○永田
委員 大洋漁業の
山崎さんの
お話で行き
ますと、
かに並びに
鮭鱒の
実績というものがここにはつきりと相な
つて来たわけであり
ますが、この各社の
実績の比重というものがはたしてどの程度になるものかということについて、われわれは後日研究しなければならないと思い
ますが、まずその比重の研究に入り
ます前に、この
日米加の
漁業の
精神というものは、過去数年間にわたる
日本の
漁業が、すなわち侵略
漁業であるということを銘打
つておるのであり
ます。これはなかなか問題でありまして、われわれ
日本人として
考えてみ
ますならば、決して侵略じやないのです。
日本の地先、沿岸において、魚の数よりも船の数が多いというふうな状態において、漁をしなければ食えない必死の状態において、危険を冒して漁をするのであり
ますから、決して侵略
漁業じやない、最も勇敢なる
漁業であると私
たちは解釈するのであり
ますが、一応
外国に対しては資源の保持ということについて常識に乏しい、濫獲をするということで、
日本の
漁業が今日不幸にして侵略
漁業として唱えられておるのであり
ます。従
つてこの
日米加の
協定にいたしましても、
日本が将来かような道徳的罪を犯さないことを前提として結ばれておると私は
考えるのであり
ます。その証拠といたしまして、かつおまぐろの漁は、
日本の漁の
方法よりも米式きんちやくの方がはる
かに——むしろ底びきに匹敵する。資源保持の面においては、道徳的にもすこぶるわれわれの賛成しない
方法である。しかるにわが国の
大洋漁業が
アメリカにまぐろを持
つて行けば、これをきつかけにまぐろの関税を四五%にも上げなければならないというふうなことに
なつたということは、とりもなおさず
アメリカの水産に関する
日本観というものは、われわれが
考えているより以上に峻辣なものであることがうなずかれるのであり
ます。その証拠には、先月の十八日にウィリアム・ネヴイル氏が
アメリカ国務省から
日本に
漁業官として着任しておる。このネヴイル氏の責任というものは、一にかか
つて将来
北洋におけるところの
日本の
漁業が、はたして
日米加に約束した
通り、資源の保持に努力し、濫獲をしないというこのことを遵守するであろうかどうかということを厳重に監視することであろうと私は
考える。この場合におきまして、
政府がすでにある方面においては十二分に信用されているところの
一つの権力に押されて、三社の談合を強要しておる。ここに
許可をめぐ
つてわれわれ国会と
政府がまつたく
意見が対立して参
つたのであり
ます。
これ以上
参考人に御
意見を聞く必要はない。問題は、真に
日本の水産が将来
ますます世界の
公海に飛躍することができるかどうかということは、一にこのたびの
北洋の問題について、
日本水産業者がこの條約を遵守して、資源の保持とにらみ合せて、まじめな漁をするかどうかということにあると
考えるのであり
ます。さような重大な時期にありまして何ら心配のない、
国際的にも信用のできる
業者をこれに参加させるということならば、われわれは少しも
意見はないのであり
ますが、違反を繰返して、
国際的にも今日札つきとな
つておる
大洋漁業を何ゆえに一枚加えなければならないか、さような問題に貴重な時間を費さなければならない、農林省の態度に対してわれわれは
納得が行かない。過去の
実績においても、製品においても
——今日たくさんの
かに工船の
技術者を持
つており、さらにまた
国際的にも十二分に信用がある、水産
業界の泰斗としてすこぶる紳士的である
日本水産にすみや
かにこれを
許可することが、最も妥当な
意見であると私は
考える。これがすなわち
日米加漁業協定の
精神であり、また
水産委員会が
決議した
事項の
一つである。何ゆえに
長官はさようなことについて右顧左眄、躊躇されるのであるか、私は
長官の御
意見を承りたいのであり
ますが、それに加えて私は
長官に対して、ただ
一つまことに
長官の態度として遺憾に思う点は、
山崎喜之助代表取締役から、一月二十八日から今日まで三社が談合しろという
水産庁の指導においては、何ら今日まで変化はないということをあなたの前で証言されておるのであり
ます。あなたは当初において今は名前を申し上げるわけに行きま
せんが、
水産庁の方の幹部の漏らした言により
ますと、
かに工船の
許可は
日本水産に
許可するように内定した、当初私はこのように聞いており
ます。
実績といい、その順位といい、往年の製品の品質からい
つても、また他にかわるもののない
技術者を持
つておるというふうな点からい
つても、またそれらの問題は一応論外といたしましても、
漁業の実際に対する態度の紳士的であるという点、
国際的に信用の厚い点とかいうことを述べられたのであり
ます。また農林省の一幹部が
——特にこの名前も申し上げることをはばかり
ますが、新
会社案であるとか共願案というものは無理であるということを、農林省の幹部が述べられておる。
長官はかような無理なことをどうしておやりになるのか。きのうも私はこの
委員会で申し上げたのであり
まするが、二月の十八日に
松田委員の
質問に答えられたあなたの
答弁というものは、実に微に入り細にわた
つてわれわれの言う
通りに、われわれの希望の
通りにお答えにな
つておる。すこぶる名
答弁である。また私の
質問に答えても、同じくさようなことを繰返しておられるのであり
ます。しかも漁期がだんだんに切迫する今日において、何ら進捗しておらない。かようなことでは、いたずらに識者の笑いを買う。のみならず輿論の指弾を受けること大なりと私は思う。かようなことでは、
日本の水産の
発展ということは、とうてい現内閣には求めることができない。この問題が、われわれ
水産常任委員会で
決議して
政府に勧告いたしました
通りにできればよろしい。できなければ、
長官はこの機会においてすみや
かに辞職せられんことを、私は
日本水産界のために希望申し上げる次第であり
ます。私の
質問に対して、お答えがあるならば承り
ます。