものであります。また北海道庁にゆだねるべき問題ではないと考えておる。北海道選出の代議士であつて、北海道のためにはならないことではあるけれども、私はさような考え方を持つておるのであります。ゆえに北千島、千島の問題は、もし返還されたとしたならば農林省においてこれを管理し、計画を立てて行かなければならないという前提のもとに私は議論としておるものであります。この点も十分に農林大臣と御協議くださいまして、しこうしてこの北千島の実績というものを北洋の計算の中に入れることを要望するものであります
  82. 川村善八郎

    川村委員長 皆さんのお許しを得まして委員長として水産庁長官にはつきりしておきたいことは、先ほどの松田委員質問に対する答弁の中で、北千島の独航船は北洋漁業実績とみなす、ただし今度の出漁は独航船は五十隻以内であるから、業者意見も聞いてその選定をする、いわゆる隻数の中にどのくらい入れるかということをきめる、こういう御意思なのか、みなすけれども業者意見でもし入れられないという場合には、それを全部放棄するのかどうか、この点を明らかにしていただきたいと思います
  83. 塩見友之助

    ○塩見政府委員 その点についてはなお関係者側との相談をやつてきめなければならないことだと思つておるので、ここでとやかくとはつきりした結論を下すことはできません。これはおそらく二百ぱいというふうな数字であつたならば、内地側の関係業者の方としてはそのままではもちろんのめないものでありましようし、やはり全体の協調の精神によつて、今度の国内的な悶着をなくして、協力一致して、そうして国際漁場にも進出するという建前からして、それは十分業界納得の行くような形が望ましいと思われますので、ここで断定することはできないのであります。  なお松田さんからの御意見として千島返還の場合のことでございますが、南の方の十島村の返還、それに対する管轄は鹿児島県にやつたわけでありまして、そういうような重要な問題は私のきめ得ることではなく、管轄がどういうふうになるかということは、もつと大きしな視野から閣議において決定されることと思いますが、北千島方面の漁業に関する許可というようなことも、それと相関連して決定しなければならないと存じます。ただ今後の漁業場の調整上の必要から、あるいはほかの旋網漁業であるとか、その他と同じように、国が全体として見なければならぬという必要性のあるものであるならば、農林大臣の直轄の許可にそのうちの一部分を持つて行くことも当然考えられることだと存じます
  84. 川村善八郎

    川村委員長 重ねてお伺いいたします。もちろん二百隻そのものを母船式のかつて漁業の独航船の実績とあわせて、そのパーセンテージを出すかいなかは別問題としても、独航船の実績ありとこれをみなすかどうか、重ねてお伺いします
  85. 塩見友之助

    ○塩見政府委員 それもここではつきりお答えいたされません。それは別に検討をしながら協議を進めておるはずでございますから、そういう専門家のいる席上で、内地側の関係者意見も十分聞いた上で、こういう国際漁業については全体の結集と協調ということが大事でありますので、それを達成できるような形で決定すべきものと考えております
  86. 川村善八郎

    川村委員長 本問題は後日明らかにしておく必要がありますので、質問することにして、本日はこの程度にとどめ、明後三日午前十時より委員会を開き、昭和二十六年十月の台風による漁業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案その他を議題として審議いたします。  これにて散会いたします。     午後一時五十五分散会