○
松田委員 私
どもは
水産庁の
北洋に対する問題に対しては、あらゆる面からあまり干渉してはいけない、
水産庁の正しい推移を見守
つて、しかしてわれわれは
水産庁の考えておるあらゆることに協力を惜しむものではないという議論は、前の
委員会においてもはつきり声明しておるのであり
ます。またお互いがそのつもりでおるのであり
ます。しかして
水産庁の今までと
つて来た
態度に対しては、われわれは正しい行き方をしておると解釈しており
ますが、巷間いろいろと、あのようななまぬるいことではどうなるか、またよそから何らか大きな力によ
つて支配されておるのではないか、かような議論も出ておるのであり
ます。ただいまの
小松委員の御発言もそこにあるものとわれわれは考えるのであり
ます。かようなことのないように十分慎重な
態度に立
つていただきたい、かように思
つておるのであり
ますが、われわれの一番心配しておる点は、この問題が論議されてから相当の日数がかか
つておる。ゆえにわれわれ議員においては、
議員連盟の会合を開いて、
水産庁に協力する
意味合いから、正しい線をはつきりと出して、
水産庁に対して圧力をかけるなどという考え方は毛頭ないが、これがほんとうに正しい議論であり、
意見であるという
意味合いから
協議をし、また小
委員会においてもこの案に対する
決定を見たのであり
ます。そして先ほど
石原委員から
報告されたのであり
ます。
水産庁長官はこの
意見を十分尊重するという御答弁をされており
ます。しかして
小松委員からの
質問に対して、
長官の御答弁は、
業者が
一体とな
つて——この
北洋の問題に対して、三社なら三社が
一体とな
つて企業を行うような意思を今でも持
つておられるというような御
意見だ
つた。しからばわれわれが真剣に協力をしようという
態度で小
委員会で議決を見て
決定した、
石原委員の
説明されたことと、
長官が今まで答弁されておること、私はそこに食い違いがあると思うのであり
ます。
委員会において十分尊重するという言葉を聞くとすぐそのあとに、
業者は
一体とするようなお考えをまだ御答弁されておる。私
どもはどのように考えたらいいかはつきりわからないような考え方がここにうかがわれるのであり
ます。われわれは小
委員会においてもいろいろと議論し、
議員連盟においてもいろいろと議論したこと、
日本の
北洋漁業の重大性は、先ほど
小松委員からも
説明され、また
長官もよく御認識されておる、
政府当局も御認識されておる。われわれは三
国漁業協定の骨子をこの問題の唯一の解決点として論議したのであり
ます。また
小松委員から言われた
漁業法の骨子をも
つて、すべての
漁業の将来の
指導に当らなければならない
水産行政の基本がここにあるとわれわれは考えておるのであり
ます。しかるにただいまの御答弁では、まだ
業者を
一体にする、そうしてあたかも新
会社なり、
組合なり、共同の
経営なり、かような線へ持
つて行こうとする意思がほのめかされておる。三社というのはどこであるか、大洋であり日魯であり、日水である。しかして三
国漁業協定の骨子はどこにあ
つたか、
漁業法改訂の骨子がどこにあ
つたか。私は
水産庁長官の、先ほどの企業体を
一体として行かなければならないという議論に対して、やむを得ずここに立たなければならないと存ずるのであり
ます。あえて一々の
会社について論議する必要はないけれ
ども、私は
日本の
漁業を冐潰し、
日本の
漁業法を無視し、しかして三
国漁業協定によ
つて、将来の
北洋漁業出漁を最もおもんぱかる
会社は大洋
漁業であると私は考えておる。かようなものをまだ
長官の頭に置いて何で対象として論議されるかということ、この点であり
ます。私は何も日魯に対して恩恵をこうむ
つたものでもない、大洋に対しては取引をしてむしろ恩恵をこうむ
つたものである。日水にはお茶一ぱいごちそうに
なつたものではない。しかしわれわれが北海道と内地の入会いの問題の当時を思い出すときにおいて、内地の
漁船を一そうも北海道の海区に入れることはいけないという北海道全体の輿論に対しても、われわれは北海道を救う
意味において、どうしてもある程度の数を入れて調整をはかろうとして、北海道のごの輿論に対しても反抗して、この問題を解決せんとしてあらゆる努力を続けて来た。そのまつ最中に大洋
漁業の機船底びき
漁船が利尻水道に
出漁し、しかも二そうまで拿捕されておる。このときは
委員長においても、
冨永委員においてもどのくらい苦しい思いをしたか、われわれが北海道の輿論に反抗したときの苦しみというものは、私の終生忘れ得ぬものである。その後においてもまた北海道のさばの問題においても、あらゆる問題がそうである。私は前の
水産議員連盟の当時においても、全国の公聽会を開いて
適格性があるかないかということを十分論議せよということまで言うたのである。しかるに昨日か一昨日に三社の会合があ
つた。そのとき中部社長から、この三社が
かに工船の問題でとやかく言うておるようなことでは自分の兄がアメリカへ行くのに非常に困るから、これは白紙に返して
水産庁に一任しようじやないかということを提案された、他の二社もそれこそはほんとうであるということで拍手を送
つてそれが成り立
つた、かようなことを私は新聞記者から情報を受けておるのであり
ます。しからば
かに工船の問題については
水産庁に一任された、いな
水産庁のとる手段がはつきりきま
つたのである。私は北海道出身の代議士であるが、私
どもに一番
関係のあるのは日魯
漁業である。日魯
漁業は戦争中一番被害をこうむ
つた漁業会社であり、われわれの最も気の毒に思い協力をしなければならないものである。しかして三
国漁業協定の骨子は、
実績によ
つてすべてが論議され、協定され、藤田前
長官はあらゆる面においてこれを力説して、ま
つたく成功したものであり
ます。日魯に対してはまことに気の毒であり
ますけれ
ども、何年間のま
つたくまじめな努力によ
つてかに工船を行い、今日まだその準備をしておるのが日水であり、また
沿岸から手を引いておるのが日水である。日魯はいつでも引こうとすれば引く善良な
会社である。日水、日魯に対しては対象とすべし、太洋は対象として考うべき
会社でない。この連盟の決議案または先ほど
石原委員から
報告されたこの重大な問題に対して、
白洲や何
かにとやかく言われてふらふらするところがあ
つたら、われわれの信頼する
長官はくそみそにな
つてしまう。どうかはつきりとした
態度において即刻きめてもいいのである。あなたに対して三社は白紙を委任したものである。白紙を委任したならば、
委員会の
態度はもはやおわかりのことと思う、私はかように考えるものでありまして、この案に対しては当
委員会は小
委員会の
報告を決することを私は
委員長に
要望するものであり
ます。